小銭にゆとりを。

クロワッサン

2014年07月04日 07:19

2014年 7月3日(木) 晴れ

南西の風 おだやか
    
 
 7月に入ったばかり、いよいよ夏本番だというのに、この日はあらかじめお知らせしていたとおりダイビングはお休みの日。

 それを嘲笑うかのように絶好のダイビング日和になっていたものの、今日を逃すと次は17日までお休みがないのだから、どんなに太陽が笑っていようとこればかりはしょうがない。

 なにしろダイビング業務となると、朝から夜遅くまでずーっと接客業になるわけで、わずかに空いた時間だけではとてもじゃないけど暮らしが成り立たない。
 どうしても本島でしかできないことがいろいろあるのだ。

 といいつつ、この日を休みにしておいたのは、別の意味で正解だった。

 風邪をひいてしまった。

 シーズン中は様々な方々と接する機会が増えるので、冬の間無菌状態の我々は、雑多な病原菌の侵入を許しがちだ。
 ただ、体調・体力が整っていると、たとえキャリアーになったとしても、その発症を抑えていられる。

 ところが、先だっての電車でGO!午前2時過ぎまで宴会状態になると、それまで水際で奮闘していた防人たちがいっせいに白旗を掲げはじめ、気がつくと風邪の諸症状が出てくるのだった。

 そのピークがどうやらこの日だったらしい。
 これで通常業務だったら、かなりキビシイところだった。

 1に睡眠、2にストナなんてCMがかつてあったけど、ホント、睡眠はとっても大切。
 12時過ぎまで飲んでいるゲストのみなさんはすべて、我々の健康にとっての敵であることはいうまでもない。1時を過ぎる方は悪の枢軸と呼ばせてもらおう。

 さて、そんな風邪の諸症状のピーク状態にもかかわらず、この日は本島でやらなければならないことがあった。
 
 小銭の調達だ。

 といっても、当店のためではまったくない。
 島のコインロッカー・シャワールーム関連である。

 日帰りのお客さんは小銭を用意してくるようにと、当サイトにてどれほど口を酸っぱくしてお伝えしようとも、そもそも水納島をなんと読むのか知らないまま来ているような日帰り客が当サイトなど見ているはずもなく、パーラーティーダ2号店では、例によって平気で1万円札を差し出して両替を求めるお客さんが多いという。

 おまけに1回料金制のロッカーを同じ値段で1日料金にするために、2度目以降は管理側がキーを持っているお客さんにコインを渡すというアナログ方式になっているから、500円の料金を得るために、場合によっては3000円分くらいの500円玉を消費することになってしまう。

 それらはいずれにしろロッカー内のコイン収納ボックスに収まるとはいえ、両替となると100円玉5枚か500円玉1枚のどちらかはお客さんの財布に残ったままになる。
 そうなると、管理側が用意しているコインはたちまち無くなってしまうのだ。

 そのためロッカーやシャワーから回収するだけじゃ足りなくなってきたので、この日わざわざ両替のためだけに本島の銀行へ。

 30万円分の小銭って、けっこう重いんですぜ……。

 この調子で夏休みに突入したら大変なことになってしまう……

 ……かと思いきや、毎年不思議なことに、これが夏休み以降になると、お客さん一人あたりに必要なコインの枚数がガクンと下がる。

 夏休みともなれば家族連れの主婦層が多くなるために、小銭の用意といういわば「当たり前の準備」が普通にできる人たちが増えるからと思われる。

 逆に言うと、夏休み前の今の季節に来ている若者層というのは、離島に行くに際してはそういうことが当たり前の準備であるだなんて、微塵も思い至らないのだろう。
 さすが国を挙げて国民をバカにしてしまおうとしたゆとり教育の世代。そういう意味では、彼らのせいではまったくない。

 恐ろしいことに、そんな彼らの一部がすでに子供連れで来るようになっている。
 家庭を築き「暮らし」がより身近になれば、小銭を用意するくらいのことができるようになるのか、それとも、増殖する「ゆとり」が日本の常識を変えていくことになるのか……。
 
 来週ご来沖予定のみなさんは、遥か南海上の熱帯低気圧の動向にご留意くださいませ。



 

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