2025年 3月31日(月) 雨昼頃だけ曇り
北東の風 けっこう波あり模様
侮れない風が依然吹き続けてはいたものの、前日に比べれば随分おさまってはいたこともあり、本日の連絡船は4日ぶりに通常運航に。
とはいえ雨は、お昼前後の束の間を除いてしつこく降り続く。
異常な少雨のために梅雨前には深刻な水不足に陥りかけていた昨年のこの時期とは、まったく真逆になっている。
これ一事をもってしても、こと気象天候に関しては「平年」という言葉がまったく意味をなさなくなっていることがよくわかる。
ちなみに悪天候続きにもかかわらず、連絡船が欠航していた間もずっと、港の工事は24時間体制で行われていた。
今の日本でここまで工期が切羽詰まっている工事といえば、水納港と夢洲くらいのものだろう。
さてさて、昼前後の束の間だけ雨が上がっていたので、せめてもの運動とばかりに散歩をした。
今の季節はセンダンが花の時期を迎えているから、湿度の高い空気が淀んでいれば、センダンの花の香りが充満していてたいそうかぐわしい。
そのセンダン、いつの間にか島内の随所で育つようになっているのだけれど、以前も紹介したように、島の方々によると昔はこんなに無かったという。
たしかに我々も昔は気にした覚えがない。
成長が早い樹木だから、近年になってドッと増えたのだろうけど、大元はいったいどこなんだろう?
…と朧げながらも疑問に思っていたところ、その答えに最近気がついた。
おそらくこれが、現在の水納島のセンダンバブルの大元だ。
水納小中学校校門そばの花壇に生えているセンダン。
反対側の門柱の傍らにももう1本、そしてすぐ近くにある校長住宅にももう1本育っているセンダンたちが、島内で最も樹齢が長いと思われる。
我々が越してきた頃からすでにここに生えていたのは間違いなく、その頃からヒヨドリをはじめとする鳥たちが実を食べては、せっせと島中にタネを落としまくっていたのだろう。
今の季節、風が吹いていない日に校門にいると、センダンの花の香りがたちこめてます。
実といえば、校門そばのトシおばさんの家で鈴生りになっているのが、こちら。
さくらんぼ。
緑に赤が目にも鮮やかなこのさんくらんぼ、見た目はたいそう美味しそうなんだけど、けっこう渋いので、知らずに食べたらショックは大きいはず。
熟れるともう少し黒ずむんだけど、それでもやっぱり渋い。
その昔は本島までさくらんぼを摘みにいってまでして「さくらんぼ酒」(といっても泡盛に大量のさくらんぼを漬けるだけだけど)を作ったオタマサだったけれど、手間のわりに大して美味しくなかったためにその1回きりで終わってしまった。
寒緋桜のさくらんぼは、味よりもビジュアルを愛でるのが吉。
旧暦では3月3日になるこの日は、沖縄では「浜下りの日」とも言われる。
もともとの意味合いからレジャー方面へと変わってはいるものの、普段海とは縁遠い方も潮が引いた海へと繰り出しては、海神様から食材系をいろいろ賜る「浜下り」、昔に比べてマスコミが取り上げなくなっているような気がする。
それは単に我々が地上波のテレビをほぼ観ないから県内ローカルニュースに接する機会がないためかもしれないけれど、一方で近年の世知辛い世の中では沖縄ですら「漁業権」が幅を利かせるようになっているせいで、レジャーとしての浜下りも実はご法度になっているとか?
ちなみに春から秋までの間は同じ干潮でも昼のほうが潮が引くようになり(秋から冬はその逆)、春の大潮ともなると、まだ最干には間があったこの日の昼時でも、すでにこんなに引いていた。
どこだかおわかりですね?
ちなみに潮が満ちていると…
満ち過ぎていたら砂浜が消えるし、引き過ぎていると砂浜感がなくなる秘密のビーチだから、せっかく歩いてきたのに、満潮時で砂浜が無かった…なんて方もいらっしゃるかもしれない。
そこで遊びたいと思ったら、気象状況はもちろんのこと、その日の時刻ごとの潮の具合いの確認も必要なのが海での遊び。
いつなんどき訪れても希望のモノが用意されているテーマパークに馴らされた方々には無理な世界だからこそ、多くのマリンレジャー業者の経営が成り立っているのだろう。
バナナボートなどのようにただ引っ張ってもらうだけの受動的な遊びに高じている方々の多さに鑑みると、すでに海辺もある意味テーマパークになっているってことなのかも。
そして昔ながらのスタイルで能動的に海で遊ぼうとする方々には、御上からの締め付けがますます厳しくなっていくのだった。
話は変わる。
先日潜っていた時のこと、ふと目をやった砂底で、オトメベラが砂中から何かを引きずり出した。
どうやらクモヒトデっぽい。
咥えただけではクモヒトデは死なないだろうし、かといってすぐさま飲み込めるものでもない。
どうするのかなと観ていたら、オトメベラは…
…咥えているクモヒトデを、砂底に叩きつけた!
でも相手が砂じゃ埒が明かないと思ったのか、今度はすぐそばにある根まで来て…
岩肌を使ってしばき倒した!(その瞬間は逃しちゃったけど、砂粒が舞い上がっているでしょ?)
砂が溜まり藻が生えていようとも、砂底よりは効果的と思ったのだろうか。
やがてクモヒトデの「タタキ」が完成したらしく、背を向けてモグモグ食べ終えたオトメベラ。
オトメベラも属しているヤマブキベラの仲間たちではわりと観られる気がするこの獲物の「タタキ」、でもアカデミズムの世界では瞠目シーンらしく、10年以上前のことながら
こういう記事がナショナルジオグラフィックに出ていた。
その後ももっぱらベラ類で観られるこのような食事スタイルが、「道具を使う魚」ってことでアカデミズムの世界では注目されているらしい。
そういえば一昨年の春には、ウニの仲間を咥えてどうにもならなくなっているミツバモチノウオに出会ったっけ。
咥えたはいいけれどにっちもさっちもいかなくなっていたらしく、オーバーハング下の暗がりを行ったり来たりしていたミツバモチノウオ、どうするのかなと思ったら、咥えたウニを岩壁に打ちつけ始めた!
トゲトゲに覆われていようとも所詮ウニの殻は脆いため、その一撃二撃で食べやすくなったらしく、その後しばらくするとモグモグし始めたミツバモチノウオだった。
ことほどさように、ベラ類では「道具を使う」ことが一般的なのだ。
それをもってアカデミズムの世界の方々は、魚の知能の高さの表れであるという。
でも同じ「魚」でも、こういう事態に陥っているヒトもいるんですけど…。
過去に何度か紹介している、コクテンフグに手を(口を)出してしまったニジハタの図。
咥えたはいいけれどコクテンフグが膨らんでしまったものだから、これ以上口を開けられず放すことができないニジハタ、そして萎んでしまったら飲み込まれるから、意地でも膨らみ続けるコクテンフグ…。
ひところジョン・ウー監督が多用していた、善玉と悪玉が互いに銃を突きつけ合うシーンのような…
「フェイス・オフ」@ジョン・ウー監督より …にっちもさっちもいかない状況に陥ってしまっている両者である。
この場で冷静なのは、ジッと見守っているヤライイシモチくらいのものだろうけど、彼はおそらく、その昔デスラー総統がヒス副総統に対してかけたセリフをつぶやいていたことだろう。
「ニジハタ君、君はバカかね?」
これを見せられて「知能が高い」と言われましても…ってところながら、ハタもなにげに賢い魚のグループであることを考えれば、コクテンフグがそれを上回るほど知的だったということなのか。
ニジハタ対コクテンフグはレアシーンだけれど、ヤマブキベラの仲間やモチノウオ類が獲物を何かに叩きつけるシーンは、気にしていれば見掛ける機会はけっこうあるはず。
それをフツーのことだと思ってしまうと「ベラね…」で終わってしまうヒトのほうが多いために、これまでダイビング業界では話題に上らなかったのだろう。
ベラのタタキが実はアカデミズム業界では一部で注目されている…と知れば、ダイバーのベラを見る目も変わってくるかも?
というわけで、当サイトお魚コーナーの「
ベラの仲間」が、とうとう100種類に達しました♪