2015年03月17日
思わず痒くなる話。
2015年 3月16日(月) 晴れのち曇り夕刻一瞬雨
南の風 波あり 水温20度
本日も午前中に海へ。
前日も卒業式の前に1本潜っているから、なんとこれで4日連続である。
オフのクロワッサンとは思えぬこのやる気モードは、連日の暖かな南風のおかげだ。
とはいえそれで水温が急に上がるというものでもなく、相変わらずダイコンに表示される数字は20のまま。
ただ、今日は20.5度くらいなんじゃ……??って思えるほどには、少しだけ温くなっていたような気がした。
水温が低いとテンションが下がるのはダイバーだけではない。
海の中で暮らしている魚たちも、代謝がグーンと落ちるせいか、夏に比べればいささかニブくなるものが多い。
そんな隙を逃さない生きものたちがいる。
寄生虫だ。
普段からジッとしているタイプの魚であれば、季節を問わず宿主にとりつく機会がある。
しかし相手が泳ぎ回るタイプの魚たちの場合、水温が低くて魚たちが不活発になる今の時期が、寄生虫たちにとってはチャンスなのかもしれない。
根の周りで群れ集うアマミスズメダイも、本来は活発に泳ぎ回るタイプの魚だ。
ところが、1年で最も水温が低いこの時期、彼らにもやはり……
ん?
なにやら目のあたりがおかしい???
………寄生虫だ。
ただでさえ不活発な季節に寝込みを襲われたのだろうか。
このテの蟲にとって「目」にとりつくのが便利なのか、こうして目の上に堂々とくっついているのをよく見かける。
魚の立場になってみると、こんなものが目にある人生ってのもつらそうだ……。
寄生虫1匹で驚いている場合ではなかった。
同じ根に群れている他のアマミスズメダイに目を転ずると…
左右に1匹ずつ!!
ここまでくると「ファッションですか?」と問いたくもなる。
すると、ひょっとするとホントにファッションなのかもしれない…と思わずにはいられない子に出会ってしまった。
2匹ずつッ!!
……まるで花魁の髪飾りのようにも見えるその勇気とセンスに脱帽だ。
一方、例によって我が道を行くオタマサもまた、己の世界で蟲系を見つけていた。
撮影:オタマサ
この毛むくじゃらのエビちゃんは、ご存知フィコカリス・シムランス。
ここでいう蟲系とはこのエビのことではなく、まるでこぶ取り爺さんのこぶのようにくっついている丸いもの。
実は、これもまた寄生虫なのだ。
エビヤドリムシという、実にわかりやすい名前がついている生き物の仲間であろうと思われる。
エビヤドリムシの仲間は、このシムランスに限らず様々なエビに寄生することが知られており、世間に出回っている写真を垣間見るかぎりでは、シムランスにこの虫がくっついているケースもけっこう多いようだ。
労せずして栄養補給という蟲の利点はわかるけれど、1センチにも満たないこんな小さなエビにわざわざとりつくこともないだろうに……。
……って、実はこれ、エビも寄生虫を利用しているんです、なんて話があったりして。
Posted by クロワッサン at 07:31│Comments(2)
│水納島の海
この記事へのコメント
なんか痛々しいですね。私もじっとして潜ってるから気を付けないと。シムランスも伊豆にいたのは、ゴミみたいな色でしたが、こっちは美しいですなあ。
Posted by 泉ちゃん at 2015年03月17日 20:53
夜中にあれほど蟲を集めて写真を撮っておられるわけですから、
泉ちゃんさんもおそらく、
すでに1匹や2匹、体のどこかにくっついているのでは???(笑)
泉ちゃんさんもおそらく、
すでに1匹や2匹、体のどこかにくっついているのでは???(笑)
Posted by クロワッサン at 2015年03月18日 03:38