2012年12月22日

書き納め?

2012年 12月21日(金) 晴れ

南の風 波あり 水温21度

 冬至である。

 この日を境に、以後は昼間の時間がだんだん長くなってくる。本格的な寒さはまだこれからではあるけれど、日が長くなるというのは、ある種の希望を抱かせてくれる。

 それはさておき、沖縄の言葉で言うところの「トゥンジービーサー」はどこに行ってしまったのか。
 冬至の日は例年、寒気をもたらす冬将軍のせいで滅法冷えこむことが多いため、こういう言葉が文化として残されているというのに、今日なんて日が昇って以降はずっとTシャツ短パンですぜ。

 しかも暖かな南風。
 春ですか??

 ……な~んて言っていたら、冬至の冷え込みはちょっとずれただけなのだった。
 明日22日以降、大陸の高気圧がググンと押し出してくる予報。強い北風が吹き、気温もグンと下がるだろう。

 ……って、あのぉ、24日に島を出る予定だったんですけど。

 24日の予報天気図を見る限りでは、高気圧の張り出しはおさまり、やや強い北よりの風が吹く程度に見受けられはする。
 でも23日までの本格的冬型の気圧配置は、猛烈な時化をもたらすのは必至。翌日にはそれが緩むからといって、朝イチの連絡船が出る時間帯に劇的に海況が納まっているとはとても思えない。

 なので船長カネモトさんからも、24日の朝イチの運航を確約する言葉は出ないのであった。
 となると…

 なんてことだ、明日22日に島を出なきゃいけないってことじゃないか。

 おお、それでも怪我の功名というか不幸中の幸いというか、22日は夫婦の日。県内各シネコンでは2人で2200円で映画を観ることができる日である。

 フムフム、なにを観に行こうかなぁ♪

 と、22日から公開予定のものも含めてあれこれ調べてみたところ……

 な…………ない。

 わざわざ北部から南下してまで観たいと思う映画が一本もないッ!!

 ああ、こんなことなら先日007を観に行くんじゃなかったなぁ……。

 しょうがない、本部&名護でのんびりおとなしくしていよう。

 えー、そういうわけで皆様、本日の更新をもちまして、今年の更新納めとなります。
 本年も連日の下らぬ駄文にお付き合いくださり、まことにありがとうございました。引き続き来年以降も、どうぞよろしくお願いいたします。

See you next year!!


 ……といいつつ、ネット環境さえあれば、この稿なら更新可能であることに気がついた。
 今年もまだしつこく続くかも……。  


Posted by クロワッサン at 07:18Comments(2)日々の徒然

2012年12月21日

2012年潜り納め

2012年 12月20日(木) 晴れ時々曇り

北東の風 波あり 水温22度

 24日から出かけることになるし、その前はけっこう時化そうだから、ヘタをするとこのまま潜り納めをしないまま今年が終わってしまうかもしれない。

 翌21日もいい天気っぽい予報ではあるけれど、明日があると思い続けていると、物事は何も先に進まない。
 明日があるよでないよな運命(さだめ)、恋も人情も世間のことで。

 というわけでときおり日差しが出て暖かなこの日、午後2時閉店のあとに潜り納めをすることにした。

 目的はひとつ。

 先週末のこと、本島南部の海岸を訪れたとき、潮が引いていたのでタイドプールを覗き込んでみた。

 すると……




 ネズスズメダイのチビターレだ!!

 淡いグレーの体に青いラインがステキな幼魚が、そこらじゅうの潮溜まりにわんさかいた。
 秋になれば伊豆周辺の沿岸にも出没するほどに、図鑑的には普通に観られるスズメダイである。

 が、水納島で目にしたことがない……。

 浅いところにいるということは知ってはいたけれど、これほどまで浅いところが好きな魚たちだったのか。
 そりゃ普通のボートダイビングでも、潮溜まりができる環境じゃないビーチでも観られるわけがない。

 ということで、ネズスズメダイを求め、オホンナ海岸(カモメ岩のビーチ)からエントリー。
 潮が引くと水溜りになりそうな浅い浅い場所を、少々残っているうねりに翻弄されつつ這いずってみた。

 が。

 ………いない。

 そうだよなぁ、そんな簡単に見つかるなら、今までも何かの拍子に観てるよなぁ。

 にしても、ジョン万ビーチにはウジャウジャ居たのに。
 同じ本島域なのに、ちょっと場所と環境が異なるだけでこうも違うのであった。

 しょうがないので他のお魚さんを。

 ビーチと違ってこちら側の海岸付近は、波打ち際からほんのちょっと足を伸ばすだけで、テーブル状や枝状のミドリイシ類がわんさか観られる。
 随分大きく育っているし、場所によってはパッチリーフ状になってもいるから、ユビエダハマサンゴがメインのビーチの中とは景観がまったく異なる。

 こんな小さな島でも、ちょっと場所を変えるとこんなにも中の様子が異なるなんて。

 それひとつ考えるだけで、「埋め立てていい海」なんてこの世にひとつとしてあるはずがないってことがよくわかる。
 県内あちこちの埋め立て計画において、「環境には影響がない」と平気で言ってのける御用学者どもの首を、誰か速やかに絞めてやってください。

 えーと、何の話だったっけ?

 あ、そうそう、ネズスズメダイを見つけられなかったので、波打ち際を離れてちょこっと彷徨ったのだった。

 で見つけたのが




 その昔学生時代のなちゅらる院長が、真面目な顔で「タツナミヤッコの幼虫」と呼んだサザナミヤッコの幼魚。

 オトナはリーフの外で見かけるけれど、タテキンと違って子供はリーフの外にはほとんど居ない。
 そのため、水納島でのフツーのボートダイビングでは、まず観ることができない(大人になりかけ段階はリーフ際に出てくる)。

 いわばこういうところでしか観られない魚なのである。
 幼魚といえば、こういう方も。




 アケボノチョウチョウウオの幼魚。
 チョウチョウウオ類の幼魚のことを、ギョーカイでは「マメチョウ」と呼ぶのだけれど、思い起こしてみると、アケボノのオマメさんを島で目にしたのは初めてかもしれない。

 図鑑には、「幼魚はごく浅所のサンゴの枝間に多い」とある。
 まさに、おっしゃるとおり……。

 うーむ、オホンナ海岸からのエントリー、面白い。
 こんなステキな海を、好き放題に走り回るマリンジェットがシーズン中は独り占め。

 そんなこんなで、当初の目的は果たせなかったものの、普段なかなか観られないお子様たちに出会えたので、それはそれでステキな潜り納めとなったのだった。

 納めといえば!

 この日の夕陽は、今年島での見納めになるかもしれない。




 昔の家からなら歩いて30秒だったのに、今じゃ5分もかかる裏浜。<それでも充分近いって。

 空には雲がほとんどない。
 水平線にも、太陽を遮る雲などない。

 となればもちろん……




 太陽着水♪
 その瞬間、「ジュッ…」という音を放ちそうなほどの、見事な日没だった。

 ステキな見納めとなりました。  


Posted by クロワッサン at 08:43Comments(0)水納島の海

2012年12月20日

ひとつなぎの大秘宝。

2012年 12月19日(水) 曇りのち晴れ夜雨

北の風 荒れ模様

 昨日に引き続き、午前中はキビシイ冷え込み。
 連絡船はかろうじて動いていたものの、こんな日に島に来てしまったら最後、寒いひもじい何もない……という、南の島らしからぬ絶望をあじわうことになっていたろう。
 そんな物好きがいるはずはなかった。

 なので昼食後にのんびり散歩できたのはよかった。
 その散歩にでかける際も寒くて寒くて、頭にはニット帽をかぶっていたほどだ。

 ところが午後になって日差しが出てくると、実に慈愛に満ちた暖かなぬくもりが。

 太陽って素晴らしい……。

 そんな日差しが出るとは知らず、寒いバージョンの格好で、腹ごなしを兼ねた年末の草刈りをしていたら、思わぬ大汗をかいてしまった。
 ま、草刈りダイエットになってよかったかな?

 話は変わる。

 映画が公開されるたびに、とんでもない行列ができるほどに大ヒット作となるONE PIECE。
 随分昔から少年ジャンプで連載されていたし、テレビアニメの歴史も長い。おまけにこれほどの人気を誇る作品となれば、1度や2度は目にしていてもおかしくはない。

 ……はずなんだけど、恥ずかしながらワタクシ、これまで映画はおろかテレビアニメも漫画も、1度として観たり読んだりしたことがなかった。

 そりゃもちろんこれほどの人気を誇っているのだから、絵柄その他は随所で目にしてはいる。島の子供たちにもファンがいるから、ヘンテコリンなキャラの名前がチョッパーだってことも知ってはいる。
 でも、何も観たことがないものだから、どんなに人気があると言われても、僕にとってはAKB48と同じくらい、まったく意味不明のヒット商品だった。

 という話をシーズン中、とあるゲストがご滞在中にしていたところ、ONE PIECEのような少年漫画とは無縁と思えたスタイリッシュなTご夫妻が、口を揃えて面白いですよと教えてくださった。

 ……という話が遠い過去のモノになりつつあり、そういうことなら一度観てみようかなぁ、なんて自分たちが思ったことすら3万光年彼方の話になりかけていた今月、何かのはずみで同じような会話をうちの奥さんとしていた。

 ONE PIECEって、実際のところどうなんだろうねぇ。

 歴史は繰り返すとよく言われるけれど、夫婦の会話も無意味によく繰り返されるのだ。

 そんなとき!!
 測ったかのようなタイミングで、件のTご夫妻から、なんとONE PIECEの映画が届いたのである。

 劇場版第9作「ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜」。

 漫画すら1話も読んだことがない人間が、いきなり劇場版9作目から観ていいのだろうか。
 しかしこれも何かの縁である。ここはひとつ、人生初体験をしてみよう。

 というわけで今晩観てみた。
 これがあなた………

 

 

 

 ………面白い。

 不覚にも感涙してしまったではないか。
 ONE PIECEよ、今までバカにしていて悪かった。
 素直にシャッポを脱ごう。

 いや、実は序盤は、「笑わなきゃ損!」みたいなノリでスタジオに集まっている、田舎から出てきた若い女性たちの笑い声がなければ成り立たないような若手芸人たちの超つまらないコントのようなノリについていけなかった。

 ところがあのヘンテコリンなキャラ、そう、チョッパーがストーリーに出てきたあたりから、いい年をこいた夫婦2人が思いもよらぬ感動ドラマに引き込まれてしまったではないか。

 ひとことで例えるなら、クレヨンしんちゃんの映画「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲!!」や「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」に匹敵する、子供と一緒に観ながらもオトナの鑑賞に堪える、よくできたドラマといえる。<それが例えになるのか??
 そりゃヒットするのももっともだ。

 いやあ、あのチョッパーを演っている声優さんは上手いなぁ……。

 声優といえば!!
 重要キャラでもある魔女のようなおばあちゃん医者の声は、誰あろうドラゴンボールの孫悟空の声を演っていた野沢雅子であることをご存知か。

 そのほか、




 これら数々の少年・ネズミ・妖怪・怪物を演じてきた野沢雅子が、今やおばあちゃんの声ですか……。<ほとんど声質変わってなかったけど。

 そのような、本編とは関係ないところでも感慨を抱きつつ、映画タイトルのせいでかなり予想が容易な感動のラストシーンを迎えた後、そこで流れる主題歌が……

 ドリカムなのだった。

 ドリカムといえば、Tご夫妻が欠かさずコンサートに出かけるほどに大ファンのアーティスト。
 ONE PIECEとT夫妻って、なんかイメージにそぐわないなぁと思っていたら、実はこんなところにそのヒミツがあったとは!!

 ………って、そういうところまでゆんたく時にお聞きしてましたっけ???(汗)

 なにはともあれ、ヘタをすれば一生目にすることはなかったであろうONE PIECE、他の作品がどうかは知らないけど、少なくともこの映画でこうして我々が感涙に咽ぶことができたのも、わざわざご丁寧にDVDを送ってきてくださったからこそ。

 今さらながら、篤くお礼申し上げます。  


Posted by クロワッサン at 08:47Comments(0)映画

2012年12月19日

年末年始

2012年 12月18日(火) 晴れのち曇り

北の風 荒れ模様

 激寒。

 たしか一日前の日中は、Tシャツ短パンで過ごしていたはずなんだけど……。

 しかも氷雨がときおりパラパラと。
 やがて雪に変わるんじゃないかってくらいに寒かった。

 こんな日に屋外の作業なんてとてもじゃないけどできない。昨日のうちに終了しておいて良かったぁ……。

 あ、このことね。




 塗装終了♪

 間近で見なけりゃプロのなせるワザにすら見える仕上がり。マスキングテープを取るときがまた快感なんですよ、これが。

 こういう細々とした「やらねばならないこと」が、オフの間にはいろいろある。
 ま、そのうちに………と言っている間に、いつの間にかシーズンが目前に迫っている、なんてことを何度も経験してきたせいか、今年はすでにオフの間にやろうと決めていたことの大半が終了している。

 夏休みの最後の週にならなければ宿題に手が付けられなかった少年の日々よ、さらば。

 で、このままのどかに年末年始を………となるのかというとさにあらず。
 先日から雑貨屋さんのトップページでお伝えしているとおり、年末年始はちょこっとお出掛けをする予定なのだ。

 そのため、例年だったらクリスマスシーズンにはクリスマス用に、正月には正月用にトップページを変えていたものが、クリスマスが過ぎても正月になっても更新作業ができなくなるために、ノーマルバージョンのままにしておかざるをえない。

 これはけっして面倒だからというわけでも喪中だからというわけでもないので、そのあたりどうぞご了承くださいませ。

 ところで、出発は24日ながら、困ったことに22日、23日の予想天気図がかなりアヤシイ。
 今のところ、24日には気圧配置がゆるむような予報ではあるけれど、我々にとって肝心の朝一の連絡船の運航にはたして支障がないかどうか、激荒れが予想される22日になる前にハッキリするかどうか。

 ビミョーな状態だと、ヘタをすると21日の時点で島を出なければならなくなる。
 うーむ……それはそれで困るなぁ。

 そんなわけで、年末年始はこの稿の更新が絶えること必至だけど、けっしてそのあたりでのたれ死んでしまっているわけではないからご心配なきようお願いいたします。  


Posted by クロワッサン at 08:01Comments(0)日々の徒然

2012年12月18日

読谷山そば

2012年 12月17日(月) 晴れ時々曇り

北の風 波あり

 僕の行くところ半径100メートル以内には一人としてファンなんていないのに、どういうわけか国民的アイドルになってしまっているAKB48。

 今回の自民党圧勝というのも、なんだかそれと同じような気がしてしょうがない。

 だいたい、支持率20パーセント台の政党が、なんであれほど圧勝するんだろう?
 一票の格差なんていう細かい話はともかくとしても、選挙の仕組みが何か間違っているに違いない。

 かくいう我々も、ちゃんと前日に期日前投票をしていたから、権利は放棄していない。
 ま、忘年会のために期日前投票ができるなんて、20年前じゃ考えられなかったことだろうなぁ。

 ちなみに水納島には投票箱が来ないので、当日は瀬底島の公民館へ行かねばならない。
 ところが期日前投票なら役場でOKだから、期日前のほうが投票所がかなり近くなる。それひとつとっても、わざわざ当日に行くヒトはいない。
 というか、なんでわざわざ水納島のヒトが瀬底にいかにゃあならんのだ?
 わざわざ瀬底に行って、それで現場スタッフが寝坊のため投票できませんなんて言われたら、迷わず火炎放射器で公民館を焼き払うことだろう。

 さてその忘年会から一夜明け……というか飲んでいる間に未明になってしまったけど……、11時台の便で内地に帰るタコ主任を空港まで送ったあとは、特に那覇に用事がなかったから北上を開始した。

 とはいえこの季節の渡久地港発は、11時の次は17時しかないから、慌てて戻る必要もない。

 というわけで、北上しながらタイミングのいいところでそばでも食べることにした。
 こういう場合、車内にそば屋情報本を載せていると便利だ。

 この日は、読谷の「読谷山そば」という店へ。
 読谷と書いて「よみたん」と読む。しかし読谷山と書くと「ゆんたんざ」と読む。
 民謡にも歌われることが多いから、その読み方は兼ねてから知ってはいた。
 が、その読谷山がどこにあるのかはまったく知らない…。

 で、その読谷山そば。
 かつては国道58号から県道16号に入ってすぐのところに店舗を構えていたらしい(まだ名残があった)。そこから最近移転オープンしたそうで、58号から見るともう少し奥、米軍施設返還後に急速に開けた街の中にあった。

 まだ11時台だったので、我々のほかには他に一組しか客はいない。そば屋に入るなら、11時台に入るに限るのだ。

 そこで僕が頼んだメニューは……




 カレーライス♪

 そば屋に来てそばを頼まないでどうする!

 …と言われそうだけど、なにをおっしゃるウサギさん、そもそも沖縄のそば屋というものは、地域の食堂を兼ねているのだ。だから「そば専門店」のようにお高くとまっている店と違って、ゴーヤーチャンプルーや豆腐チャンプルーもあれば、スパゲッティやカレーライスだってちゃんとメニューにある。

 そうやってカレーライスを用意しながらも、スープ代わりにそばが付いているところに、そば屋の矜持が見受けられるわけだ。

 ……って、カレーにそばって合わないんですけど。

 ところでこのカレーライス、ちょっと白っぽいことに気がつきましたか?

 そうなのだ。
 これが昔ながらの、沖縄の食堂のカレーなのである。

 その昔、今に輪をかけて何も知らなかった学生の頃、たまたま入った食堂でカレーライスを頼んだら、牛乳を入れたかのように白いルーだったのでビックリしたものだった。

 これは、カレー粉と小麦粉その他をうまいことブレンドして作る、昔ながらの製法なのだ。逆に言うと、既製品のルーに頼らないすべて手作りのカレーと言える。

 近頃富に増えているコジャレたカフェなんぞでは、けっして味わうことができない昔ながらのカレーライスなのであった。

 が……。

 この時点の僕は、まだ二日酔いにも至っていない状態。
 食欲の欠片もないまま頼んでしまったカレーライス、目の前に出てきても、とても食べきれるとは思えなかった。

 ところが!!

 一口、そしてまた一口……とゆっくり食べ進むうちに、自分でもハッキリと自覚できるくらいに、見る見るうちに体が甦っていくではないか。

 これってやっぱり………カレーパワー??

 前夜沖縄製粉のホープY嬢が、宴席で皆にプレゼントしてくれた「ウコンにトコトンしじみ800個分」(名前長すぎ)、これはシークヮーサー風味で、「どんなに効くといわれてもウコンは苦いから苦手だ」というヒトでもウコンと気づかずに美味しく飲めてしまう肝臓強化アイテム。それを呑んだおかげでなんとかかろうじて踏みとどまっていた我が体に、カレーという強力な援軍が到来した結果に相違ない。

 一方、キチンとセーブして飲んでいたうちの奥さんは、この日も相変わらず絶好調で、軟骨ソーキのそばを頼んだところ、

 美味しい……

 と、ひとしきり感動を味わっていた。
 それほど美味しいお店を地元の方が放っておくはずはなく、12時を過ぎるといつの間にか店内は満席状態に。
 もちろんお客さんはすべて県民だ。そしておそらく地元率はかなり高いと思われる。
 そばを食べているヒトも、チャンプルーを食べているヒトも、煮物を食べているヒトも、みんな幸せに包まれていたのだった。

 しかしこのお店で最も特筆すべきことといえば!!

 スタッフのおねーさんやおねーちゃんがみな、綺麗可愛い愛想良い!!

 綺麗なスタッフも、可愛い店員も、愛想がいい売り子も、それぞれだったら那覇の街中に行けばどこでも出会える。
 でもこういう素朴な田舎のお店で、しかも三拍子揃っているとなると、ビーチでハナイカを見つけるほどの感動になる。

 家族なのか一族なのか、はたまたそれぞれ無縁のパートさんなのかは知らないけど、3人ほど立ち働いている彼女たちが素晴らしく、まだにきびの名残りがある若い子ですら、労働者風の二人連れに愛想良く応対するかと思えば、家族連れの小さな子にも優しく相手をしているではないか。

 そうなのだ。
 何を売るか、ということに血道をあげている経営者ばかりの世の中だけど、肝心なのは「どう売るか」なのである。

 ともかく、初めて読谷に来た方(特に独身男性)がこの店に入ったら、間違いなく

 「読谷って素晴らしい………」

 という思いを抱いて帰ることだろう。

 ああ、こういうお店にタコ主任を連れてきてあげればよかったなぁ……。  


Posted by クロワッサン at 08:47Comments(0)街の美味いもの沖縄そば

2012年12月17日

大きなシアワセと小さなシアワセ

2012年 12月16日(日) 晴れ夜雨

南の風 おだやか

 土曜日に、琉球大学ダイビングクラブOB会の忘年会があった。
 もちろん宴席は那覇である。
 にもかかわらず、北部の、それも離島に住んでいる僕が、どういうわけか毎年幹事をすることになっている。

 毎年の恒例にしようと思い立った第1回の際に幹事をしてしまったのが運の尽き。以後、永代幹事を拝命してしまった。

 そんなわけで開催の案内をする係でもあるので、陸の孤島で一人無聊を慰めている鳥羽のタコ主任にも声をかけたところ、何を血迷ったのかたった一夜の宴席のためにわざわざ三重からやってくることになった。

 12時前に空港でピックアップしたあと、沖縄そばを食べたいというので案内することにした。

 彼の場合、オボロゲに食べたいとは思っていても、けっして具体案はないので、主導権は我々にある。
 で、行ってみたのが南部のお店、屋宜家。




 実際の屋宜さんの住居だった伝等建築の赤瓦家を店舗にしているお店で、その建物は現在国の登録有形文化財になっている。




 こういうお店を観光ガイドブックがはずすはずはなく……というか、客のすべてが観光客だった。
 地元のヒトじゃ考えられないけれど、ナニゴトも並んで待つのが得意な日本人。12時過ぎということもあって、店先には順番を待つ人々の姿が。

 沖縄そばを並んでまで食べるなんて、人生初のことだ……。

 それもこれも、鳥羽からわざわざやってきたタコ主任のためである。我々も観光客の気持ちになって、甘んじて順番待ちを受け入れよう。

 タコ主任といえば悪天候が付き物のヒトなのだが、どういうわけかこの日お天気は良かった。おかしい、このままで済むはずはない……。

 青空に映える赤瓦をながめつつ、庭木を鑑賞したりしているうちに、ほどなく順番がまわってきた。

 昔ながらの沖縄の家の中にテーブルが並べられている。
 まるで民家にお邪魔したような雰囲気。




 しかし我々が案内された席は……




 ……本来は仏壇である場所の前なのだった。
 仏壇の前にたたずむタコ坊主。ププッ。

 そうこうするうちに、お待ちかねのそばが運ばれてきた。




 ここのウリのひとつである、アーサーそばセット。

 そのセットには、ジーマミー豆腐やモズクといった副菜のほか、お碗に盛られたジューシーもついている。久しぶりに沖縄に来たタコ主任にとっては、特にジューシーは味わっておきたいメニューのひとつでもあった。

 ところが!

 「すみません、今日はもうジューシーが売り切れてしまって、おにぎりか白米になってしまうんですけど……」

 やはりタコ主任、持っている……。

 さて、肝心のそばは。
 そば自体にもアーサーが練りこまれているというこのアーサーそば、普段の我々はなかなか食する機会がないから迷わずこれを選んでいたのだけれど、沖縄そば自体が久しぶりのタコ主任、何も我々に合わせてアーサーそばという変化球を選ばなくてもいいのに……。

 アーサーはたっぷりで、その香りも味もたっぷり味わえたのはいいものの、肝心の出汁はこれといって…という感じで、アーサー入りというそばもこれといって特徴はなく、特に安いわけでもない。
 やはり観光客向けというところか。
 たしかに、「そばじょーぐー」という沖縄そば屋情報本では、「フォトジェニックなお店」というところで紹介されていた。たしかに、家も庭も見ごたえ充分ではあるけれど……
 ……味は関係なかったのね。

 って、並んでまで食べたタコ主任っていったい……。

 その後、ちょこっと南部の海岸に寄ってみた。




 ここは「ジョン万次郎上陸の地」として知られる大度海岸で、我々は「米須(こめす)」と呼んでいた。僕らが学生の頃からすでにダイビングポイントだったのだ。特に冬場、強い北風で西海岸の主要スポットに潜れない時などに重宝したものである。

 そう、このあたりを巡る多くの観光客は「戦跡めぐり」だけれど、我々の場合は「潜跡めぐり」になるのである。

 当時この海岸には、人工物といえば護岸と朽ちかけて藪に包まれた不気味なトイレしかなかった。携帯電話も何もなかった当時、もしここで何かが起こった場合はどのような連絡手段を用いるか、ということも、真面目にダイビングに取り組む我々学生には大きな課題のひとつだった。
 世の中便利になりましたなぁ……。

 便利と言えば、未舗装のだだっ広い海岸だった駐車スペースなんて、今ではこんなに立派になっているのだ。




 写真だけだとイマイチ伝えきれないけれど、かつての姿しか知らないヒトがここに来たら、まるでミスクロワッサンが巡視船に生まれ変わったほどの変貌ぶりに驚くこと必至。

 もっとも、昔と今とどっちが良かったかというと、意見が大きく分かれるところだろうけれど………。

 さて、夜に備え、定宿船員会館にチェックインしてしばしの休息をとったあと、いざ忘年会へレッツゴー!!




 場所は久茂地にある「縁(えん)」。
 世の中便利になって、自身が来たこともないお店を、離島に居ながらにして情報チェック、そして予約までできてしまう。

 3時間飲み放題、もちろん生は発泡酒なんかじゃなく、そして20名以上なら貸切OK!!

 ということで、お店を借り切っての忘年会。
 参加者には、イオングループから冬のギフト割引券セット、沖縄製粉から「ウコンにトコトンしじみ800個分」、そしてうみまーるの2人からはステキなカレンダーが、一足早いクリスマスプレゼントとして参加者に配られた。

 しかも!!
 今宵の宴席には、めでたいサプライズが。
 なんと、参加者の結婚報告が2件もあったのだ!!<もちろん、タコ主任は関係ありません。

 そのうちの1組は、なんとかつてクロワッサンでドレイをしてくれていたこともある元ドレヤン・ナカオと同級生K嬢。ローテンション男として知られる彼なのに、いつになく忘年会参戦表明メールのテンションが高いと思っていたら……そういうことだったのね。

 何度か島にも遊びに来てくれたことがある彼らが、ついに来年6月に華燭の典を!!

 今宵の店名が「縁」だなんて、できすぎているなぁ……。
 宴席が一足早い祝いの宴となったのは言うまでもない。




 そんなめでたい席である。もちろんこの方も一肌脱いだ!!




↑御歳51。


 そんなこんなで、老(?)若男女が揃った1次会は、参加予定者に一人の欠席者もなく、めでたい話が続くうちにあっという間に3時間が経過してお開きとなった。

 幹事の務めは終わった。
 では院長、あとはよろしく!!

 で、2次会。
 さきほどめでたい話を披露した元ドレヤン・ナカオ、なんと今宵、日付が変わると彼の誕生日だということが発覚。
 すかさず店のヒトと画策した院長のおかげで、いきなり電灯が消えたかと思ったら、バースデーソングとともにロウソクが灯った島豆腐が。

 おまけに2人のためにブーケまで用意された。




 ナカオ、ホントにテンション高いッ(爆)。

 いやあ、シアワセっていいもんですなぁ。
 そう、シアワセなんて、その気になればどこにでも転がっているものなのだ。

 が。
 ここに一人、どうしてもそれが転がってこないヒトがいた。
 そんな彼を、ナデナデでして慰める海洋写真家。




 強行軍で来沖しているタコ主任、いつもならこのあたりでエネルギーが尽きかけ、舟を漕ぐタコになっている頃である。
 また、酔えば酔うほどに静寂に包まれていく海洋写真家も、すでにそのあたりで寝ていてもおかしくはない。
 ところが今宵は、2人とも一味違った。

 負けず嫌いの海洋写真家は、ただ単にタコ主任よりも先には沈しないという決意の表れだったろうけれど、タコ主任には今宵大きなテーマがあったのだ。

 東大へ行きたい。

 いや、今さら勉強しなおして東京大学に行くというわけではない。栄町にこの店ありと謳われた「おでん東大」である。

 今や空前の栄町ブームで、多くの観光客もその界隈に訪れているため、東大もいつも満員御礼という。
 しかし今のように超有名になる前から、一部のOBの皆さんの間では、我が家のごとく落ち着けるお店として存在していたのである。

 そんなお店に、タコ主任はこれまで一度も入ったことがない。

 過去に彼が何度か訪れている忘年会でも、東大に行くチャンスはいくらでもあった。
 が、一度は3次会に達する前に沈、一度は栄町の火事騒ぎの当日で、本人は元気だったのに行けず、という、やはり持っているとしかいいようのない彼だったのだ。

 そんなタコ主任に、是非東大を案内してあげたい!

 ……と、なちゅらる院長は考えた。
 酔っ払っているようで実は冷静な院長、タコ主任が意外に元気を維持しているのをチェックしてくれていて、3次会はもちろんここ、




 東大!!

 ついにタコ主任、念願かなう……の巻。
 先輩思いの後輩がいてくれてよかったねぇ。

 年末の沖縄で小さな小さなシアワセを見つけ、タコ主任は帰っていったのだった。  


Posted by クロワッサン at 08:28Comments(0)日々の徒然

2012年12月15日

消しゴムはんこ。

2012年 12月14日(金) 晴れ

南の風 かなり波あり

 朝の運動のためのウォーキング。
 そのコースには小さな島ながらもいろいろあって、今日はまず桟橋に出てから灯台方面に向かって砂浜を歩いてみた。

 ちょこっとばかし、サンゴ礫が必要だったからだ。

 それにしても、満潮時なのも手伝って、桟橋にはけっこうな波が押し寄せていた。
 水納島の桟橋には北側に防波堤があるから、冬の季節風である強い北風の場合は、連絡船が停泊している周辺はそれほど波立たない。

 ところが今日のように、まるで春の嵐のような南風が強く吹くと、満潮時の桟橋は反対側まで波をかぶることになる。

 県内有人離島の桟橋をすべてポンツーン化(浮き桟橋に)する計画が進行中……というか、ほぼ水納島を残すのみになっている現在、お役人さん方もいろいろと計画をしているらしい。
 その説明会が今年の初め頃に(なぜか本島で)あったんだけど、お役人さんも設計業者さんも、誰も彼もが北から吹く風にしか意識が行っていなかった。彼らが案として持っていた桟橋計画では、今日のような強い南風が吹いたらとんでもないことになってしまうのは目に見えている。

 現場を見ることなく、机上の図面だけで計画するからそういうことになってしまうのだ。
 作ってしまってから、真下に活断層がありました……なんて原発の話も、ものすごく納得できるのであった。

 それはさておき。
 なんでサンゴ礫が必要だったかというと、ちょこっとした商品飾り棚のため。

 拾い集めたサンゴ礫を使い、完成した飾り棚がこれ。




 あ……しまった、商品を並べた後に撮ったから、僕にしては芸が細かいサンゴ礫アート(?)をご覧いただけなくなってしまったじゃないか。

 ところで、この新商品とは何かというと………




 消しゴムはんこぉ~~!!(旧ドラえもん風に)

 ゲストのHさんがこのたびFactory TENブランドを立ち上げられ、水納島の海で出会える生き物たちが、ひとつひとつ丁寧に彫られた手作りの消しゴムはんこになって新登場♪




 Factory TENさんが、なかば引きこもり状態になりつつ制作した消しゴムはんこ作品たちは、上のような水納島をアピールしているハンコのほか、ダイバーにはおなじみの様々なお魚さんやウミウシさんが目白押し。

 ヒレナガネジリンボウ…




 シラナミイロウミウシ…




 …といったカワイイ系はもちろんのこと、なんと




 ヤッコエイまでラインナップ。

 ボネリムシが並ぶ日も近いかもしれない……?

 旅の思い出に、ログブックに、是非ご利用ください。
 絵が描けずに味気ないログに終始していた方々も、このハンコがあれば、ポンッと一押しでにぎやかなログブックになることでしょう。

Factory TEN
消しゴムはんこ
1個500円で絶賛発売中!!
(通販はしておりませんので、店舗でお求めくださいませ。)


  明日のこの稿の更新はありません。  


Posted by クロワッサン at 07:36Comments(2)宣伝

2012年12月14日

ガイキングの光。

2012年 12月13日(木) 晴れ

北東の風 波あり

 1億俄か天文ファン化のおかげで、近頃は特別に情報を得ようとしなくても、流星群のピークを知ることができる。

 今夜から明日未明にかけては、ふたご座流星群のピークということだった。幸いお天気が良かったので、9時半頃に空を見上げてみた。

 シーズン中のこの時間帯なら、天の川が夜空に流れているけれど、さすがに季節が異なると、ほぼ真上に昴が輝いていた。

 冬ですねぇ……。

 ……といいつつ、クサキリ系の虫が鳴いていたりする。
 今日は晴れたので暖かかったとはいえ、12月も中旬になってまだ虫が鳴くか…。

 肝心の流れ星は、2~30分見上げている間に、けっこうクッキリハッキリしたものを10個近く見ることができた。

 夜が更けていくとさらにピークになるというから、このままデッキの上でサマーベッドに寝そべっていれば、雨アラレのごとく降り注ぐ流れ星を観ることができたんだろう。
 でもまぁいいや、また次の流星群までごきげんよう。

 さて。

 どこにいても海辺になる小さな島では、どんなに大切に使用していても、あっという間に使用不能になってしまうものがたくさんある。

 そのひとつが軽トラックだ。

 動かなくなるほどひどくなるわけではないものの、2年ごとに訪れる車検をクリアできるほどの状態を維持するのは、4、5年が限度。

 頑張れば6年くらいはもつかもしれないけれど、なにぶんお客さん相手の仕事をしている以上、シーズン中に動かなくなる……なんて事態は避けなければならない。そのためクロワッサンでは、4年を目処に買い換えている。

 なにかと物入り状態にもかかわらず、今年はその4年終了の年にあたる。しょうがないので新しい軽トラを買い求め、すでに先月のうちに島に上陸している。

 新しい軽トラといってももちろん中古車で、離島での使用に耐えるよう、一応足回りを中心に防錆処理を施してもらってある。

 しかし、足回りもさることながら、軽トラックの要はなんといっても荷台。ここが錆びて穴だらけになってしまうと、ただのツーシーターの車になってしまう。

 というわけで、長持ちするよう、荷台にFRPを貼る。
 そうしておくと、たとえ万一車体が錆びて穴が開こうとも、荷台は荷台として問題なく使える。

 隙間から水が入ってかえって錆びやすくなるなど、いろいろ異論もあろうけれど、こうして過去4台ほどの軽トラを4年ずつ、それも荷台に関してはほとんど無傷で使用してきたのだ。

 その作業を先日終えて、あとはクロワッサン仕様の塗装を施すのみ。

 ……というところまできたタイミングで、ちょこっと写真の整理をしていたところ、こういう写真を見つけてしまった。




 先代の軽トラがまだ真新しかった頃だ。
 今ではすっかりサビが目立ってしまっているけれど、当時はピカピカだったんだなぁ……。

 ……なんてことを懐かしがっている場合ではなかった。
 車の前に家を懐かしがれって。

 これは一昨年の4月に撮った写真。
 まさかその翌年に家の屋根が吹っ飛ぶなど、夢にも思っていなかった(覚悟はしていたけど)。

 まさに人生、一寸先は闇。

 でもまぁ、たとえ一寸先は闇でも、何万光年も彼方には、いつだってキラキラとお星様が輝いているのであった。  


Posted by クロワッサン at 08:11Comments(0)日々の徒然

2012年12月13日

知られざる名店。

2012年 12月12日(水) 曇り

北東の風 波あり

 美浜まで映画を観に行ったものの、那覇で夜を過ごせるほどの経済事情ではないので(今週末が那覇泊予定のため)、映画を観た後はスゴスゴと本部まで帰ってきた。

 で、一夜明け、いろいろとhave to事項を処理しているうちにお昼時に。
 この日のお昼はあらかじめ決めていた。

 「ととらべべ」へ行こう!

 ゴリラチョップという名で有名なダイビングポイントからほど近い、崎本部の集落内にあるお店だ。
 かつてなちゅらる院長が自身のブログにて紹介してくれて以来、本部町民として是非一度訪れなければ、と思い続けて幾星霜、ようやく定休日じゃない日に訊ねることができた。

 ここで食べるべきものといえば、




 もちろんハンバーガー♪

 聞きしに勝るボリューム。
 パン好きにはたまらない、このお店手作りの焼き立てパン使用もさることながら、これまた手作りのベーコンがパティに含まれているというから、まさにここでしか食べることができないハンバーガーなのである。

 それにしてもこのサイズ、上品に食べること不可能に見えるけど、デートでお越しになりたいあなたも心配ご無用。ちゃんとナイフ&フォークが用意されている。

 もちろん、そんなデリカシーなどカケラも必要ない我々は、これまた用意されているモスバーガーのような袋に入れてからガブリと食らいつく。

 これがあなた………

 激ウマ。

 これひとつでマグロカツ丼より高い、ということが世の中の正義にとってどうなのかということはさておくとして、これを食べてしまったら、もはや二度とマックのチープバーガーなんぞ口にはできない。
 例えて言うなら、プレミアムモルツと、綺羅星の如くスーパーに並ぶ馬のションベン発泡酒ほどの違いといっていい。

 そして。
 いろいろと用意されているドリンクから、うちの奥さんが選んだフツーのコーヒーがこれまた美味いのなんの。

 これを家で毎日飲めたらシアワセだろうなぁ……。

 僕は迷わずジンジャーエールを選んだ。
 というのも、しょうがを使った各種ドリンクのすべてが、これまたこのお店の手作りなのだ。
 いろいろ試してみたかったところ、まずは基本のジンジャーエールを。

 これがまた…………美味いッ!!

 いやあ、ジンジャーエールでこれほど感動したのは初めてかもしれない。

 オシャレな店内、そしてここでしか食べられない、飲めない美味しいもの。




 こういうお店が島にあったら、冬でも間違いなく客足は途絶えないだろうになぁ………。

 しかしこの稿のタイトルである「知られざる名店」とは、このお店のことではない。
 なにしろ那覇在の院長がわざわざ食べに来るくらいである。すでに誰もが知っているのだ。

 知られざるオドロキは、店の窓外の景色の中にあった。
 ハンバーガーにかぶりついている時からチラチラ気にはなっていた。無駄に立派な新道から逸れた狭い旧道にもかかわらず、ときおりダンプや軽トラが停車しては、工事関係者っぽい姿のヒトがウロウロしていたのだ。

 食べ終わってからじっくり窓外を眺めていると、向かいにある建物のドアから、工事関係者っぽいヒトがなにやらビニール袋をぶら下げて出てくるではないか。




 そうなのだ。
 ここはお弁当屋さんだったのである!

 ……って、店の外のどこにも看板はなく、消えかかった電話番号以外なんの情報も出てないんですけど。<田舎にはよくあるパターン。

 それでもやはり、タクシーの運ちゃんが通う沖縄そば屋が美味しいのと同様、工事関係者がひっきりなしに訪れるほどだから、ほっともっとが裸足で逃げ出す天下の弁当屋さんに違いない。

 ……ま、観光客には無縁だろうけど。

 まるで讃岐の製麺屋のような知るヒトぞ知る的名店が、田舎にはフツーに息づいているのであった。

 ※ 海のなんじゃこりゃ?」、2年8ヶ月ぶりに更新しました(笑)。  


Posted by クロワッサン at 07:46Comments(0)街の美味いもの

2012年12月12日

都屋。

2012年 12月11日(月) 曇り時々雨

北の風 波あり

 毎年のことながら、冬至近辺になってくると朝が暗いこと暗いこと。

 日本の西の端にいると、午後5時よりも朝7時のほうが暗いのだ。
 本土よりも日が長いのはいいにしても、朝が暗いってのはなかなか不便だったりする。

 そういう地域ごとの違いでいえば、場所によっては、冬になると寒さのあまり、70歳の体で働くのは非常にツライ、という地方もきっとあるに違いない。

 ところが、「平均寿命」という数字だけを見つめ、その年齢が上がっているのだから、リタイアする年齢も上げる、すなわち年金の受給開始年齢も上げましょう、と言っているバカな政治家もいる。

 だいたい平均寿命にしたって、その年齢の高さの維持に、寝たきり状態とかそうでなくともとても就労できません状態の方々がどれほど貢献しているだろうか。
 ちょっと前までは、とっくの昔に亡くなっている方までが貢献していたものなぁ。

 ま、いずれにしても我々の世代の年金なんてものは、幸運にも長生きした一部の方々だけがもらえるものになっているのは間違いない。

 さて、昨日更新できなかったのは、本島に行っていたからだ。
 目的その1は、「007 スカイフォール」。

 今週末に忘年会が那覇であるので、本来ならそれに合わせてその日中に観ていたはずなのだが、その日は久しぶりに鳥羽からタコが来るため、映画を観ている時間はない。

 というわけで観てきた007、それなりに面白かったけど、なんといっても、まさか「マネーペニー(マニーペニー)ビギンズ」とは思ってもみなかったので驚いた。

 そして目的その2は、地球雑貨。

 かつては美浜のアメリカンビレッジに、デンッとでっかい店舗を構えていたお店だ。

 もっぱらアジアンとかアフリカン、その他各地の民俗文化系エキゾチックな商品を扱っていて、いったい誰がこういうものを買うんだろう…と不思議になる家具やらインテリア用品が目白押し。
 そういった商品のほかにも、そのあたりのお店にありそうでなかなかない気の効いたものを置いているので、我が小さな雑貨屋さんのディスプレイアイテム購入先として時に重宝するわけだ。

 もっとも、我々がそこで求めるアイテムなんて、今の世ならポチッとクリックするだけでアマゾンやらなにやらで買えそうなものではある。
 が、その商品の一般名称がさっぱりわからないので、ネットで探そうにもどうしようもないのだった。
 なので現地に行くしかない。

 ところが、そのお店が他所へ移転してしまった。
 いつもならセブンプレックスで映画を観た後にでもフラッと立ち寄れたのに、移転してからは場所すらわからない。

 以前の店舗が入っていた建物は残っていて、移転先も明記されてはいる。
 が、移転先である読谷村の都屋なんて、よほどのことがないかぎりついでに立ち寄る機会がない場所である。

 ついでではなく、それを目的にしなければ行く機会がない。

 というわけで、今回映画を観る前に行って来た次第。
 都屋にあるということと、読谷ナントカ病院の近く、という手がかりだけで。

 まぁたいして大きな集落じゃなし、行けばわかるだろうと高をくくっていたわけだ。
 が、車を走らせているうちに泥沼に嵌りそうな気配が漂ってきたので、その前に昼食にすることにした。

 都屋といえば都屋漁港。
 都屋漁港といえば、もちろん「海人食堂」。

 この店は昨年、「運命の人」の番宣のためぴったんこカンカンに出演していたモックンが、安住アナとともに食事をした店でもある。

 で、ここはカウンターでオーダー用紙に注文を書く仕組みになっているんだけど、モックン直筆のオーダー用紙(氏名欄には、ひらがなで「もときまさひろ」と書いてあった)が、書き方の見本として展示されてあったのが笑えた。

 そんな海人食堂で僕がオーダーしたのは……




 マグロカツ丼♪

 ソースをかけていただくマグロのカツが、豚のカツに比べて旨いかどうかというのは意見の分かれるところだろうけど、普段の生活では揚げ物に縁遠いから、ものめずらしさも手伝ってついつい手が出てしまう。

 そしてうちの奥さんがオーダーしたのは……




 もずく丼(うま辛味)♪

 うま辛味を選択したこともあって、マーボー丼のもずく版のようなお味だった。

 どちらもアーサー汁がついていて、もずく丼には酢味噌和えの小鉢もあった。
 この酢味噌和えが意外にも内地風だったので、普段ニンニクたっぷりの赤味噌に慣れた身には、なんだかとっても新鮮な味覚。

 ちなみに両品のお値段、600円と500円。

 安すぎる………。

 最大の弱点は、飲食スペースが外にしかないってところ。




 目の前が漁港なのは風情があっていいにしても、極寒の日にきたら、食べながら凍死するかも……?

 ところでこのお店では、目論見がひとつあった。
 自力ではたどり着けそうにない地球雑貨、地球雑貨は知らずとも、その目印になる読谷ナントカ病院なら、地元の人は知っているに違いない。

 そこで、食器返却の際に、店のニイニイに訪ねてみた。

 読谷ナントカ病院ってどこにありましたっけ??

 そういう場合、せめて正式な名前を知っておけって話もあるけど、知らないのだからしょうがない。
 するとニイニイは、

 「読谷診療所ですかね?」

 そうそう、それ!!

 さすが地元のヒト、ちゃんとフォローしてくれた。
 その案内どおり読谷診療所にたどり着くと、さすが目印、すぐそばに地球雑貨の道案内看板が。

 無事到着♪

 倉庫のようなだだっ広い店舗にて、目当てのものを買い求め、目的を達成したのであった。

 それにしても……。
 そりゃ美浜に比べれば、テナント料が格安なのはわかるにしても、こんなところへお客さんがたどり着けるんだろうか???
 実際、お昼過ぎの時間、広大な店内にいた客は我々だけだった。

 せっかく場所がわかって、以後いつでも立ち寄れるようになったというのに、再び移転なんてことになってしまわないだろうか……。  


Posted by クロワッサン at 08:36Comments(0)街の美味いもの

2012年12月10日

スルメ問題。

2012年 12月9日(日) 曇り

北の風 波あり

 北極を拠点とする冬将軍麾下の寒波軍団のうち、極東方面軍はかなり勢力を増強、相当な勢いで日本方面に展開しているらしい。

 おかげで寒いこと寒いこと。

 そりゃ大雪に見舞われている地方に比べれば気温は暖かいとはいえ、できるかぎり薄着で快適に過ごしたいと思っている身には、かなりキビシイ寒さになっている。

 どれくらい寒いかというと、あのリョウセイさんですら、日中は長袖長ズボン姿だったくらいだ(夕刻の畑仕事は、信じられないことに相変わらずTシャツ短パンだった……)。

 さて、突然ですが、今年のシーズン終了間際に話題になっていた話をひとつ。

 みなさんこれをご存知ですか?




 ま、そりゃ知ってますわな。
 でもこれ、なんと呼びます??

 ワタシは幼少の頃からずっと、これを「スルメ」と呼んで育ってきた。
 もちろん、硬い硬いヤツを鋏で切って食べる、それこそ噛めば噛むほど味が出る、というスルメも知っている。
 知っているけど、日常的にこれもスルメと呼んでいたのだ。

 そうやって45年生きてきた今年になって、いきなり我が家でスルメ論争勃発。

 うちの奥さんが言うのである。

 「なに言ってんの、これはサキイカだよ。スルメって言ったら、あの……(略)」

 だから、それもスルメっていうのは知っているけど、これもスルメでしょう??

 すると彼女はやおら勝ち誇り、冷蔵庫から取り出しましたる袋を、水戸黄門の印籠のようにまざまざと見せつけるのであった。




 え?

 さきいかって書いてある……。

 え゛―ッ!?

 これまでスルメと信じてきたのに、すべてウソだったのか??我が実家で、ウソをずっと信じ込まされてきたのか??

 だって、スルメでザリガニ釣りをするって場合のスルメって、これだったでしょう???

 こういう話は、その日ご滞在中のゲストたちに尋ねてみるとすぐに解決することが多い。
 さっそくゆんたく時に訊ねてみると、

 「さきいかですよ。」(キッパリ)

 神国日本が負けるはずがないと本気で信じていたヒトが、突然聞かされた玉音放送のような衝撃。

 ワタシの人生の一部が、ガラガラと音を立てて崩れ去ろうとしていた。

 ところが!!

 後日来島されたakapan@茨木さんのランエボの女豹奥様が、力強く断言してくださった。

 「大阪では袋にスルメって書かれて売られてますよ」

 !!!

 でしょ!?
 でしょーッ!!

 その後も引き続き調査した結果、どうやらこれは箱根の関所の東西における文化的違いであるらしい。最初に尋ねたときのメンツは、たしかにみんな関東だった。

 その後の調査では、東京で生まれ育って今もお住まいであるにもかかわらず、

 「スルメですよね?」

 とおっしゃる方もいたので驚いた。
 しかしさらに訊ねてみると、なんと彼のお母さんは京都生まれの京都育ちだったのである。

 というわけでこのスルメ・サキイカ論争は、一応の決着をみた。
 僕は間違っていなかったのだ。

 それにしても日本全国津々浦々、スルメ・サキイカ言語使用分布図はいったいどうなっているのか。
 探偵ナイトスクープで是非取り上げていただきたい。

  明日のこの稿は更新されません。  


Posted by クロワッサン at 07:51Comments(3)日々の徒然

2012年12月09日

12月8日。

2012年 12月8日(土) 晴れのち曇り

北の風 波あり

 日々の暮らしにいまだ色濃く旧暦が息づいている沖縄だけど、すでに何度か触れているとおり、水納島ではいろいろな行事を新暦でおこなっている。

 そして12月8日といえば、ムーチーの日。
 ムーチーとはすなわちモーチー、餅のことだ。

 サンニンの葉っぱに包まれた、おなじみのもの。

 島ではちゃんと各家庭で手作りしているから、我々がそのおこぼれに与れる日でもある。
 手作りだからこそのいろいろな工夫もあって、味や材料などが微妙に異なるバリエーションが多いのが楽しい。

 そうやって新暦でムーチーの日を迎える以上、切っても切れないのが、この日はまた太平洋戦争の開戦日でもあるという事実だ。

 その昔子供の頃、12月8日といえば、決まってそういった戦争関係の映画やスペシャル番組が放送されていたものだった。

 宇宙戦艦ヤマトからの流れで、太平洋戦争時の連合艦隊各艦艇とその太平洋戦争史にかなり興味を持っていた小学5、6年生の頃は、そういう戦争映画をけっこう観ていた気がする。

 ところが、いつぐらいからだろうか、バブル期あたりからかな?数年前までの20年くらいの間、12月8日になっても、各テレビ局は特に何かを企図することが、不思議なくらいなくなっていた。

 あれはどういうことだったんだろうか。

 ところが近年になって、再び12月8日という日に合わせた番組がけっこう番組欄に見受けられるようになってきた。

 これはこれで、どういうことなんだろうか。

 で今日は、NHKが頑張っていた。

 「巨大戦艦 大和」

 これを午後7時半からのゴールデンタイムに放送するあたり、さすがNHK、昨日の津波騒ぎのときには、高台に避難してきた男性に

 「どんなお気持ちですか?」

 などという知性ゼロの質問を浴びせかけるような取材記者がまだいるにせよ、その存在はやはり民放と一線を画している。

 また、内容も、番組タイトルから受けるイメージとは一味違った。
 生き残った乗組員たちの証言に基づいた構成なのである。
 司馬遼太郎が「坂の上の雲」を執筆していた当時は、日本海海戦において旗艦三笠の乗組員だった方が、まだご存命だった。

 それにはかなり驚いたものだったけど、大和の乗組員も今なおご存命だなんて、今を生きる日本人のどれくらいのヒトが知っているだろうか。

 戦後頑なに口を閉ざして生きてきたかつての兵隊さんや水兵さんたちは、近年になり、「一斉に」と表現してもいいほどの流れで、自らの体験を語り始めている。

 戦争末期に末端の兵隊さんや水兵さんだった若者たちも、今や揃って90前後のお歳。
 墓まで持っていこうと思っていたであろう話を、後世のために、そして先に死んでいった戦友たちのために語ってくれているのである。

 そういう証言を地道に採録したドキュメントをこのところNHKはかなり力を入れて作っているようなのだが、これらの番組のほぼどれもが秀逸だ。

 そしてまた、そうやってインタビューに応えた方が、収録後ほどなくして、まるで蝋燭の日が燃え尽きるかのごとく、その生命を終える、なんてこともあるらしい。

 本当にもう、そういう話を直接聞くために残された時間は、限りなく少ない。今の時代が最後のチャンスといっていいだろう。 

 今回の「大和」乗組員の証言も、何年か前の映画「男たちの大和」がチープなコメディに思えるほどに、重く篤くそして一種の爽快さがあった。
 「本当の話」に勝るものはない。

 ところで、こういう時代を再現するのにつきものなのが、当時の全体主義的な世の中の風潮だ。
 やれお国のためにとか、英霊となって、だといったような。
 そんな社会を今の世から眺めてみると、なんでそこで反対意見を言わないんだろう?と不思議に思う若い人たちもいるかもしれない。

 当時の方々だって、みんな心の内側では息子が出征すると決まれば不安で仕方なかったろうし、戦死したと知れば悲嘆に暮れていたろう。

 が、それでも世間に対しては、出征を誉れとし、戦士をお国のため、と言わねばならなかったのだ。
 なんで息子が戦死して、悲嘆に暮れる前に「英霊」となったことを喜ぶ、などという外面を世間に対して見せ続けなきゃいけないんだろう?

 そういう社会だったからである。
 社会という全体が認めている「正義」や「常識」に対して、異を唱えられなかったのだ。

 個々の「異」は、かなり歪に作られた全体的な「総意」の前に、けっして表には出せない社会だったのである。

 ………なんて話になると、昔は大変だったんだねぇ、と他人事のように思う日本人が圧倒的に多いに違いない。

 が。

 韓国に媚びすぎだ、とテレビ局に文句を言った俳優が即座に干されたり、原発断固反対と言った役者もまた仕事を干されたりするのは、過去のことだろうか?

 また、今もなお先が見えない福島の地では。

 学校給食に使われている素材に不安を抱く母親が、子供に弁当を持たせて違うものを食べさせようとすると、なんでそんなことをするんだ!!みんな食べているんだから食べさせなさい!!的な、ものすごい反発を学校等から受けるという。

 自分たちで放射能の様々なチェックをしようとすると、そのヒトは病的に神経質でおかしいヒト、といったような扱いを受けるという。

 現在、放射能レベルは安全です。
 子供たちは大丈夫です。

 国や地域が唱えている「常識」に、個々の異を唱えることができないのだ。

 被災地の瓦礫を処理するのだけは勘弁してくれ、と抗議している人たちを指して、

 「勝手な国民が増えた!」

 と言い切る首長が現実に存在しているのだ。

 息子が戦死したのに、それを「英霊になった」と喜ばなければならなかった社会というのは、けっして過去の、他人事の話ではないのである。

 さらにそういう世の中に突き進むのかどうか、ということを問われている大事な大事な選挙が、いよいよ一週間後に迫っている。

 ………でもなぁ、「大和」と書いてあるのを見て、

 「ダイワ?」

 なんて言うヒトの割合が、思いのほか多かったらどうしよう??  


Posted by クロワッサン at 09:06Comments(0)吉田兼好

2012年12月08日

スッキリ。

2012年 12月7日(金) 曇りのち晴れ

北の風 波あり

 3日がかりのお店の大掃除がようやく終わった。
 もちろん3日もかけるほど大きな店舗ではない。
 でも営業時間中には手を付けられないから、限られた時間しか作業ができないのだ。

 ところが今日みたいに、11時の便で島に降り立った一般客がゼロだったりすると、なんの気兼ねもなく日中の時間を費やせる。

 にしても、ホントに今年は島に誰も来ない日が多い。
 そりゃまぁ、本島からだと1往復しかない便数で、しかも昼をまたいで滞在しなきゃならないのにお昼を食べられる店がない、なんて島に、誰が好きこのんで来るというのか。

 便数が減った当初こそ、まだウワサが出回っていなかったからかそこそこヒトが来ていたけれど、やはりこのネット社会、そういうクチコミは瞬く間に広がっているのだろう。

 というわけで、冬も1日3往復していた頃と、2往復になって2年目の昨冬との、一冬の間の雑貨屋さんの売り上げには、実に30万くらいの開きがある。

 でかい。

 水納丸が冬も3往復だったら、毎年イタリア行けるじゃないか……

 …などと死んだ子の年を数えていても仕方がない。
 掃除掃除。

 お店なので普段からちょこちょこ掃除はしているものの、棚の裏側とかカーテンの後ろ側など、こまめにできない場所がけっこうある。

 そういうところを年に一度開放すると……

 とんでもないサルガッソーになっていたりする。
 ある意味、スリルとサスペンスに満ちている。
 そしてそんなスリルを乗り越えて掃除が終了すると、そこにはスッキリとした空間が。

 大掃除、終わったときだけ気持ちいい。

 …というタイミングで、大きな地震が発生して、いろんなものがガラガラガッシャンッ!!

 てなことになったら、おそらく発狂してるね、ワタシは。
 この日地震に見舞われた地域のみなさんで、ちょっと早めの大掃除が終わったばっかりだったのに…なんて方がいらっしゃらないことをお祈りいたします。

 あ、北のマスターのお店は大丈夫だったそうです。

 さて。
 1年ごとに大掃除をしてはいても、なんだかんだいってこのお店ももう6年になる。当初用意した商品棚なんて、元々チープだったこともあって、だんだん傷みが目立ってきた。

 そこで昨年くらいから、このところよくホームセンターに出回る琉球松の板で商品棚をすべて自作!!という計画を温めている。

 が。

 その板を必要枚数揃えるだけで、ANAの旅割ナントカというチケットなら、内地までの2人分の航空券を買えたりする。
 (あ、おっかないのでLCCには乗りませんから)

 この場合、そりゃ航空券だよなぁ……。

 はたして商品棚リニューアル計画が発動されるのはいつの日か。



  


Posted by クロワッサン at 08:52Comments(0)日々の徒然

2012年12月07日

これがそれ。

2012年 12月6日(木) 晴れ

北の風 時化のち荒れ

 朝は気絶しそうなくらい寒かったものの、日が昇るとさすが沖縄、Tシャツ短パンでOKな日和になった。

 北風なので、桟橋やビーチにいればもちろん寒さに凍える風の冷たさではあるけれど、防風林のこちら側にいると、太陽さえ出ていれば希望みなぎる陽気になるのだ。

 それでも、前夜からの時化模様は夜が明けてもおさまらず、午前中の連絡船は欠航。
 おかげで、思う存分お店の大掃除に精を出せた。

 夜になって晩酌に舌鼓を打ちながら、今さらながらのDVDを観てみた。

 「THIS IS IT」。

 シーズン中に、ゲストのグリルドチキンさんからいただいていたものだ。

 マイケル・ジャクソンが存命中も若かりし頃も、特にファンというわけではなかったものの、それでもやはりいつ見てもカッコイイとは思っていたので、ウワサのこの映画も劇場で観たかった。
 が、都合がつかず、ようやく手にしたDVD。

 で。

 やっぱカッコいいわ、マイケル。

 最近作ばかりなのかと思いきや、かつて知ったる懐かしい曲も目白押しだったから(というか、集うファン層ってそうだろうしなぁ)、洋楽音痴のワタクシでも充分楽しめた。

 なかでも懐かしかったのが、ビート・イットのダンスだ。

 その昔MTVで流れていた振り付けとほぼ同じダンスがリハーサルでも繰り広げられていたんだけど、何を隠そうワタクシ、高校3年生の文化祭にて、クラス単位の出し物だった自主制作映画(8ミリカメラで撮影!!)で、行きがかり上金田一耕助風の衣装を着て出演していて、何を血迷ったのか本編終幕後にまったくなんの脈略もなく、出演者全員で「今夜はビート・イット」のダンスを踊っちゃったりしたのだ(監督をしていたクラスメートが熱烈なMJファンだったため)。

 まぁみなさんご想像のとおり、今思い返しても鳥肌が立つくらい……この場合は寒イボといったほうがいいか?……目も当てられない出来だった。
 ワタクシの立ち居地はもちろんマイケルと同じところだったこともあって、その出来の悪さの責を一身に集めていたのは言うまでもない。

 それに比べてどうよ、50を過ぎているにもかかわらず、ホンマモノのキレの素晴らしさ!<当たり前だ。

 ところでこの「THIS IS IT」という映画については、一部で高く評価される一方で、所詮はリハーサルのドキュメントなんだから、なんて声も耳にする。

 でもあなた、たしかに全編リハーサルの模様とコンサート用に制作された映像とはいえ、今この世の中に世界が未知のゴッホの習作なんてものが出てきたら、その価値はいかほどになるとお思いか。

 実際、完成されたコンサートの映像を観て普通に「すごいね」と思うよりも、完成に至る道筋を垣間見るほうが、彼の天才性をより一層際立たせているんじゃなかろうか。

 ドキュメント作品にありがちな……というか、わかりやすく言うなら「情熱大陸」とか「プロフェッショナル」のような、主人公のプライベートシーンやわざとらしい熱いコメントなどいっさいなく、ロンドンで開かれる予定だったコンサートへ向けたリハーサルの模様は、まさに世界屈指のエンターティナーでありキング・オブ・ポップの姿をまざまざと映し出していた。

 いやはや、ホントに天才ですな。

 巧成り名遂げて以降の彼は、人造人間なみの顔改造やらネバーランドのヒミツなどなど、様々なスキャンダルで賑わった。

 でも、天から才を与えられた人たちは、我々凡百の民とはそもそも根源的なところで違うのである。
 だからこの際、もうこのように際立った才の持ち主であれば、ジャンルを問わず多少のことには目を瞑ってあげましょうや。

 ゴッホが自画像を描くために耳を千切ろうが、勝新がパンツの中にコカインを隠していようが、マイケルがベッドで幼い男の子と戯れていようが、いいじゃないの、天才だから。

 天才とはなんだ?
 その答えこそが……



  


Posted by クロワッサン at 07:43Comments(1)映画

2012年12月06日

シャキーン!

2012年 12月5日(水) 雨

のち北の風 おだやかのち荒れ模様

 昨日と違い、前夜一滴もアルコールを摂取せずに迎えた朝は、気分爽快頭脳明晰出前迅速落書無用状態。

 なんて気持ちのいい朝なんだ!!

 が。

 天気予報は昼過ぎからといっていたのに、朝から雨が。

 おまけに空気も冷たくて、一気に冬の装いだ。
 つい昨日まで、Tシャツ短パンで過ごしていたというのに……。

 そんな中にもかかわらず、修学旅行の団体が来島していた。1クラス単位のオプションだそうで、雨にもめげずにワイワイと島へ。

 バーベキューをするでもなく、マリンレジャーをするでもない団体ともなれば、ありがたいのは水納海運だけ……

 ……かと思いきや、さにあらず。
 なんと随分前に、この日雑貨屋さんは営業しているかどうかを確認する電話が添乗員からあったのだ。

 このうえない行楽日にもかかわらず誰も来ない冬の水納島、願ってもないお客様が久しぶりに!!

 ありがたやありがたや。

 もちろん修学旅行生のほかに来島者がいるはずもなく、11時過ぎの臨時便で彼らが帰っていった後は、ただ氷雨が降り続けていたのだった。

 寒い。
 てなぐあいで、沖縄ですら冬になっているというのに………。

 なんてことだ、台風24号。
 フィリピンあたりの田舎の住宅事情からすれば、台風に直撃されればひとたまりもないことは最初からわかっていたこととはいえ、さすがにこんな季節に来られたらたまったもんじゃないだろうなぁ。

 12月ですぜ、12月。

 今こうして氷雨に打たれてなくて、季節外れの夏日にホクホクしているような気圧配置が続いていたら、あれがそのまま北上してたろう。
 あんな台風に襲われずに済んだのは、この寒さのおかげともいえる。

 とはいえ。
 異常が異常じゃなくなってきた昨今の気象。
 どうかんがえても近い将来、クリスマスに台風の心配をしなけりゃならない日が来るような気がする……。  


Posted by クロワッサン at 08:08Comments(0)日々の徒然

2012年12月05日

ドヨヨーン……

2012年 12月4日(火) 晴れ

北の風 波あり

 お天気は朗らか陽気だというのに、前夜久しぶりに痛飲したせいで、なんともはやドヨヨヨヨーンとした1日になってしまった。

 そういう場合、きまってしばらくの間の禁酒を心に誓う。
 が、それはなかなか実現されない。
 夕方になると、風呂上りのビールが手招きしているからだ。

 ところがこの日ばかりは、五臓六腑が疲労困憊していたのか、夕刻になってもまったく渇望感なし。それどころか、熱い日本茶が美味いときたもんだ。

 おかげで久しぶりにアルコール類を1滴も摂取しない日にすることができたのだった。

 普通、そこまで二日酔いだと頭痛やら吐き気やらもひどいものだけど、そこはそれ、冬の間のうちの奥さんの楽しみである日本全国津々浦々の美味しい日本酒のおかげで、まったくそういった被害はなかった。

 アル添ではない正真正銘の「純米」酒は、体にも優しいのである。

 こういうドヨヨーンとした日に選挙演説なんて聞かされた日には耐え難いに違いない。
 その点島には誰一人演説しには来ないので、公示日を迎えようと何をしようとのどかに平和なものだ。

 ただし、テレビのニュースは衆院選ばかり。
 いつの間にか「脱原発」という言葉が、毎月やっているように見える紳士服の閉店セールなみに、重みもなにもないスカスカの言葉に変わってしまったように思えるのは気のせいでしょうか。

 グダグダ言わずに今すぐ止めます。

 となぜ言えない。
 あ、共産党は言ってるか……。

 あと、各候補者がいろいろと耳に優しい言葉を連呼しまくっているけれど、消費税を増税したのはいったいどことどことどこなのか、ということをまったく忘れてしまっているかのようなのが笑えた。
 あ、故意に触れてないだけっすね………。

 笑えるといえば、選挙にまつわるインターネット関連の話だ。
 今や猫も杓子もつぶやきシロー、あっちゃこっちゃでいろんなヒトが自由に「発言」し、情報を発信できるようになっている時代である。
 当然そういったアイテムが選挙戦にも利用されるのだろう……と思いきや、公示日を迎えた途端にあらゆるつぶやきが「ピタッ……」と止まってしまったそうな。

 候補者自身によるネットを通じた発言・発信というものが、公職選挙法に抵触するんだとか。

 バカじゃね??

 金太郎飴のようなニュースしか流さないテレビや新聞の報道よりも、候補者自信の発言をじかに目にしたほうがよっぽど正しい選挙じゃなかろうか。
 そもそもマスコミなんて、普段から誰それがブログでこう語っていた、ツイッターでつぶやいていた、なんてことをフツーに記事にしているくせに。

 この候補者自信によるインターネットの利用を選挙期間中は抑える、という法律は、いったい何から何を守ろうとしているのだろう??

 そのあたりをちゃんと考えると、日本という国の「民主主義」というものが、いかに建前だけのおためごかしであるかということがよくわかる。

 おためごかし
 表面は人のためにするように見せかけて 、実は自分の利益を図ること。

 この場合、利益を図っている「自分」とはいったい誰だ??どういう存在だ??

 うーむ、まるで中国共産党の社会のようだ。
 ああしかし、哀しいかな、ドヨヨヨーン頭では、もうこれ以上考えることができないのであった。  


Posted by クロワッサン at 08:18Comments(0)吉田兼好

2012年12月04日

炎のランナー。

2012年 12月3日(月) 晴れ

北の風 波あり

 風は北から吹いていたけれど、この日は久しぶりに一日中陽光に恵まれ、風が当たらない場所にいれば暑さすら覚えるほどの絶好の行楽日和になった。

 が。

 連絡船から降りてきた一般のお客さんは…………

 ゼロ。

 こういう日に誰も来ないとなると、他日にはもはやなんの期待も持てないといっていい。
 かくなるうえは、やはり冬季限定本部店をオープンさせるしかない……。

 さて。
 一般客は皆無だったけど、懐かしい顔と再会を果たした。

 ご存知、炎のランナー・まさかっちゃんとその奥様スダちゃん。(ご存知じゃない方はこちらをご参照ください)

 そう、前日の12月2日(日)といえば那覇マラソン。
 全国を駆け巡る炎のランナーが、このたび初めて那覇マラソンに出場したのである。

 それも、3時間20分余。2万5千人ものエントリーのなかで、362位という快記録で完走だ。

 例によってマラソンの翌朝に那覇市街をジョギングしたあとに、遠路はるばる水納島まで来てくれた次第。 
 彼らが水納島に来るのは初めてのことだ。

 ランチのあと、さっそく海に繰り出すまさかっちゃん。
 そのあと、一緒に島内を隅々まで散策。我々的にも、こんなに時間をかけて島内を歩き回ったことはないってくらいにかなり歩いたにもかかわらず、そのあとすぐに、当然のように島内をジョギングする炎のランナー。

 そして夜はもちろん……




 いやあ、マラソン当日と違って、お天気が良くてよかった。

 さすがに日が暮れると肌寒さはあるものの、ワタシなんて下は短パン&素足で過ごしてたくらい。
 気温ひと桁になっている本土ではありえないでしょ??

 来沖のたびにお天気に恵まれない記録を伸ばし続けていたまさかっちゃん夫妻も、この日ようやく、沖縄らしい沖縄を堪能できたのであった。  


Posted by クロワッサン at 09:43Comments(0)日々の徒然

2012年12月03日

漁港めし。

2012年 12月2日(日) 雨

南のち北の風 荒れ模様

 100年に一度、1000年に一度級の大災害に備えて、街のあちこち、田舎のそこらじゅうで大規模な対災害工事が行なわれているというのに………

 高速道路のトンネルの天井が崩落??

 いやはや…北海道の長時間停電といい、トンネル事故といい、復旧が大幅に遅れた台風後の沖縄の停電同様、「日本の力」に落日の影がさしているとしか思えない。

 今まで当たり前だったものが当たり前じゃなくなる。
 そんな日がもうそこまで来ているに違いない。

 無常を是とし、当たり前が当たり前のうちに、人生楽しく生きよう。

 というわけで、先日のジャネー洞の続き。

 海中道路付近までの行き帰りとなると、ちょうどそのあたりでお昼時になる、と見越していたこともあって、この日のお昼は宜野座漁港を目指していた。

 最近巷で流行りの漁港直営飲食店がここ宜野座漁港にもあることを、先だって買い求めた「漁港めし魚めし」に載っていたのだ。
 その名も、

 宜野座漁港直売店食堂。

 ……なんともダイレクトな名前。
 なんでも略語にしてしまういまどきの軽薄な文化とは一線を画し、10個の漢字でドドンと勝負するストレート一本の豪快さはさすがウミンチュ文化。

 しかしその入り口には……




 さすがご当地、自販機までタイガースだったりする。
 (近年の阪神タイガースは、ここ宜野座で春季キャンプを行なっている)

 あれ?看板には「宜野座漁港水産物直売所食堂」とあるような気が。ってことは漢字13文字??

 宜野座漁港と聞いて抱くイメージとは随分かけ離れた立派な建物の店内はさすがに広い。外側にあるお手洗いも、1万年に一度級の大津波に備えた大防波堤のごとく、なんだか無駄に立派だった。

 宜野座は行政単位でいうと「村」なのだけど、この漁港内の建物にしろタラソテラピーの温泉施設にしろ、村独自の教材や出版物にしろ、いったいどこからお金が出てくるんだろうと不思議に思えるくらい立派なもので溢れている。

 本部町とはえらい違いだ。

 あ、本部町にも、お金がない…とお役人が言うわりにはやたら立派な建物はたくさんあるものの、なんとなくそれらのほとんどが「無意味」に思えるのはなぜ……。

 さて、そんな漁港食堂にはおなじみの海鮮系丼も揃っているけれど、オススメは白身魚の煮付けもしくはバター焼き。

 ということなので、迷わずシチューマチのバター焼きを頼んでみた。




 シチューマチという魚は、そのあたりの鮮魚店で刺身としても売られている魚である。
 刺身でいただけるお魚のバターソテーは美味しい。
 でまたこのバター焼きが、バター焼きのから揚げ?ってなくらいに不思議的料理で、たっぷりニンニクが利いたこのお魚を一口いただくと、すかさず

 ビールッ!!

 と言いたくなること必至のお味。
 が、そこはそれ、車で来ている哀しさ………(涙)。

 ビールは飲めなかったものの、骨まで食べられるメインのほか、具だくさんの味噌汁や不思議的味覚の副菜2点がついて、お値段たったの800円!!

 こんなのを街の食堂で食べたら、軽く1000円は越すに違いない。

 でまた、なにげにゴハンが美味しい。
 新米サーチがピピピピと働く我々は、これは間違いなく新米を使用していると確信した。

 沖縄で新米なんて、先日も触れたとおりなかなか手に入れるチャンスがないのが普通だ。
 ところがお隣の金武町を中心とするこの地域は、本島でも数少ない稲作地帯なのである。
 実際、この日の国道329号沿いのガードレールには、収穫された稲藁がきれいに干されてあった。

 そこで収穫された新米を使っているに違いない。
 魚が旨くて米まで美味しい。
 なんとゼータクな食堂だろうか。

 このお方も、満腹満足ゴキゲンさんなのであった。




 ちなみにうちの奥さんの背後にはタイガースグッズコーナーがあって、各選手のサイン色紙やら虎のメガホンやらがズラリと並んでいた。

 沖縄を訪れるタイガースファンの新たな巡礼地として、この食堂もラインナップされることだろう………。  


Posted by クロワッサン at 08:08Comments(2)街の美味いもの

2012年12月02日

カレンダー。

2012年 12月1日(土) 曇りのち雨

南のち北の風 荒れ模様

 いよいよ師走に突入。
 月ごとのカレンダーも、ついに最後の1枚を残すのみとなった。

 カレンダーといえば。

 この季節になると、取っている新聞社やガス屋、JAなど各所からカレンダーがもたらされる。
 なかでも新聞社のカレンダーは、日にちごとにメモするスペースがあるうえに毎日の潮時が書かれてあるので、毎年重宝している。

 そんなカレンダー到来の季節に、見慣れぬ一冊が届いた。
 これだ。




 ダイビングのメッカ、大瀬崎で毎年開催されている、カレンダーフォトコンテストの入賞作で作られたカレンダーである。

 贈り主は泉ちゃん。
 そう、今年の大瀬カレンダーフォトコンといえば!!

 泉ちゃんが準グランプリに輝いたコンテストだ。
 そしてもちろん、彼の作品が……




 ドドンと11月に載っていた。
 業界に名が轟く審査員各氏を唸らせた写真は、まるで宇宙で撮影された地球外生物のよう………。

 受賞作の内容はご本人からお聞きしていたので、カレンダーを作るに際し、編集者もさぞかし何月にしようか困るだろうなぁ…と密かに思っていた。
 ところがエビの幼生に散りばめられた模様は、なるほど、晩秋の趣を感じさせる味わい深いものだったりする。

 このほか、受賞作品のどれもこれもが、まぁいわゆる変態社会も極まれりという数々で、はたしてノンダイバーの方々がご覧になって、

 「ダイビングをしてみたいッ!!」

 と思うヒトがどれくらいいるんだろうか…という気にならなくもないけれど、すでに水中写真というのは盆栽と同じくらい、立派な大人の趣味の世界になっているのだ。いちいち余人に立ち入られる必要もないのであった。<いいのかそれで?

 いずれにしても、受賞者のみなさんの平均年齢は是非伺ってみたいところではある……。

 ところで。
 このカレンダーの表紙は表紙で、12ヶ月を1ページでまとめたカレンダーになっていて、そこにも各月に受賞作品が掲載されている。
 そしてそこには………




 コスゲさんだ♪

 ゾウムシ君で撮影されたと思われる、美しくも変態的なコスゲさんの写真が載っていたのだった。

 全国の書店で売られているわけでもないこのカレンダー、こうして届けていただけなかったら一生見ることができなかったことだろう。
 泉ちゃん、ありがとうございます!!
 また来年も頑張ってくださいませ。  


Posted by クロワッサン at 08:17Comments(4)日々の徒然

2012年12月01日

ジャネー洞

2012年 11月30日(金) 晴れのち時々雨

南東の風 おだやか

 所用あって本島で一泊しなければならなかったため、昨日のこの稿の更新ができなかった。
 それはあらかじめわかっていたのに、更新できない旨の予告を忘れてしまった。

 そんなことなどどーでもいいものの、きっと一部では「また飲みすぎたんだな…」と勝手に解釈されていた向きもあったかもしれないのがややクヤシイ。

 で、所用ついでに、長期入院中のミスクロワッサンを見舞ってきた。

 近況はこんな感じ。




 小雨降る中、雨ざらし状態だったりするものの、取り外されてあるエンジンはすでに他所でオーバーホールが終了しており、「思ったほど被害は無かったですよ」という心強い(?)お言葉をヤンマーさんからいただいていた。

 で、今はFRP業者さんが、派手に傷ついた船体の修理中というところ。
 まだ若いイケメン職人さんが、雨合羽を着つつコツコツと作業をしてくれていた。

 このFRP補修作業は、まもなく終了する見込みという。
 ま、年明けくらいにはなんらかの形になっていることだろう。

 気になる修理費用は、想定の範囲内で済みそうな模様。
 というか、昨年被災した際に各方面の皆様からお寄せいただいた貴重な浄財はそっくりそのまま手付かずで残していたので、今年の浄財と合わせてそれでなんとかなる見込みだったりする。

 ……すみません、家になるはずのものが船になっちゃいました。

 さて。
 この修理工場は普段まず行く機会が無い場所にあるんだけど、そのすぐ近くにまったくその存在を知らなかった小島があった。

 橋が架かっているけれど、本来は離島である。
 その名を藪地島という。
 同じ縮尺の地図で見るかぎり、水納島よりも小さい島だ。

 どんなに小さな島でも同じ県内のこと、名前くらいは聞いたことがありそうなものなのに、この藪地島はまったくのノーマークだった。

 車に積んである道路地図では、橋を渡った途端に道が尽きるようだ。
 ところがその先、島の先っちょに、

 ジャネー洞

 という名の、実にアヤシゲかつ興味をそそられる見所マークが記されているではないか。

 小雨が降ってはいるものの、せっかくここまで来たんだからこの機会を逃す手は無い。

 というわけで、藪地島初上陸♪

 この島が作り出す天然の良港を眺めつつ橋を渡ると、舗装道路はすぐに尽きた。けれどそのまま道が一直線に伸びている。

 てっきり島内は無人の荒野なのかと思いきや、道の周囲は耕作地だらけで、軽トラックなどの自動車もけっこう停まっていた。

 まさか住んではいないだろうけど、耕作地としてすでに様々な方々が土地を所有しているようだ(法的に、かどうかは不明)。

 悪路をそのまままっすぐ行くと、やがて行き止まりになる。
 そこが、件のジャネー洞だ。

 入り口に説明書きがあった。




 遺跡としては、けっこう地味な扱いらしい。
 でもその見た目は……




 かなりインディー・ジョーンズ。

 奥には清水が湧き出るという空間がさらに続き、いかにも鍾乳洞という雰囲気に満ち満ちている。

 今もなお様々な神様が息づく沖縄である。
 このような自然の構造物を目の当たりにして、付近住民が黙っているはずはない。もちろんこの洞穴も、付近住民はおろか近隣遠方を問わず「聖地」とされていた。

 ただ………。

 ……なんだか変なんです。

 邪心なく神様へなんらかの心を表したいという気持ちもわからなくはないけれど、各所にある祭壇にはどうにも違和感を覚える。

 まるで田舎の民宿の庭先にあるオブジェのようなのだ。




 シャコガイやサンゴであしらわれていたり、




 こんな感じになっていたり。
 そのほか、アルコール飲料の青いビンをズラリと並べてあったり、今風の模様が描かれたアプローチがセメントで作られていたり………

 はて、昔からの聖地というわりには、かなりポップな雰囲気もあるような気がするんだけど……

 …と不思議に思っていたところ、注意書きを読んですべてを納得してしまった。




 みんな、勝手に作ってたんだ……。

 神様へのそれぞれの気持ちにはけっして邪心はないに違いない。
 でも、邪心はないけど気配りもない、ということか。

 いますよねぇ、こういう方々はどこにでも。
 閑静な住宅街なのに、そこにド派手な赤と白の家を建てちゃう漫画家とか………。

 この不思議空間から続く小道を降りると、そこには小さな浜があった。




 遠浅の東海岸のことなので、ビーチは純白の砂というわけにはいかないものの、ゴミ以外の人工物がない空間はやはり気持ちがよかった。

 知る人ぞ知る、知らないヒトは微塵も知らない薮地島。
 海中道路まで足を運ばれた際には、是非とも上陸してみてくださいませ。  


Posted by クロワッサン at 08:59Comments(0)観光