2025年 4月16日(水) 晴れ
南東の風 波あり
上架していたボートを朝の満潮時に海に戻し、そのあとなんやかんやと作業をし、午後遅くに島に戻ってきた。
洋上は妙な波が残っていたとはいえ、おおむね海日和の1日だっただけに、なんだか損した気分…。
でもそういう天気予報だったからこそ、この2日間を選んだわけだからしょうがない。
というわけで海に行ってはいないのだけど、こういう時でもないと話題に上げることが無さそうなお魚さんを。
オタマサに呼ばれてゼニガタフシエラガイを見せてもらった日のこと、リーフ際をなにやら落ち着かなげにウロウロしている大きめの魚と出会った。
ガラサーミーバイことイシガキダイだ。
イシダイしまごろうの親戚筋であるイシガキダイは、亜熱帯の釣り人たちにとって憧れの魚のひとつでもある。
ただし水納島ではそれほど多くはなく、いたとしても小柄なものが岩陰に潜んでいるくらいのもの。
なので、40センチくらいある大きめのイシガキダイが、昼間っから明るいところをウロウロしているというのは、それはそれで不思議的光景だった。
しかも、ワタシの姿を察知してすぐさま逃げていくかと思いきや、リーフエッジに沿って右往左往するだけで、遠くへ逃げようとしない。
そういえば、この少し前に泳ぎ去っていくネムリブカを見たっけ…。
ひょっとして、岩陰でくつろいでいたところをネムリブカに邪魔され、慌てふためいて外に出てきたまま、ずっと慌てふためいていたのだろうか。
おかげで近くから観ることもできた。
近くから目にして初めて知ったことに、イシガキダイの歯は明石家さんまのようになっていた。
イシガキダイの外見のイメージ的に、クチバシに見える部分がホントに鳥たちのクチバシのように思えて、歯があるという当たり前のことに思いが至っていなかったため、なんだか意外。
ちなみに口唇(?)で隠れている下の歯のほうが強大で、彼らはこの強靭なアゴと歯で、ウニや貝、甲殻類などを貪り食べるという。
そのクチバシ部分はやはり英語圏のみなさんの目にも鋭く見えるらしく、イシガキダイは英名ではSpotted Knifejawと呼ばれているそうな。
ナイフのアゴだなんて物騒な…。
でもなるほどたしかに、こりゃ噛まれたらただでは済まなそう…。
…と思っていると、ようやく落ち着きを取り戻したのか、ワタシを見て不敵にニヤリと笑うイシガキダイなのだった。