2013年08月31日

台風は美味しい。

2013年 8月30日(金) 晴れ!

南西の風 時化模様 水温28度くらい

 台風は衰退し、かなり遠方を通過中とはいえ、やはり進行方向の東側に位置しているからだろう、昨日よりも強い風が1日中吹き続けていた。

 それでもお天気は晴れ!
 今日も桟橋脇を独り占めだ。



 この日はミズンの巨群がすべて西側に来ていたから、クリアな水越しにその群れを眺めることができた。
 ギンガメアジやカスミアジのチビが、まるでゲームをするかのようにひっきりなしにミズンの群れにアタックをかける(コバンアジは楽しげにウロウロしているだけ)。

 ミズンを狙うのは彼らだけではない。ダツやアオヤガラも、隙を見ればすぐさまつっこんでいく。

 見ているだけで楽しいので、思わず2時間半くらい居続けてしまった。
 ヒトはそれを「コスゲる」という……。

 そうやってアジたちを眺めていたとき、海底で気になるモノが動いていた。



 これ、なんだかわかりますか??

 この黒いチビ玉の正体は……このヒト!!



 そう、サザナミフグのチビターレ♪

 普段のダイビングで出会う大人は30センチ超だというのに、子供の頃はこんなにも寸詰まりでチビターレ。
 おそらく一週間ほど前だったらこのドット模様もなくて真っ黒だっただろう。チビ度合いでいうとそのほうがいいんだけど、やはりこうして点々模様があるほうが可愛い。

 彼らは台風が去った後などに流れ着いてくる。そして桟橋脇の藻屑やゴミが淀むところ……すなわちビーチが通常営業中はヒトが入れないところに隠れ潜んでいる。

 なのでこのサザナミフグ・チビターレとの出会いもまた、台風の恩恵なのだ。
 あまりに可愛いので、フィッシュアイしか持たぬというのにずーっとつきまとってしまった。

 おおそうだ、恩恵といえば!!

 この日のビーチの海中は僕が独り占めしていたけれど、突堤上は民宿大城のヤスシさんが独り占めしていた。
 釣りである。
 台風欠航中とはいえ、ダイビングも釣りもできるくらいではあったのだ。

 で、その夕刻、ナリコさんが、ヤスシさんの本日の釣果をおすそ分けしてくださった。



 カーエー(手前)とサヨリのお刺身♪

 サヨリの美味しさは今さら言うまでもないだろうけれど、カーエーのお刺身の美味さときたら!!

 カーエーはアイゴの一種で、ビーチでヒトにまとわりついてくる水色のアイゴに比べて体高が高く、水色地に黄色い点々模様が入っている魚だ。
 水納島でのダイビング中に海中で出会う機会はほとんどないから、ダイバーにはお馴染みではない魚だろう。

 アイゴなどの藻食性の魚は、ともすれば臭みに通じるクセがあるから、一般的にはお刺身に向かないと思われがちだ。
 が、チヌマンもそうであるように、カーエーもまた、鮮度抜群であればそのクセが何にも代え難い美味さになる。
 というか、クセなどまったく気にならないほどに。

 輸入マグロの赤身の100倍くらいは美味しいといっても過言ではないこのカーエー、そして今期初のサヨリをいただけたのは太公望ヤスシさんのおかげ。
 そしてもちろん、そんな釣りの時間を提供してくれた台風のおかげなのであった。

 さあて、明日も天気は良さそうだし、またまた桟橋脇で!!

 ………と思ったら、今夕連絡船復活。
 明日からは通常運航である(涙)。<泣くところかそこ??

 というわけで、明日31日は避難させてあるうちの船を渡久地までとりに行き、その翌日、9月1日からクロワッサンも通常営業復活!

 さらば台風中のシアワセの日々よ。
 また来る日まで…………って、台風はもう来なくていいです。  


Posted by クロワッサン at 07:37Comments(2)水納島の海島の美味いもの

2013年08月30日

台風中は「17才」。

2013年 8月29日(木) 晴れ!

南の風 時化模様 水温28度くらい

 それなりに発達するようだから、翌日には強風域がドドンとジャンプアップしてけっこうな時化になるのでは………

 ……という大方の期待(?)と覚悟を裏切り、一夜明けると台風予報は手のひらを返したようにしょぼくなっていた。

 実際この日一日で、台風はどんどん萎んでいったではないか。

 あのあたりの緯度の洋上にいながら萎んでいくだなんて、どういうメカニズムなんだろう???
 やはり相当な干ばつモードになっているに違いない。

 台風情報も気象予報も随分緩和され、これが近くを通る台風でさえなければ、連絡船は余裕で運航しただろう。
 が、珍しく前日のうちに関係各方面にこの日の欠航を通達していた水納海運としては、いまさら「出します…」というわけにもいかなかったに違いない。
 というわけで朝イチで島を出たあと、予定どおり欠航となった。

 すると……



 ~♪誰もいない海  二人の愛をたしかめたくて~~~

 な海が目の前に。
 ダイバーならずともドボンと飛び込みたくなる世界が広がっている。

 桟橋脇には今、ミズンが群れている。巨群が桟橋の東側にいたので覗いてみると……



 密集隊形。
 これらを餌にするカスミアジやギンガメアジのチビたちが、ひっきりなしに襲い掛かっていてもなお、巨群はずっと維持されている。

 南風がそれなりに強いので、桟橋の東側はけっこう濁っていた。
 この群れが西側、つまり普段うちの船を留めている側に来てくれればいいのになぁと思いながら西側まで行ってみると、こちら側にも群れがいた。

 西側は桟橋で波が遮られているおかげで水は透明で、これまたとても台風欠航中とは思えないのどかな雰囲気。



 ~♪青い空の下 二人の愛を抱きしめたくて 
          光の中へ 溶けこんでみたの~~~~

 そしてビーチの定番といえば……



 ~♪空も海も みつめる中で~~~~ 

 桟橋脇にしろ、誰もいないビーチにしろ、台風欠航中で、しかもいいお天気じゃないとなかなか機会がない。
 そういう意味では、この日は千載一遇のチャンスだった。

 「台風のときくらい休んでいればいいのに」

 という理性の声も聴こえなくはない。
 でも!



 ~♪私は今 生きている~~~  


Posted by クロワッサン at 08:17Comments(0)水納島の海

2013年08月29日

パステル。

2013年 8月28日(水) 晴れ

南の風 おだやか 水温28度

 チーム長崎が朝島を発たれたこの日は、午前中にスノーケリングが二組、午後にファン&スノーケリングがお一組という予定だった。

 が。

 南海上に台風迫る。
 この日一杯は海況的に大丈夫なのは間違いないながら、翌日朝イチで島を出て連絡船はおしまいとなると、船を渡久地に避難させたあと島に戻ってくる術がなくなる。

 なのでこの日のうちに船を陸揚げしておかなければならない。
 となると、午前中のスノーケリングはなんとかなるけれど、午後ご到着で15時頃から、というもうお一組は、残念ながら無理ということになってしまう。

 うねりが少々あるとはいえ、見渡す限り穏やかな海を前にしての中止は心苦しいかぎりではあるものの、こればっかりはしょうがない。

 それもこれも、この島に船を避難させるための船揚場がないせいであることは言うまでもない。

 午前中のスノーケリングは、少々海面がザワザワしていたものの、水はいい感じで流れもなく、リーフ際にはキビナゴストリームが途切れることなく続いていた。

 そんなサンゴ礁は今、こんな感じ。



 通常に比べ、随分パステル調になっているのがおわかりいただけるだろうか。
 いわゆる白化の途中状態。真っ白になる前はパステル調の色彩になるのだ。

 前回の台風で水が攪拌された結果、水温はたしかに2度ほど下がった。
 でも、進行中の白化がすぐさま終了するというわけではないようで、水温が下がってからもなお、白化は着実に進行しているように思える。

 せっかく下がった水温は、この先白化の進行にちゃんとブレーキをかけてくれるんだろうか???  


Posted by クロワッサン at 07:40Comments(0)水納島の海

2013年08月28日

カメ吉くんに乾杯。

2013年 8月27日(火) 晴れ

南の風 おだやか 水温26~28度

 ゲストがチーム長崎のお一組だったので、案内はうちの奥さんに任せ、久しぶりにカメラを持って入った。

 すると、砂地でのんびりとくつろいでいるカメ吉君発見。
 ツムブリとの遊びに疲れてひと休みしているのだろうか。

 お休み中のところすみませんが、お写真をば……



 あ、起こしちゃった。

 でも最近海中で出会うアオウミガメの若い衆は、昔のようにたちまち逃げてしまうということが少ない。
 なのでもう少しお近づきになろうとすると……







 フィッシュアイポートに偏光フィルターのようなコーティングがなされてあって、それに写る自らの姿がとても気になる様子。
 そらからしばらくカメラを覗き込んだあと……



 ……妙に納得されてしまった。

 すると興味が尽きたのか、一言挨拶を残して立ち去ろうとするカメ吉君。



 あ、どうせ泳ぐんなら、ゲストの皆さんがいる方向へ泳いでよ。

 と、ゆっくりランデブーしながら、ゲストの皆さんがいる方向へ誘導。



 以前なら、わざわざダイバーのいる方向へなんて絶対に向かわなかったものなのに、カメラを覗き込んでくるくらいだから、遠くで泡がブクブクしているのも気になるようで、誘導する必要もないくらいに自分からみなさんのところまで泳いでいった。

 で、その根のまわりでゆったり餌など物色するカメ吉。
 ひとしきりその雄姿を観てもらった後、息継ぎでもする気になったのか、水面目指してゆっくり上昇し始めた。

 ホントにゆっくりなので、ゲストのみなさんもカメに合わせて上昇して激写するのかな……と思いきや、誰もその場を動かずにカメ吉を眺め続けていた。

 ではお言葉に甘え(誰も言葉を発してないけど)、チャンスを逃す手はないとばかり、お決まりのポーズを求めて再びカメ吉とランデブー。

 するとカメ吉君、サービス精神が旺盛なのか、カメラの前でわざわざポーズを決めて静止してくれるではないか。



 不思議と何度もこのポーズで静止してくれた。
 でもカメ吉君、そうやって手を上のほうでピシッと止めちゃうと、いまいち絵的にかっこよくないんですけど………。

 これって、ひょっとして不審なものから手を守るポーズなのか??

 カメ吉君、アヤシイものではありませんから、是非手足をデビルウィング状態でひとつ………。



 おお、カメ吉君カッコイイーーッ!!

 カメ吉君のおかげで、その日のダイビングにポッと一輪の花が咲いた。

 というわけで、カメ吉君をみんなで観られた記念。



 カメ吉君ありがとー♪  


Posted by クロワッサン at 07:36Comments(4)水納島の海

2013年08月27日

桟橋脇の大群。

2013年 8月26日(月) 晴れ

南西の風 おだやか 水温27~28度

 今年もお盆週間の後半くらいから、桟橋脇にミズンが集まり始めた。
 で、今はこんな感じになっている。



 水滴付きのショボイ写真で申し訳ない。ともかく中央を斜めに渡っている黒い点々がミズンの群れだ。

 多い年には連絡船の影よりも大きな群れを作ることもあるけれど、今年はフツーの量。この群れがうちの船を留めている側に来ることもあれば、こうして連絡船が泊まる側に来ることもある。

 なので誰でも目にすることができるミズンの群れ、残念ながら一般の観光客が水中の様子を見る機会は少ない。なにしろ海水浴場の範囲の外で群れていることが多いから。

 でも、水中の様子を記録することはできる。

 潮位のタイミングがあえば、桟橋にある階段を下りてカメラだけ水中に入れ、パシャッと撮ると……



 水中写真のできあがり♪

 こうして見ると、これはミズンではなくてハララーだということになるようなのだが、ではハララーとはなんという和名の魚なのか、ということは誰も知らない。

 名前は知らなくとも、島の人たちはミズンとハララーをひと目で区別する。でもややこしいので、こうして桟橋脇で群れているのは、総じてミズンということにしておこう。

 この時期にしかお越しにならない観光客のみなさんには、島に来ればいつでも見られるもののように思われるかもしれないこのミズンの群れ。
 彼らもまた、夏の後半から秋にかけてにしか見られない、この季節の「旬」の魚たちなのである。  


Posted by クロワッサン at 07:53Comments(4)水納島の海

2013年08月26日

ランデブー。

2013年 8月25日(日) 晴れ

南西の風 おだやか 水温28度

 昨日の魚ゲット中アジサシ写真があまりにもショボかったので、この日もう一度チャレンジしてみた。



 …たいして変わらないか。

 ま、連日こういうシーンが見られる、ということで。

 彼らの餌になっているのはもっぱらキビナゴで、今年はかなり多いために、キビナゴを餌にしている魚たちも増えていることは昨日触れた。

 そのうちのひとつツムブリも、今年は群れに遭遇する率が高い。

 頼るものひとつない外洋にいることが多いツムブリたちは、ともすると大きな漂流物に寄り添う習性がある。
 だから海中で彼らの群れに出会ったら、少し息を止めてジーッとしていると(息を止めるのはご法度ですが…)、彼らのほうから近づいてくることもある。

 その習性からだろうか、今日はこんなシーンに出会った。



 カメ吉君とツムブリのランデブー♪

 ツムブリはアオウミガメに寄り添っているだけかと思いきや、しきりにカメの甲羅をつついていた。

 藻が生えているアカウミガメの甲羅を、藻食性のハギ類がつつくのとはワケが違うのだとしたら、いったいツムブリたちは何をしていたのだろう。

 カメ吉はカメ吉でイヤがる素振りを見せるわけでもなく、なにやら楽しげですらあった。

 ひょっとして、一緒に遊んでいた??

 大量のキビナゴは、どうやらいろんなところに賑やかさを提供してくれているようだ。  


Posted by クロワッサン at 07:26Comments(0)水納島の海

2013年08月25日

夏の鳥。

2013年 8月24日(土) 晴れ

南のち南西の風 うねりあり 水温27~28度

 昨日はまだ台風の余波が残っていて、なおかつ大潮の満潮ラインが高いこともあって、日中の海は海岸から流出する白濁成分のせいでずいぶん濁っていた。

 ところがたった1日で、この日は見事にクリアに。
 干潮時が近くなるとやや濁りになりはしたものの、午前中は気分爽快状態だ。

 大雨が降らなかったから、本島経由の濁りがまったくないのが大きい。

 クリアな水の中を、流星群のように群れ飛ぶキビナゴたちのきらめき。

 毎年夏場には多くなるキビナゴとはいえ、今夏はここ10年で最も多いんじゃなかろうかというくらいにリーフ際に群れている。
 それはすでに群れというよりも魚の川のようで、リーフ際でそれらの群れをボーッと眺めているだけでも心地いい。

 そんなキビナゴたちは、他の生き物たちの重要な食料源でもある。

 ずっとあたりを徘徊しつつ気が向くと襲い掛かるニジョウサバ、弾丸超特急軍団となって突撃するスマたち、そして美しくも優雅にひらりと近寄ってきては去っていくツムブリたち。

 キビナゴが多いおかげで、これらの魚たちに出会う機会も増えている今夏である。

 そんなキビナゴを大事な栄養源にしている生き物は、海の中だけに限らない。



 アジサシたちだ。
 魚たちがキビナゴに襲い掛かっている気配を察知するや、すぐさま現地に向かい、集団で空からの攻撃を加える。
 写真はヘナチョコだけど、盛り上がった大集団は魚たちが移動するのに合わせて船の近くまで来ることもあり、小さな鳥が果敢に、次々に海にダイビングする姿は、間近で見ると迫力すら感じるほどに壮観だ。

 このアジサシたちは、毎年5月頃に島に渡ってきて、夏の間に子育てをする。
 ただ、近年は子育ての肝心要のタイミングで猛烈な台風がたびたび襲来していたので、繁殖はおろかオトナの数も減っていたように思う。

 ところが今年はうまい具合に台風を避けられたのか、1ペアにつきマックス2個という卵がすべて順調に成長したようで、近来稀に見る大集団になっている。

 昔はこの季節になると、アジサシの大集団が灯台下の砂浜に勢揃いしていたものだった。



撮影:オタマサ


 ところが近年はマリンジェットの往来が頻繁になってしまったせいか、彼らの集合場所はもっぱら防波堤の上になっている。
 なので、上のような写真を撮ることが難しくなってしまったものの、防波堤上の大集団がひとたび一斉に飛び立つ様は、それはもうヒッチコックの「鳥」のようで、

 「水納島は日本のセイシェルである!」

 そうのたまった、ある酔っ払いの言葉もまんざらではないような気にもなってくるのだった。

 アジサシたちは渡り鳥なので、秋になるとサシバと入れ替わるようにして島からいなくなる。
 遠くオーストラリアや東南アジアまで旅立っていくのだ。

 夏しか島にお越しになったことがないほとんどの観光客には想像もつかないかもしれないけれど、秋以降は島でアジサシたちを見ることはできないのである。

 そう、アジサシたちは今が旬!!
 (ちなみにキビナゴたちも、冬場はほとんどいません…。)  


Posted by クロワッサン at 08:16Comments(0)鳥さんたち

2013年08月24日

ミニマム。

2013年 8月23日(金) 晴れ

南の風 うねりと風波あり 水温27~28度

 30度を超える水温がずっと続いていたせいで、サンゴの白化が始まっていた。

 でも、98年の白化の際は、水深30メートルまで30度だったのに対し、今夏はせいぜい10メートルくらいまでが30度で、それよりも深いところは常識的な水温のままだった。

 ということは、一度でも攪拌されれば水温は下がるはず。

 そういう意味で、サンゴを守るために「台風カモーン」という声が上がっていたわけだけれど、今月最初の台風は超肩透かしで終わってしまった。

 それでもある程度攪拌はなされたようで、その後潜ってみたら、体感的に平均して0.5度くらい下がったような感覚。30度を示す部分も少なくなってきた。

 そして前回の12号が去った今、水温は上記のとおり。
 このあと多少上昇するかもしれないにせよ、サンゴの白化が高水温にのみ由来するのであれば、当面の危機は去ったといっていいだろう。

 98年の白化を体験したことがない方の中には、

 「最後まで観てみたかった……。」

 なんて密かに思っているヒトがいるかもしれない??

 話は変わる。
 すでに3ヶ月くらい前の話のような気がするお盆中のできごと。

 人生最小サイズ!!



 これ、殻から抜け出たオカヤドカリじゃないですよ。
 なんとヤシガニのチビターレ!!

 チーム・タオのハンター梅さんが、すでに他のゲストが飲み始めている時間もなお、民宿大城の軽トラを借りて夜の島内をヤシガニを求めて彷徨い続けた結果ゲットしたもの。

 ゲットされたご本人は大きなものを求めておられたようながら、大きなものを見慣れている我々にとっては、むしろその小ささに驚愕してしまった。

 こんなに小さいものが大きくなるまで、いったいどれくらいの月日がかかるのだろうか。

 とまぁ、これまで出会ったヤシガニのなかで最小サイズに興奮していた我々。しかしハンター梅さんがナリコさんに報告に行くと、

 「昔ジュンコが獲ったのはもっと小さかったよぉ!」

 大きさでも小ささでも、獲物に関しては負けず嫌いな島のヒトなのであった。

 来月またご来島予定のハンター梅さん。
 すでに彼のマナザシは、いまだ見ぬ人生最大級巨大ヤシガニに向けられている。

 ヤシガニを目にすることができる夜間はハブの活動時間でもあるので、良い子は真似してはいけません。  


Posted by クロワッサン at 07:29Comments(2)日々の徒然

2013年08月23日

遥かなりバケーション。

2013年 8月22日(木) 晴れ

南の風 大きなうねりと風波あり


 台風は遥か彼方に去りはしたものの、海上は引き続き大時化。吹けば飛ぶような桟橋しかない水納島に連絡船をつけることはできない状態なので、この日は朝から全便欠航が告げられていた。

 本来であれば、この日は2週間ぶりのお休み。あれやこれや溜まった用事を本島でこなすべき日だった。

 台風で思わぬ休みになったのはいいとして、どうせだったらお休みの日にゆっくり船を海に戻す作業もやっておきたい。
 そのためには今日のうちに本島に渡りたいところだったのだが、船が動かないとなればいかんともしがたい。
 しょうがなく、台風対策で片付けていた家のモロモロを、朝から元どおりにしていた。

 すると!!

 ひょっとしたら船をつけられるかもしれないから、潮が引いたタイミングで様子見がてら水納丸が島に戻ってくるという知らせが。

 でも今朝の満潮時の感じでは、とてもじゃないけど満潮時に船を停泊させてはいられないから、水納丸は結局渡久地港へ戻ることになるだろう。

 ということは、今日のうちに陸揚げしてある船を海に戻せる!!

 奇跡の1往復のおかげで午後4時に本島に渡ることができ、無事に船を海に戻した。

 それから名護へ行きお買い物等して本島泊。そして翌朝、すなわちこれを書いている1時間ほど前に渡久地港を出発、島に帰還。

 うーん、夏の束の間のバケーションのはずだった1日は、結局仕事づくめの日になってしまった。
 美味い焼鳥などを食べながら、ジョッキ生をグビグビ飲める日が待ち遠しい………。  


Posted by クロワッサン at 08:07Comments(0)日々の徒然

2013年08月22日

世の中ロッテンマイヤー。

2013年 8月21日(水) 雨時々晴れ

南東の風 台風

 どうやら強風域程度で済みそうだ…と安堵していたら、夜半から思いのほか強風が吹き始めた。

 やはり台風の進路の右側にいると、侮れない強い風が吹く。

 とはいえ昨年、一昨年の超ストロング台風に比べればそよ風のようなもの。問題は枯死しまくっているモクマオウが折れてしまい、電線を断ち切ったりしないだろうか……ということだったけれど、幸いそういった被害が出ることもなく、精神的には実に穏やかな「強風域台風」になった。

 穏やかなのでテレビで高校野球でも観ようと思ったら、なんてことだ、もう準決勝ではないか。
 それも、東北勢がベスト4に2校も!!

 ここまで来たら注目せずにはいられないのが、花巻東の小兵千葉選手。殿馬ばりの秘打で相手投手の投球数を増やさせ、なおかつ脅威の出塁率という。

 その秘打ぶりを是非観てみよう!!

 ……と思ったら、フツーに凡打。
 なんと彼は試合前、監督や部長先生を通じ、大会本部から秘打禁止通達を受けていたのだ。

 なんでも、その打法が野球規則に抵触するらしい。

 まぁルール違反ならしょうがないか……

 …と、一瞬納得させられそうになるけれどちょっと待て。

 あのぉ、彼は岩手県予選からずっと出場してるんですよね?
 しかも甲子園でも1回戦からずっと同じ打ち方をしてるんですよね??

 それがなんで準決勝直前の通達なんだ??

 日本人が勝つとすぐさまルールを変えるオリンピック各種競技もびっくりの、大会途中の通達。
 大会本部には、蝦夷を忌み嫌う都人の文化が色濃く残っているのだろうか。

 この場合はルールの変更じゃないにしても、ルールの解釈という意味では、途中でどうこう言っていい話じゃないでしょう、フツー。言うなら最初の時点で言えって。

 オリンピックの選手なら、まだ次の大会があるかもしれない。
 でも高校野球で、しかも最後の大会になる3年生に、それも岩手県勢初の決勝進出を目指す準決勝直前に……。

 ルールを立てに正論を言う大会本部は、一見正しいように見えるかもしれない。
 しかし彼らには、ここでいったい何が最も大事なことなのかということがまったく見えていない。

 あえて言おう。

 大会本部はロッテンマイヤーである!!



 彼女が口やかましくハイジに浴びせたおしているお説教は、よくよく考えるとどれもこれもすべて的を射ていて、至極ごもっともなお説ばかり。

 が。

 彼女の正しい言葉どおりにしていたら、クララはけっして自らの力で立つことはなかったろう。

 ところが今の世の中は、ロッテンマイヤーさんばりの一見正しそうなお話が優先されてしまう。

 あれは釜石市のことだったか、震災で崩壊した商店街の一角で、営業を再開した文房具屋さんだったかがいらっしゃった。
 長く商店街に店を出していたから、復活してしばらくすると、お客さんが戻ってきて、それなりに商売が軌道に乗り始める……

 ……かと思いきや。
 釜石市いわく

 「商店街跡地には再開発計画で●●センターを建てるので、立ち退いて意いただく必要が……」

 こんな人たちに都市開発など任せていていいのか、釜石市(その後どうなったのかリサーチしてない)。
 
 また別の場所では、名作「はだしのゲン」を、「描写が過激すぎる」という理由で閲覧制限対象にする市教委もあるそうな。

 ことほどさように、どこであれなにであれ、人々が何かをやろうとすると、行政の名のもとに歯止めをかけるロッテンマイヤーが多すぎる。 

 エコロジー重視、脱管理社会、そして価値観の多様性という、74年の放送当時には相当画期的だったテーマが描かれているハイジの中で、ロッテンマイヤーさんは一身でそのアンチテーゼになっていた。

 宮崎駿をはじめとする制作スタッフたちも、世の中に警鐘を鳴らす意味で描いていたに違いない。
 その願いもむなしく、その40年後の世の中がロッテンマイヤーさんだらけになっていようとは……。

 だからこそ何度も言おう。
 ロッテンマイヤーさんの言うとおりにしていたら、クララはけっして立てない。

 今の日本に必要なのは、何も生み出さないロッテンマイヤーさんの正論ではなく、何かをやろうとするハイジでありペーターであり、そして彼らを力強く後押しするアルムのおんじなのである。

 おんじが大会本部長だったら、千葉選手は最後の最後まで秘打で勝負できたことだろう……。  


Posted by クロワッサン at 08:15Comments(0)吉田兼好

2013年08月21日

緑のギフト。

2013年 8月20日(火) 晴れ時々雨パラパラ

東の風 早朝おだやかのち時化模様

 台風が来る前の沖縄地方のお天気は、一定の進路とスピードで通過して行く本土の場合と異なり、刻々と変化する台風の速度とコースに左右される。

 これくらいの速さでこっちを通るかなぁ……

 という程度のオボロゲな台風予想のもとに出される天気予報は、そのため前日のそれとガラリと変わっていることもザラだ。

 平穏を予報しておきながら朝から大時化ということもあれば、朝からえらいこっちゃ的予報を出しておきながら、「台風ってどこの言葉?」ってなくらいに穏やかなこともある。

 今朝はどちらかというと後者の部類だった。
 これでホントに1日欠航させていいんだろうか??

 前夜のうちから、この日朝島発の1便のみで欠航と決めていたとはいえ、あまりの静かさを前に、船長カネモトさんは朝6時半頃に桟橋まで様子を見に行った。

 しかし、これが台風が去ったあとの状況であれば、迷うことなく運航再開という状況ながら、台風はまだ接近前。この時点で「大丈夫」という判断を下せるヒトはいない。

 というわけで、台風接近中というにはいささか穏やか過ぎるお天気の下、台風避難バージョンの朝9時発の便で、ご宿泊の皆さんは島を発たれたのだった。

 おお、ついに完全無欠の台風休み!!

 ……なのは間違いないのだけれど、21日夜&22日は、お盆で疲弊したカラダを癒すために、あらかじめお休みと決めていた日。
 どうせ休みになるのだから、この日ご到着して1泊2日で4ダイブされる4名のゲストのみなさんのご予定を、すべてコンプリートしてから休みになるほうが充実感は倍増だったのに……。

 しかも、このところ続いたにわか雨のおかげで、ようやく生命の輝きを取り戻し始めた島内の名も無き草花たちだったというのに、強い風が吹いたらまた萎びてしまうじゃないか。>クワの葉っぱ。

 カメたちの受難の日々は続きそうだ。

 おお、そうだ、カメの餌といえば!!

 お盆前半といえば、それまでのひと月間1ミリも雨が降らないままの干ばつ状態だった日々。
 カメたちの餌になる草も立ち枯れ状態のため、1日分の餌の用意がままならない状況だった。

 そんなおりに、こういうギフトが!!



 (カメが食べられる)新鮮野菜とリクガメ用フードを大量に!!

 これは、うちのホシガメベビーの里親になっていただいているアザラシ&アシカさんご夫妻(ちなみにアザラシとアシカを併せてご夫妻なのではなく、アザラシ&アシカはご主人のハンドルネームです)が、ご到着早々にもたらしてくださった魅惑の品々。

 お盆のこととて、ゲストの皆さんにおかれては日本全国津々浦々の美味しい酒や肴をご提供してくださり、島に住み続けていると本来なら一生出会うことはなかったであろう品々に我々はありがたくも舌鼓を連日打ちまくっていたわけだけど、この超干ばつモードの餌不足状況のなか、このおみやげほどありがたいものはなかった。

 そのヨロコビの声を。



 冬ならば当たり前に畑にある野菜たちがこんなにおいしいものだったなんて!!
 おそらくガメラ君は人生で初めて知ったに違いない……。

 そしてもちろん、4日間餌を採りに島内を徘徊する必要がなくなった僕もまた、おかげさまで大変助かったのはいうまでもない。

 アザラシ&アシカご夫妻さん、あらためましてお礼申し上げます!!  


Posted by クロワッサン at 08:50Comments(0)カメハウス

2013年08月20日

肩透かし。

2013年 8月19日(月) 晴れ時々スコール

北東のち東の風 おだやかのち波あり 水温28~29度

 終戦記念日の翌日16日のクロワッサンは、今夏はもちろん今シーズンマックスのゲスト数の日で、そのダイビングが終了したアペリティーボタイムは、長かったお盆商戦の事実上の終戦記念日でもあった。

 翌朝島を発つ方、翌日潜ってから島を発たれる方、この日ご到着された方、みなさん揃ってアリ乾杯ッ!!



 そう、この日夕刻までは平和だったのだ。

 が、音もなく忍び寄る白色彗星の姿が、ついに可視範囲に登場。

 なんと、本島近海にある熱帯低気圧が、発達しつつ本島を通過していくという。

 おまけにそれとは別に南海上にある別の熱帯低気圧が、台風になって沖縄近海に接近してくるらしい。

 これはどう考えても18日以降はアウトになってしまうだろう。

 そこで、17日は1本目9時スタートで早めに2本潜り、その日のうちに船を渡久地港へ避難させた。
 例によって誰よりも一足早い避難ながら、何度も言っているように、連絡船が運航しているうちに避難させなければ、島に戻ってくることができないのである。

 そしてこれまた何度も言っているように、今年から船を陸揚げするようにしているため、船を揚げてから所定の位置に移動させるための二人がかりの作業は、多大な労力と時間を要する。
 何も載せていない船台なら一人で移動させられるけれど、船を載せている船台は、車で牽引している最中でも、方向転換させるためにものすごくパワーを必要とするのだ。

 大したことがなさそうであれば、ひとまずは洋上に係留しておいて様子を観る、という手をとりたいところながら、連絡船が欠航している間に状況が急変しても、島にいるとどうすることもできない。そのため最初から面倒な陸揚げ作業をしておかなければならないのだ。

 そういうわけでとってもしんどくはあるものの、すでに何度か経験したこともあってやや手慣れてきた感を抱きつつ、17日午後には船の陸揚げ作業完了。
 そうこうするうちに、昼間はなまやさしい予報を出していた気象台も、夕刻になって翌日以降がストロングな状況になる予報に変えていた。

 ふむ、やはり船を避難させておいて正解だ。
 あとは夜に台風歓迎ゆんたくをして、翌朝ゲストを見送ればいよいよ台風休み!!

 ところが!!

 翌朝、やけに静かな窓の外。
 風はそよそよと葉を揺らす程度で、海はベタ凪ぎ天気は快晴。
 天気予報も、昨夕の予報などどこ吹く風ってな開き直りで実に平和な数値を記している。

 完全無欠のダイビング日和ではないか。

 この日朝島を出るだけと決めていた連絡船も、当然ながら通常運航に。台風休みモードだったビーチの海の家も各パーラーも、早朝から臨戦態勢に切り替わった。

 もともとこの日帰る予定だったゲストのみなさんはともかく、本来もう一泊する予定だったのに撤退を余儀なくされていたゲストの皆さんが狂喜したのは言うまでもない。
 一泊どころかダイビングすら可能なのだから。

 その一方で、あまりのショックに意識朦朧としていたのがビーチのバイト君たちや、パーラーティーダのティーダガールズの面々だ。
 基本的に定休はなく、台風が来たらお休みということになっている彼ら彼女たちは、先月の連休以来一ヶ月間、無休で働きまくっていた。
 そこに、ついに台風来たるの報が。

 台風を求めているのは、高水温に辟易しているサンゴたちだけではないのである。

 ああ、それなのに、絵に描いたような肩透かし。
 彼らが思い描いていた夏のバカンスは泡と消えた。

 一方我々も、朝イチの便で島を出て、昨日せっかく美しく陸揚げした船を再び海に戻し、ソッコーで島に戻ってきてから通常モードで2ダイブ。

 いやもう、この陸揚げ作業と海に戻す作業を続けざまにやると、体中の節々や筋肉が悲鳴をあげることあげること。
 ホントに、フツーにダイビングの仕事をしているほうがどれほど楽かってなくらいなのだ。

 とはいえこうして再び島は通常モードになり、その日が本来の予定どおり最後の晩であるゲストのみなさんとともに、のどかなゆんたくタイムが………

 …と思っていたら、南海上にある熱帯低気圧が台風に変身。

 どうやら20日以降が危うそうだ。
 しょうがないので、翌日、つまりこの日19日も再び早めの2ダイブ作戦にし、午後から船を渡久地港へ。戻ってきてから後片付けをして、夜はいつもどおりゆんたくタイム。

 そんなわけでとにかくこの3日間は、朝8時の船で島を発つ方を見送り、9時からダイビング、午後は本島へ、そして夜は通常どおりゆんたくタイム、そしてまた朝イチで船を取りに行って2ダイブ、翌朝また8時に帰る方を見送ってから9時から2ダイブ、そして本島へ………

 まさに怒涛の日々だった。
 そんな期間にこの稿の更新などやっていられようはずはない。

 そう、長々と書いて何を言いたかったのかといえば、ただ一つ。

 けっして酒を飲みすぎてサボっていたわけではないのである。

 なにはともあれ明日からはしばらく台風休み。
 夕方の最終便で、満面の笑みを浮かべながら島を出て行ったティーダガールズたちが、束の間の夏のバカンスを楽しめますように……。
  


Posted by クロワッサン at 08:41Comments(2)日々の徒然

2013年08月16日

白色彗星迫る。

2013年 8月15日(木) 晴れ時々スコール

東のち南西の風 おだやか 水温28~30度

 七色星団の決戦もほぼ終盤。
 瞬間物質移送機による波状攻撃には手を焼いたものの、なんとか虎口を脱した今、行く手に輝くは大マゼラン星雲。

 一山越えた。

 途中、七色星団ならぬ五色の浴衣団が勢揃いしたこともあった。



 ちなみにこの浴衣の数々は、写真奥にいらっしゃる、奈良のザリガニハンターさんこと仕立て屋・彩縫堂さんの手によるもの。

 和裁技能士としてすでに今では呉服屋さんとのお取引もあるという、正真正銘のプロが作る浴衣なのである(当店自慢の「海のかけらピアス」も彼女の作品です♪)。

 そんなお盆期間は、台風のタの字も感じさせない好天続き。朝、まだ怒涛の日帰り客が押し寄せてこない時間帯は、毎日温泉のような風情だった。



 こうしてプカプカ浮かんでいるみなさんから祝福されたのがこの方。



 ついに到達した2000本の金字塔!!

 巨匠・コスゲさんらしく、ビーチでのダイビングが記念の1本になったのだった。

 ちなみに巨匠は昨年、あまりに出遅れたご予約だったため、ご滞在中の1日は船に乗れないという日があった。

 そのため彼は、まだ多くの日本人の頭にお盆のオの字もなかった時点でソッコーのご予約。
 おかげで今年は、全日程に渡りご乗船いただけている。

 そしてコスゲさんといえば……



 もちろんスライド漫談ショー!!

 今夏第1回興行は、2000本を祝しての乾杯から始まったのだった。



 「七色星団の決戦」といいつつ、素晴らしいお天気に恵まれ、海も終始凪ぎ続き。
 昨夏は様々な方々が度重なる台風にサマーバケーションを蹴飛ばされまくったものだったけど、今夏は誰も彼もが海神様から祝福されているようだ。

 ……今のところは。

 週間天気予報上でこのあと続く、雨マークの連打!!

 沖縄近海に熱帯低気圧が2つほどできるようで、この異常に高い水温のこと、熱帯低気圧になれば台風まで発達するのは必定。

 ガミラスとの戦いが夢の日々と思えるほどに、新たな脅威に席巻されてしまうのか???   


Posted by クロワッサン at 08:59Comments(0)日々の徒然

2013年08月14日

アンビリーバボー アンブレイカブル。

2013年 8月13日(火) 晴れ夕方にスコール

北東の風 おだやか 水温27~30度

 お盆になるし、毎朝これを更新する時間がなくなるから、日記をお休みします、という意味で通信途絶状態になる、と書いただけなのに、まさか本当に途絶してしまうとは……。

 何週間ぶりかで降った恵みの雨についてきた、雷様が原因だったようだ。
 きっと停電等単純な理由であろうことは容易に想像がついていたものの、通信が途絶したのは日曜日。この通信環境がライフラインであるという意識が微塵もない役場と業者に、日曜日に連絡がつくはずはない。

 しょうがないので月曜朝イチで業者に連絡すると、現場にスタッフが行けるのは早くて翌朝、すなわちこの日になるとかなんとか呑気なことを言う。

 ま、その言葉どおりこの日昼までには復旧したものの、原因はブレーカーだったことが判明。
 以前にも説明したとおり、水納島に無線LANの電波を飛ばしている装置は、瀬底公民館に取り付けられている。
 そのため、何かの拍子に公民館のブレーカーが落ちると、高速ブロードバンドはたちまちその機能を失ってしまう仕組みになっているのだ。

 とはいえ、ブレーカーを元に戻せば済むだけだというのに、足かけ3日も不通状態になるなんて……。

 機器がどんなにハイテクでも、それを駆使するのは人間である、という極めてインポータントなジジツを、我々はもう少しキチンと意識しなければならない。
 そう、「安全な原発」や「墜落しないヘリ」なんてものは、この世にはないのである。

 というわけで、この3日間にいろいろあったことや、この先3日間でいろいろあるであろうことは、またの機会にあらためてお披露目いたしまする。  


Posted by クロワッサン at 06:54Comments(0)日々の徒然

2013年08月11日

第3艦橋には居たくない…。

2013年 8月10日(土) 晴れ

南西のち北東の風 おだやか 水温27~30度

 ついに七色星団宙域に到達。
 これより通信途絶状態に入る。

 待ち受けるは猛将ドメル率いるガミラス精鋭空母艦隊。

 いよいよ決戦のとき来たる!!

 

 というわけで、今日からしばらくこの稿は更新されません。
 通信回復後、↓こんなことになっていないよう、どうぞお祈りくださいませ………。



 それではみなさん、ごきげんよう。  


Posted by クロワッサン at 07:36Comments(3)日々の徒然

2013年08月10日

茶化。

2013年 8月9日(金) 晴れ

西の風 おだやか 水温26~30度

 週間天気予報に、突如雨マークの連打!!

 天気図の経時予想図を見ると、フィリピンの東にポッカリ台風ができる予報になっているではないか。

 七色星団の決戦の最中に白色彗星襲来か??

 ……でも。

 大干ばつモードになっている今、この天気予報上の雨マークは、気象台の願望に過ぎないのではなかろうか……。

 と思っていたら、案の定米海軍台風情報では、新台風の進路は当初から雄々しくまっしぐらに西へ伸びている。

 そして10日朝になると、日本の台風進路予想もフィリピン越えの西方コースになっていた。

 湿った空気が多少の雨をもたらすかもしれないとはいえ、台風の直接の心配はなさそうだ。
 頼もしきかな、高気圧。

 が。

 サンゴの白化も懸念されるところながら、一足先に、別のものが変化してきた。



 芝生の茶化!!

 いや、芝生が全員「カトちゃんペッ!」って言っているわけではないですよ……。
 あまりの熱射と水分の少なさに、芝生が熱中症を起して焼け始めているのである。

 水を撒いていてもなおこうなるくらいだから、雑草の類の受難状態はそれ以上で、沿道の草という草が少しずつ茶化している。

 そうなると大変なのが、カメたちの餌だ。
 草食なので餌代がかからないのはいいのだけれど、それなりに量が要る。
 なのでただでさえ一仕事になるというのに、干ばつのために餌になる草がみんな育たない状態になっているため、必要な分量を確保するのがかなり難しくなっている。

 今、日中の本業よりも、夜のゆんたくよりも、このカメの餌確保が最も労力を有する作業になっているのであった。

 そろそろ本気で雨乞いの儀式をとりおこなわなければならないかもしれない………。  


Posted by クロワッサン at 07:19Comments(0)日々の徒然

2013年08月09日

夏のヤツガシラ。

2013年 8月8日(木) 晴れ

西の風 おだやか 水温27~30度

 真夏だというのに、うちのすぐ近くの原っぱに、ヤツガシラが舞い降りた。

 ヤツガシラって、夏でも沖縄に来るものなの??

 目の前にいたんだけど、残念ながら写真はない。
 写真がないので海の写真。



 ああ、ニジハタのように、木陰で昼寝していたい……。  


Posted by クロワッサン at 07:37Comments(0)日々の徒然

2013年08月08日

ブリーチング・リターンズ??

2013年 8月7日(水) 晴れ

西の風 おだやか

 先月船を渡久地港に台風避難させて以来の本島へ。

 この日7日は、随分前からお休みにしていた日だった。その前後2週間休みがないことを思えば、茫漠たる砂漠の果てに辿り着いたオアシスのような1日。

 が、あれやこれやそれやどれや、いろいろとやらなければならないことをしているうちに、オアシス終了。

 次なる休日である22日を心の拠りどころに、再び暗夜行路を歩むことにしよう。

 ところで昨年の今頃といえば、度重なる台風のおかげで、10日間のうちにまともに営業したのは2日間だけ、なんて状態だった。

 カラダに優しく、フトコロに痛い。

 ところが今夏は、ここまですでに10個の台風が発生してはいるものの、その影響下に入ったのはまだ2回、しかも暴風域には1度も入っていない。

 フトコロは潤い、カラダは痛い。

 春先、デイゴの花満開情報をどこからも耳にもしなかったから、これはひょっとすると今年は台風少ない??と淡い期待を抱いたものだった。
 今のところそのデイゴ予報は当たっている。

 はたしてこのあとはどうなる??

 思い起こせば、98年の夏もこんな感じだった。
 そろそろ来るだろう、来るだろうと思っているうちに、結局夏の間ひとつも台風は接近せず。
 台風さえ来なければ時化ることがない季節のこと、攪拌されないまま静かに横たわる海は、水深30メートルに至っても水温30度という、中途半端な温泉状態になってしまった。

 その水温に耐え切れず、やがて始まったサンゴの白化。
 7月下旬のトゲサンゴを皮切りに、お盆頃になるとリーフ上のミドリイシ類が見る見るうちにパステルカラーに。

 それはそれでまるでメルヘン世界のように美しかったのだけど、そんな状態が続いたのは2週間ほどで、やがてメルヘンカラーのサンゴたちは、酵素パワーのトップで漂白したかのごとく真っ白になってしまった。

 真っ白になってもサンゴは生きてはいた。
 しかし体内で栄養を供給してくれる褐虫藻が抜けてしまったからこその白化なので、やがて栄養不足になって次々に死んでいく。

 白かったサンゴたちは、少しずつ苔むしていった。

 7月下旬から始まって2ヶ月弱で終了したサンゴの大白化ショー。研究者にとってはまたとないチャンスだったことだろう。
 聞くところによると、瀬底島で長年に渡ってリーフのサンゴを研究してきた方は、その年に限って研究のためイスラエルに長期滞在、そのため研究者にとって千載一遇・空前絶後の大白化ショーを見逃してしまったのだそうな。

 そういう星回りのヒトっていますよね……。

 ちなみにその年は、サンゴがほぼ壊滅してからようやく台風がやってきた。
 10月のことである。
 これがもう少し早かったら………と当時誰もが嘆いた。今年もそういうことになってしまうのか??



撮影:オタマサ(1998年9月)


 2013年8月上旬現在、トゲサンゴの色が、密かに淡くなり始めている。  


Posted by クロワッサン at 07:37Comments(2)水納島の海

2013年08月07日

一升瓶物語。

2013年 8月6日(火) 晴れ

南西の風 おだやか 水温27~30度

 昨日久しぶりにこの日記が1行で終わってしまった原因は、ほかでもないこの方である。



 ご存知、ごっくん隊リーダーT沢さん。

 今回の沖縄旅行は、本来はファミリーリゾートツアーであるべきはずのところへ無理矢理水納島一泊をねじ込み、水納島ご滞在に限っていえば弾丸ツアー状態でのご来島だ。

 そして迎えた最初で最後の夜。
 いつも夜は限定解除状態のゴキゲンナイトではあるんだけど、こうして一升瓶を抱えつつ満面の笑みを浮かべておられるのにはわけがある。

 この久米仙の一升瓶は、実は島のタツヤさんからリーダー夫妻へ贈られた、結婚祝いの酒なのだ。

 リーダーご夫妻がまだご入籍前にお2人で来島されたおり、狙い済ましたかのように台風の襲来を受けたことがあった。

 当時ドイツ出張のため参加できなかった隊長の怨念というウワサもある台風である。
 幸い暴風域にかかりそうではなかったので、お二人は潜れない日中を鬱々と過ごされつつ、夜にはそれを発散する、という日が数日続いた台風休みのある夜のこと。

 翌日もダイビングはありえなかったので、いつも以上に調子よくグラスを傾けるお2人。
 やがて1時を過ぎた頃、さすがにお二人は宿への帰路につかれた。

 旧我が家から民宿大城までの道のりである。
 その間、二人の行く手を阻むものは何もない。

 が。

 なぜかお二人は、途中にあるタツヤさんの玄関のドアをガンガン叩きつつ、

 「ただいま~~~~ッ!!」

 と叫んでいたのだった。
 これがアメリカだったら、住人によって間違いなく撃ち殺されていたことだろう。

 酔っ払いの二人にとっては、宿に締め出されてしまった状態になっていたらしい。
 しかしいくら酔っているからって、宿とタツヤさんの家とを間違えるほうが難しい。
 そんな我々の素朴な疑問に、リーダーはこう応えるのだった。

 「あのカーブを曲がりきれませんでした………」

 翌日二人がナニゴトもなかったかのごとく宿で目を覚ました頃、島中にそのウワサが轟き渡っていたのはいうまでもない。

 すべてを知ったリーダー夫妻。
 そこで次回ご来島の折に彼らは、タツヤさんへのお詫びの印にと菓子折りを届けた。

 すると今度は、リーダーたちが入籍されたということを知ったタツヤさんから、お祝いの久米仙一升瓶がドドンと2本お二人にプレゼントされたのである。

 出会いは悲惨(?)だったけど、そのおかげで取り持たれた縁はステキだった。

 もちろんそのご滞在中に、フルメンバーが揃っていたごっくん隊によって瞬く間に1本は空いた。
 しかしもう1本はせっかくだから記念ボトルにしようということで、ホワイトマーカーで寄せ書きを施したあと、かつて一世を風靡していた一本サンゴの近くに埋めることに。

 ファインダイビングでスコップを持って行ったのは、この時が初めてである……。

 それから1年経った頃。

 その一升瓶は、もう海の神様が飲み尽くしてしまった、と誰もが思っていた。
 というのも、もともと1年経ったら掘り起こそうと決めていたのだけれど、半年ほど経過した頃に一度、リーダーが念のためということで一升瓶の存在を確かめようとした際、どれほど探してもまったく見当たらなかったのだ。

 一本サンゴからの方位も距離も、かなりシビアに計測して埋めたはずなのに、掘れども掘れどもボトルの姿は現れず。

 なので1年後に再び来島された際には、皆があきらめていた。
 でも、ひょっとすると…ということがあるかもしれない。
 そこで再びスコップを手に、あるべきはずの場所をリーダーと二人で必死こいて探してみたものの、やはり一升瓶の姿はない。

 やはり砂が移動するから露出してしまって流れていってしまったのだろう……。

 その時!!

 作業の一部始終をビデオに納める係をしていた隊長が、我々を呼んでいる。
 どうやらそのジェスチャーは、その下にボトルがあるとおっしゃっているようだ。

 んなこと言ったってあなた、これほど探して見つからなかったのに、チョコッと指示棒を挿しただけで見つかるわけないじゃん……。

 と、リーダーも僕もまるっきり信用しないまま、隊長が指差す場所を掘ってみると………

 一升瓶出現!!

 ヨロコビのあまり、一本サンゴの上で宙返りを繰り返すリーダー。
 勢い余ってその夜のうちに飲んじゃおうか、なんて話にもなったんだけど、リーダーオクサマであるブクちゃんがご不在の時にそれはよくないだろうと、(シラフのときは)すこぶるつきの紳士である隊長に諌められ、次回リーダー夫妻が揃った日まで、その記念一升瓶はキープされることになった。

 もちろん我が家で。

 ところがその後、リーダーご夫妻に長男誕生。
 そのためご来島は、リーダーと隊長のみという年が続いた。

 開けられないボトル。

 一昨年には、台風で我が家が被災してしまった。
 あらゆるものが散乱してグチョグチョ状態になっていたなか、なによりもまず真っ先にこの一升瓶を確保したのはいうまでもない。

 そして時は流れ……

 泡盛を一度海底に埋めてから8年経った今年。

 すでに寄せ書きはそのほとんどが剥がれ落ち、かろうじて「入籍」の文字が判読できる程度。
 しかし中身は紛れもない古酒の域に達しているであろう一升瓶に、ようやく開封の日が訪れた!!



 埋めた当時はまだタネですらなかった御子息も加わって、家族3人で鏡開き!!

 ついに、ついに、記念ボトルが開きました~~!!

 …と思ったら、



撮影:オタマサ


 その夜のうちに、空きました~~~!!

 早ッ!!

 開封直後は、瓶から立ち上る臭気が一種異様な香りだったのでややたじろいだものの、リーダーに毒味していただいたところ、

 「美味いッ!!」

 とのこと。

 リーダーが倒れる様子もないし、どれどれとゲストのみなさんたちと飲んでみると、これがあなた、完全無欠の古酒状態。

 海の中で1年埋まり続け、台風被災直後は野ざらし雨ざらしで数日過ごしていた久米仙は、そんじょそこらのにわか古酒が裸足で逃げ出す深い味になっていた。

 長きに渡ってキープされ続けていた久米仙記念ボトルは、こうしてようやくその使命を終え、思い出の酒のひとつへと昇華したのだった。

 リーダーご夫妻、ご馳走様でした!!
 あ、隊長、空いちゃいました……。
 かくなるうえは、ご自身の「共同作業」で新たな一本を!!

 ところで。

 無理矢理弾丸水納島行だったリーダーは、ご到着日にボートで1本、その日の夕刻にビーチで1本、翌日2本ボートで潜ってからお帰りになるご予定だった。

 ところがレンタカー屋の手違いで配車が送れたためにご到着が午後になり、ボートダイビングには間に合わず。
 夕方は夕方で家族サービスに追われているうちに日没サスペンデッド。

 一升瓶1本空けて臨まれた翌朝、ようやく1本目を迎えることができたと思ったら、パパがいなくなるのが寂しいご子息に拗ねられたあまり、2本目は自然消滅。

 重い器材を持参してはるばる水納島までお越しになったリーダーは、結局

 一升瓶1本!

 ダイビング1本!

 なんという潔さ!!

 台風のためにご予定が一泊のみで終わってしまった昨夏と違い、今回はベタ凪ぎ快晴台風の気配微塵もなしという完璧なコンディション。
 にもかかわらず、結局1本しか潜れないリーダーなのだった。

 ……というか。

 やはり一部の方々におかれては、我々の生業が何であるか、今ひとつキチンとご理解していただけていないに違いない………。  


Posted by クロワッサン at 08:57Comments(2)日々の徒然

2013年08月06日

夏休みなのに……

……飲みすぎた。  


Posted by クロワッサン at 07:03Comments(0)日々の徒然