実は隙間産業。

クロワッサン

2025年03月30日 08:05

2025年 3月29日(土) 曇り

北東の風 荒れ模様

 本日も引き続き荒れ模様。
 
 もちろん連絡船は早々に全便欠航を告げていた。
 
 そして気温もグンと下がって早春に逆戻り。
 
 それでも激時化ってほどではないし冷え込むってほどでもないから、ガメ公も昼前後にチョロッと外に出てくるほどの気温はあった。
 
 ワタシも機能停止することなく、午前中のうちに昨日の草刈りの続きを終わらせることができた。

 畑仕事も一段落していることもあって、そーゆー日のオタマサは、こーゆーものを作ってくれたりする。
 

 今季2度目となる、ローストプチ&中玉トマト。
 
 今季は今月上旬まで不在になりがちだったためか、トマトが甘くない…とお伝えしていたけれど、その後毎日のように主と接するようになって、随分甘くなってきているプチ&中玉トマトたち。
 
 そのうえローストすれば、余計な水分が飛んでさらに甘さ激増。
 
 それもしつこさはなく、酸味が効いた甘さだから爽やかで、ポテトサラダと一緒にレタスで巻いて食べたらたいそう美味しかった…。 
 
 さっそく話は変わる。
 
 昨夏オタマサが久しぶりにナカソネカニダマシに遭遇した…と思ったら、実はそれはナカソネカニダマシではなかった、ということがあった。
 
撮影:オタマサ

 と同時に、これまでずっと「ナカソネカニダマシ」として当サイトエビカニ倶楽部内で紹介してきたモノも、実はナカソネカニダマシではないというジジツまで発覚してしまい、慌ててエビカニ倶楽部当該ページを訂正しておいた…
 
 …と思いきや、先日たまたまエビカニ倶楽部のカニダマシたちのところを確認していたら、あらら?当該ページはまったく更新されていないじゃないか。
 
 そこで、朝のうちにやるべきこと(草刈りのこと)を終わらせたこの日、ココロに余裕があるところでひとつ訂正作業を…
 
 …と思ったら、なんてことだ、当方のハードディスク内のファイルは、昨年のうちにちゃんと訂正済みではないか。
 
 ずっとアップし忘れていたらしい…。
 
 慌ててアップ(こちらです)。
 
 カニダマシといえば。

 元に戻りつつあるアラビアハタゴイソギンチャクを紹介した先日、実はそこにアカホシカニダマシもいて、面白い動きを見せてくれていた。
 
 このテのカニダマシといえば、普段は大きな鋏脚を↓このようにペタッと下げているポーズがフツーじゃないですか。
 

 イソギンチャクに暮らしている系のカニダマシたちは、その大きな鋏脚は食事の際にも使わないし、ほとんど飾り的意味合いでしかないような感じで、何かに利用している様子を目にしたことがない。
 
 でもごくたまに、この大きな鋏脚をなにやら意味ありげに上げたり下ろしたりすることがあって、両方の鋏脚を掲げたポーズはなかなかに勇ましい。
 
 先日アラビアハタゴイソギンチャクを訪ねた際にも… 
 

 まるで周囲にアピールするかのようにその大きな鋏を何度も振り上げては下ろし、振り上げては下ろす動作を何度も繰り返していた。
 
 もっぱら両方を同時に上げ下げするのだけど、時には左右でかわりばんこになることもあって…
 

 …シェーッ!」のようなポーズにも。
 
 そばにもう1匹いたところからすると、これはやはり相手への何かしらのアピールなのだろうか。
 

 でももう1匹がイソギンチャクの裏側に隠れてしまった後も、引き続き同じ動作を繰り返していた。 
 
 この鋏脚上げ下げ動作の合間には、お腹を覆っている尾部をペロペロペロ…と高速開閉してもいて、その様子は動画で。
 
 
 
 鋏脚の上下とお腹ペロペロ、この動きはいったい何?
 
 アカホシカニダマシたちにとってもイソギンチャクが元気でいてくれないと困るから、ひょっとするとこれは「褐虫藻戻って来い来い踊り」とか?
 
 そうそう、褐虫藻といえば。
 
 またまたイソギンチャク類の白化の度合い話で恐縮ながら、直近のダイビングでも不思議な光景があった。
 
 水深20数メートルで隣り合う2つの根のうち、一方の根のウスカワイソギンチャク(サンゴイソギンチャク)は…
 

 先ほどのアカホシカニダマシが暮らしているアラビアハタゴイソギンチャクと同じように、褐虫藻が戻り始めている。
 
 ところがすぐ隣の根の同じ種類のイソギンチャクはというと…
 

 …相変わらず真っ白のまま。
 
 この根では、ジュズタマイソギンチャクまでもが真っ白になっていた。
 

 ジュズタマイソギンチャクといえば、リーフ際の水深ひとケタくらいの浅いところでフツーに観られるイソギンチャクで、シーズン中はクマノミキッズが集まっていることが多いから、観察する機会は多い。
 
 この日この同じポイントのリーフ際で見られたジュズタマイソギンチャクは、キッズの姿はなかったけれど(白化のために住処を奪われたオトナが来て、キッズを蹴散らしたのかも…)、イソギンチャク自体はまったく元気な状態だった。
 

 ジュズタマはこれくらいの水深(8メートル)にいても今夏の高水温を耐え凌ぐほどのイソギンチャクだというのに、リーフ際が高水温に苛まれている間も絶えず通常の水温もしくはそれ以下だった(28度~29度)昨夏の水深20数メートルで、なぜ白化してしまうのだろう?
 
 ちなみにジュズタマイソギンチャクといえば、その名のとおり触手の節々(?)が数珠の玉のようにポコポコ膨れているのが特徴だ。
 

 一方、白化している方の触手を見てみると…
 

 節(?)はあるけれど、それほど数珠玉になってない。
 
 …って、あれ?
 
 トリミングした上の画像の右端上に写っているのは…
 

 あーっ!!ニセアカホシカクレエビじゃんッ!!
 
 画像を確認してみたら、このイソギンチャクの上にはもう1匹いた…。
 
 白いイソギンチャクの上にニセアカホシカクレエビという千載一遇のフォトジェニックチャンスに、まったく気づいていなかったなんて…(涙)。 
 
 涙を呑みつつ本題に戻ると、触手が数珠玉になっていないのは、白化して弱っているために体積が縮んでいるから…と解釈しているんだけど、そもそも種類が違っていたらどうしよう。
 
 というかたとえ種類が違っていようとも、高水温が白化の大きな理由というのなら、それほど水温が上がらなかったから(むしろ例年より低かった)昨夏の水深20メートル以深では、そもそも白化する理由が無かったはずなのに…。
 
 不審死で数年前からどんどん死んでいるのを別にすれば、昨夏の白化でこの水深のサンゴたちにはほぼ被害は無かった。
 
 イソギンチャク類にだけ観られる通常水温での白化現象、しかも白化したサンゴたちのうち生き残れたものには褐虫藻が戻っているにもかかわらず、年間で最も水温が低くなっている今現在でも依然白いままで、なおかつ5メートルと間を置かず隣り合う根同士では、そこに住まうイソギンチャクの褐虫藻の戻り具合いにかなりの差があるこの不思議…。
 
 以前も触れたように、サンゴに比べて褐虫藻が戻るのが遅いことに関しては今回の白化に限ったことではなく、98年の大規模白化でも2016年の中規模白化でも、イソギンチャク類では同じような様相だった。
 
 サンゴの白化について研究しているヒトは多いのだけど、我々シロウトが接することができるこのテの話でイソギンチャク類にだけ見られるこの現象については特に説明はなく、「なるほど、そーゆーことか!」と瞠目するような話には今のところ出会っていない。
 
 ワタシが知らないだけで、実はアカデミズムの世界では、すでに誰もがその理由をご存知なのだろうか。
 
 それくらい当たり前の話なのであれば、いくらなんでもそろそろ世間一般に知らしめてもらってもいいところ。
 
 ところが今に至るもそんな話がなかなか一般にまで漏れ伝わってこないということは、ホントに誰もその理由を知らず、説明できるヒトがいないってことなのか。
 
 疑問をおさらいしてみよう。
 
 高水温下でダメージを与えられた褐虫藻は、むしろサンゴにとっては害になるそうで、そのストレスのためサンゴたちは褐虫藻を排出し、白化してしまう。
 
 やがて水温が下がり、高水温下にさらされなくなると、健全な褐虫藻たちが増えてくるから、サンゴは再び褐虫藻を取り込み、白化していても生きているサンゴは元の色を取り戻す。
 
 ではなぜ高水温下にさらされていないイソギンチャクが白化し、水温が下がってサンゴに褐虫藻が戻っても、白化したイソギンチャクたちにはなかなか褐虫藻が戻ってこないのか。
 
 褐虫藻転バイヤーが価格操作をしているというわけでもないかぎり、水温が下がった海中にはあまねく健全な褐虫藻がいるはず。
 
 にもかかわらずこの両者間での差別、いったいなぜ?
 
 世間的に脚光を浴びるサンゴの研究をするヒトは星の数ほどいても、イソギンチャクは「サンゴと同様…」的な扱いで終わることが多い。
 
 イソギンチャクに特化してその白化のメカニズムの解明を…ってヒトはいないのだろうか。
 
 このイソギンチャクのナゾ、研究テーマ的にはなにげに隙間産業かも。

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