2024年03月31日
がんばれ、このタコッ!
2024年 3月30日(土) 薄曇り
南東のち西の風 おだやか 水温20度~21度
晴れたり雨になったりが繰り返しそうなこの先のお天気、この日はシャキッとはしないまでも「晴れ」のほうに傾いている。
そのチャンスを活かすことにした。
土曜のわりには洋上のボートは多くなかったから、それなりにポイントチョイスの自由度は高かったのだけど、先日遭遇したクジャクベラをオタマサが観たいというので、また同じところに潜ることにした。
うーむ…これで3回連続がんばるオジサン。
ドボンとエントリーして冷水の洗礼を受けた後、さっそく現場へ…
…と思ったら、その途中に不思議な色味になっているタテキンと遭遇した。
幼魚模様からオトナの模様に変わりつつある体の色が「不思議」というわけではない。
変に見えたのは、その口元の色合いだ。
渦巻き模様のチビターレ時代には濃紺色の口元は、オトナになると白っぽくなる。
10センチ弱ほどの中間段階くらいまで育っていると、口元はオトナに近くなり、↓このように白っぽくなっているのがフツーだ。
これに比べると、この日出会ったタテキンモラトリアムは変でしょ?
※そのほか、ベビーからアダルトまでのタテキン模様七変化コンプリートバージョンについては、こちらをご参照ください。
口元が黒っぽいままなのは、幼魚カラーが抜けきらないからなのだろうか、それとも体調不良もしくはゴキゲン斜めだからなのだろうか。
オトナ模様が出ているところも含め、全体的に黒っぽいイメージだったから、きっと何かがどうにかしていたのだろう。
< 全然わからないんですけど?
観ているうちに色が明るくなるのか、ずっとこのままなのか、もうしばらく観ていたかったところながら、まずはオタマサを現場まで案内せねばならない。
タテキンダークモラトリアムは後刻ゆっくり観ることにしよう。
ほどなく現場に到着。
するといきなりクジャクベラはGone…
…とはならず、ちゃんと同じ場所で健在だった。
ただし、前回はどういうわけかほぼほぼずーっとヒレを広げっぱなしにしてブイブイ言わせていたのに、この日は一瞬開いて見せるだけでブイブイ感がまったくなく、むしろイジケているようにすら見える。
オスフォルムになりつつあるとはいえ、まだまだ小さいナリであることに気づかされたのか、それともどんなにがんばってもこの場にお相手となるメスが1匹もいないことを知ってしまったのか…。
ともかくも目的は達することができたから、その場を離れてもう少し先に…
…とっとと行ってしまったオタマサとは違い、ワタシはクジャクベラ現場で「あること」に気がついた。
タコベラが多いのだ。
上記リンク先でも触れているように、冴えない名前に比して地味に綺麗でかっこいいタコベラは、その昔は砂底ポイントの随所で小規模の集団を観ることができたものだった。
ところがいつの間にかその姿を見かける機会が減ってしまい、立派なオスとなると滅多に会えない…
…という期間が随分続いていたのだけれど、コロナ禍中くらいからオスとの遭遇頻度が徐々に増えてきてはいた。
でもオスが複数いてメスもたくさんいる場所、となるとそうあるものではなく、彼らが何かをしている様子を観る機会なんて滅多にない。
それがこの場所では、やや興奮モードになっているオスが、傘下にしているらしき周辺のメスたちのもとを巡ってはアピールしていた。
興奮モードカラーになって素早く泳いでいるときはこのように尾ビレを閉じている。
でもタコベラといえば、尾ビレを開いた姿がカッコイイ(↓これは別個体です)。
なので興奮モードカラーのオスも尾ビレを開いてくれるところを待っていたところ、オス同士のケンカでその姿を見せてくれた。
かなり遠くて光がほとんど届いていないけれど、この各ヒレ全開モードときたら!
オス同士が互いに勢力を競い合う際には、自分の体をより大きく見せるというのがいろんな魚における定番でもある。
とはいえ、タコベラの尾ビレってここまで開くものだったとは知らなんだ…。
ここまでオスたちが張り切っているくらいだから、そのお相手となるメスもかなりその気になっていて、なにやらフラフラ~と中層に浮いてオスがくるのを待ち受けている様子。
オスもメスに自分の姿を観てもらえるように、フラフラ~と中層に浮いてはポーズをとっている。
そしてお互いの存在を認識すると、オスがメスの元にやってきて、一緒に上方へ泳ぎ始める。
こうなればもちろんそのあとは…
…産卵&放精(白くモヤッているところ)。
オスは周辺に何匹かいるのに、メスを産卵に誘っているのは同じオスっぽく、メスはそこらにたくさんいるから、間をおきながら何度も繰り返し披露してくれた。
何度もチャンスがあったわりにはロクな写真が撮れなかったけれど、タコベラの産卵シーンなんて人生初遭遇だ。
なのでもっとちゃんと撮りたい、動画でも撮りたい…とアワワアワワしているうちに、気がつけば40分経過。
水深が水深だけに、エアーは心もとなく、窒素も随分溜まってしまっている。
というわけで、後ろ髪を引かれながらの撤収とあいなったのだった。
あ……タテキン忘れた。
タコベラの産卵はもっとじっくり観てみたいし、ダークモラトリアムタテキンも気になるところ。
かくなるうえは、めざせ4回連続のがんばるオジサン(←ワタシのことではなくポイント名です)。
Posted by クロワッサン at 07:20│Comments(0)
│水納島の海