2024年05月08日
レア度ホワイトソックス級。
2024年 5月7日(火) 晴れ
北の風 波あり 水温22度~24度
連休明けで洋上のダイビングボートもきっと減るだろうけれど、念のために朝早めにGO!
もちろん目当てはセカンドチャンスだ。
昨日の今日なら、きっと居てくれるはず…
…と期待しつつも、こういうときは往々にしてGoneなんだよなぁ、という覚悟もしていた。
はたしてホワイトソックス・チビターレは…?
ああ、いない……。
大きいほうはしっかり同じ場所にいるものの、背後に写っていたチビターレの姿がどこにもない。
場所を移しているのかも…と周辺を探すも、白い触角の根元にはオトヒメエビヤングやアカシマシラヒゲエビがいるのみ。
ああ、昨日の今日だというのに居なくなるだなんて!
…と悲嘆に暮れようとしたその時。
あれ?
いた!
それも前日とまったく同じ場所に。
昨日は後刻撮った画像をPC画面で見て初めて気がついたものだから、画像でイメージしていたよりも海中で見る実際のサイズのほうが遥かに小さく、予想していた「見え方」と全然異なっていたのだった。
発見しづらかったのはナリの小ささだけではなく、小さいがゆえに触角が細いのと、その触角がオトナのようにクッキリハッキリ白くなく、それどころか根元から少し先まで赤いことにもよるっぽい。
ともかくようやく海中で認識できたホワイトソックス・チビターレ、認識できた以上、隣のオトナとツーショット。
まるで遠近感による大きさの違いであるかのようなサイズ差、F教授によるとアカシマシラヒゲエビは同時的雌雄同体だそうだから、近縁のホワイトソックスもきっと同じ性能(?)を有しているに違いない。
ということは、この2匹はやがて繁殖することに?
いまだ見たことがないホワイトソックスの卵、はたしてどんな色をしているのだろう…。
ところで。
シカゴ・ホワイトソックスと久しぶりに出会うきっかけとなったのは、この場所に長い間アカシマシラヒゲエビの童謡姉妹が居続けてくれていたからこそ、という話は先だって紹介したとおり。
そこにシカゴ・ホワイトソックスが登場して、先だっては新ユニット誕生などと称していた。
ところが件の童謡姉妹は、昨日今日と元の場所にほど近い死サンゴ裏に場所を移し、のどかに「鯉のぼり」を唄っていた(どちらも卵持ち)。
実はアカシマシラヒゲエビはもう1匹増えていて、昨日はそのもう1匹がオトヒメヤングとともにシカゴ・ホワイトソックスと新ユニットを結成していたんだけど、この日元々の場所にはホワイトソックス大小コンビだけになっていた。
一連の流れからすると、どうやら元々の場所をホワイトソックスに乗っ取られたっぽい童謡姉妹。
この春最初に遭遇した際に撮った動画に、その理由が隠されている。
一度紹介した動画ながら、当時はたまたまと思っていたホワイトソックスの気の強さ、これはたまたまではなく根っからのもので、童謡姉妹は常時このように追い払われ続けていたのかもしれない。
ダイバーには人気のホワイトソックスではあるけれど、童謡姉妹にしてみれば、土管の広場で遊んでいるところにジャイアン登場…てくらいの迷惑な話だったのかも。
これまで観たことがあるホワイトソックスの周りに他のエビの姿が無かったのは、そういうわけだったのか…。
この日は水深20メートル以深では水温22度と冷たかったものの、リーフ際に戻ってくると23度~24度ほどあって、さほど寒さを感じずに済む。
そんな海底に、ヘビ女ゴーゴンもかくやという勢いで髪を振り乱しているサンゴの姿あった。
…といっても画像じゃ髪を振り乱している感がないので、動画で。
イソギンチャクに見える長い触手、でもこれは(おそらく)ハナサンゴの仲間で、長い触手の根元にはしっかり骨格がある。
そのためもしこのサンゴが死ねば、そこには骸となった死サンゴ石が転がるだけとなるのだけれど、まるで怒り狂っているかのように髪を振り乱す様子を観ていると、先にこっちが石にされてしまうような気にもなる。
そんなハナサンゴの仲間の触手の間には、何かがいるかもしれない。
そう思って覗いてみたところ…
「何か」がいた。
これはどう見てもエビちゃんだ。
長い触手の奥で観づらいこと甚だしいけれど、幸いにして流れが触手を怒れるメデューサにしてくれているおかげで、タイミングを合わせて撮ってみると…
ところどころ触手に隠れつつも、概形がわかるくらいには撮れた。
概形はわかったけれど……詳細は不明。
不明ながら、エビカニ倶楽部で紹介しているコイツなのではなかろうか…という気配が。
鋏脚などに見られる細かい点々模様の有無など微妙な違いはあるものの、当たらずとも遠からず的な関係にあるのは間違いなさそうだ。
先のリンク先で触れているように、過去に何度か出会ってはいても、近年はすっかりご無沙汰していたこのエビちゃん。
ワタシ自身はリンク先にあるような「諦めずにリサーチ」をしていたわけではないけれど、なにはともあれ10年以上ぶりだ。
エビちゃん自体は地味ながらも、ホワイトソックス級の再会といっていいのかもしれない。
Posted by クロワッサン at 06:59│Comments(0)
│水納島の海