立場で変わる色。

クロワッサン

2025年05月19日 06:11

2025年 5月18日(日) 五月晴れ

南の風 おだやか 水温23度~24度

 梅雨の長期休暇は続く。
 
 紹介し忘れていたけれど、このところは季節柄アカショウビンの声が高らかに響き渡っていて、なおかつ久しぶりにホトトギスも来島している。
 
 また、冬からずっといるリュウキュウアオバズクが夕方から夜明けまでホォ…ホォ…しているかと思えば、数日前から近くで
 
 月 日 星 ホイホイホイッ!
 
 という声が聴こえてくるようにもなっている。
 
 興味が無い方にとってはただの音、でもけっこう好きな方にとってはなんともゼータクなシンフォニー。
 
 太陽のチカラがどんどん強くなってきているから、この日は涼しいうちにといつもより早めにガメ公のエサ採りをしていた。
 
 またサンコウチョウと遭遇したりして…と淡い期待を抱いて灯台ロードを歩いていたところ、進行方向でバサッと道を横切る姿が。
 
 遠くへ飛び去ったわけではなく、さらに先の枝にとまったようだ。
 
 今のサイズ、体形からして、ひょっとすると…
 
 …ひょっとした。
 

 リュウキュウアオバズク
 
 ずっと声だけだったから、そのお姿を拝見するのは随分久しぶりだ。
 
 こいつは朝から縁起がイイや!
 
 さてさて、日曜日はゴミ出しの日ではないし、郵便物も来ないので、連絡船を待たずに朝早めに海へGO!
 
 一昨日の異例のツーショットをワタシも見てみたい!
 
 エントリー後、さっそく現場を訪れた。
 
 たちまち霊験あらたかなコノハズクパワーが炸裂…
 
 …するはずが、可愛いハゼたちがいた隠れ家には、テンスモドキが居座っていたのだった。
 
 テンスモドキが小さなハゼをどうこうするかどうかはともかく、5センチほどの魚に四六時中居座られたら、2センチもない小さなハゼの暮らしが成り立つはずはない。
 
 ワタシがカメラを向ける間もなくテンスモドキがあっさり砂の中に消えた途端、隠れ家は「シーン…」と静まり返ったのだった。
 
 異例のツーショット、あっという間にGone…。
 
 リーフ際では、おそらく今年生まれであろうソメワケヤッコのチビターレの姿があった。
 

 黄色い尾ビレを除けば親指の爪ほどの、文字どおりのサムネイルサイズ。
 
 かつての水納島では、そもそもソメワケヤッコは珍しかったんだけど、いつの頃からか夏場のチビターレ遭遇率が高くなってきている。
 
 でも以前まではそれらがひと冬越すことは滅多になく、5センチくらいのチビに出会うことはなお稀だった(その一方で、オトナになるまで育ってペアになっているものもいる)。
 
 ところが近年は冬を越してもまだ同じ場所で成長を続けているというケースが増えていて、昨年チビターレだった子たちのうちの何匹かは今年も健在だ。
 
 かつてグレートバリアリーフのとある小島の浅いガレ場で目にしたような、そこらじゅうソメワケヤッコだらけ…なんてシーンが現実のものとなるかもしれない。
 
 このチビも、この先元気に育ってくれるかな?
 
 一方オタマサは、ようやくコイツとの遭遇を果たしていた。
 

撮影:オタマサ

 ピ・カ・チュウ♪
 
 場所は全然違うし、そもそもサイズが7~8ミリととてもミニミニだから、今年すでに出会っている2個体とはまったく別個体であることは間違いない。
 
 すなわち、早くも本年3匹目。
 
 やっぱ増えてるんだなぁ、ピカチュウ。
 
 やがてコイボウミウシなみに増えてきたら、もうカメラを向けないかも…。
 
 ところで、相変わらず白化状態が続いているイソギンチャクたち、なかにはかなり元に戻りつつあるものもいる一方で、こちらのウスカワイソギンチャク(サンゴイソギンチャク)をはじめ、依然として白いままのイソギンチャクがまだまだ多い。
 

 沖縄そば屋さん情報サイト(?)のアポガマ会のブログを拝察していると、恩納村沿岸のイソギンチャクたちはどれもこれもとっくの昔に元の色に戻っているように見受けられる。
 
 しかるに水納島では、まだまだ白いイソギンチャクが多い。
 
 これはやはり潮通しの違い=褐虫藻の量の違いなのだろうか。
 
 それとも水納島のイソギンチャクには、知られざる他のストレスが加わっているのだろうか。
 
 このイソギンチャクは白いままながら、住民のクマノミにはとある変化が観られた。
 
 白化によるイソギンチャクの体積縮小が影響したのか、パートナーを失ってしまったクマノミ。
 
 そこに新たなパートナーが現れた!
 
 …と紹介したのは3月はじめのこと。
 

 このときの、ニューパートナーであるチビの尾ビレにご注目。
 

 まだ幼さが残るフラットなカラーリングだ。
 
 ところがそのひと月後の4月初めには…
 

 …オス印の黄色いラインが現れている。
 
 そして現在は先ほどの画像のように、模様はクッキリハッキリしていて、なおかつ態度も…
 

 …立派なオス!

 立場がヒトを作るように、クマノミもまた、その立場が彩りを変えるのである。
 
 まだハマクマノミペアのような蚤の夫婦的メスオスのサイズ差ながら、すっかり自信をつけたっぽいこのオスは、今年のうちにグーンと育つことだろう。
 
 この日は朝早めに潜りに行ったので、昼寝をこいても午後はまだたっぷり時間があった。
 
 天気もいいことだし、このチャンスに……
 

 …9万6千キロ走っている新車(?)にペイント。

 軽トラもまた、その立場で色が変わるのだ。
 
 防錆コーティングが施されて真っ黒だった荷台はすでに、酵素パワーのトップで洗い流したかのように純白にしてある。
 

 こんなにピカピカにしてしまうと、もう海に行くときには使いたくなくなるなぁ…。
 
 まったくどいつもこいつも、フツーに海水まみれのまま平気で荷台に乗りやがるし…
 
 …あ、心の声が表に出てしまった。
 
 どんなに水洗いをこまめにしようとも、しばらく経つと奥の旧車のように錆び錆びになってしまう潮のチカラなのである。
 
 体まで錆びついてしまわないように、多少は頑張らなくては…。

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