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2022年10月28日

知られざる癒着。

2022年 10月27日(木) 晴れ

東の風 波あり

 今回本島に出掛けた目的は、長期欠航にも揺るがない食料確保のほかに、自動車免許の更新もあった。
 
 更新期限が切れたんじゃ!?と昨年ひと騒ぎした際、更新は翌年であることを知ってから、ようやく1年経ったのだ。
 
 恥ずかしいからずっと黙っていたけど、実は昨年スピード違反でつかまってしまい、罰金1万5千円をお小遣いから放出させられるという、手痛い目に遭っていたりする。
 
 その昔のネズミ捕りといえば、大仰な装置を設置し、運悪く引っ掛かってしまった車を脇に連れ込むスペースには警察車両が幾台も…というのが恒例だった。
 
 なのでその様子を察知した対向車が、軽くパッシングなどで教えてくれる…というドライバー同士の相互扶助システムがしっかりしていたというのに、もはや令和の自分オンリー社会では、そんなことすら求めるわけにはいかなくなっているのか…
 
 …と思ったらさにあらず。
 
 現在のネズミ捕り専用機器は、ひと昔前に比べて格段にポータブルになっているのだ。
 
 野球中継でお馴染みの投手の球速表示に欠かせないスピードガンがビックリするくらい高性能&小型化しているのと同様、警察のスピード違反取締用の機器も、まるでスマホで写真を撮るごとく手軽にワンタッチ、そして1台ビンゴ!となったら、そのままパトカーで追跡、という仕様にチェンジしていたのである。
 
 これがルパン三世仕様のフィアットチンクエチェンタなら、スペシャルターボ装置スイッチオンで逃げ切れるところだろう。
 
 あいにく青息吐息のプチプチトマト号では、おとなしく法の網のもとに身を投げ出すしかない。
 
 このところネズミ捕りはすっかり鳴りを潜めていたというのに、なんで今さら…と思ったら、なにやらそのあたりで事故が相次いでいるために住民から警察に「なんとかしろ」という声があったそうで、そのとおりなんとかしていたらしい。
 
 だからといって、見通しのいい海沿いの広い広い国道を、たかだか81キロ(制限速度は60キロ)で走っているプチプチトマト号をロックオンしなくても…
 
 < その考えが事故のもと。
 
 それ以前までは20年近く違反のないゴールド免許保持者だったので、違反による免許証の減点(得点?)は3ヵ月で消えるとのことだったけれど、罰金が安くなることはなかったのだった。
 
 というわけで、いつもなら「優良講習者」コース30分で済むところが「一般講習者」コース1時間になってしまった。
 
 たかだか30分の延長くらい…と思うのは甘い。
 
 名護以北では名護の交通安全センターが会場になるのだけれど、そこでは「優良」も「一般」も午前中は9時45分から、午後は14時30分からの2度行われることになっている。
 
 以前のように連絡船の母港が水納島であれば、朝8時30分島発の便に乗れば午前中の回に充分間に合ったけど、現在の9時30分島発では到底不可能。
 
 では午後ならどうかというと、14時30分から1時間の講習を終えたら15時30分、それから16時渡久地港発の最終便に間に合わせるためには、更新講習を終えた直後に免停確定級のスピード違反をしなければ間に合わない。
 
 すなわち、本島に前泊もしくは当日泊をしなければならないのだ。
 
 たかだか免許の更新のために!
 
 というわけでせっかく前泊していたので、駐車場が混み合う前に到着してみれば、受付やら申請やら写真撮影やらモロモロの事前手続きを終えてもまだ小一時間ほどの余裕があった。
 
 講習教室内にて読書。
 
 早く着きすぎたから会員ナンバー(?)は2番で、教室の最前列になってしまったことを嘆いていたところ、9時45分になって講習が始まっても、教室内にいるのはワタシを含めてたったの4人!
 
 免許更新講習歴中、室内人数最少記録更新だ。
 
 「優良」組は遥かに多いのだろうか?
 
 その「優良」組との30分間の格差は、交通安全教育ビデオ鑑賞に充てられていた。
 
 またぞろ売れない劇団俳優が演じるチープな小品かと思いきや、これがまた本格ドラマ仕立ての作品で、なおかつ冒頭に出てきた老舗菓子店の2代目主人の顔に覚えがあったので、ついつい見入ってしまった。
 
 えーと…このヒト誰だったっけ?
 
 あ!野村宏伸じゃん!!
 
 このごろ全然見かけなくなったと思ったら、こういうところで活躍していたのか…。
 
 菓子屋初代主人を演じる役者さんには見覚えはなかったけれど、滲み出てくる品の良さというかベテランならではの安定感というか、きっと名の通った俳優さんなのだろうと思わせる演技だったし、女将さんの女性もきっと若い頃は若い役で活躍していたっぽい可愛さが。
 
 おまけに子役が上手い。
 
 なんだか講習会場で流す程度のビデオに求められる作品のレベルを、必要以上に大幅に上回っているような気がする。
 
 いったいどこが作っているんだろう?
 
 出演していた俳優さんたちは誰なんだろう?
 
 30分弱のドラマが終わり、いよいよエンドロールで出演者や制作スタッフの名が流れる…
 
 …というところで、
 
 「お疲れさまでした、これで講習は終了です…」
 
 とセンセイが告げて、ビデオは終わってしまった。
 
 講習時に習った「ここ5年間の法律改正」などより遥かに気になる出演者の面々。
 
 ビデオ作品のタイトル「償いの十字架」を手掛かりに検索してみたところ、これがまた驚くべきヒット数だった。
 
 調べてみると、これは新生映画株式会社というところが2013年に制作した作品で、この「償いの十字架」以外にも多数の作品があって、それぞれの出演者はビックリたまげるそうそうたる顔ぶれ。
 
 江守徹&文学座のみなさんが出ているものもあれば、千原せいじ、渡辺いっけい、河合我聞なんて名前も出てきたり、なかには里見浩太朗 原田龍二なんて水戸黄門コンビの名も見える。
 
 そして気になっていた老舗菓子店初代主人役は、洋画の吹き替え方面で大活躍している佐々木梅治という俳優さんで、若女将は中原果南という、仲代達矢が主宰する無名塾の役者さんだった。
 
 若い頃には「はるちゃん」というドラマで主役だったそうな。
 
 いずれも「一般財団法人 全日本交通安全教会」ご推薦、いわば折り紙付きの作品である。
 
 それにしても、ギャラだけでもハンパ無さそうなのに、新生映画株式会社はなぜにこんなにたくさん次々に作品を作れるんだろう?
 
 …という疑問は、定価を見てナットク。
 
 いずれも30分弱の小品だというのに、驚くなかれ1作品の定価は…
 
 7万~9万円!!
 
知られざる癒着。

 大昔の〇ビデオどころじゃないですぜ(推測です)。
 
 それを文部科学省選定、全日本交通安全教会推薦ということで、全国各地の警察を含めた「お役所」関係で購入しまくっているのだ。
 
 あれほど映画館では毎回「ノーモア映画泥棒!」と宣伝しまくっているんだもの、まさか各県警がコピーしたものを使っているはずはなし、そういう方面のお役所も一般財団法人さんもいちいち購入してるんですよね?
 
 30分8万円前後のビデオを税金で大量購入!
 
 これってある意味官民の癒着じゃないの??(※個人の思い込みです)
 
 ところで今回視聴した野村宏伸主演「償いの十字架」、本格ドラマ仕立てで思わず見入ってしまったのはいいものの、なにしろ作品の目的は「交通事故を起こしたら大変なことになってしまう」ということを理解してもらうこと。
 
 なのでフツーの映画やテレビドラマだったら、最後には主人公とその家族にもなんらかの「救い」があってしかるべきところ、徹底的に加害者とその家族の「大変」を視聴者に突きつつけつつ、なんの救いもないまま物語は終了。
 
 そりゃゲンジツの被害者家族からすれば、加害者家族に救いがあるドラマなど観たくもないだろう。
 
 でも朝っぱらからこんなものを見せられ、ドヨ~ンとした気分で1日を過ごさなければならなくなるってのもなぁ…。
 
 あまりに気持ちが暗くなり、そのせいで帰り道に事故でも起こしたらどうしてくれるのだ。
 
 このシリーズ、5本くらい立て続けに鑑賞したら、二度と車に乗りたくなくなるかもしれない…。
 
 そんなこんなで1時間の講習は無事終了。
 
 新しくなった免許証を受け取れば、もう交通安全センターに用はない。
 
 でもその前に、なんたら協力金というのがあったっけ。
 
 講習終了後にオマケ的に見せられたPR動画は、そういえば以前は無かった。
 
 そんな協力のお願いなど必要なく、任意のはずなのにほぼ強制という、まるでNHKの受信料のような徴収の仕方をしていたのだ。
 
 それはいささかモンダイが…ということにようやく気づいたのだろうか、今回は協力のお願いビデオに続き、支払いも完全に「任意」になっていた(相変わらず「特典」は免許証ケースらしい)。
 
 これが昔のように500円程度なら払ってもいいところながら、いつの間にやら1000円になっている。
 
 警察にはすでに昨年1万5千円も支払い、額にして更新15回分「協力」しているワタシとしては、今さら1000円払う気になれるわけがない。
 
 そのために、今後作られる交通安全啓蒙ドラマの出演者がショボくなってしまったらゴメンナサイ。


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Posted by クロワッサン at 08:44│Comments(10)日々の徒然映画
この記事へのコメント
スピード違反検挙 心中お察し致します(>_<)
「見通しの良い海沿いの広い国道」との事 おそらく私を含め多くのドライバーが同スピードで走っている道と思いますが 具体的に何処ら辺か教えて頂けませんでしょうか m(_ _)m
Posted by ケンミンとーま at 2022年10月28日 17:30
お察しいただきありがとうございます(笑)。
名護から来る場合、
粉塵ロードの大きなカーブを曲がり、
本部町内に入ってからしばらく行った先でのことでした。
まるで携帯電話違反取締のごとく物陰に隠れているパトカー1台で実施しているため、
対向車からも見えないのでしょう。

でもおそらく近隣住民の申請を受けての実施だったようなので、
ワタシを含めた生贄を数名検挙してお役御免…
…になっているかもしれませんね。
(でもご用心ご用心……笑)
Posted by クロワッサン at 2022年10月28日 17:44
ネズミ捕りで無くて、レーダーパトでは?
沖縄県警にも居たのか・・・

北海道は多いから要注意ですが、沖縄はノーマークでした。
Posted by ウロコムシ武田 at 2022年10月29日 07:29
ありがとうございますm(_ _)m
同所辺りは「取り締まりやってたらヤバイー」とビビりながら走っていたので これからは一層注意して走ります。
しかし 身を挺して旧クロワッサンゲストの為に注意喚起とネタを取るとは流石関西人ですね! (^o^)
Posted by ケンミンとーま at 2022年10月29日 08:07
ウロコムシ武田さん、
なんか、iPadのような端末を差し出され、
そこに雄々しく写るプチプチトマト号…でした。
画像撮影と連動しているんですかね?

ケンミンとーまさん、
その努力に報いる寄付金を募集しております。
もちろん1万5千円…。
Posted by クロワッサン at 2022年10月29日 08:26
武田さん 沖縄県警にも最近話題の「可搬式オービス」が導入されており 実際に沖縄自動車道下り(名護向け) 喜捨場トンネル手前だったかその先の中里バス停だったかで見かけました(手前に小さーな「速度取締中」の表示有り) 他にも朝方の生活道路(通学路)での取り締まりも報道されています、犠牲は植○さんに任せて走行の際はご注意を!
Posted by ケンミンとーま at 2022年10月29日 08:29
新兵器導入されてますか・・・
スピードより、突然右折、左折する、沖縄道の路肩に意味不明で停車しているのを、取り締まって欲しいなぁ・・・
Posted by ウロコムシ武田 at 2022年10月29日 10:34
それをいうなら、
駐車している他人の車に勝手にステッカーを貼ったり
落書したりするヒトも取り締まってほしいです(笑)。
Posted by クロワッサン at 2022年10月29日 10:43
あははー
Posted by ケンミン○ーま at 2022年10月30日 07:51
あははー(^^;;
Posted by ケンミン○ーま at 2022年10月30日 07:53
 
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