2025年 1月26日(日) 晴れのち曇り夜雨
北東の風 うねりあり
夜まで続いていた強風は、朝になるとおさまっていた。
天気予報はグレーと青の冴えないマークばかりながら、朝から日も出ていていいお天気モードだ。
風がおさまっていい天気となれば、そりゃあ連絡船は…
…全便欠航。
うちのボートを渡久地港まで持ってきてくれていなかったら、我々はこの日島に帰れないところだった。
そうそう、昨日は船長が休みの日にボートをわざわざ操船したと勘違いしていたのだけれど、この日みなさんにいろいろお話を伺ったところ、ニュースで事情を知ったみなさんが置き去りにされたボートを心配し、オサムさんなども「見ていられないから渡久地まで持っていけ!」と船長に勧めてくれたらしい。
で、実際に操船してくれたのは船員キヨシさんだそうで、助手としてもう一人新人船員(古いゲストならよくご存知のあのヒトです)とともにミスクロワッサンを渡久地港までもっていってくれたそうな。
こりゃビール1ケースじゃ足りないなぁ…。
そのおかげで、連絡船は欠航していようとも、我々はボートで島に戻ることができる。
ただし、ナカムラ船長が手配したというキーはすでに返却されているし、うちのキーが入っているボート用大事なモノ入れボックスは島にある。
じゃあ、どのみちキーはないじゃん?
心配御無用。
こんなこともあろうかと、オタマサのバッグには予備のキーが入れてあるのだ…
…って、ここでいう「こんなこと」というのは、身柄を拘束されて東京まで連れていかれ、数日勾留されたのちに釈放されてまた沖縄に戻ってくること、という意味ではないので誤解ないように。
この日は佐川急便から届く荷物(23日から電話をし続けていたらしいけど、もちろんのこと昨日ようやく連絡をとれた)を昼過ぎに渡久地港で受け取る必要があったので、島に戻るのは13時過ぎを予定していた。
ただしオタマサのバッグに入っている予備のキーが本当にうちのボートの予備のキーなのか、だんだん不安になってきたので、ボートの様子を見がてら事前に確認しておくことにした。
オイルよーし、冷却水よーし…などとエンジン回りをチェックしつつ、いよいよ予備のキーを…
あれ?
キーが入んないぞ???
ボートのキーなんていったら単純構造とはいえ、型が違えばもちろん使えるわけはない。
でも型はどう見ても一緒なのに、なんでちゃんと入んないんだ??
あ。
長らく「予備のキー」の座を守り通してきたこのキー、使っていないとはいえ内部が腐食し、金属が膨張してしまっているっぽい。
なんてことだ、せっかくキーもボートもあるのに島に戻れない?
いや、膨張部分をちゃんと削ればスポッと入るかも。
秘密基地に戻り、小さなマイナスドライバーを使って内側をゴシゴシ削ってみた。
そして再び渡久地港へ行き、削った成果を試してみたところ…
入った!
エンジン始動。
おお、連絡船が欠航していても、これで我々はこの日のうちに島に戻ることができる。
…というわけで、13時過ぎに島に戻ってきた。
留守中いろいろとご迷惑をかけたみなさんに御礼とお詫びをしつつ、さらに今月末から同じくお手間をとらせてしまうことになることをご報告。
大変なお手間をおとりいただくことになる鳥の世話をしてくださっていたナリコさんは、「カゴを外に出して日光浴させても大丈夫?」とおっしゃってくれた。
暖かい日の日光浴は鳥さんたちにとっても願ってもないことだから、是非是非とオタマサ。
その後庭に戻ってみると、ガメ公がいる方向にガーデンチェアが向けられていることに気がついた。
おそらくナリコさんは、いいお日柄の日には椅子に座ってガメ公に何かを与えつつ、ほんのひとときのんびりしてくれていたのだろう。
いやはや、ホントにありがとうございます。
テーブルからなにから自由に使って、お茶でもコーヒーでも飲んで庭でおくつろぎください。
この日は午後遅い時間から雲が広がってきたけれど、戻ってきてからしばらくの間はずっといいお天気だったから、久しぶりの再会に盛り上がる鳥さんたちのシャワーをしてあげるオタマサ。
天気さえ良ければ一週間に一度のペースでやっているシャワータイム、この先当分やってあげられなくなるから、せめて今日くらいは。
一方ガメ公は、留守中ずっと班長ヤスシさんがエサの世話をしてくださっていたおかげで、飢えとは無縁でいられたらしい。
いいお天気に恵まれたこの日は食欲も出ていたのか、秘密基地から持ってきた新鮮クワ葉とレタスの外側の葉をゴキゲンそうに食べていた。
朝から全便欠航だったおかげで、島に戻ってきた時点で連絡船用バースに停めていたうちのボートの様子を見るべく夕刻桟橋に行くと、大きな虹のアーチが架かっていた。
なんか得した気分…。
ま、水納島に滞在されたことがある方にとってはお馴染みの光景、30年暮らしている我々にはもちろん「当たり前」の風景だし、鳥さんたちのシャワーやガメ公の食事なんていったら日々のルーティンだ。
でもその昔THE 虎舞竜も歌っていたっけ。
~♪ なんでもないようなことが 幸せだったと思う
このなんでもないようなことが「二度と戻らないこと」になってしまわないよう、もうしばらくがんばる必要がある我々なのだった。