2025年 4月5日(土) 曇り
南東の風 うねりあり 水温20度
お天気はこのあとやや下り坂になるらしく、時系列予報では今日明日と分厚い雲マークが並んでいる。
天気は冴えないものの、南風で洋上はまずまずだから、これはこれで海日和ではある。
そうはいっても週末のこと、先週の感じからすれば、きっと9時過ぎともなると洋上はダイビングボートだらけに…
…なっているかと思いきや、連絡船が到着している時間帯にもかかわらず、ダイビングボートはただの1隻も見えなかった。
ひょっとして、ホオジロザメ目撃情報でも出て、みんなビビッて潜り控えているとか?
…と思ったら、我々がポイントに到着した頃にもう1隻やってきた。
単に各ショップともゲストが少ないみたい。
一方連絡船で島にやってくる業者さんのツアー客は4月のこの時期にしてはわりと多く、午前中からスノーケリングボートが沖にくりだしていた。
我々が桟橋に戻ってきた頃にちょうどスノーケリングボートも帰ってきていたので、桟橋に降り立つ10~20名ほどののお客さんたちが話す言葉が聞こえた。
会話のすべては、ノットジャパニーズ。
顔馴染みのスノーケリングスタッフに尋ねてみたところ…
「この便は全員コリアンでした」
けっこう来島しているように見えるツアー客、インバウンダーがいなかったら実はショボショボなのでは…。
船員さんにうかがったところでは、この日の乗船客のうち8割は外国の方だったそうな。
インバウンダーといえば、それを最大のターゲットにしているのであろうテーマパークに関連し、オープンが迫ってきたこの期に及んでいろいろモンダイが出来してきている。
万博と違い、施設自体のオープンについては滞りなく進められているようなんだけど、モンダイは周辺にある。
渋滞緩和用に既存の幹線道路のジャングリア方面用右折帯を延長する工事がオープンに間に合わないとか、そもそも800台しか駐車スペースが無いのにどうすんだとか、「今さらですか?」的な話がボコ…ボコ…と出てきているのだ。
そんななか、この日のローカル新聞の1面はこのような記事だった。
開業に向け1500人を採用しているジャングリア、でも用意している社宅は300室で、社宅を利用できない方々は名護市をはじめとする周辺に家を求めるしかない。
名桜大学は名護市にある公立大学で、他県から入学する学生たちのほか、県内でも遠方の子たちは大学周辺に家を求めなければならない。
大学は学生寮を用意しているとはいっても、希望する全員を収容することはできないから、選に漏れた子たちやもともと寮を希望していない子は、名護市周辺で家を探すことになる…
…はずが、ジャングリア職員大量移入で物件の需給バランスが大幅に崩れてしまったために、学生たちが宿なしになってしまっている、というわけだ。
これが300人とか3000人だったら社会問題になりそうなところながら、30人だと「運が悪かったね…」で済まされそう。
でもモンダイは学生だけにとどまらない。
物件の需給バランスが大崩れしているために家賃がグーンとアップしているそうで、ジャングリアや大学とは関係が無い周辺住民のみなさんも、大きなとばっちりに見舞われているらしい。
本部半島のお山の天辺にテーマパークとか、各駅前の再開発とか、海辺に外資のホテルだらけとか、期待値激低の万博とか、小さな島のリゾート開発とか…
そういったものは必ず「地元のため」というとってつけたような建前を謳っているものだけど、実際のところ地元の人々には迷惑でしかないことのほうが多い気がする。
それでシアワセになっているごくごく一部の限られた方々のなかでも、とりわけ中間搾取ビジネスは万々歳ってところなのだろう。
でも万博の場合、中間搾取の最たる大手広告代理店を使わなかったことが完全に裏目に出て、まるで甲斐が抜けたソフトバンクホークスのようになってしまっているみたい。
やっぱり電〇ってところは、これまでシゴトとしてやることはキッチリやっていたんだなぁとむしろ感心してしまう。
もっとも、〇通が関わっていたら、万博の予算は今の倍以上になってたろうけれど…。
ともかくなんであれ、建前とは裏腹に「地元」がシアワセになるどころか迷惑発生システムでしかない「うまい話」が多すぎる一部限定の好景気社会、こんなバカみたいな話がこの先もボコボコ出来しないようにするためにも、トランプ大統領にはもっともっと頑張ってもらって、今後50年は復活不可能なくらいの世界大恐慌を招来していただきたいところだ。
世界が荒野になってしまった果てに、きっと大輪を咲かせる花もある。
もしかしてトランプ、その花を目指しているのか…。
あ、そうそう花といえば。
我が家のアマリリス、本日開花宣言!
4月になって順当に花芽が出ていたアマリリス、昨日はあとひと息ってところまで膨らんでいた蕾が、この日とうとう開花した。
これからしばらくは、我が家の庭はアマリリスの時代になる。
さてさて、そんなわけで洋上は空いていたので、前日と同じポイントを訪ねることができた。
まずは、「千載一遇」と言いながらショボショボしか撮れなかった、タキちゃんの撮り直し。
撮り直したおかげで、新たな発見があった。
成長段階で刻々と変わっていくタキベラチビターレの尾ビレ付け根付近の模様、このくらいのチビのころにはミッキーが表れているのだ。
過去に撮ったタキベラチビターレの写真を見比べてみたところ、耳部分の丸い黒模様は、これより小さい頃は黒い帯状になっていて、これより大きくなるとだんだん黒が薄れて消えてしまうから、このミッキーはタキベラチビターレが15ミリくらいの頃だけに観られる模様であるらしい。
4月のタキベラチビターレは、ミッキータッキーなのである。
タキちゃんと遊んだあとは、昨日の謎アゲイン。
もう食べられちゃってGoneかな…と覚悟していたところ、今日もみんなで右往左往していた。
昨日は証拠写真程度で済ませちゃったから、正体をじっくり確認するためにも、ここはひとつちゃんと…
…ってったって、こんな小さくてチョロチョロ動き回ってばかりいるチビチビなんて、ワタシ同様クラシカルアイ化が進んでいるオートフォーカス機能でついていけるわけがない。
ピントを合わせるだけならともかく、ヒレを広げてくれているところとなると、神様が降りてきてくれでもしないかぎり無理。
でもなんとか、昨日よりはマシに撮れた。
ちなみにこの(推定)タカサゴスズメダイチビターレたちの集まりにも、↓コイツが1匹紛れ込んでいる。
これはどう見てもササですよね。
他よりちょい大きいかなってくらいでほぼ同サイズなんだけど、背ビレ尻ビレの模様を見比べてみると…
両者は全然違っていることがわかる。
でもパッとチビチビの集まりを目にして、なんだろう…と試しに撮ったものがたまたま混じっていたこのササだったら、他のすべてもササか…と勘違いしてしまいそうだ。
そうやって今日もまた1センチほどのチビチビを相手に悪戦苦闘していた頃、オタマサはこんなウミウシと遭遇していた。
一見しただけではウミウシだなんてとても思えないこのフォルム、10センチに満たないくらいではあるものの、オタマサによると、丸いからでっかく感じたという。
でもこのウミウシ、10センチ程度で驚いていてはいけない。
成長すると、なんとなんと50センチに達するという!
50センチ!
その名をイッサイフシエラガイというこのウミウシ、イッサイというのは、柏島近くの「一切(いっさい)」という地名にちなんでいるそうな。
上から見ると円盤状でも、その体には突起が多く、前から見るとこんな感じ。
ついついこの突起が触角?と勘違いしそうなところだけど、触角は矢印の先にある。
こんな姿で砂底を這いつつ、もっぱら二枚貝を食しているそうな。
10センチ弱だからまぁ「ウミウシ」って目で見ることはできても、直径50センチ級のこんなクリーチャーがいたら、ついつい言ってしまいそうだ。
「座布団一枚!」