2024年04月26日
egG-1.0。
2024年 4月25日(木) 曇り午後時々雨パラパラ
北の風 少し波あり 水温22度~23度
秘密基地で一泊し、朝イチでちょっとした配達シゴトを済ませた後、9時渡久地港発の便で島に帰還。
冴えない曇天ながら、日中に雨の気配は無さそう、風も北よりとはいえおだやかなもので、まずまずの海日和ではある。
明日以降また雨が続きそうだから、冴えない曇天でもチャンスといえばチャンス。
でも帰宅早々海に行くってのも何かと慌ただしいから、行くなら午後から…
…にしたかったのに、この日午後の干潮時は8センチと潮位が激低いから、ボートへのタンク等の荷下ろしどころかボートを桟橋から出すことすらおぼつかなくなる。
となるとチャンスは午前中。
というわけで、帰宅して旅装(?)を解いたあと、すぐさま海へ。
目的はただひとつ、シモフリ父ちゃんのその後である。
黄色い卵塊発見から6日目ともなれば、そろそろお目目キラキラ状態になって、今にも孵化しそうな状態にまで発生が進んでいるに違いない。
エントリーしてさっそく現場を訪ねてみると…
遠目にも、シモフリ父ちゃんがいつもの場所にいるのが見えた。
これならまた、じっくり卵を観察させてもらえそうだ。
ところが。
少し近づくと、まるで普段のシモフリタナバタウオのように、スー……ッと奥へ逃げていく父ちゃん。
あれ?
ほどなく戻ってきたからさきほどの写真↑が撮れはしたものの、これまでそんな素振りを見せたことなど一度も無かった。
ひょっとして……?
恐る恐る卵を見てみると…
卵が無~い!
ちなみに4日前は…
…同じところにちゃんと卵塊があったのに。
まだ水温が低いから卵の発生はそれほど早くはあるまい…と高をくくっていたら、シモフリエッグは予想を遥かに超えて早く孵化してしまったようだ。
孵化した子供たちが旅立っていった以上、産卵床(死サンゴ石が転がるリーフの切れ込みのガレ場の、平たい死サンゴ石の下だった)にはもう用はないということだろうか、このあとワタシに覗かれていることに嫌気がさしたらしいシモフリ父ちゃんはとっととこの場を後にして、1メートルほど離れたところにある、普段シモフリタナバタウオがいそうなリーフの岩壁まで泳ぎ去っていった。
マクロレンズの画角のためわかりづらいけれど、シモフリタナバタウオが岩陰から出て表(?)を悠々と泳ぐ姿なんて、初めて見たかも…。
それはともかく、ワタシが覗き見るときまでは依然産卵床にいた父ちゃんなのに、ここで初めて産卵床を離れたのだとしたら。
シモフリエッグが孵化したのは、ひょっとして昨夕の日没とか、この日早朝ってこと?
残照の下であれ、まだ夜も明けきらぬ空の下であれ、いずれにせよ真っ暗な海に潜ってまで孵化シーンを観ようというほどの意気込みは無かったとはいえ、おそらくはお目目キラキラ化していたであろう孵化直前のシモフリエッグは観てみたかったなぁ…。
呑気に映画を観ていた昨日が、実はラストチャンスだったのか。
シモフリエッグ、ゴジラ-1.0に敗れたり。
< 負けたのはアンタでしょ。
エントリー早々に受けたGショックを乗り越え、砂底の根を訪れてみると、先日はほぼほぼ全員卵守り状態だったクロホシイシモチのオスたちの様子にバラつきが観られるようになっていた。
4月も下旬となれば、シーズン半ばで主力投手陣が崩壊したプロ野球チームのように、もはやローテーションはグジョグジョになっているのだろう。
そのため、卵を口の中で保育しているものがいる一方で、今にも卵を産みたそうにしているメスから、しきりに誘惑されているオスもいる。
口の膨らみ加減からして、まだ卵を口内に含んではいなさそうなオスに対し、しきりとアピールを続けるメス。
メスにとってオスの口は便利な産卵床以外のナニモノでもないから、ひとたび目をつけられたらオスはシゴト一筋になる覚悟を求められる(左隅の別のカップルはすでにオスが卵を保育していて、動画スタート直後に卵をフガフガします)。
メスはメスで、大事な産卵床を他人に奪われてなるものかとばかり、近寄ってくる他のメスを激しく撃退する。
大事にされているのだかされていないのだかビミョーな立場のオスながら、メスの誘惑ダンスで気分を盛り上げられつつ、やがて彼の口の中は卵で一杯になるのだ。
テンジクダイ類の繁殖シーズン中のイクメン生活は、けっこうハードなのである。
Posted by クロワッサン at 07:31│Comments(0)
│水納島の海