やけのやんぱち日焼けのなすび。

クロワッサン

2021年03月12日 08:26

2021年 3月11日(木) 晴れ

南東の風 おだやか 水温21度

 IT社会の発展とともに、パーソナルな危機のセキュリティも「自助努力」で行わなければならない不便な世の中になってしまっているけれど、日ごとに新たに生まれるウィルスとその対策を講じるセキュリティソフトとのいたちごっこは、この先も未来永劫続くことになるのだろう。
 
 ま、ビジネスという意味ではセキュリティソフトを売るためにはウィルスが必要なわけで、ウィルスが蔓延しているかぎり需要は永久になくならない。
 
 となればむしろウィルスを蔓延させてこそビジネスチャンスということだから、セキュリティソフト以前にまずはウィルスを開発しておく必要がある。
 
 いわば自作自演で成り立っている業界……
 
 …なのかどうか、実際のところはともかく、暗黙の了解にもにた疑心暗鬼ならぬ疑心諦観を誰もが抱いていることだろう。
 
 しかしそんな自作自演ビジネスを、実際のウィルスでやってのける国が出てくるとは。
 
 それにしてもバッハ、目の前にどれほど金を摘まれれば、ああいう決定ができるんだろう……。
 
 話は変わる。
 
 先日紹介したリュウタひまわりが、ようやく小輪の花を咲かせた。
 

 小輪といえども一斉に咲けばそれなりに見事だろうから、ここに配置。
 

 一般的には春のイメージではないとはいえ、咲きほこればそれっぽくなるかも。
 
 一斉に咲けば、だけど。
 
 不思議なもので、庭のテーブルに置いていた間は、蕾すら膨らんでいない状態でもみんなちゃんと太陽に向いていた。
 
 時を追うごとに向きが変わっていく様子は、なんだか宇宙からの微細な電波を拾う巨大パラボラアンテナ群施設のようで面白かった。
 
 ところが、花が咲いたことを受けて場所をここに変えてみたところ、それまでシンクロナイズドされていたひまわりたちの向きが、崩壊中の学級のようにてんでバラバラになってしまった。
 
 上の写真は移動してから2日ほど経っているから落ち着きを取り戻してきたのだろうか、ある程度方向性が見えるものの、それでも一部はまったく反対側を向いていたりする。
 
 心身のバランスは、ほんとにちょっとしたことで崩れてしまうものなのだなぁ…。
 
 オタマサのまるで禅僧のような十年一日ルーティン生活も、ある意味理にかなっているということなのだろう。
 
 ところでこのヒマワリ、元は昨年の2輪の花から得たタネだということはすでに紹介したとおり。
 
 そのタネがちゃんと発芽してこうなっているのだけれど(これで全部じゃない…)、たった2輪のタネからこんだけ増えるってことは、今年もタネが取れたら来春はいったいどうなっているんだろう?
 
 5年も経てば、誰もがソフィア・ローレンになれるかもしれない……。
 
 さて、ヒマワリが映えるほどの青空だったこの日は、海もうねりが少々ある程度で、午前中は無風に近かった。
 
 もちろん海へ。
 
 そしてこの日もブダイ眼は個人的「お初」を捉えた。
 

 いかにも「メス」な色をしている地味地味ジミーなこのブダイは、オオモンハゲブダイのメスだ。
 
 地味地味ジミーなので他のブダイ類のメスと区別がつかないじゃん……
 
 …と思っていたところ、彼女たちにはアイデンティティ・カラーパターンがあった。
 
 そこだけ白くなっている尾ビレの付け根あたりに、オレンジ色の点々模様があるのだ。
 

 うーん、なんともわかりやすい目印。
 
 とはいえそもそも地味地味ジミーだから、遠目にそれとは気づけない……
 
 ……という方も心配御無用。
 
 なにしろオオモンハゲブダイのオスは、実にブダイブダイしている。
 

 ワタシはその体色を知っているがために脳内変換されているのかもしれないけれど、海中でもこの色で見えるから、遠くからでもとってもよく目立つ。
 
 そんな泳ぐ広告塔状態のオスの姿が目に入れば、その近くにメスがいるのはほぼ間違いないから、これでもうアナタもいつでもオオモンハゲブダイのメスに会えることだろう。
 
 え?
 
 別に会いたくないって??
 
 おいちゃん、それを言っちゃあおしまいよ。
 
 浅いところに戻ってくると、ブチブダイとナンヨウブダイのチビターレが一緒に遊んでいた。
 

 ベラやブダイのチビターレたちは、種類に関係なく行動を共にしていることが多いから、こうして異種同士で遊んでいるのは珍しくもなんともないんだけど、ブチブダイ・チビターレ(左)の色模様からおわかりいただけるように、両者はまだ5センチに満たない。
 
 5センチくらいのナンヨウブダイ・チビターレといったら、白いストライプがクッキリ出ているはずなんじゃ??
 
 10センチ弱に育っているこの姿のものを観て、ナンヨウブダイのチビは成長するとストライプが消えるのかぁ…と納得jしていたのだけれど、ホントにこのチビターレはナンヨウブダイで合ってるんだろうか??
 
 野鳥の夏羽冬羽のように、チビターレにも夏柄冬柄があったりして…。
 
 浅場のサンゴ群落を覗くとこのあたりのチビチビたちがいくらでもいるから、安全停止の合間だけでもけっこう楽しめるはず。
 
 え?
 
 ブダイはスルーって??
 
 やけのやんぱち、日焼けのなすび、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たないよ、ときたもんだ。
 
 …といった口上が楽しい寅さんも、若い頃にはまったく興味が無かったワタシだったのに、四十を過ぎたあたりからなんだか楽しくて仕方がなくなってきて、BSあたりで「やっぱり土曜は寅さん」なんて言われたらついつい観てしまう。
 
 なので今は「ブダイはなぁ…」といっているアナタも、気がつけば
 
 たいしたもんだよ蛙の小便、見上げたもんだよブダイの色柄!
 
 …ってことになってるかもしれませんよ。

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