春の鉢巻。

クロワッサン

2025年04月18日 08:27

2025年 4月17日(木) 晴れ

南東の風 けっこう波あり 水温20度~21度

 前日までの予報では、この日の日中は晴れで、夕刻から次第に崩れていくということになっていた。
 
 ならば、昨日海日和を一日逃してしまった分を取り返そう…
 
 …と思っていたところ、一夜明けると全面的に曇り予報に変身。
 
 でもそのあとさらに崩れる予報であることに変わりはなかったから、さほどの海日和というわけではないにせよ、本日は海へGO!
 
 ドボンと飛び込んだ海中は、相変わらず寒かった。
 
 もう4月も半ばというのに、我がダイコンはいまだ水温20度を表示している始末。
 
 これがGWの営業をしていた頃なら、迫る過酷な日々に戦々恐々としていたことだろうけれど、ヒト様のために潜る必要がない身だと寒けりゃ海から上がってしまえばいいのだから、恐れるものなど何もない。
 
 でもやっぱり寒いのはヤダ。
 
 ミナミダテハゼのペアの写真を、少なくともデジイチを使うようになってからは一度も撮っていないことに気がついた…という話は先日述べた。
 
 でもこんなに水温が冷たい季節には、彼らはペアになってないはず。
 
 なのでその後もミナミダテハゼペアサーチはまだしていないのだけど、こんな低水温時にもかかわらず、この日は他の共生ハゼが意外にもペアになっていた。
 

 遠すぎてちゃんとストロボが当たっていない画像を無理矢理補正しているため、色味がやや変ではあるんだけど、見紛いようがない鉢巻模様はご存知ハチマキダテハゼ。
 
 水納島の場合どういうわけだかこのハゼは、同じ砂底でも他のポイントではまず観られないのに、とあるポイントでのみフツーに観られる。
 
 フツーといってもヒメダテハゼのようにたくさんいるわけではなく、水深20メートル以深の3~4か所くらいで確認できるだけなんだけど、出会える場所はだいたい覚えているので、このポイントを訪れるたびにたいてい目にしている。
 
 実はこのハゼに関しても、ペアでいるところを撮ったことは過去に数度しかない。
 
 もっとも、画像より記憶に残っている回数のほうが多いのだけど、それは夏場にゲストをご案内している際にペアでいるところを目にしているからかもしれない。
 
 ミナミダテハゼ同様ハチマキダテハゼについても、ペアの様子を…とチャンスをうかがってはいたものの、彼ら共生ハゼは年がら年中ペアでいるわけではなく、繁殖期にペアになるそうで、となるとさすがに水温20度ではみなさんチョンガー暮らしだろうと思っていた。
 
 それがまさかのペア。
 
 もっとも、ワタシが気づいた途端に(おそらく)オスはすぐさま巣穴に引っ込み、しばらくは(おそらく)メスだけが出ていた。
 

 水深30メートルで、オスが再び出てくるのをジッと待つのは辛い。
 
 辛いけど、待てばカイロのクロードチアリ、(おそらく)オスが姿を現した。
 
 でもなんだか……
 

 …やたらと興奮モードなんですけど。
 
 それどころか興奮状態のまま、(おそらく)メスの上に乗っかって反対側にポジションチェンジした(そのあとが冒頭の写真)。
 

 これはやっぱり、メスに対するオスの猛烈アピールってことなのだろうか。
 
 ってことは、恋の始まり?
 
 水温が低い時期にはなかなか近寄らせてくれない共生ハゼたちのこと、無理矢理色補正しなきゃならないくらい遠めだったのがザンネンではあるけれど、光がちゃんと当たるくらい近づいていたらオスはずっと出てこなかったことだろう(冒頭の写真を撮ったあと、オスはまたすぐ引っ込んでしまった)。
 
 ちなみにちゃんと光が当たっているときのハチマキダテハゼの姿は、↓こんな感じです。
 

 この日観たペアっぽいハチマキダテハゼたちも、ちゃんと光が当たっていたらこういう色に見えていたのか、それとも普段とは異なる興奮カラーになっていたのか、ああ、それを知りたかったなぁ…。 
 
 それにしても、ハチマキダテハゼって、こんな寒い頃からペアになっているんでしたっけ?
 
 実は、何食わぬ顔でヒトの巣穴にいる同性ライバルを追い払おうとしていただけだったりして…。
 
 ハチマキダテハゼペアがいた場所近くにある根には、久しぶりにこの方の姿があった。
 

 ご存知ニセゴイシウツボ。
 
 以前も同じ場所に居たことがあったから、ニセゴイシ君のお気に入りの場所のひとつなのかもしれない。
 
 なにしろこのホールにはソリハシコモンエビがたくさんいるし、アカシマシラヒゲエビもチョロチョロしているから、ボディ&口腔ケアにはもってこいの場所なのだ。
 
 ただしここは、この根のボスであるユカタハタのお気に入りの場所でもある。
 
 ハタといえば種類を問わずウツボ類をいじめるのを趣味にしているから、本来であればこんなところに居座っているウツボなど、ボスは撃退したくてウズウズしているはず。
 
 しかしなにせニセゴイシは一般男性の太ももくらい、もしくは全盛時のハルク・ホーガンの二の腕と同じくらいの太さがあるでっかいウツボだから、ユカタハタのイライラなどまったく意に介していないっぽい。
 
 なのでユカタハタは何をどうすることもできず、ニセゴイシのそばをスゴスゴと横切るだけなのだった。
 
 
 
 リーフ際に戻ってきたあとは、あのイソギンチャクのその後をチェック。
 

 先月23日と比べて劇的ってほどではないにせよ、順調に褐虫藻が戻り続けていることがわかる。
 
 次のチャンスを虎視眈々と狙っているクマノミも健在であるほか…
 

 …セジロチビターレも頑張っていた。
 
 イソギンチャクが順調に回復傾向となれば、この先もスクスク育てるかな?

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