2022年 10月3日(月) 晴れ
東の風 波あり 水温28度
長い間、「イカ焼き」と聞いて頭に思い浮かぶ姿形は、縁日の屋台でおっさんが焼いていたイカの丸焼き…
…だった。
ところがダイビングのシゴトを通じて様々なゲストとお会いできていたおかげで、関西方面、それもコアなナニワのあたりを中心に、「いか焼き」なるまったく別の食べ物があるらしい、ということを薄々知るようになった。
ただ、どうやら屋台のイカの丸焼きとは違うものらしいということはわかっても、実際に食べたことはおろか目にしたこともなかったから、頭に思い浮かぶビジュアルはイカの丸焼きからなかなか離れない。
そんな「いか焼き」が、齢五十も半ばになって初めて目の前に!
阪神名物「いか焼き」に、人生初遭遇。
関西人のソウルフードとも呼ばれるこのいか焼き、まがりなりにも大阪出身でありながら、なぜにワタクシはその存在を知らないまま生きてきたのか。
それはひとえに、阪神百貨店に縁が無かったからといっていい。
子供の頃から家族でしばしば梅田にまで出向くことはあっても、百貨店といえば阪急というパターンが多く、お向かいの阪神百貨店で何をしたという記憶などまったくない。
なので、阪神百貨店地下1階のスナックパークなど知るはずもなく、昭和30年代から続くというこの老舗も、「ソウルフード」といわれるまでに有名ないか焼きも、まるっきり知らないまま今日まで生きてきたのだ。
そんなワタシがいか焼きと遭遇できたのは、ひとえに↓このような専用保冷パックで冷凍物を販売してくれるようになっているおかげ。
そしてもちろん、それをわざわざ送り届けてくださる奇特な方がいらっしゃるおかげなのはいうまでもない。
奇特な方、この場をお借りして御礼申し上げます。
ひとくちにイカ焼きといっても、そのバリエーションは月島のもんじゃ焼きなみにいろいろあるようで、上の写真のプレーンな元祖イカ焼きのほか、ねぎいか焼きとかめんたいチーズなど何種類かミックスのセットになっていた。
というわけで、いか焼きを人生初実食。
これは……
うまい!
さすが粉もん王国でソウルフードと呼ばれているだけあって、生地の食感と味は絶妙という言葉ではとても言い表せないほどの完成度の高さだ。
調べてみるとこの生地は、ダシと小麦粉、イカを練り合わせたものなのだそうな。
ソースをかけたビジュアルだと、お好み焼きの具をイカにしただけのようにも、タコ焼きの具をイカに代えてお好み焼き風にしただけのようにも見えるけれど、生地ひとつとってもそれらの有名どころの粉もんフードとはまったく別モノと言っていい。
冷凍をチンしただけでこんなに美味しいんだもの、これを店頭で焼きたてホヤホヤをいただいたら、美味さ3倍増であることは想像に難くない。
過去に何度かいか焼きの話になった際、ワタシがいか焼きを知らないことに驚愕し、まるで火星生まれのヒトでも見るかのように目を見開いていたナニワの方々のキモチが、今初めてわかった気がする…。
ちなみにワタシに人生初遭遇の機会を与えてくださった方もまた、いか焼きを知らないワタシを火星人扱いしていたような気がするけれど、ワタシと同じく淀川の北、すなわち雅な大阪で生まれ育っているその方のハズバンドもまた、いか焼きを全然知らないまま四十半ばまで生きていた、というジジツもあったりする。
知らないヒトもけっこう多い「ソウルフード」なのだろうか。
ためしにヤホーで「イカ焼き」で画像検索してみたところ、ヒットする画像群は、屋台のイカの丸焼き風のものとこの「いか焼き」の数が、相半ばする勢力分布になっていた。
半分も占めていることにビックリ。
さすがソウルフード。
ともかくそんなわけでいか焼き初体験を終えた今、阪急百貨店のデパ地下で生ハムとワインを…というコロナ以前からの夢巡業に、阪神百貨店の地下でいか焼きを…というテーマが新たに加わったのは言うまでもない。
…という話を読んでしまい、いか焼きを食べたくなって悶絶してしまった方は、
こちらからご注文をどうぞ。