2017年06月30日
隣人は静かに笑う。
2017年 6月29日(木) 晴れのち夜から雨
東のち南東の風 波あり 水温25~27度
まだ記憶に新しい昨年のサンゴの白化、その騒ぎが終息しかけていた頃に「おっ?」と思ったことを、最近になって思い出したので、この日パシャッと撮ってきた。
このシーン。
一見するとクマノミがイソギンチャクに暮らしている、ごくごくフツーのシーンに見える。
しかし。
住処になっているイソギンチャクの種類は、どう見てもタマイタダキイソギンチャクだ。
ご存知のとおりクマノミ類は、住処とするイソギンチャクがある程度決まっているのだけど、本家クマノミはそのなかでは最もイソギンチャクの種類の多様性が高い種類ではある。
でもタマイタダキイソギンチャクといえば、本来はハマクマノミ専用といっていいイソギンチャクなのだ。
なので通常は、クマノミがタマイタダキイソギンチャクに住みついているシーンを目にすることはまずない。
昨秋、クマノミがこのタマイタダキイソギンチャクに暮らしていることに気がついた時には、ホントにこれがタマイタダキイソギンチャクなのかどうか自信を持てなかったのだけど、よく見るとこのイソギンチャクの片隅に、ハマクマノミのチビターレも住んでいた。
てことは、やっぱりタマイタダキイソギンチャクなのだろう。
立場上クマノミの支配下に置かれてしまってはいるハマクマノミチビターレながら、先住ペアがいる場合の色褪せたチビ色ではなく、最初からペアデビューできる恵まれた環境にいる場合のチビ色、すなわちハッキリクッキリハマクマノミ色で暮らしていた。
このサイズで1匹でいるのにクッキリハマクマ色ってことは、元々はパートナーと一緒に暮らしていたに違いない。
ところが彼が成長しきる前にツレアイのメスが不慮の事故死を遂げてしまい、そのドサクサ紛れにクマノミがやってきた、ということだろうか。
なにしろ彼らクマノミの本来の家であるサンゴイソギンチャクは、ここから1メートルも離れていない近さにあるから、行き来はたやすい。
そしてクマノミはいつしかどちらのイソギンチャクでも過ごすようになり、ハマクマノミチビターレは成長の機会を失ってしまったのだろう。
そんなハマクマチビターレの姿は、今回確認できず。
哀れなるかなチビターレ、ホントならしばらくは優雅な独身生活を謳歌できていたはずなのに、イレギュラーな住人のせいで、彼の未来は蹴飛ばされてしまったようである。
Posted by クロワッサン at 07:19│Comments(0)
│水納島の海