2025年 5月15日(木) 晴れたり雨降ったりするもおおむね晴れ
南東の風 おだやか
前日の名護詣でが予想外に早く終わったので、その日のうちに島に戻ろうと思えば戻れた。
でもせっかく一泊する用意をして出掛けてきたのでのんびりすることにしたわけだけど、そのおかげでシロハラクイナに会えたし、大量のオタマジャクシという衝撃シーンを目にすることもできたのだった。
一夜明けて迎えたこの日も、前日同様バッチリのお天気になる…
…はずだったのに、日中は晴れているかと思うとけっこう本気の雨が降り、降ったかと思えば止み、止んだかと思えば降り…を繰り返す始末。
さすが梅雨、長期休暇中であってもシゴトを忘れない(気象庁は梅雨入りを認めていませんが)。
作業場にいるワタシは雨が降ろうがどうしようがお天気にはさほど左右されないのに対し、外で高圧洗浄機作業をしているオタマサはかなり翻弄されていた。
時々の雨に中断されつつも、あとひと息というところまできていたのに、ダメ押しの本降りでついに雨天中止の羽目に。
そして機材を片付けたら雨はすっかり上がり、ナニゴトもなかったかのように太陽燦々状態に戻ったのだった。
ちなみにそのような雨に見舞われていたのは本部町内のほんの一部だけらしく、少なくとも水納島では1滴の雨も降っていなかったみたい…。
ところでオタマサは高圧洗浄機でいったい何を洗浄しているのかというと、コンクリートに蔓延る黒いカビ。
当初はPM2.5のなせるワザなのだとばかり思っていたのだけど、どうやらその正体はカビらしい。
駐車スペースのコンクリートなど黒いまま放っておいても特に支障は無いとはいえ、高圧洗浄機で吹き飛ばした部分と比べたら、ホントはこんなに白かったのか!ってくらいの違いに驚く。
であればやるに越したことはないんだろうけれど、たった1年で元に戻ってしまうカビの繁殖力。
年イチ作業となると、いささか徒労感が…。
その点徒労はしても徒労感とは無縁なオタマサがフツーにルーティンにしてくれているおかげで、今年も駐車スペースその他コンクリート地面は輝きを取り戻しているのだった。
それにしてもこのカビ、そもそも発生を抑える方法はないのだろうか。
調べてみたところ、コンクリートのカビ用として各種カビクリーナーが出ているみたいなんだけど、どれもこれも比較的安価な値段相応の能力しかないっぽく、風呂場用カビキラーのようなわけにはいかないみたい。
しかしなかには「姫路城でも使用されている」と謳っている本格的な製品があって、一度手を加えたら1年以上きれいなままなんていう実証実験も添えて宣伝されていた。
なるほど、世の中にはこういうものもあるのか。
その能力の高さゆえけっしてお安くはないその製品、いきなり必要量を買うのもなんだから、ちょっとだけ買ってみて効力を試してみるってのはどうだろう…
…と思ったものの、たった2キロ入りのものでも送料を入れると1万円。
塗布量の目安は1㎡あたり0.3キロというから、2キロでほんの7㎡しか塗れない。
7㎡といえば、四畳半にも満たない面積、それで1万円?
ダメだ、たとえ効果抜群だったとしても、すべてを賄う量を購入できない…。
というわけで、今後も徒労感センサーが無いオタマサに頼ることにしよう。
徒労感センサーが無いと、潜っている時にもその威力を発揮する。
何もいないかもしれない砂底を、憑りつかれたようにサーチし続け、そしてホントになにもいなくても徒労感を感じない、それがオタマサである。
でもその甲斐あって、ちょくちょく「おっ!」というモノに遭遇してもいる。
先日も、ハナブサイソギンチャクでこういうクリーチャーと出会っていた(以降の写真すべて撮影:オタマサ)。
なんだ、ハナブサイソギンチャクにいるマルガザミだなんて、フツーに出会えるカニさんじゃないか…
…と思われた方もいらっしゃるだろうけれど、フフフ…甘いな。
実はこのマルガザミ……
…デカいんです。
過日紹介したことがあるように、マルガザミがペアでいるところを見かける機会は少ない。
ところがこのマルガザミはペアでいた。
おそらくオスと思われる小さいほうは、こうして比較するととてつもなくチビに見える。
でも実はこの小さいほうがフツーサイズで、普段よく観ているオトナのマルガザミよりほんのひと周りほど小さい程度。
つまり大きいほうは、とんでもなく規格外にでっかいのだ。
オタマサによると、海中で甲羅の幅が6センチくらいに見えたそうで、目にした途端「デカッ!」と叫んだ一瞬は、まったく別のガザミかと思ったほどだという。
海中で6センチに見えるってことは、実測4~5センチほどだから、ご存知ない方にはそれのどこがでっかいの?ってなものかもしれない。
でも甲幅4~5センチのマルガザミなんていったら、イエネコに混じっているベンガルトラほどのインパクトなのである。
ああ見たかった、ベンガルトラマルガザミ…。
でもそのためには、幾多の徒労を繰り返さなければならないのであった。