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2022年09月30日
セダカギンポの産卵。
2022年 9月29日(木) 晴れ
北東の風 おだやかのちやや波あり 水温28度
台風が大東島あたりを素通り(?)していったこの日の沖縄本島は、台風のタの字も感じさせない穏やかな朝から始まった。
午後になって多少風が吹いてきたとはいえ、この季節ならフツーの北寄りの風。
海神、海にしろしめす。 なべて世はこともなし。
そんな平穏な午前中の海では、9月も終わりという時期に、ヘラジカハナヤサイサンゴの枝の奥でセダカギンポが産卵していた。
もっとも、↑これはメスが産みつけた卵にオスが受精させているところ(魚体の天地は逆になっています)。
リンク先でも紹介しているように、産卵行動時のオスの腹部には、受精器官らしきブラシがついていて、それを使って卵にスリスリする。
↑この写真でも、腹部に濃い青色をしているブラシが見えている。
これを初めて海中で確認したとき(@2010年)は衝撃だったなぁ…。
そんなセダカギンポの産卵&放精の様子を動画で撮ってみた。
とはいえ、セダカギンポの普段の様子をご存知ない方には、この動画で彼らが何をしているのかよくわからないかもしれないから、まずはメスが産みつけている様子を観てみよう。
そしてそのあと、オスがブラシでスリスリ。
これをずっと繰り返していたから、卵は次々に産みつけられていることになる(サンゴが死んでいる部分に産卵してます)。
なおかつこのオスは縄張り内に別のメスもいるはずで、彼女たちが産んだ卵もすでにここにあるはず。
で、ワタシはこれまでずっと。黄色い卵が「産みたてホヤホヤ」と思っていた。
そして背後に見える濃くなっている卵が先発で、早くも発生が進んでいる段階…
…と信じて疑わなかったのだけど、今回メスが産みつけていると思われる部分を観るかぎりでは、全然黄色くない。
どういうことなんだろう?
それはさておき、セダカギンポといえばすぐに逃げてしまうというイメージ強く、なかなかその姿をじっくり観させてもらうことができないものなんだけど、産卵時はすぐ傍から撮っていても平気なくらい、優先順位が別になるようだ。
ちなみにこれまで観てきたかぎりでは、セダカギンポの産卵は午前中に行われているので、午後潜ってもチャンスはないはず。
もちろん産卵時期としてはそろそろシーズン最終盤と思われるので、ご覧になったことがない方は来年のお楽しみに…。
2022年09月29日
スキャンダラス古希。
2022年 9月28日(水) 晴れ
北東の風 おだやかのち波あり 水温28度
また台風か…
…と覚悟しかけたところ、進路予想によると今回も沖縄方面を大きく避けて東へ遠ざかってくれるらしい。
でも去ってから日本のすぐ南で「停滞」って。
まさかそこから戻ってくるなんてことはないですよね?
さて、昨日は話だけになってしまったニセゴイシウツボ、巨大巨大といくら言ってもご存知ない方にはそのサイズが実感できないだろうから、以前撮った対人比でご紹介。
でっかいでしょ?
このニセゴイシ君の顎の下に…
プチッとひとつ皮弁が出ているのを目印にすることができるので、前日出会ったニセゴイシ君がこれと同じ個体、すなわち3個体くらいいるうちの最大級君であることがわかる(ただし場所は500メートルくらい離れたところです)。
「君」づけしてはいるけれど、こんなにデカけりゃ相当な年齢かもしれない。
ちなみに写真のお2人は、共に古希イーシャンテン(撮影当時)。
(「お2人」といってもご夫婦ではなく、かといってスキャンダラスな関係というわけでもなく、たまたま島で居合わせただけなのでそのあたり誤解なきよう…。)
ひょっとするとこの巨大ニセゴイシ君も、古来希なる年齢になっているのかもしれない。
年齢はともかく、このようにちょっとした特徴で個体識別できることもあるんだけど、カメさんの場合でもなにげにそれぞれ微妙に個体差がある。
ただしそこまでつぶさに観させてくれないことが多いから、遠目でもそれとわかるケースは限られる。
その点、背中に1本傷を負ってしまっているカメ子はわかりやすい。
ジェットスキーかボートにやられかけたところ、ギリギリセーフ…という痕だろうか。
傷の原因は不明ながら、かなりわかりやすい目印だから、そのひと月後に同じ場所で出会ったカメ子が同じ個体であることがわかる(見づらいですけど背中の同じ場所に傷が)。
あれ?
カメ子が同じ個体なら、一緒に写っている2人はニセゴイシ君と一緒に写っていた古希イーシャンテンのお2人と同じ個体?
この時もたまたま居合わせた…ということになっていたのだろうか。
ウーム…スキャンダラスな気配が漂う。
2022年09月28日
That's one small drop kick。
2022年 9月27日(火) 雲が多い晴れ
東の風 波あり
1週間ぶりに本島へ。
先日話題にした(11万キロ走っている)新車は、最初から潮風に晒し続けるのも忍びないので、プチプチトマト号が現役の間は、渡久地港の駐車場ではなく秘密基地に停めておくことにした。
小さな沖縄本島のこと、どこにいたって潮風ではあるけれど、渡久地港に比べれば、蓄積する被害の差は月とスッポン。
たしかにそれはそうなのだけど…。
短くても1週間停めっぱなしにしていると、そこには渡久地港の駐車場には無い被害があった。
落ち葉だ。
秘密基地の駐車スペースは、庭木の枝が覆い始めている一方、隣接する管理者ほぼ不在の空き地の木々も日々成長しているため、緑のトンネル状態になっているのだ。
何年か前に大々的に伐採したこともあったものの、暑い夏には格好の日陰になるし、シジュウカラその他の野鳥やキノボリトカゲなども住まうとなれば、たとえ立ち寄るたびに落ち葉のために(オタマサが)レレレのおばさんにならざるをえなくとも、まぁいいかと放置プレイにしていたためだ。
それらの一部が車に積もりまくり。
ただ葉が積もるだけなら走らせているうちに落ちるからいいけれど、葉が堆積しているところに雨など降ると、葉の成分が滲み出て汁のようなものが出てくるから、ほんの1週間置いているだけでたちまち見た目廃車一歩前状態になってしまっていた。
この先10年乗るつもりだというのに、これじゃたまらん。
というわけで、緑のトンネルを作り出している木々の枝を、この際剪定することにした。
もちろんのこと高枝バサミなど無いから、伸縮自在棒の先に剪定用ノコギリをガムテープでくっつけて、ギーコギーコ、ギーコギーコ…
…しているうちに、駐車スペースの空は見る見る広がっていった。
熱中症1歩手前でヘトヘトになりつつあらかた剪定し終えてみると、ずっと日陰のままだから苔むしていたコンクリートの地面にも、ちゃんと光が届いている。
これで日常的な落ち葉の量は相当減っただろうから、車への枯葉の染み被害はかなり軽減すると思われる。
で結局、実は落ち葉なんぞよりも紫外線被害のほうがよほど大きかったりして……。
話は変わる。
前日潜っていた際には、久しぶりに巨大なニセゴイシウツボが出現した。
3個体くらいいると思われるうちの最大級のヤツで、狭苦しいスペースに巨大な体を隠して上半身のみ外に出しているだけなのに、まさに威風堂々。
会いたいからといっていつでも会えるわけではないこのテのクリーチャーは、会いたい会いたいと希う方が去った途端に現れる、というマーフィーの法則がある。
してみると、きっとその前にそーゆー方が水納島周辺から立ち去られたのだろう。
リーフ際に戻ってくると、久方ぶりにサンシャインに輝くサンゴ礁。
やっぱ太陽は偉大だ。
太陽もまた、燦燦太陽を希うヒトが水納島周辺から立ち去ったおかげで、ゴキゲン状態で顔を出していたのかもしれない。
そんな燦燦太陽の下で、コバンハゼが今日も元気に散歩をしていた。
先日も紹介したように、住処にしているのは左の枝状サンゴで、そこからこのテーブル状サンゴに食事のためヒョコヒョコ出てくるコバンハゼたち。
ただし同じような場所に暮らす魚は数多く、そして同じようにサンゴの枝間をつついて食事を摂る魚たちもまた多い。
そのためコバンハゼたちのなかでも大きめのものは、意外に周囲の他の種類の魚たちと小競り合いをする。
このあたりのサンゴを縄張りにしているルリメイシガキスズメダイの若魚とやりあうこともあるし、自分より遥かに大きなヤリカタギにドロップキックをぶちかましさえするのだ。
素早い動きなのでわかりづらいけれど、ヤリカタギにドロップキックを見舞う様子を動画でどうぞ。
29秒~30秒くらいのところでは、画面から外れてしまっているヤリカタギへ、手前のピンボケの子が1発お見舞いしている。
そして1分8秒ほどのところでは、その向こうにいるコバンハゼが、同じくヤリカタギにドロップキック。
ヤリカタギにとっては1発の威力など大したことはなさそうながら、これがなかったらずっとその場でエサをついばみ続けるのだろう。
それを思えば、小さな彼のドロップキックは、アームストロング船長の1歩に等しいのかもしれない。
That's one small drop kick for a coral goby, one giant kick for Gobiodon.
小さいながらも己の生活圏を主張するコバンハゼたちは、ただ枝間に隠れ潜んでチョロチョロしているだけではないのであった。
2022年09月27日
再 会。
2022年 9月26日(月) 晴れ午後遅めに雨夕刻回復
東の風 おだやかのち波あり 水温27度~28度
台風連発の影響でずーっと大きなうねりが続いていて、島の西側に位置する岩場のポイントには随分久しく訪れていない。
この日ようやくうねりが消えて(今日だけ?)、風向き的にも問題無かったから、いつ以来だろう…ってくらい久しぶりに行ってみた。
目に新鮮な景色を楽しみつつ、枝間に潜む各種チビターレを物色していたところ、ハナグロチョウの500円玉サイズよりちょい大きめのチビターレを5個体くらい見かけた。
今年は遭遇頻度が高いような気がうすうすしていたハナグロチョウチビターレ、1本のダイビングで5個体に出会えるだなんて、かつて経験したことがない。
なにがどうしてなんだかさっぱり不明ながら、実際に今年は個体数が多いのだろう。
チビターレといえば、7月下旬に出会ったキンリンサザナミハギのチビは、まったく同じ場所に居続けながらそれなりに成長しており、この日もやはり同じ場所にいた。
2ヵ月経って随分黒ずんじゃったけど、オトナに比べればまだまだ色鮮やかだ。
そうやって枝間を注視していたから気がついたのだろう、一見地味に見えるギンポ系の魚が、枝間をスルスル…と移動していた。
ここらあたりの枝状サンゴの枝間をスルスル…といえば、マックロクロスケのホソカワインドカエルウオが定番だ。
ところがそのギンポらしき魚は、やけに赤味が強かった。
ん?
赤いギンポ??
ひょっとして…。
スルスル…をずっと目で追ってみると、ところどころで静止してはこちらの様子をうかがうパターンをつかめた。
その隙にパシャ。
おお、これは昨夏衝撃的水納島デビューを飾った、あの赤いギンポ君と同じ種類ではないか!
昨夏出会った子と比べると赤さ度合いはいささか劣るとはいえ、各ヒレやマツ毛鼻毛(?)の赤さは、他の既知のギンポとはまったく異なる。
昨夏出会ったところとは大幅に異なる場所だし、個体のサイズも小さめだったから別個体であることは間違いない。
大きくて激しく赤かった昨夏の子がオスで、これはメスなのかな?
まるっきりの一期一会で終わった昨夏はサンゴの枝間からチラ見程度にしか撮れなかったけれど、今回は全身とはいかずとも1歩前進。
赤いだけに警戒心は通常の3倍ながら、このスルスル…具合いであれば、全身を撮るチャンスも期待できるかもしれない。
ちなみにこのギンポの正体については、ネット上で得られる情報は昨夏と何も変わっていなかったから、引き続きタテガミカエルウオ属の1種(Cirripectes perustus?)ということまでしかわからない。
まだ鹿児島大学の漢字20文字研究室の手に、標本は渡っていないらしい…。
2022年09月26日
500円以上の500円玉。
2022年 9月25日(日) 朝晴れのち雨模様のち夕刻回復
北東の風 うねりと波あり 水温26度~28度
次々に発生する台風、でも幸いなことに沖縄方面は蚊帳の外。
ただしあちこちに台風があるせいか、洋上のうねりは大きく、リーフ際では水中にいても体が上下前後左右に揺さぶられる。
まだまだ夏っぽい海中も、この日はついに冷たい水のゾーンが、水深20メートルちょいくらいのところに出現し始めていた。
こういうのが混ざり始めると、だんだん水温も下がっていくのだろうか。
となると今もなおチラホラ観られる「夏」のチビターレたちは最終盤かもしれず、当たり前のようにチョコチョコ観られた↓このテのベラの激チビも見納めの時期かな?
ヒラベラ(?)のチビターレ最小級。
イソバナに目をやると、モンツキベラのチビチビが何匹かいた。
単独だとさほど目立たないモンツキベラチビターレも、イソバナバックだと俄然映える魚になる。
というか、こうして観てみると、モンツキベラチビターレの点々模様の意味がわかるような気が。
イソバナは光を当てずに海中で見れば黒っぽく見えるから、モンツキベラチビターレはこの模様のおかげで、ほとんどイソバナに同化して見える………かも?
カモフラージュ効果はともかく、イソバナはどんな魚でも見栄えよくしてくれる魔法の背景でもある。
なので、リーフ際から砂地の根まで、そこらじゅうにいるオトメベラのチビでさえ…
なんだか珍し系のベラに見えてしまう。
うねりのあるリーフ際に戻ってくると、ちょっとしたサイズのテーブル状のミドリイシに、目を引くチビターレがいた。
ご存知スミツキトノサマダイ100円玉サイズ。
激チビというほどではないけれど、見かけるオトナの数のわりには出会う頻度は極小のスミツキトノサマダイチビターレだから、100円玉サイズでも思わず「おっ!」となる。
半月前ならもっと小さく、1円玉サイズだったかもしれないことを思うと、もう少し早く発見できていれば…と思いかけた。
でもこの半月間は、台風&詐欺台風のために完全ブランクになっていたんだった…。
ところでスミツキトノサマダイのチビターレといえば、ハナヤサイサンゴ系の枝間を隠れ家にしていることが多いのだけど、そのテのサンゴにいるものたちは、サンゴに近寄るとすぐに枝間に逃げ込んでしまう。
枝間から出てくるようになるまで相当時間がかかるし、かといって枝間から覗き見るには狭すぎるため、こういう苦労をすることが往々にしてある。
ところがこのチビターレはテーブル状のサンゴに居るために逃げ込む枝間空間がさほどなく、おまけにここを完全に縄張りにしてハレムを作っているネッタイスズメダイのビッグボスが近くにいる。
ビッグボスにとっては周囲でチョロチョロしている黄色系の他の魚は目障りなのか、接近するワタシを警戒して枝間に逃げ込むスミツキトノサマダイを、ウリャッ、ウリャッ、ウリャッ!とイジメ倒して枝間から追い出すこともしばしばだった。
おかげでいつになく全身を余すところなく見せてくれていた、スミツキトノサマダイチビターレ。
そういう意味ではビッグボス、グッジョブってところなんだけど、スミツキトノサマダイ100円玉君の追い払われ感がハンパではなかったから、「何もそこまでしなくても、ビッグボス…」という気にもなってくる。
サンゴの枝間で幼少時代を過ごすチョウチョウウオたちも、なにげに大変なのである。
話は変わる。
チョウチョウウオのチビたちのサイズ比較に欠かせないコイン、そのうち最大級の500円玉は、シャワー・トイレ棟にあるロッカーの売上を管理しているワタシの場合、一般の方々に比べれば100円玉同様日常的に圧倒的多量に接する硬貨でもある(もちろん接するだけで、自分のモノになるわけではない…)。
で、コインケースに500円玉を詰め詰めしているときに、他とは印象が大きく異なるコインを見つけた。
ひょっとしてお隣の半島国の硬貨だろうか?
と思いきや、それは…
…昭和57年鋳造の500円玉だった。
昭和57年といえば、500円玉が初めて世に登場し、岩倉具視をあっという間に引退に追い込むこととなった最初の年でもある。
すなわちファースト500円玉。
縁にはギザギザではなく、「NIPPON・500」の文字が刻印されている。
そういえばこうだったっけなぁ、最初の500円玉。
ファースト500円玉ともなれば、ひょっとして出すところに出せば500円以上の価値があったりして?
…と冗談半分で調べてみたところ、驚いたことにホントに500円以上の価格で取引されていた。
珍しいと思ってついつい自分の財布に入っていた500円玉と交換していたワタシは、業務上横領になってしまうのだろうか?
法律に詳しい方、そっと教えてください…。
2022年09月25日
祝いのカタチ。
2022年 9月24日(土) 晴れ昼前から雨夕刻回復
北東の風 うねりと波あり 水温28度
昼過ぎからにわか雨…かと思ったらその後かなりしつこく降り続き、最終便が出る前くらいまで降り続いた。
夕刻には回復しつつもまだ空には雲が多かったのだけど、これを書き始める前、未明の夜空を見上げれば、ど真ん中にオリオン座が。
手を伸ばせば触れるくらいに近く見える。
オリオン座がそこまでクッキリ見えるくらいだから、お隣のむりぶしもいつになくハッキリ見えた。
すばるがクッキリハッキリ見えるくらいだもの、夜空の星々の満天具合いは推して知るべし。
雨が空の塵を洗い落としてくれたのだろう。
台風のうねりがもたらしていた海中の薄濁りも、この日はずいぶんいい感じに薄まってきて、おまけに午後は流れも無かったから快適空間。
これで日差しが出ていればなぁ…。
そんな海中で、キラリと光る落とし物を発見してしまった。
コンデジ。
見たところ海藻はぜんぜん付着していないし、バッテリーをチェックしてみたらまだ使える状態だったから、落としたてホヤホヤなのは間違いない。
とりあえず回収して真水に浸けてから乾かしてあるので、心当たりがある方、もしくはお店の方はこちらへご一報ください。
ナニゴトもソツなくキッチリしている方々からすると、なぜ海中でカメラを落としてしまうのかさっぱり理解できないってところかもしれない。
でも世の中には、中身のカメラ、外側のハウジング、ストロボその他諸々を合わせれば軽自動車の新車くらい軽く購入できるほどのカメラ器材一式を、ダイビング中にロストしてしまう奇特な方もいらっしゃるくらいだから、コンデジの1個や2個、海底に落ちていて当然ともいえる。
なのでまだ使えるコンデジが落ちていてもそれほどのオドロキは無かったのだけど、同じくこの日目にした↓これにはいささか衝撃を受けてしまった。
ゲストか誰かの100ダイブ記念のお祝い用っぽいものが仕込まれていたのだ。
でも近隣にはダイビングボートは1隻もなし。
もしかして翌日用に仕込まれているのだろうか?
ところが日付は9月24日、思いっきりこの日だ。
そうはいっても我々が潜っていた間、近隣にボートは無し、その後最終便が出るくらいの時刻になるまで、このポイントで潜っているボートの姿は無かった。
ひょっとして…ひょっとして……仕込んだはいいけど……
忘れたとか??
日付が日付だけに翌日ならゴミ確定のところ、まだこの日のうちは回収せずに元のままにしておいたけど、もし放置プレイ状態なのなら、このままじゃ晒し物になってしまう気が…。
関係者のみなさんには、即時回収をおススメいたします。
それにしても、ちゃんとしたお店は記念ダイブのお祝いボードもラミネート加工で洒落てますな。
うちなんてせいぜい↓こんなものだからなぁ…。
高額カメラ一式をまるまるロストしてしまうという苦難の果てに、ついに3000ダイブに達した巨匠、3000本記念缶ビールゲット。
1人寂しく朝のビーチで迎えた巨匠だったから、せっかくだからとみんなで撮った3001本目記念では…
…ボードに手書き(涙)。
缶ビールは多少手をかけているものの、これはこの場でただ書いただけときたもんだ。
でもお祝いボードはショボくとも、仕込んだまま忘れ去られるよりはきっといいはず。
それにしてもまぁ、こんなににぎやかな時もありましたねぇ、クロワッサン。
※このご時世ですので、ここに写っているみなさんのプライバシー保護のためにも、撮影日時についてはヒミツです。
2022年09月24日
環境に応じる。
2022年 9月23日(金) 晴れ
北の風 うねりあり 水温27度~28度
世間は3連休。
9月になってからは学生の姿が目立っていたビーチに、ひさしぶりに小さな子供たちの声が戻っていた。
海中でも「子供たち」の姿がまだまだ目立っていて、小さな姿をそこかしこで観ることができる。
ノコギリハギもそのひとつ。
チビターレに特有の、割合的に全身顔面チックなバランスは、オトナとはひと味違う。
このオトナ模様が出てくる前の段階はさらに丸っこくてカワイイのだけれど、これくらい(1センチほど)のチビターレをそこかしこで見かけるわりには、魂サイズ級の激チビにはなかなかお会いできない。
クラシカルアイのせいか?
チビといえば、タマイタダキイソギンチャクの触手の間に、ハマクマノミのチビチビの姿もよく観られる。
水納島ではタマイタダキイソギンチャクにしか住まないハマクマノミは、これまでにも何度も紹介しているように、たどり着いた先のイソギンチャクでの立場によって、体の色が2タイプに分けられる。
すでに先住のペアがいるタマイタダキイソギンチャクにたどりついたチビターレは、先住ペアにイジメられないよう、目立たぬよう、薄い薄い色をしていて、体の線はオトナと同じく頭部の1本のみ。
一方、他に誰もいない、もしくは先住者が1匹だけのタマイタダキイソギンチャクにたどり着いたチビターレは、激チビの頃から周囲に主張する色合いになっている。
撮影:オタマサ
体の色は濃く、体には3本の白線、そして尾ビレにも広範囲に白い模様。
直径5センチあるかないかくらいの激チビイソギンチャクに、このチビターレは1匹だけで暮らしていた。
これまで観たことがある3本線タイプのハマクマノミチビターレのなかでは人生最小級で(1センチに満たないくらい)、激チビならではの尾ビレの白い模様は最大級だ。
これは是非撮りたかったところながら、あいにくこの時はこういったチビチビを撮れる状況にあらず、後事をオタマサに託すほかなかったのだった。
それにしてもこの両者、知らなければとてもじゃないけど同じ種類の魚とは思えないほど、まったく体の色も模様も異なっている。
それぞれのチビターレを互いのシチュエーションに入れ替えてみたら、体の色はどうなるんだろう?
誰かエラいセンセイが実験してないかな?
2022年09月23日
2022年09月22日
フットプリント。
2022年 9月21日(水) 晴れ
北東の風 荒れ模様のち波あり
台風一過、今日から通常モード!
…と思いきや、朝は予報を上回る荒れ模様。
北寄りの風がかなり強めに吹いていた。
でも時系列予報では、夕刻に向けて風はおさまっていく見込みということもあって、連絡船は最終便のみ運航…
…するつもりでいたようなのだけど、どうしても朝島から出なければならない宿泊客がいたために、朝1便を出すことに変更された。
風が強いのは朝のうち、そして朝1便を出せるのであれば、そのまま全便、少なくとも最終便も出せるということに…
…なるのかと思いきや、まことに不思議なことに、朝イチの1往復のみでその後は欠航ということに。
なんで??
南風でなおかつお客さんがたくさんいる夏とは違い、日帰り客は少なくひとたび荒れると北寄りの風になるこれからの季節は、こういった不思議な運航になることが多いから、来島をご計画のみなさんは、天気予報だけで判断してはいけません…。
あ、ちなみにこの先10月1杯まで、連絡船は1日4往復の運航になっているのでご注意ください。
我々はといえば、まさかそんなことになるとはつゆ知らず、けっこう時化ているなか、昨日久しぶりに海に下ろしたボートで波をかぶりながら朝早くに島に戻ってきてみれば、朝イチのみ運航のおかげでこの日も平和な1日に。
夕刻桟橋まで散歩してみると…
一昨日のガメ公の足跡がまだ残っていた。
昨日は遊泳禁止&前倒し減便、この日は朝イチのみだから、この2日間ビーチにはカメの足跡が残るくらいに誰もいなかったのだろう。
毎日そういう日になるまで、あと少しの辛抱だ。
2022年09月21日
初シゴト。
2022年 9月20日(火) 本島は雨のち夕刻晴れ
北の風 大きなうねりあり
5日ぶりに連絡船復活。
ただしうねりが大きくビーチの流れが激流のため遊泳禁止となったこともあって、本来明日から予定されていた1日4往復を前倒ししてこの日から実施。
4往復だと午前は10時発が最後だから、11時の便に乗ろうとして渡久地港に来て途方に暮れているお客さんがチラホラいたりした。
我々は9時30分発の便で本島へ。
南海にまだまだアヤシイ雲が固まってはいるものの、もう我慢できないからボートを降ろす。
そのためにハイラックスに変わる(11万キロ走っている)新車を購入したということは先日触れた。
で、この新車、乗り心地がいいんだわ。
学生時代からを含め、これまで乗ってきた車の中で、最も心地いいかも…。
ただし4WDだというのにガソリン車で(ディーゼルの4WDの中古は高価かつ品薄のために、手ごろなものを見つけきれない)、ライフに比べれば遥かに燃料タンクのサイズはでっかい。
燃料は納車された時点で半分弱入っていたのだけど、試しに満タンにしてみることにした。
どれくらい入るんだろう?
値段を見て、気絶しそうになってしまった…。
この燃料高騰の時代に逆行する4WDのガソリン車、おまけに燃費は7キロ弱。
海上自衛隊と同じく、燃料不足で稼働不能になってしまうかもしれない…。
でも乗り心地がいいので、この日は名護での用事も新車を利用することにした。
バックにしてみると、モニターに映像が映る!
死角になっている左前も、「カメラ」ボタンを押すとモニターに映る!
世間では遥か以前から当たり前になっている機能とはいえワタシには人生初の高機能だから、他のボタンを押したらマシンガンをぶっぱなせるんじゃないかとさえ思ってしまった。
そんな機能があると、間違って座席ごと上空高く打ち上がるかもしれないけど。
久しぶりにJAマーケットのお弁当コーナーでチェリーハウスの逸品を購入し、少しばかり遠足することにした。
行先はこちら。
青田が広がる羽地ターブックヮ。
瑞々しい稲たちは、台風の被害をまったく受けていない。
サワサワと風にそよぐ稲も美しい光景ながら、もちろん主目的は手前の休耕田ゾーン。
そろそろ渡り鳥がやってくる季節、なにか来てはいまいか。
いた。
ご存知セイタカシギ。
軽く水が張られたままの田んぼに3羽ほどいて、しきりにエサをついばんでいた。
水が張られているといってもほとんど水溜まり程度だから、脚が長いセイタカシギはいちいちかがまなければならないから、けっこう不便そう。
でも多少水かさがあるところだと、この長い脚がたちまち便利になる。
これでフツーのシギ類程度の脚の長さだったら、このように上からサーチできないですからね。
こうしてエサをサーチして何を食べているのかまではわからないけど、たいていの場合は嘴を浸ける程度でゲットできているようだった。
でも水かさがあるところでは…
顔ごとズボッ!
きっと水底の何かをエサにしているということなのだろう。
エササーチの合間に、少々羽繕い。
脚が長いと、羽繕いまでなんだかセクスィ。
この子がいた場所がエサゲットには有望そうだったからだろうか、それともクマノミのような先着者優先の法則でもあるのだろうか、我々から見ると遠くにいたもう1羽が突如飛んできて、最初にいた子を追い払ってしまった。
あとから来たジャイアンは、白黒のコントラストがハッキリしていて、頭頂部が白い。
こっちのほうがオトナで、最初にいた子はまだ若いのかな?
こんな鳥さんたちを、車に乗ったまま至近距離から観ることができる羽地ターブックヮ。
昔の人々にとっては当たり前の光景なんだろうけど、今の世の中じゃ、こういうところでお弁当をいただけるなんてのもゼータクなひととき。
今朝の時点でもまだアジサシたちはたくさんいた水納島ながら、さすがにセイタカシギの飛来は望めないからなぁ…。
ゼータクランチを満喫して、その後秘密基地で少々休憩したあと、ボートを海に下ろすため、午後遅くに渡久地港へ(満潮が午後5時くらいだったから)。
乗り心地がどうであろうと、最大の目的で機能しなければ何の意味もない。
4WDとはいえディーゼルに比べればパワー不足は否めない新車、はたしてシゴトをしてくれるだろうか?
というか、オタマサはちゃんと運転することができるのだろうか?
運転席側をガーリガーリしてしまうほどタダモノではないだけに、そこが最大の不安材料だったのだけど、ボートは無事に海へ戻った。
その後渡久地港南岸まで新車を走らせてきたオタマサにとっても、乗り心地は良かったらしい。
これで3年くらいなんのトラブルもなく過ごせれば御の字ってところながら、なにぶん中古車だけにいつ何が起こるかはわからない。
少なくとも現時点では、いい買い物をした感で満足している我々なのだった。
2022年09月20日
イッツ・ア・スモール・変態・ワールド。
2022年 9月19日(月) 晴れ
西の風 荒れ模様&巨大なうねり
本土を席捲している台風は沖縄から随分離れ、強風域からもとっくに抜け出してはいるけれど、侮れない風、そして巨大なうねりということもあり、連絡船はこの日も欠航(伊江島のフェリーは運航していたけど)。
真綿首絞め型台風のおかげで島内にお客さんがウロウロしていないので、このところしばしば夕刻にガメ公の散歩をしている。
春から初夏までは散歩に出ても家の前で道草を食べて終わるだけだったものが、やはり秋になると「遠くへ行きたい…」と遺伝子が騒ぐのだろうか、ひとたび柵を出ると、テケテケテケテケ歩き始めるから、運動不足気味のワタシの運動にもなっている。
水納ビーチのBBQ会場まで行ってグルリと巡るのが基本ルーティンで、そのあとは気の向くまま、その日によって行先が変わるガメ公。
はてさて今日はどこに行くのかな…と思っていたら、なんとなんと、この11年間で初めて桟橋の端までたどり着いた。
夕刻の誰もいない海、そして桟橋。
そこをテケテケ歩くカメ…はかなり絵になったというのに、なんてことだ、ポッケにカメラは無かった…。
海は相変わらず巨大なうねりが押し寄せており、ビーチは常時激流状態になっていた。
一方、台風前には再びウンザリするくらいに溜まっていた海岸の軽石は、きれいさっぱり…とまではいかずとも、かなりフツー状態に戻っていた。
水納島では今回の台風は北風から反時計回りに西風へと変わっていっただけだったから、島の北東側の軽石は軒並み波にさらわれ、本島方面に流れていったのだろう。
このところ溜まっていた軽石はそのほとんどが本島由来だろうから、元に戻ったということか。
多くの業者にとって、台風はシゴトをさせてくれない存在ではあるものの、なにげに台風、ちゃんとシゴトをしてくれていたようだ。
というわけでこの日も海は眺めるだけだったので、オタマサのキワモノ写真の海へエントリー。
オタマサがしばしば撮るキワモノ系クリーチャーのひとつに、小さなクモヒトデたちがいる(以下の写真すべて、撮影:オタマサ)。
写真のようにカイメンに開いた穴ポコから腕だけを出していたり、ムチイボナマコの体表にビッシリ張り付いていたりすることもある小さなクモヒトデたちはやたらと種類が多く、サンゴの仲間の枝に絡みついているものもいる。
サンゴの仲間の枝に絡みついている小さなクモヒトデといってもやはりその種類(タイプ?)はさまざまなようで、よく見かけるヤギの枝にいるオレンジ色のもののほか、オタマサは枝状ミレポラで↓こういうものも撮っていた。
円盤部分がせいぜい2ミリくらいだから、実際に海中で観ているときには気がつけないだろうけれど、写真で見るとその円盤部分がなにげにビジュアル系だったりする。
ひとくちではどういう色味と言い表せないフクザツな配色、クモヒトデもなかなかやる。
そうかと思えば、死サンゴ石がたくさん転がる海底でよく観られる肌色のヤギに、一見いたってシンプルな色柄のものたちがいた。
オレンジ色のタイプは既知なものだから、最初に写真をサムネイルサイズで見ていた時からそちらはすぐにクモヒトデと認識できたものの、赤い円盤のほうは腕の存在に気がつかず、サンゴ類によくつくヒラムシの親戚ワミノアたちかと思ってしまった。
こうして拡大すれば、クモヒトデであることは一目瞭然。
その円盤部分をさらに拡大してみよう。
単純に「赤」というわけでもなく、ストロボが作る陰影とは関係なしに黒っぽい部分があることがわかる。
こんなにわかりやすい色柄なら、たちどころに種類が判明するはず…
…と言いたいところながら、現生種で2000種類ほどもいるというクモヒトデ類のこと(テヅルモヅルもクモヒトデです)、こんな小さなクモヒトデの種類およびカラーバリエーションまで網羅している一般向けの図鑑などあるはずもなし。
ヤギに絡みついていることが多いというニシキクモヒトデのカラーバリエーション、もしくはその仲間かな…と推測するのがせいぜいだ(オレンジ色のものは、世間ではニシキクモヒトデということになっているっぽい)。
ウニ、ナマコ、ヒトデ、ウミシダなどが属する棘皮動物の中で、最も繁栄しているといわれるクモヒトデたち(ヒトデとクモヒトデは、ヒトデとナマコが異なるのと同じレベルで異なるグループになります)。
オタマサ的スモール変態ワールドに目を向ければ、まだまだ未知のチビチビカラフルクモヒトデが蠢いていそうだ。
2022年09月19日
元祖はどっちだ?
2022年 9月18日(日) 雨少々時々日差し
西の風 時化模様&超巨大なうねり
台風で九州がえらいこっちゃ!
…というどさくさに紛れて、台湾で発生した地震で宮古・八重山に津波警報が出ていたらしい。
アフタヌーンシアタータイムだったために、知った頃には警報は解除されていたけど…。
沖縄でも震度3の地震があったそうなのだけど、台風の強風&ホームシアターの音量でもともと家自体が揺れているせいか、まったく気がつかなかった。
台風&地震の渦中にありつつも雨はさほどではないおかげで、この日もカメさんたちのエサを採りに歩けるくらいだったものの、さすがに「海へ…」というわけにはいかない。
仕方がないのでオタマサが最近撮ったキワモノ写真の海に潜っていたところ、「おっ!」というものを発見した。
これ(以下写真3点の撮影:オタマサ)。
なんとも淡い色のガンガゼエビ。
ガンガゼエビが住まうガンガゼやガンガゼモドキの黒い棘はとにかく黒いから(トックリガンガゼモドキには白い棘もあるけれど)、その棘に寄り添って隠れ潜んでいるガンガゼエビの色味は、おしなべて濃い…
…と思っていたら、写真のガンガゼエビが暮らしているガンガゼの仲間は全体的に淡い色だからか、エビもまたパステルカラー調になっているではないか。
淡い色になっているおかげで、ガンガゼエビの尻尾に↓こんな模様があることを初めて知った。
お腹側も同じように淡い。
体側には細い白い線が入っているだけと思っていたから、白に縁取られた濃いラインが入っているだなんてこともまったく知らなかった。
個体数的には棘の色が濃いガンガゼ類のほうが多いと思うのだけど、この場合ガンガゼエビは、濃いものと淡いものと、どっちが「ノーマルカラー」なんだろう?
ヘタをするとラーメン屋や沖縄そば屋のような「元祖」争いになるかもしれない…。
それはさておき、8月のようにずっと台風が来ないままシーズンが終わっていれば、例によってオタマサ私蔵の写真の海に深く静かに沈んでいったであろうところ、沈没する前に上架させることができたのは長引く台風のおかげ…
…って、ホントの海に潜りたいなぁ、そろそろ。
2022年09月18日
光沢Unknowns。
2022年 9月17日(土) おおむね雨
北西の風 時化模様
いかにも「強風域」っぽいお天気の1日だった。
なので雨さえ小康状態ならカメさんたちのエサを採りに出歩けるほどで、もちろん海上は時化ているけれど、風の強さということではフツーの強風だからなんのモンダイもない。
もちろん「この程度だろう…」という見込みがあったからこそ平気で過ごしているわけで、これが今の屋久島・種子島なみのポジションに沖縄本島が位置していたら、ちっぽけなプレハブの我が家になど、とてもじゃないけどいられない。
近頃は猛烈台風が本土を襲うことも増えてきたから、台風の強さの表現で「一部の家屋が倒壊するほど」という表現が使われるようになっているけど、沖縄のコンクリート家ーだったら、台風で倒壊することはまずない(窓ガラスは割れるかもしれないけど)。
おまけにサッシが優秀だから、窓を閉め切ってしまえば風の音も半減以下だ。
それに比べ、旧我が家で台風を凌いでいた頃ときたら…。
旧我が家に比べれば現我が家のほうがよっぽど安心ではあるものの、それでもやはりしょせんプレハブ、本格派ストロングタイプの台風ともなれば、タービュランスに巻き込まれた旅客機のように揺れる。
生きた心地がしないのは旅客機と同様だ。
そういう状況でもグースカ寝ていられるオタマサは、「スゴイ」を通り越してきっとバカなのだろう。
でもそんなオタマサでさえ、910ヘクトパスカル級の台風が迫ってきたときには民宿大城さんに避難させてもらったくらいだから、屋久島・種子島のみなさんは本気で命を守る行動をしたほうがいいですよ。
今回ばかりは、マスコミの大袈裟報道とは違うはず。
さて。
今月初めにワタシが秘密基地に避難していた際、島に残っていたオタマサは、久しぶりにブラタモリを観たらしい。
石見銀山メインの放送回で、かつて訪れた温泉津の港も出てきたものだから、かなりツボだったようだ。
久しぶりに見て面白かったからこの日も観たい、と珍しく観たいテレビ番組を主張するオタマサ。
あいにく台風のため新聞は来ないからパッと見られる番組欄が無いので、念のためにネット上の「テレビ番組表」を見てみたところ、ブラタモリが始まるはずの午後7時30分は…
巨人×阪神
なのだった。
クライマックスシリーズ出場権を得るための3位圏内を争う両チームの試合中継。
NHKの地上波で土曜のゴールデンタイムにプロ野球中継など滅多にないというのに、年に1度あるかないかの「テレビが観たい」オタマサの見たい番組を蹴散らすだなんて…。
話はまったく変わる。
過去に一度紹介したことがあったはず…と思っていたところ、ザッと調べてみたらまったく話題にしていなかったナゾのカワハギがいる。
3年前の夏に、わりと深いところでオタマサが撮ったこのカワハギだ。
2センチちょいほどだからおそらくチビターレと思われるこのカワハギ、調べてみても正体は不明で、しかもこの場にいてくれたのはこの時かぎりだったから、このあと多少成長したらどのような姿になるのかすらわからず終わってしまった。
いずれ正体がわかればお魚コーナーにラインナップさせよう…と思ったまますっかり忘れていたワタシ。
そして先日、水深30メートル弱あたりの砂底で、オタマサはまたまたナゾの魚に出会った。
やはり2センチくらいで、フォルムからしてモンガラ類のチビのような気がする。
ただしこのチビ、最初は砂底に転がる死サンゴ石に寄り添うようにして寝転がっていたという。
近寄っても微動だにしなかったらしい。
七三くらいの見当で「死んでいる」と思ったオタマサが、念のために死サンゴ石をツンツンと触ってみたところ、寝そべっていた魚はようやく動き出し、色味を薄くしてピューッと彼方へ逃げ去ったそうだ。
モンガラっぽいフォルムながら、既知のどのチビとも異なるこの色味。
光沢の感じが似ていたおかげで、3年前のナゾのカワハギを思い出すことができたのだった。
存在を思い出しはしても、正体不明であることに変わりはないカワハギ、そしてこのナゾのモンガラ。
いったい誰のチビターレなんでしょう?
ご存知の方、テルアスプリーズ!
2022年09月17日
迷い道。
2022年 9月16日(金) おおむね晴れ
東の風 うねりと波あり
NYダウだ日経平均株価だといったところの数字が日々上下すると、なんだかんだといろいろと理由を並べ立てるものだけど、毎度のことながらあくまでも後付けでしかない。
近年の台風の予想も、だんだん経済アナリスト的になってきた気がする。
台風14号の中心気圧が910ヘクトパスカルまで下がるだなんて、数日前に予想していたヒトが何人いただろう?
これまた後付けで、いろいろ理由が述べられるに違いない。
誰も予測できなかった成長度合いはともかく、進路予想はほぼ固まっている感じだから、このままいくと種子島・屋久島あたりは大変なことになりそうだ。
そして進路予想どおり勢力をキープしたまま九州に上陸すれば、暴風被害はもとより大雨被害も大変なことになるかもしれない。
でも大丈夫。
支持率急落で何かしなきゃと躍起になっているエンプティ氏が、たちどころに「Just do!」で救済策を講じてくれることだろう。
でもその救済策は、昨日こう言ったと思ったら今日は全然違ったりと、被災者そっちのけで、いつものごとく繰り返し小出し情報漏れの挙句に紆余曲折するのだろう。
そんなエンプティ政府の施策を一葉の写真で表すならば…
撮影:オタマサ
…こんな感じ?
~♪
ひとつ曲がり角 ひとつ間違えて
迷い道くねくね
こういうムチカラマツに暮らしていたら、ビシャモンエビも大変だろうなぁ。
でもクネクネしていようとも一本道のビシャモンエビに比べれば、よっぽどニッポンのほうが大変か…。
2022年09月16日
Out of Right Side。
2022年 9月15日(木) 晴れ時々雨
東の風 うねりと波あり
まるで斜面を転がる雪玉のように、進むにつれてどんどん巨大化していく台風14号。
周りの雲という雲を「カモン!カモン!」と呼び集めながら進んでいるかのようだ。
先だっての12号のように小型のままなら、進路予想的に掠める程度だったろうに、巨大になっちゃったから沖縄本島もスッポリとその影響圏に入りそうだ。
ということもあって、連絡船はこの日のうちに翌日(16日)の欠航を早いうちに決定していたらしく、最終便のタイミングで船長に状況を訊きに行ったら、早くも日帰り業者さんたちは台風対策を終えていた。
我々はといえば、先週は完全に早まってしまったおかげで、ボートに関しては慌てて何かをすることもないから楽チン楽チン…
…って喜んでいる場合じゃないけど。
16日は欠航といってもまだそれほど風が吹くわけじゃないだろうから、のんびり家の台風対策でもして過ごすことになりそう。
話は変わる。
このごろ巷間を騒がす頻度がやけに高くなっている、撮り鉄の方々の迷惑行為。
これは一部の心無い釣り人のみなさんが、ゴミを現場に散らかして「釣り人」のイメージダウンに大きく寄与しているのと同じように、撮り鉄のみんながみんな迷惑な存在というわけではけっしてない。
おそらくは昔から、「ホントはやっちゃいけない」ことをひそかにやっていた撮り鉄の人たちだって一部にいたのだろうけれど、今ほど騒がれていなかったのはなぜだろうか。
撮り鉄人口自体がそれほど多くなかったということもあるだろうけど、大きな理由としては、やっちゃいけないことをやっている人たちでさえ、「ホントはやっちゃいけない」ということをしっかり自覚していて、それによって他者に迷惑をかけてはいけない、という節度(?)がちゃんとあったからではなかろうか。
近年世間を騒がせている撮り鉄さんたちの迷惑行為を詳細に渡ってサーチしているわけではないものの、ニュースになっている話を見るかぎりでは、この「節度」が決定的に欠落しているように思える。
自分の行為が圧倒的大勢の人々に迷惑をかけるということに対し、いささかのうしろめたさすら持ち合わせていない方々に特有の、「やりたいようにやって何が悪い」という行動様式なのだろう。
これは何も撮り鉄だけの話ではなくて、例えば今シーズンなど、遊泳区域から出て泳いでいるヒトに監視員がジェットに乗って注意をしに行くと、逆ギレして監視員に対し罵詈雑言暴言波動砲状態になる…なんて話を監視業務もしている日帰り業者さんから伺ったりもした。
ご存知のように流れが強い時(が多い)にビーチエリアから出ると、まず自力で泳いで戻るのは不可能なほどに流されてしまうからこそ、監視員が注意を促しているというのに、それに逆ギレして暴言波動砲になるヤツなんて、勝手に泳いで出て死んじゃえって思っちまいますね、ワタシなど。
そもそももっと遠くまで泳ぎたいのなら、遊泳区域が設けられている「ビーチ」から泳ぐのではなく、ヒトッコヒトリーヌの場所で勝手に自己責任で泳いでいればいいじゃん。
ビーチで泳いでいて、エリアを出て注意されたらキレる、というのもまた、悪玉撮り鉄の「やりたいようにやって何が悪い」と同じ行動様式に基づいているのだろう。
どこぞの行楽地では、集まり過ぎた客が車を住宅地にまで駐車しているため、近隣住民は迷惑を蒙っているという。
そこで近隣住民から対応を要請された行政の職員が、現場で迷惑客に注意をしたところ、逆ギレされて客から暴行を受ける…なんてニュースもあったっけ。
千ベロでも同じ行動様式の方々が増えているらしく、素面でさえ酔っ払いよりたちが悪いのに、そのうえ酒まで入っているものだから、千ベロの店がある商店街などではほとんど公害状態になっている…なんて話もある。
まだ新型コロナは本気でヤバいと日本中が思っていた頃に居酒屋でバカ騒ぎをしているヒトたちも、この「やりたいようにやって何が悪い」な方々なのだろう。
どうやら着実に、日本中でこういう方々が増えているようだ。
「やりたいようにやって何が悪い」な方々は、ひょっとするとトムトムが映画の中で言っている「Don’t think, just do !」を拡大解釈&誤認識して実践しているのだろうか。
あ、なるほど、「国葬」決定も、「Don't think, just do!」だったのか。
これが日本だけじゃなくて世界中で同じようになっていたとしたら…
…お隣の大陸国なんて、そもそも国ごと「やりたいようにやって何が悪い」だものなぁ。
そのうち極東でも、似非「Just Do!」で戦争が始まるに違いない。
お隣の大陸国といえば、先日再選を果たしたデニー知事は沖縄を大陸国の属国にしたがっている、なんて話が、右側から大きく外にはみ出した方々の間で盛り上がっているらしい。
この右側から大きくはみ出している方々にとってデニー氏の再選を許した「沖縄県民」は、売国奴かつ日本の敵、さらには日本人モドキで土人なのだそうな(念のために旗幟を鮮明にしておくと、ワタクシも進んで土人モドキになったクチです、ハイ)。
なにかにつけ日本政府の言うことに反対をとなえる様子が、右側から大きくはみ出している方々にとっては許しがたいのだろう。
そうやってオキナワを許し難く感じている人たちは一方で、チベットやウイグルあたりで人権無視人命無視のやりたい放題を繰り返しているお隣の大陸国のことを、まるで地球の敵のごとく敵視してもいる。
でもオキナワに対して日本政府がこれまでやってきたことって、誤解を恐れずに言えば、大陸国がチベットやウイグルその他少数民族地域に対してやってきたことと大同小異といっていい。
だって基地問題一つとっても、有権者が反対多数にもかかわらず、「唯一の選択肢」と言い続けつつ他になんの説得力もないまま、かけがえのない海を埋め立て続けているんですぜ。
「国策なのだからオキナワ県民の民意など関係ない」
…と言い切るヒトもいるけれど、ではウイグル自治区でのことも、大陸国の国策なのだからOKなんでしょうか。反対をするウイグル族の方々は土人レベルなんでしょうか。
同レベルで非道な政府に対して反対を続ける人々をして「日本人モドキ」だとか「土人レベル」だとかおっしゃる方々ってのは、つまるところチベットやウイグル自治区の文化・民俗を破壊するのにやぶさかではない漢民族のお偉いさんの方々と、ほとんどメンタルは同じなんじゃ…?
ま、「やりたいようにやって何が悪い」行動様式では、「書きたいように書いて何が悪い」文化なのだろう。
それはそうとして、右側から外に大きくはみ出ている方々には、最大限に敵視しているはずのお隣の大陸国と自分のメンタルがほぼほぼ同じってことだけは、この際しっかりご自覚いただきたいところではある。
2022年09月15日
「女」の証。
2022年 9月14日(水) 朝少し雨のち晴れ
南東の微風 巨大なうねりあり
前日あたりから、連絡船に乗りあわせた島民それぞれに、船長自ら
「16日以降アヤシイので、お買い物はそれ以前に済ませておいてください」
と知らせてくれるようになっていた。
そこで我々も、この日所用ついでに買い出しをすべく、本島へ出る予定に。
しかし早朝の桟橋脇は…
軽石で描いた世界地図状態になっていたのだった。
前夜のうちに浜に漂着していた軽石たちが、満ちてくる潮に浚われて海に漂い始め、なおかつ前日とは打って変わって微風なものだから、どこに集まるでもなく広がっているのだ。
ジワジワと沖側へ漂う軽石、これが冬場だったら、連絡船はこの状態で即座にこの日の欠航を決めていたことだろう。
台風前の買い出しに行けないかも…。
一時は覚悟をしたのだけれど、このあと台風で欠航となることほぼ確定で、各業者さんのツアー予約もそれなりに入っているシーズン中ということもあってか、この日も通常運航となった連絡船。
ただし軽石のために普段の場所には接岸できないから、桟橋の先っちょの東側を利用することに。
風が微風でもすぐ傍を台風が通過中のためにうねりはでっかく、朝イチ便到着時はほぼ満潮時でもあったから、桟橋に横付けした連絡船はうねりに翻弄され、桟橋側に倒れてくるんじゃないかとハラハラするほどだった。
非常手段だということなどつゆ知らない乗船客は、やけに揺れて足元が危なっかしいことに戸惑っていたことだろう。
おかげで我々は買い出し可能に。
実はこの日は買い出し以外に大事な用があった。
ボートを陸揚げする際に必要なハイラックスは、昨春ついに廃車にしたのだけれど、港にてボート牽引限定で使用し続けることにした。
港に置きっぱなしでも、1年くらいはもつだろう。
幸い昨年中は、リアウィンドウが動かなくなるなどチョコチョコトラブルはありつつも、ボートを上架するうえでモンダイなく使用することができた(使用する用が無くても、1週間に1度くらいのわりで10分ほどエンジンをかけたりしつつ)。
これなら今年もいけそうかな?
そうは問屋が卸さなかった。
なにしろ吹き曝しの船揚げ場に常時置いたままにしているから、傷むスピードは通常の3倍増しどころではないのだろう。
やがてブレーキオイルの通り道が腐食に耐え切れず、ドぼドボドボ…とオイルが漏れるようになってしまった。
その際はすぐさま古堅自動車さんに修理してもらいはしたものの、このような腐食は一ヵ所を直したからあとはOKというものではないので、その時点でフルゲンさんに、ハイラックスに代わる4WDの手配をお願いすることにした。
それが7月上旬の台風の際のこと。
だからといって、なかなか流通しないようになっている中古4WD市場のこと、ホイホイと手ごろなモノが見つかるわけではない。
でもそこはそれ、蛇の道は蛇的にプロのルート(業販)を通して、フルゲンさんが掘り出し物を見つけてくれた。
こういう場合、メーカーとか車種とか色などにこだわっていると話が前に進まないから、とにかくすべてお任せなので、フルゲンさんが教えてくれた車種を言われても、今いちピンとは来なかったのだけど、車両が工場に届いたという知らせを受け、さっそく見に行ったらビックリ。
ヤンキーカーじゃん!
ここで車種や色、そして写真などを披露してしまうと、一般社会ではほとんど器物損壊といって差し支えないイタズラをされてしまうので(県民とーまさんに)、ナイショ。
これがフツー仕様の車なら、そのまま様々な整備や法的手続きを済ませれば納車、という流れになるのだけれど、最も大事なボート牽引用のフックの取り付けが、予想以上に難航したらしい。
ハイラックスのようにボディが高いところにある車ならともかく、4WDだけれどボディの位置がさほど高くない車で、なおかつマフラーがかなり邪魔な位置にあるとなると、フックの取り付けに相当知恵を絞らなければならなかったそうだ。
で、そのフックもバカにはならないから、ハイラックスにつけてあるものを流用することに。
ボディや足回りの腐食は進んでいても、ただの鉄の塊であるフックはビクともしていないのだ。
そのハイラックスのフックを流用するためには、まずはハイラックスから取り外さなければならない。
本来ボルトで固定されているものだから、そのボルトを外すだけでいいはずのところ、10年前からこっちそんなところを外したことなど一度もないために、完全に膠着していたらしい。
そこで、ハイラックスを工場まで運び、そこでフックを切り離してニュー4WDに取り付けるということに。
ただ。
これが先月だったら台風の「た」の字も無かったからなんのモンダイも無かったのに、今月は台風見本市なみのオンパレード。
いざボートを上架させなきゃというときに、ハイラックスもニュー4WDも使えないんじゃえらいことになる。
そこでタイミングを見計らい、台風11号の影響を長期にわたって受けること必至と思われた先週9日、ボートを上架させたあと、ハイラックスはお役御免となったのだった。
台風で欠航が長引く間に、フック取り付け作業が終わるだろう。
ところが。
8日までのあらゆる予報はほとんど詐欺といっていい手のひら返し状態となった台風11号は、連絡船の運航には1ミリの影響も与えず、「今そこにあるだけ」台風になってしまった。
まだ9日の時点ではどう転ぶかわからなかったけど、日曜日にはほぼほぼ「ナニゴトも無し」確定。
であれば、とっととボートを下ろしてフツーにダイビング…
…といきたいところながら、あいにくハイラックスもニュー(といいつつ11万キロ走ってるけど)4WDも使用不能ときたもんだ。
いざというときには古堅自動車さんのジープでボートを引っ張る、とフルゲン社長は言ってくれていたとはいえ、「いざ」というときでもなんでもないだけに気安くお願いするわけにもいかない。
とまぁそんなわけで、今月は初旬は比較的本気の台風で長らくボートは上架したままになり、ようやく台風が去ってボートを下ろしたら、中2日で再び上架。
以来ずっと陸揚げしたままのため、なんということだ、まだ夏といっていい9月前半にもかかわらず、2週間経っていまだ2日間だけしか潜ってないじゃん…。
そんな不自由な状態から、ようやく解放される日がきた。
前日にフルゲン社長から連絡があり、ニュー4WDのすべての作業が終了したという。
車両代は7月の時点で支払っているから、あとは車検費用も含めた各種整備代の残金を支払い、保険手続きを済ませ、ようやく納車の日を迎えることができたのだった。
さあ、これでいつでもボートを下ろせるぞ!
…ああしかし。
台風14号、ヒタヒタと沖縄・奄美方面に接近中。
ヘタをすると翌日には再び上げなきゃならなくなりそうな塩梅となれば、この日わざわざボートを下ろしている場合ではなかった。
過去にも長引く台風で潜れない日がやたらと多くなったこともある9月とはいえ、このままでは「記録的に」潜らない9月になりそう…。
ところでついに公道デビューをはたしたニュー4WDのキーは、いわゆるスマートキーというヤツ。
メーカー的にはインテリジェントキーと呼んでいるらしい。
車の傍にあるだけでOKという、不思議な電波を発信しているようなのだ。
ライフで使っているイモビライザーキーでさえ電池切れでえらい目に遭ったことがある身としては、ますます意味不明なこの装置、持ち主を置いてけぼりにしてキーだけが「インテリジェント」になられても…という気もするものの、先だってえらい目に遭ったので、電池の交換方法と電池の種類だけはあらかじめ調べておいた。
なるほど、こうしてキーがヒトを利口にしていくわけか…。
さすがインテリジェント。
話は変わる。
先に触れたようにこの日も早朝に桟橋の様子を見に行ったところ、前日同様カニさんたちの活動時間だった。
ん?
この目の上の小さな突起…
ツノメガニのメスだ!
オスとは違い、メスの「ツノ」はこの程度ということは図鑑で見て知ってはいたけど、恥ずかしながら実際に浜辺で認識したのは初めてのこと。
まったくの感覚的に、これまでずっと水納島の砂浜ではミナミスナガニツノメガニよりも少ないと思っていたツノメガニ。
でも昨日今日と2日続けて早朝にあらためて桟橋の両サイドを観たかぎりでは、どういうわけかツノメガニのほうが多い…というか、ミナミスナガニの姿がない。
ひょっとして朝はツノメガニの時間帯とか?
いずれにせよ、昔はツノメガニのメスをツノメガニとはカウントしていなかったかもしれず、ヘタをすると遠目にミナミスナガニと思っていたかも…。
ところで、ツノメガニはお腹側から見ると黒っぽい部分が多いけれど、背中から見ると…
わりと白っぽいので、白い砂浜上でジッとしていたらほとんど目立たない。
彼らをエサにする鳥さんたちが多いから、サバイバル上必要なカモフラージュなのだろう。
ところがそんな砂浜に軽石が漂着すると…
軽石ゾーンの上に1歩でも乗ってしまうと、たちまちクッキリハッキリしてしまうこと間違いなし。
軽石は、砂浜のカニさんたちの生命をも左右しているのだった。
※海岸がずっと黒くなれば、カニさんたちの色味もダークになると思います。
2022年09月14日
「男」の証。
2022年 9月13日(火) 晴れのち宵のうち雨
南東の風 波あり
特に経済的な分野で近頃よく目にするようになったのが、
「日本だけが取り残されている」
といった表現。
世界の主要国に比して、まったくといっていいほど上がっていない給料をはじめ、日本経済は今シーズンの日本ハムなみに圧倒的1人負け状態なのだそうだ。
でもそれって、まだ日本が「主要国」のつもりでいるからこその表現ですよね?
衰退途上国であることを自覚していれば、そもそも主要国と比較すること自体おかしいわけで、単に衰退途上の道のりを順調に進んでいるだけなのでは…。
慧眼なるワタクシが常々「自民教」といっていた実態が次々に明るみになり、おまけにその党と連立政権を担っているのも宗教団体ときたもんだ。
地方で民意を問うた知事選の結果はまったく無視、一方で国政選挙の際にはまったく議論にあげていなかった原発新設といった話は、選挙後に突如表明。
フツーに考えて、傍から見ればそうとうヤバい国になっていると思いますけどね、ええ…。
エンプティ総理が今本気で「起死回生」ならぬ「岸田回生」を計るなら、国連総会でのスピーチなんかでセコく得点を稼ごうとするよりも(衰退途上国の戯言をいったい世界の誰がマジメに聞くというのだ)、国葬とか原発とかその他いろいろ、選挙後に次々に繰り出された「閣議決定」の信を問うべく、解散総選挙にうって出るしかないのではなかろうか。
それで再び圧勝すれば、国葬を実施しようと原発再稼働し倒そうと新設しようと無い袖を振りまくって税金をばら撒こうと、なんでも堂々とできるじゃないですか。
と同時に、旧統〇教会のチカラ、すげぇ……ってことになるかもしれないけど…。
さて。
「今そこにいるだけ」台風は、この日最も沖縄本島に接近したらしく、強めの南風が朝からずっと吹き続けていた。
それでも日中はずっと晴れていて、最終便が島を出たあと、日暮れ時になってようやくまとまった雨になった。
12号の最後っ屁だろうか。
ただしうねりは巨大で、しかも今は大潮で満潮位が高いために、早朝の桟橋はこんなことになっていた。
巨大なうねりが、夜間の満潮時にここまで達していたために、桟橋上には砂や軽石が(軽いものほど端に溜まる)。
海水浴エリア側の砂浜には…
再び軽石が。
先日せっかく排除したというのに、早くもこの有様だ。
次なる台風では北風が吹きそうだから、さらに溜まるのかな軽石…。
そんな砂浜で、このカニさんが朝日を浴びていた。
ご存知ツノメガニ。
潮が満ちると海になる砂浜のそこかしこに、ツノメガニやミナミスナガニのものらしき巣穴が開いていた。
潮が満ちてくれば巣穴は砂で埋まるのは必至なのに、潮が引くとセッセと穴を開ける、というのを繰り返しているらしきカニさんたち。
面倒くさがりのワタシからすれば徒労にしか見えない彼らの日々のシゴト、しかしよくよく考えてみると、軽石が溜まれば排除作業、を繰り返すビーチ関係者と大した違いはないのかもしれない…。
ところでこのツノメガニ、前から観てみると…
その名の由来である目の上のツノが、片方しかないことに気がついた。
欠損しちゃうこともあるんだ…。
ってことは、ツノが両方とも無いヤツもいるかもしれない。
ツノメガニをツノメガニたらしめているこのツノがなければ、ただのカニになってしまうじゃないか。
といいつつ、実はツノメガニのメスにはこのような長いツノは無く、ほんのちょっぴり突起がある程度らしい。
何かの拍子にツノが両方とも欠損しちゃったら、たちまちオネェ言葉になっちゃうのだろうか…。
2022年09月13日
海渡るタイヤ。
2022年 9月12日(月) 晴れ
南東の風 波あり
昨日ネタにしたマッハ軽のタイヤのバースト、ネタにして書きつつ写真は撮っていなかったので、夜が明けてようやく明るくなってきた6時過ぎにタイヤの写真を撮ろうと外に出てみると…
中秋の名月+1日のほぼ満のお月様のすぐ近くに、お星さまが見えていた。
こんなに明るい夜明けの空で、なおかつほぼ満月のすぐ近くで、こんなにハッキリ見えているとなれば、我が目玉の障害でもないかぎり惑星に違いない。
はてさて、この日お月様と(見た目上)接近する惑星は何だったっけ?
おお、木星。
夜が明ける前に見ていれば、さぞかし煌々と輝いていたのだろうなぁ。
…って、そんな暗い時間にパンクタイヤの写真を撮りに行くはずもなし。
ま、なんだかいいモノを見せてもらえたおかげで、この日何かいいコトがありそうな…
…と思ったら、バーストしつつも空気は抜けていなかったはずのタイヤは、完全にペチャンコ状態になっていたのだった。
外側はたとえ破れていても、空気さえ残っていたら、火急の用件の際に桟橋まで乗りつけることはできる…と思っていたのに。
このまま連絡船が欠航して、マッハ軽は使えないままになってしまうのだろうか。
ところが今回の台風は少なくともこの日までのところ「今そこにあるだけ」で、少々の風をもたらしている程度に過ぎないおかげで、この日も終日通常運航に。
たとえ連絡船が運航しても、昨日の今日じゃさすがにフルゲンさんもタイヤの手配は間に合わないか…
…と諦めつつ、古堅自動車さんの始業後に電話してみたところ、
「10時の便で載せる!」
おお、力強いお言葉が!
10時渡久地港発の連絡船到着に合わせ、オタマサとともにテケテケ桟橋まで。
桟橋脇では、今夏新たに加わった新船員君が、桟橋脇に集積している軽石排除作業に精を出していた。
軽石排除専用スタッフを置いておかなければならないくらいに、桟橋脇に軽石が溜まっているのだ。
「船員」というシゴトに就いたと思ったら、先日の海岸軽石排除作業やこの日のような桟橋脇の安全キープ作業。
働き者の彼ではあるけれど、きっと心の中では「こんなはずでは…」と思っていることだろう。
やがて10時の便が到着。
モンダイは、社長のお言葉どおり、タイヤが連絡船にちゃんと載っているかどうか…
載ってた!
池井戸潤の作品に「空飛ぶタイヤ」ってのがあったけど、島の場合タイヤは海を渡ってくる(それで人を殺めることはないけれど)。
ともかくこれで、モンダイはひとつクリアされた。
今回の交換用とスペア用に2つ届けてもらったこのタイヤ、はたしてホントに現在のマッハ軽(平成8年型ホンダアクティ)に合うだろうか?
型式が古過ぎると、同じ車種でもタイヤが違う、ということがダイハツのハイゼットではあったから、タイヤが届いたからといってまだまだ安心はできないのである。
タイヤを抱えつつエッホエッホと坂道を越えて家に戻り、あらかじめはずしてあったところに取り付けてみると…
ビンゴ!
フルゲン社長の差配に、手抜かりは1ミリも無かったのだった。
これにて2つめのモンダイも見事にクリア。
ボルトを締めて、マッハ軽、復活。
島民生活のライフラインといっていいマッハ軽、当たり前に乗っていると意識しないけど、まるで指先をケガしてしまった左手の小指なみに、使えなくなるとその大切さがよくわかる。
そんなわけで、前日朝のモンダイ出来からほんの丸1日で解決。明るい空の天体ショーのチカラも伊達ではなかった。
加えて、台風が「今そこにあるだけ」のおかげだ。
でもこのグズグズ12号が去っていったあと、なにやらアヤシゲな動きが…。
もし現在出ている予報どおりになってしまうと、このあと2度ある3連休はどちらも台風でつぶれてしまいそう…。
どうやらこのままずっと、ボートを陸揚げしたままになる気配が濃厚だ。
2022年09月12日
フィンは友だち。
2022年 9月11日(日) ほとんど雨
東の風 軽石あり
日本国内に統合型巨大リゾート施設を展開させたいお隣の大陸国の企業関係者から、何食わぬ顔で現金を受け取る無節操。
フランスやドイツならカルト教団認定確実の反社会勢力的宗教団体と、選挙支援がらみでズブズブの関係をキープしたまま平気で2度目の知事選に出る無節操。
そして、県知事の立場で外出自粛を県民にお願いしておきながら、自分は親族を集めてBBQをする無節操。
いわば今回の沖縄県知事選挙は、3名による無節操度コンテストのようなものだったのだろう。
中国系リゾート開発企業から金を貰っていた方なんて、そのうえ反社会カルト教団とズブズブの関係をキープしているのだから、出走前からジョッキーが落馬しているようなもの。
使用している車が信じられないくらい高級車で、なおかつ料金は安い、呼んでから来るまでが早い、という運転代行業者があったとしても、そこのドライバーたちが昼間からいつも大酒食らっているんじゃ、利用しようとは思わないものね。
知事選も県議の補選も勝利した一方で、普天間基地を抱える宜野湾市では自公が推す現職が勝利する沖縄。
これをして「新基地建設容認が地元のリアルな声だ」なんてことを言うヒトたちもいるんだろうけど、宜野湾市長選なんて、たかだか一地方の市長選なのにどれだけ国政レベルの大型支援がなされているか。
たしか2度目の県知事選に打って出た統一教会ズブズブ候補氏が現職の宜野湾市長だった際の宜野湾市長選では、新聞広告1面で滝クリのだんなが「普天間基地跡地にディズニーランドを!」なんて超巨大ニンジンをぶら下げていたっけ。
実際はホテルをもっぱらとしたディズニーリゾートの誘致でしかないのだけれど、あたかもディズニーランドができるかのように地元民にミスリードさせる姑息な手法、これも国葬級の偉大な政治家、安倍政権のシゴトですから。
まぁその他の超巨大ニンジンにすぐさまとびつく有権者たち…という「美しい国」を作ったのもまた、国葬級の偉大な政治家のシゴトではあるけれど。
さて。
朝のうちに出ていたこの日の予報では、1日中晴れマークが並んでいたのだけれど、朝から雨が降ってはときおり日差しという、まるで台風前の…って台風はすぐそこにいるんだけど…お天気のようで、やがて雨はときに土砂降りの様相を呈する時間帯も出てきた。
こりゃ天気予報的には「雨」が正解だったんじゃないの?
小さくまとまっていた台風も気がつけば外側は雲だらけになっていて、その雲が本島方面にもかかっているからこういう天気になるのだろう。
でも風はさほどでもなく、連絡船の運航にはまったく支障無し…
…のはずだったのだけど、大潮の満潮位がやたらと高いために、海岸に漂着している軽石が大量に桟橋近辺に流出。
そのままだとこのあと連絡船を桟橋に接岸できないということで、桟橋周辺の軽石を網ですくって排除する作業が行われたようだ。
ようだ…というのは。
実は朝方桟橋の様子を見に行った際、付け根付近に大量の軽石があるのを見つつ、マッハ軽をクルリと桟橋でターンさせたところ、突如タイヤから異音が。
なんか変なモノを踏んづけてタイヤの溝に入っちゃったかな?
…と思いきや、それはタイヤがバーストし、はじけた外側の分厚いゴムがボディに当たっている音だった。
外見は島の軽トラとは思えないほどかなり新しいから、こりゃ当分パンクとは無縁でいられる…と喜んでいたのになぁ。
外見上どれほど溝がしっかりしていようと、ゴムが劣化していたら、カーブなどでゴムに圧力がかかる際に破けてしまうものらしい。
ああ、もう少しゆっくり走らせていたら…(そうとうゆっくりではあったんだけど)。
こんなところでタイヤの空気が無くなってしまったらやっかいなので、急いで家に戻ろうとするも、急ぐとパタパタ音が大きくなって騒がしい。
しかたなくゆっくりゆっくり帰ってから、タイヤを交換しよう…
…と思いきや、スペアタイヤもまた、最初からパンクしていたのだった。
荷台の下部に取り付けてあるスペア、溝の深さその他外見が真新しいからすっかり騙されていたのだ。
困った、タイヤが無い。
日曜日のひとときをお邪魔して古堅自動車社長フルゲンさんにタイヤの手配をお願いしたものの、メーカーごと車種ごとに微妙に異なるタイヤのこと、すぐさまスペアがやってくるはずもなし。
というわけで、日中桟橋方面とはまったく縁遠かったために、そのような作業が実施されているなんてことにもまったく気がつかなかったのだった。
はたして月曜日にはタイヤが届くだろうか?
…ところが、ここにきて台風12号の影響がそろそろ出てくるかも。
これで数日欠航が続いたら、その間ずっとタイヤが来ないじゃん…。
車が使えないからといって、ゲストがいるわけじゃなし、大して困ることはないんだけど、連絡船が欠航しても桟橋脇で潜れたりする絶好のチャンスが到来しても、そこまでタンクや器材を運べなくなる、という不便さはある。
家からタンクを背負って、坂道を越えて歩いていく?
いくらなんでもそこまでは…。
話は唐突に変わる。
平たい死サンゴ石がたくさん転がっている浅めの海底を移動している際にふと振り返ると、足元といっていいほど近いところにこの魚がつき従っていることがよくある。
ご存知アカテンモチノウオ。
いったいそんなところで、彼らは何でそんなところにいるのか。
それは…
ダイバーのフィンが海底を浚ったあとに出てくる小動物ゲットのため。
海底の石の下に潜む小動物に目がない魚たちにとって、エレガントに中性浮力を保てるベテランダイバーはまったく役に立たない。
一方、海底に這いつくばってなにやらを撮影している方々や、中東の砂嵐級の爆煙を巻き上げながら泳いでいるビギナーダイバーの方々なら、それは彼らにとって格好のフードプレゼンターになる。
同じく海底の小動物を好物にしているマダラトラギスも、アツい視線を送ってきているのがわかる。
フィンに対してアカテンモチノウオがどのような反応をするか、実験してみた。
あいにく目当てのエサは出てこなかったようながら、フィンが海底に接するや、目ざとく反応してサーチするアカテンモチノウオ。
自分より遥かに大きなダイバー、そしてフィンなどまるで意に介さず海底を物色する様子を観るかぎり、そうとう味をしめているものと思われる…。
2022年09月11日
初秋の果実。
2022年 9月10日(土) 雲多めの晴れ
東の風 波あり
これをご覧いただいているほとんどの方にはまったく無関係のことながら、ごくごく一部の方々にはこの場を借りて深くお詫び申し上げます…。
何についてどのような方々に申し訳ない思いを抱いているのか。
それはヒミツです。
さて、先日のことながら、身に余る栄誉に浴する機会を得た。
熟れ熟れのキーツマンゴー実食!
フルーツ天国の南国オキナワで暮らしていれば、マンゴーなど日常食…
…と勘違いされがちながら、たとえ現地であっても高価なマンゴーのこと、我々の経済レベルでは、わざわざ買ってまでして食べようと決意を固める機会などまずない。
ましてや超がつく高価なキーツマンゴーなんていったら、JAやんばるファーマーズマーケットで通りすがりに漂ってくる香りを味わうくらいが関の山。
そんな高級フルーツをいただくだなんて、果実的に近来稀に見るレア体験なのである。
そんなレア体験をもたらしてくださったのは、あと一歩でフルーツハンターの称号を得るかもしれないとある方で、数多のフルーツのなかでもとりわけマンゴーをこよなく愛する彼女が選んだ「食べ頃」の逸品、そのお味は…
超濃厚!!
まるでウスターソースしか知らない子供が、初めてとんかつソースをかけてみた人生的衝撃のよう…
…って、たとえが貧困ですみません。
沖縄産マンゴーは初夏から夏にかけてが旬のところ、このキーツマンゴーは今が旬最終盤。
そのラストチャンスの熟れ熟れキーツを味わってしまった以上、もうフツーのマンゴーには戻れない…
…どのみち買えませんけど。
キーツマンゴーが旬のラストを飾ろうとしている今、島内でもとある果実が束の間の旬を迎えている。
それは…
フクギの実。
けっしてフルーツではないけれど、果実であることに違いはない。
この時期になると小さな柿のような実が鈴生りになるフクギの木から、毎日ボタッボタッボタッ…と雨あられのように落ちてくるため、フクギの下の路上はこんなことになっている。
そこへ、かなり久しぶりに散歩に出ることができたガメ公が通りかかると…
彼にとってのフルーツ天国になる。
以前にも何度か紹介したことがあるように、ガメ公はフクギの実に目がないから、目に入ると猛然と食べかかる。
動きが早いから顔が止まらない…。
↓これなど、たくさんの実を背景にしてひとつの実をアップで撮ろう、と思ってわざわざここに置いたのに…
…目ざとく見つけたガメ公が一点凝視でダッシュしてくるから、たちまち視界を遮られてしまった。
もっとも、いくら好物とはいっても路上に転がっている実を全部食べてしまうほどではなく、ほどよいところで興味を失うガメ公だから、食べすぎを心配する必要はなさそうだ。
もしキーツマンゴーがこのように食べ放題状態で目の前にあったとしたら、はたしてワタシはほどよいところで満足することができるだろうか??