2024年04月06日
便利の陰で広がる不便。
2024年 4月5日(金) 朝のうち晴れのち雷雨
南西の風 うねりありのち波あり 水温20度~21度くらい
雨模様になる予報ではあったけれど、朝のうちは晴れ間も出ていて、パッと見はいい日和と騙されそう。
でも遠く周辺空を見渡すと、やがて空を覆い尽くしそうな雲が虎視眈々で出番を伺っている様子。
時系列予報でも昼から本格的な雨になりそうだ。
ということは、午前中の早いうちがチャンスかも。
明日以降晴れの日が続くのであれば、何もこんな日に海へ行こうという気にはならないところながら、この先5日間はずっと雨模様となれば、今を逃す手はない。
というわけで、朝イチの連絡船が到着する前に海へ。
ときおりパラつきつつも時々日差しも出るなど、お天気はなんとか持ちこたえてくれているなか、久しぶりに岩場のポイントのリーフ上へ。
朝の早いうちはほとんど風が無かったものの、前日からのうねりが残っているために、リーフ上はグッドコンディションというわけではなかったけれど、シマハギの若魚たちが水深1メートルほどのところで群れ泳いでいる様は、砂地のポイントではそうそう見る機会がないだけに、新鮮かつ壮観だった。
残念ながら、画像はない。
海から戻ってきてしばらくすると、本格的な雨に。
時間帯のチョイスは大正解だったようだ。
あと1時間もってくれれば、雨に祟られることなく13時30分の便で島を発つことができたであろう日帰り客のみなさんは、惜しくも大雨に見舞われることとなってしまった。
そしてそのまま雨が続いていたこともあり、13時の便で島にお越しになった日帰り客はゼロだったっぽい。
明日も明後日も明々後日もお天気はこんな感じだろうから、週末のビーチは開店休業状態になることだろう。
近年は4月早々に「もう梅雨入り?」と思わせる停滞前線が居座る期間があって、ワタシなどは毎年のごとくそれをもってセルフ梅雨入り宣言をしているのだけど、水不足に悩む沖縄のダム事情からすれば、このプレ梅雨は大歓迎のはず。
とはいえメリハリサバイバル気象のこと、そのうち水不足解消を通り越して、大雨のあまり水害が発生しそうな気配もあったりするけど…。
さてさて、そんなわけで日中は冴えないお天気だったかわりに、今宵の卓上は慎ましくも華やかに花開いた。
サザエとズッキーニと島ニンニクのアヒージョ♪
これといった主体性が無いかわりに、どんな味にもすぐさま染まるズッキーニ、名バイプレーヤーの本領はこういう味付けでもいかんなく発揮される。
でまた島ニンニクが美味いんだわ。
材料的にこれだけでも充分美味しいのだけれど、やはりそこにサザエさんのダシが加わることによって、煌めく黄金のメニューへと進化を遂げる。
そして…
サザエとヒロセガイのお刺身♪
お刺身はオリーブオイルに塩をまぶしたものに漬けていただくから、どちらもワインメニュー。
ワタシは生のコリコリ刺身よりも、茹でたものをいただく方が好きなので、サザエさんは本体を真っ二つにカットしたものが定番だ。
サザエさんはなんといっても茹でたてをそのまま何もつけずに(海水の塩味は加わっているけど)食べるのが一番美味しいと個人的に思っていて、茹でてから2つにカットしたお刺身はそれに最も近い状態といっていい。
いやはや、こりゃまた至福のひととき。
その昔なら、沖縄のサザエならその辺の地産物を扱っているお店でも、まぁこれくらいかな…と納得できるお値段で売られていたものだった。
ところが今や、たとえば名護のJAの鮮魚店で売られているサザエを見ると…
ロケットパンチ状態で発射されたかのように目ん玉が飛び出てしまった。
これまたその昔、本島をドライブしてから島にお越しになった方が、「古宇利島で1個1000円で売られてました」といって買ってきてくださったヤコウガイと、今JAの鮮魚店で売られているサザエさん3個のお値段が同じって…。
ま、ウミンチュの皆さんは工事現場の警戒船という濡れ手に粟シゴトでウハウハだからわざわざサザエなどチマチマ獲るヒトなどおらず、なおかつ「密漁パトロール」と銘打って世間の人々のサザエ獲りを厳しく禁じ、おまけにサザエ自体もおそらく環境要因で激減しているとなれば、サザエはこの先ますます食卓から縁遠くなっていくことだろう。
20世紀のその昔、島の民宿のバーベキューで、サザエの壺焼きが1人2個ずつ振る舞われていたことがいかにゼータクなことだったか、今さらながらよくわかるというもの。
当時の民宿大城さんはおじいとおばあでやっていて、お客さんの人数が多い時は、オタマサは朝食と夕食を、ワタシはバーベキューの時のみ夕食の手伝いアルバイトという形でさせてもらっていたのだけれど、ご要望に応じてサザエも確保してきて、1個50円で買い取ってくれていたものだった(時効ですから)。
つまり当時バーベキューで振る舞っていたサザエの壺焼きは、我々が海で獲ってきたものをワタシが焼いてお出ししていたのだ。
うーん、なんというゼータク。
ゼータクといえば、当時民宿大城のバーベキュー小屋は現在の宇宙基地待合所の場所にあり、お客さんたちは夕食時、海を眺めながらさざ波の音をBGMに食事をしていたものである。
それが今や、目の前の海でサザエを獲ることは許されず、海まですぐの小さな島だというのに海辺で食事をすることもできなくなっているだなんて…。
ネットだスマホだキャッシュレスだマイナカードだデジタルだAIだなんだかんだと、世の中便利になっているフリをし続けている一方で、暮らしの中で「昔のほうが良かった」と思う案件が年々増えていくのはどういうわけだ?
< そんだけ齢とったってことなんじゃ?
この記事へのコメント
私が島に行き始めた頃、リョウセイさんに、海岸のバーベキューで、サザエを子どもたちが何個でも、たらふく食わせてもらいました。大皿に山盛りあったもんなあ。
ぜいたくな思い出ですね。
ぜいたくな思い出ですね。
Posted by akapan@茨木 at 2024年04月06日 14:57
当時はそういう「おもてなし」がフツーでしたからねぇ…。
でも今現在なにげにフツーに味わっていることですら、
近い将来「ゼータクだったなぁ…」と感じる世の中になっているかも……。
今日一日を毎日楽しく生きましょう(笑)。
でも今現在なにげにフツーに味わっていることですら、
近い将来「ゼータクだったなぁ…」と感じる世の中になっているかも……。
今日一日を毎日楽しく生きましょう(笑)。
Posted by クロワッサン at 2024年04月06日 20:29
私が小学生の頃(那覇にいました)ある時期はおやつとしてはサザエの身が5個くらい刺さっていた串が5本くらい、冷蔵庫にあり食べていました。贅沢な思い出を思い出しました。
Posted by 島袋泉 at 2024年04月07日 20:38
今の子どもたちには経験しようもない、古き良きシアワセですね(笑)。
Posted by クロワッサン at 2024年04月08日 07:37