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2024年04月24日
諸悪の根源は唯々諾々。
2024年 4月23日(火) 雷雨のち夕方束の間日差し
南西の風 おだやかのち波あり
激しい雷雨込みの雨の一日に。
こんだけ雨が続いても梅雨の「つ」の字も出すことなく、頑なに口を閉ざし続ける気象台である。
お役所は「平年」が大好きだから、異常に早い梅雨入りなど認めたくないのだ。
お役所がどう考えようとも事実上の梅雨入り、この早すぎる季節の進み具合からすると、台風が襲来するのもやはり早くなるということか。
また昨年のように5月末からえらいことになったら、ボートを上架する場所が現在塞がれてしまっているため、ホントにえらい騒ぎになることだろう。
ところで本部町役場は渡久地港北岸をどうしたいと思っているのかというと、↓こういう姿に変えようとしているらしい。
見本となっているのがどこの港なのかは知らないけれど、岸壁に接する浮桟橋状の構造物から、ボート用バースとなるさらなる浮桟橋が何本も沖に向かって設けられている。
この俯瞰図面はこんな感じ。
沖に伸びる浮桟橋に挟まれた形になるバースに、それぞれボートが2隻ずつ接岸できるようになっているらしい。
そしてこの工事の最中には、多くのボートが上架用のスペースとして利用している場所を工事用ヤードとして利用するために…
…みんな一時撤去しなきゃならない羽目になっているのだった。
同じ2か月の工事なら、まず台風は来ない冬の間にやってくれればいいものを、今年の夏休み前までに終わらせる意味がどこにあるのか、工期はこういうことになっている。
梅雨入りがこんなに早いんだもの、6月末までに台風が来ないわけないじゃん…。
そもそも誰も望んでいなかったこんな傍迷惑な工事、いったいどこが所管しているのかというと、
本部町役場農林水産課。
おそらくふんだんに有り余っている農水省系予算を本部町役場にしては珍しくうまいことゲットして、イソイソと事業に取り組んだのだろう。
町役場農林水産課の担当ヤクニン氏としては、ひと仕事を実現させてキャリアアップ、鼻高々な日々を送っているに違いない。
それにしても。
浮桟橋になれば、干満による潮差がもたらす荷揚げ荷下ろしの不便が緩和され、水揚げ作業も便利になる…
という観点からの浮桟橋整備ということなんだろうけど、統計上の渡久地港の水揚げ量のうち、そのほとんどはクレーンを利用して行う養殖マグロの水揚げのはずで、そこにせいぜいモズク養殖が加わる程度のはず(モズクの水揚げは、お向かいの浮桟橋で仮設クレーンを使っておこなってる)。
辺野古関連の土砂運搬船現場等の「警戒船」業務でウハウハなものだから、町自慢のカツオ漁など、近頃はどんなに海況抜群でも誰も出漁しない…なんて日もザラにある。
そのような実態のなか、小型船舶用の浮桟橋を整備することに、いったいどれほどの意味があるというのだろう?
こんなことに多額の税金を使うくらいなら、計画のすべてを先延ばしにして、全額能登方面の復興に回すべきでは?
とはいえ日本全国を見渡せば、このような建前だけは立派でも実質無駄な税金の使い道は、本来必要な使い道よりも遥かに多いに違いなく、110兆円を越える一般会計の国家予算なんてものは、おそらく半分以上が無駄の塊に違いない。
という無駄の権化事業にもかかわらず、「説明会」と称するお上からのお達しに、多少はボヤキながらも基本的に静かに従う一般渡久地港利用者のみなさん。
日本はどこでも似たようなものとはいえ、沖縄県内では「お上」意識がことさら強く、普段物静かなワタシが思わず声を上げて文句を言ってしまうような場面でも、たいていの人々はただ静かに沈黙を守るというケースが多い。
あいにく渡久地港の工事の説明会はお呼びではなかったために、どういう状況だったのかは不明ながら、結果的にみなさんそれぞれが役場の言うことに素直に従っている。
それをヒトコトで要約すると
「しょうがねぇなぁ……」
ということだったのだろう。
昨日の警察官希望者数が減っている話ではないけれど、おそらく田舎の市町村でヤクニンになろうという人材だって不足してきているはず。
ということは、下手をすると近い将来名前さえ書ければ町役場職員になれる日が来るかもしれない。
お上の言うことを甘受する人々の体質がヤクニン意識の増長を長い間育ててきたものだから、能力の高低に関係なく、ヤクニンたちの権力意識はやたらと高いオキナワ。
そんな人たちが「計画」する数々の事業を、毎度毎度「しょうがねぇなぁ…」とばかり唯々諾々と受け入れ続けていたら…。
国民年金は65歳まで支払い続けなさいと言われてもこれまた異常にものわかりがいいニッポン人のこと、今さら役所の事業計画ごときにいちいち目くじら立てるわけがないというのは、オキナワに限ったことではなさそうだ。
なるほど、ニッポンの滅亡原因は「唯々諾々」だったのか…。
2024年04月13日
立法能力安危機を乗り越えろ。
2024年 4月12日(金) 晴れのち雨
南のち東の風 少しうねりあり
いよいよ野球シーズンになって、レッドソックスの吉田がヒットを何本打とうとも、カブスの鈴木が毎試合打点を稼ごうとも、昨年同様スポーツ紙は「大谷」「大谷」の文字の乱れうち。
もっとも、オフシーズン中も結婚やら通訳の超ド級裏切りやらでずっと紙面をにぎわせていたから、もはやスポーツ紙にとっての大谷は、ドジャースが必要とする以上に欠かせない存在になっている。
で、まだ開幕から15試合くらいしか経過していないというのに、何かするたびに「〇〇年ぶりの記録」といったニュースが早くも出てくるようになってきた。
イチローがメジャーで活躍し始めたころから、歴代の記録を塗り替えるたびに使われていたこの「〇〇年ぶり」、近頃は止まることなく突き進む円安の為替相場で使われる機会もやたらと増えてきた。
このところは実に34年ぶりの円安水準なのだという。
90年代初頭も、現在と同じような塩梅だったのだ。
とはいえ当時は、それ以前もっともっと高かったドルが、様々な思惑が絡みながらヒュルヒュルヒュルヒュル…と下降してきてのその数字。
じゃあ国民生活は今と大して変わらなかったのか?
ちなみに当時のガソリン価格は、なんと1リットル80円台から高くても120円台くらい。
現在1000円の壁と言われているラーメンの当時の壁は500円で、500円も出せばけっこうゼータクなラーメンを食べることができたはず。
県内の沖縄そばなら、500円も出せばまず間違いなくお釣りが戻ってきたことだろう。
さらにちなみに、1990年の国民年金保険料は、ひと月あたり8400円(現在は17000円)。
もちろん40歳以上の健康保険にも、介護保険などというさらなるオマケまで上乗せされてはいない。
一方で新入社員の初任給やその他給与体系などは今に比べれば随分低かったろうけれど、たとえ1ドルが153円であろうとも、全体的に見てみれば、物価や税金の負担による暮らしづらさを感じることなどほとんど無かった(※個人の感想です)。
ようするに、円安がすべての原因にされがちな現在の負担感の増大は、円安どうこう以前に、国民生活の負担を一定レベルに保とうという努力がまったくなされていないからにほかならない。
ようするに無策なのだ。
いわば薬師寺保栄と戦った辰吉丈一郎のように、ノーガードスタイルで生き馬の目を抜く国際社会というリングに立っているのだから、ときどき鋭いパンチを打とうとも、そりゃあやられっぱなしのダメージは計り知れない。
まだ変動為替制ではなく1ドル360円という固定相場だったその昔、タクシーの料金はワンメーター180円だったという。
1ドルの半額だから、シャレのきくみなさんは、タクシーのことを「ハンドル(半ドル)」と呼んでいた…
…という話を、子供の頃に母から聞いたような記憶がある(記憶の捏造かもしれない)。
固定相場制だったのは70年代初めまでだから、もちろんのことワタシの記憶に残っているはずがない当時の暮らしながら、おそらく当時はたとえ1ドル360円であっても、人々の暮らしは明るく楽しく前向きで、将来も未来もバラ色に染まっていたことだろう。
そりゃ大阪万博も楽しかったろうなぁ!(行った事実はあれど記憶なし)
1ドル360円でもバラ色だった1970年にひきかえ、現在このまま円安が突き進み、1ドル200円、250円となっていけば……。
すなわち今にも土砂降りになりそうな暗雲がたれこめている現在の状況は、けっして円安のせいばかりではないということになる。
原因となる「安さ」はむしろ、立法府にいらっしゃる方々の、お安くなってしまったご本業での能力のほうがより深刻なんじゃなかろうか…。
しかもお安くなって限られている能力を、たれこめる暗雲の上でいかに一部の方々がお日様を拝み続けることができるか、ということに傾注しているのだから、暗雲の下がバラ色に染まる日が来ることはまずない。
というわけで、残念ながら地上にバラが咲くことはないけれど…
…今年もアマリリスの季節を迎えている。
少雨傾向が続いていたおかげか、少々雨が続いてもいつぞやのようなカタツムリ被害は少なめで、存在感のある大きな花を今年も楽しむことができている。
ちなみに↑このアマリリスは、旧我が家から飛んできたタネが勝手に根付いたのだろう、↓こういうところに咲いていたりする
旧チャージ小屋前の路傍。
建物の基礎コンクリートと沿道の砂利混じりの境界付近に根付いているものだ。
以前も紹介したことがあるように、アマリリスは球根で増えるのと同時に、紙のように薄いタネからも増えるので、ときどきこのように思わぬところで花を咲かせることがある。
ここのアマリリスは当初球根がひとつだけだったのだけど、肥料を与えているわけでもなく、特になんのケアをしているわけでもないのに、次々に球根が増えて、今では4~5本の花芽が伸びるようになっている。
このアマリリスは1本の花芽におおむね四輪ほどの花を咲かせるから、4本の花芽が密集していると、超局所的アマリリスワールドになるのだった。
というか、むしろ庭のアマリリスよりも立派に育っている気が…。
円安ならぬ立法能力安にあえぐこれからの日本国民も、このアマリリスのように、ヒトの手による肥料やケアに頼らず、自らの力で強く逞しく生きていくほかない。
それを邪魔するのが立法府ならびに地方行政だったりするのが、なんとも腹立たしいところではある…。
というわけで、自生の植物というわけではないアマリリスながら、花が咲いているのは一年を通じてこの時期だけなので、4月にご来島の際には季節の便りとしてお楽しみください。
2024年04月06日
便利の陰で広がる不便。
2024年 4月5日(金) 朝のうち晴れのち雷雨
南西の風 うねりありのち波あり 水温20度~21度くらい
雨模様になる予報ではあったけれど、朝のうちは晴れ間も出ていて、パッと見はいい日和と騙されそう。
でも遠く周辺空を見渡すと、やがて空を覆い尽くしそうな雲が虎視眈々で出番を伺っている様子。
時系列予報でも昼から本格的な雨になりそうだ。
ということは、午前中の早いうちがチャンスかも。
明日以降晴れの日が続くのであれば、何もこんな日に海へ行こうという気にはならないところながら、この先5日間はずっと雨模様となれば、今を逃す手はない。
というわけで、朝イチの連絡船が到着する前に海へ。
ときおりパラつきつつも時々日差しも出るなど、お天気はなんとか持ちこたえてくれているなか、久しぶりに岩場のポイントのリーフ上へ。
朝の早いうちはほとんど風が無かったものの、前日からのうねりが残っているために、リーフ上はグッドコンディションというわけではなかったけれど、シマハギの若魚たちが水深1メートルほどのところで群れ泳いでいる様は、砂地のポイントではそうそう見る機会がないだけに、新鮮かつ壮観だった。
残念ながら、画像はない。
海から戻ってきてしばらくすると、本格的な雨に。
時間帯のチョイスは大正解だったようだ。
あと1時間もってくれれば、雨に祟られることなく13時30分の便で島を発つことができたであろう日帰り客のみなさんは、惜しくも大雨に見舞われることとなってしまった。
そしてそのまま雨が続いていたこともあり、13時の便で島にお越しになった日帰り客はゼロだったっぽい。
明日も明後日も明々後日もお天気はこんな感じだろうから、週末のビーチは開店休業状態になることだろう。
近年は4月早々に「もう梅雨入り?」と思わせる停滞前線が居座る期間があって、ワタシなどは毎年のごとくそれをもってセルフ梅雨入り宣言をしているのだけど、水不足に悩む沖縄のダム事情からすれば、このプレ梅雨は大歓迎のはず。
とはいえメリハリサバイバル気象のこと、そのうち水不足解消を通り越して、大雨のあまり水害が発生しそうな気配もあったりするけど…。
さてさて、そんなわけで日中は冴えないお天気だったかわりに、今宵の卓上は慎ましくも華やかに花開いた。
サザエとズッキーニと島ニンニクのアヒージョ♪
これといった主体性が無いかわりに、どんな味にもすぐさま染まるズッキーニ、名バイプレーヤーの本領はこういう味付けでもいかんなく発揮される。
でまた島ニンニクが美味いんだわ。
材料的にこれだけでも充分美味しいのだけれど、やはりそこにサザエさんのダシが加わることによって、煌めく黄金のメニューへと進化を遂げる。
そして…
サザエとヒロセガイのお刺身♪
お刺身はオリーブオイルに塩をまぶしたものに漬けていただくから、どちらもワインメニュー。
ワタシは生のコリコリ刺身よりも、茹でたものをいただく方が好きなので、サザエさんは本体を真っ二つにカットしたものが定番だ。
サザエさんはなんといっても茹でたてをそのまま何もつけずに(海水の塩味は加わっているけど)食べるのが一番美味しいと個人的に思っていて、茹でてから2つにカットしたお刺身はそれに最も近い状態といっていい。
いやはや、こりゃまた至福のひととき。
その昔なら、沖縄のサザエならその辺の地産物を扱っているお店でも、まぁこれくらいかな…と納得できるお値段で売られていたものだった。
ところが今や、たとえば名護のJAの鮮魚店で売られているサザエを見ると…
ロケットパンチ状態で発射されたかのように目ん玉が飛び出てしまった。
これまたその昔、本島をドライブしてから島にお越しになった方が、「古宇利島で1個1000円で売られてました」といって買ってきてくださったヤコウガイと、今JAの鮮魚店で売られているサザエさん3個のお値段が同じって…。
ま、ウミンチュの皆さんは工事現場の警戒船という濡れ手に粟シゴトでウハウハだからわざわざサザエなどチマチマ獲るヒトなどおらず、なおかつ「密漁パトロール」と銘打って世間の人々のサザエ獲りを厳しく禁じ、おまけにサザエ自体もおそらく環境要因で激減しているとなれば、サザエはこの先ますます食卓から縁遠くなっていくことだろう。
20世紀のその昔、島の民宿のバーベキューで、サザエの壺焼きが1人2個ずつ振る舞われていたことがいかにゼータクなことだったか、今さらながらよくわかるというもの。
当時の民宿大城さんはおじいとおばあでやっていて、お客さんの人数が多い時は、オタマサは朝食と夕食を、ワタシはバーベキューの時のみ夕食の手伝いアルバイトという形でさせてもらっていたのだけれど、ご要望に応じてサザエも確保してきて、1個50円で買い取ってくれていたものだった(時効ですから)。
つまり当時バーベキューで振る舞っていたサザエの壺焼きは、我々が海で獲ってきたものをワタシが焼いてお出ししていたのだ。
うーん、なんというゼータク。
ゼータクといえば、当時民宿大城のバーベキュー小屋は現在の宇宙基地待合所の場所にあり、お客さんたちは夕食時、海を眺めながらさざ波の音をBGMに食事をしていたものである。
それが今や、目の前の海でサザエを獲ることは許されず、海まですぐの小さな島だというのに海辺で食事をすることもできなくなっているだなんて…。
ネットだスマホだキャッシュレスだマイナカードだデジタルだAIだなんだかんだと、世の中便利になっているフリをし続けている一方で、暮らしの中で「昔のほうが良かった」と思う案件が年々増えていくのはどういうわけだ?
< そんだけ齢とったってことなんじゃ?
2024年04月01日
暴走役場。
2024年 3月31日(日) 朝晴れのち昼前から雷雨
南の風 徐々に荒れ模様
3時間ごとの時系列予報では、朝から傘マークが出ていたので、早朝の一見好天のフリをしている空の詐欺には騙されないよう心に決めた。
ところが、午前中のお天気はそのままずっといい感じに。
なんだ、これだったら通常のタイミングで1本潜りに行けたのになぁ…。
しかしワタシは知っている。
これでホントにイソイソと潜りに行っていたら、たちまち雷雨の洗礼を受けたことだろう。
午前中の好天は、ワタシが潜りに行こうと思わなかったからこそ。
昨日の土曜日は3月とは思えないくらいの日帰り客の多さだったというのに、この日朝の便で島にやってきた一般客はというと、たったの2人。
旅先の天気予報をしっかりチェックしている賢明なみなさんなら、日帰りで島へ行こうだなんてまず思わない天気予報だったのだ。
ところが案に相違して、午前中はすっかりいいお天気になったから、たった2人の選ばれし日帰り客は、大当たりも大当たりだなぁ…
…と思っていたら、昼前から中天にわかに掻き曇り、その後は激しい雷雨が続くこととなったのだった。
2人の日帰り客、13時渡久地港発の連絡船が来るまで、ずっと待合所にいたんだろうなぁ…。
それにしても、雨は雨でもここまで降るようなことはヒトコトも言っていなかった天気予報、これはこれで詐欺に等しいはずし方ではある。
そんな素振りなど露ほども見せず、結果報告ではしっかり雷雨マークに変えていたのは言うまでもない。
まるで線状降水帯直下のようだった豪雨、ちゃんと北部のダム地帯にも降り注いでくれたのだろうか。
こういうお天気が繰り返されると、ダムの貯水率はたちまちV字回復することだろう。
ま、昨年も5月末から6月頭にかけてしつこい台風が襲来したくらいだから、水道局関係者は例年以上の降水量に大いに期待しているに違いない。
一方、そういう季節には台風も大雨も微塵もないと信じて疑わないお役所があった。
我々は普段島に居るためにまったく寝耳に水だったことに、なんと4月後半から6月末にかけて、渡久地港北岸の岸壁にマリーナ仕様の構造物を構築する工事が始まるという。
それに伴い、うちのボートを上架させているスペースを含めたあのあたり一帯が作業現場になるから、4月24日までに船台やトンブロックを移動させるよう「説明会」が開催されたという。
移動ってアンタ、その工事中に台風が来たらどうすんの??
そのような工事の序章としての昨年の渡久地港内の浚渫工事だったから、将来的にマリーナ仕様にする工事が行われる、ということはある程度耳にしてはいた。
でもそれを春からやるか?
秋から冬にかけて半年惰眠をむさぼり続けておきながら、台風がいつ来てもおかしくない季節まで工期が続くだなんて…。
発注者が本部町役場の港湾関係なのか北部土木事務所なのか、この日島の桟橋にボートをつけていたうみてんぐのサトーさんからオタマサが最新情報を伺っただけなので、今は詳しいことは不明だ。
そのため怒りの波動砲のターゲットをどこにすればいいのかわからないのだけど、どこであれこれを「公共工事」としている人々の頭の中は、いったいどういう事態になってしまっているのだろうか。
真夏に島の港の大規模工事を嬉々として行う計画を立てる北部土木事務所にしろ渡久地港の工事発注者にしろ、「公共工事」を黄門様の印籠と勘違いしている浅慮近謀集団の暴走が、街も人々の暮らしもどんどんメチャクチャにしていく…。
市町村議会議員であれ県議会議員であれ国会議員であれ、建前上とはいえ選挙で落選させることができるこれらの人々とは違い、ヤクニンの暴走を止める手段はかなりハードルが高い。
いわば、歯止めが利かない「勘違い権力」の暴走。
それが優秀な人々がリーダーシップをとって進められているのであればともかく、身につけているのはヤクニン気質だけという浅慮近謀集団だから目も当てられない。
その昔スティーブン・セガール主演の映画に「暴走特急」なんてのがあったけど、誰が見ても暴走していることがひと目でわかる特急とは違い、暴走していることが一部の関係者にしかわからない「暴走役場」は、よほどタチが悪い。
ともかく、「暴走役場」を止める元CIAのコックなどいるはずはなく、この工事のせいでボートを上架することができず、季節外れの台風でえらい目に遭ってしまったら、ワタクシはこの工事発注者を地獄の業火で焼き尽くすことをここに誓います。
というあっちでもこっちでもウンザリさせられる話のあとは、お口直しにこの日のオタマサの成果を。
天気予報を観て海に行く気を失ってしまっていたワタシと違い、お天気に誘われて海へ行ってきたオタマサ。
海といっても桟橋脇ながら、やがて港の大規模工事が始まればこのエリアも過去のものとなってしまうのだから、楽しめるのも残りあとわずかの貴重な環境でもあるのだ。
そんな桟橋の岸壁にいたのが、こちら(以下の写真すべて、撮影:オタマサ)。
岸壁にピト…とついているから実際この向きになっているんだけど、見づらいので横にしてみよう。
ご存知コウワンテグリ。
こういう場所でよく観られるからこそこの名があるのだろうけど、だからといっていつでもホイホイ出てくるわけでもない。
また、これよりもっと小さかったりもっと成長していたりすると、セソコテグリと区別がつかなくなるところ、これくらいだと紛れもなくコウワンテグリであることがわかる便利なサイズだ。
これまで当方にはもっと幼魚に近い白っぽい個体の記録写真しか無かったから、よりコウワンテグリらしく見える色味が加わってよかったよかった。
全体的に美しいのに存在はかなり地味なハナミドリガイが、偶然チャツボボヤの仲間に乗っかってフォトジェニックシーンを自ら作り出していたらしい。
ただしどちらも小さな生き物だけに、クラシカルアイな方々には、肉眼では綺麗もへったくれもなくなってしまうことだろう。
先日桟橋の付け根あたりの波打ち際、極浅環境にいたカゴカキダイたちはこの日も健在だったようだ。
で、先日からこのカゴカキダイチビターレに混じっている別の魚のチビターレが、なにげにナゾだったりする。
はてさてこのチビターレ、いったい誰の幼魚なんですかね?
先日から↓このようにカゴカキダイキッズに紛れ込んでいて…
…わりと水面付近側にいるっぽく見えるのだけど、ホントに水面付近を好むからなのか、水深が20センチほどしかないからやむなく水面にいるのか、どっちかわからない。
そういえば10年前の5月にオタマサが撮った、わりと深めの砂底から生えているスナイソギンチャクに寄り添っていたチビターレも、これといった特徴が無いために長らく正体不明のままになっている。
当時はその後この日記上で広く(?)知識を募集したものの、誰からもご教示はいただけなかったこのチビターレ、あれから10年近く経って、きっと世間の知見はより深まっていることだろう。
というわけで、先ほどのカゴカキダイに紛れ込んでいるチビターレと、10年前のこのチビチビ、その正体の見当がつく方はお手数ですがテルアスプリーズ!
2024年03月30日
足りないものは真剣味。
2024年 3月29日(金) 朝まで雨のち晴れ
北の風 おだやか
本日は海開き前のビーチ清掃の日…
…ということを、昨日渡久地港でリョウセイさんから伝えられたのだった。
このようにシーズンイン前もしくはシーズンイン直後のビーチ清掃が恒例になったのは、もう10年くらい前からになるだろうか。
これはシーズン中にビーチの海の家での営業を役場から許可されている3業者を中心に、その他島に客を連れてくる各業者さんたちにも声を掛け、そのついでに島のヒトも…ということになっている共同作業だ。
我々も含め、海水浴場で銭稼ぎをしていないヒトは本来無関係ではあるものの、そこはそれ、島の大事な海水浴場でもあるので、民宿の方もパーラーを営業している方も何も営業していない方も、みなさん参加する流れになっている。
ところがこの日は、水納ビーチスタッフのリョウセイさんやタツヤさんを除くと、いわゆる「島のヒト」で清掃作業に参加していたのはナリコさんと我々だけなのだった。
みんなお出掛け中なのだ。
もっとも、軽石が大量に溜まっていた頃は2日がかりになっていたビーチ清掃も、多少の軽石とゴミだけとなれば、人海戦術だと午前中だけで終了するのだった。
今年は4月1日からオープンするそうなので、海水浴でお越しの皆さんはきれいになったビーチでお楽しみください。
…4月から大規模工事が港で始まっちゃうけど。
話は変わる。
「ゴジラ-1.0」がVFX方面でアカデミー賞を受賞したことにより、多くのマスコミが取り上げている気がするけれど、映画が公開されていた夏休み期間中の各マスコミにおける扱いといえば、いわゆるひとつの「ゴジラシリーズの映画」程度だったような気がする。
海外の方々の高評価が作品の評価となる日本のマスコミのレベルの低さなど今に始まったことではないとはいえ、そんな国内であっても、映画を観る目が相当高い方々もいる。
そういうヒトの1人でもあるとある方の映画評サイトでは、アカデミー賞を受賞する以前から、著者は相当な高評価を「このゴジラ-1.0」に与えていた。
業界その他に忖度することのない辛口批評が信条のサイトなので、東宝や山崎監督におもねってのことではもちろんないそのヒトの評価では、今回アカデミー賞を受賞した映像技術もさることながら、いいものを作ろうというスタッフ全員の意気込みというか決意というか、ともかく制作サイドの「本気度」レベルの高さがヒシヒシと伝わってくる。
毎年のようにゴジラシリーズが作られていたのも今は昔、最近はハリウッド製はあっても国内のゴジラ映画は一世を風靡した「シン・ゴジラ」以来7年ぶりのことだそうな。
その間なぜ作られなかったのかといえば、諸事情あるなか最大の理由は、「シン・ゴジラ」(と、ほぼ同時期に作られたハリウッド産のゴジラ映画)の出来が良すぎたために、ハードルが高く高く聳え立つことになったからという。
「シン・ゴジラ」を超えろ。
その意気込みで制作陣が取り掛かったという本作では、脚本だけでも検討に検討を重ね、推敲に推敲を加え続け、なんとなんと30回も書き直した果てにようやく完成したそうな。
もちろんその熱意が脚本だけに留まるはずはなく、そりゃ特殊撮影分野でも相当な研鑽努力が徹底的に注ぎ込まれたのは想像に難くない。
そういった努力が見事に実を結んでの「名作」の誕生なのである。
…と、いまだ観ていないワタシが語るのもナンだけど、この話を知って真っ先に思ったことが。
通常国会で通過する予算案といった、数々の国会でのキメゴトである。
「審議を尽くした」
「議論を深めた」
などと羽毛よりも軽そうなお飾りの言葉を添えつつ、自分の身にふりかからないことはチャチャチャと決めていく国会。
彼らがもしゴジラ映画を拵えたら、どういうものになるだろう…。
「ゴジラ-1.0」制作陣のように、「イイモノ」を生み出すために血の滲む努力を重ねてくれれば、ニッポンの将来にも明るい兆しが見えてくるだろうになぁ…。
観てみたい、「ニッポン-1.0」。
まぁせいぜい0.001から20倍で「ニッポン0.02」程度かな?
話は変わるようで変わらない。
現在の雑貨屋さんのサイトは、ご利用になっている端末に応じて画面が変わるように作ってあるんだけど、なにぶん自分がスマホを使っていなかったこともあって、実際にどのようになるのか、PC画面で「スマホ画面チェック」的なことをするしかなかった。
そのため気づくのが随分遅くなってしまったことがいろいろあって、そのひとつが、画面にカーソルを持ってくると別の画像になる、という仕組み。
そこでクリックすれば、商品個別ページにいくようにしてある。
これがPCでは思っていたとおりに変化するのに対し、スマホの場合、指を当てるとそのままリンク先の個別ページが開いてしまうから、別に用意してある画像は一瞬見えるか見えないかくらいになってしまうのだ。
そのため、PCでは商品の全体像が初めに出ていて、そこにカーソルをもってくるととんぼ玉のアップになるのに、スマホでは個別ページに行かないかぎり、各とんぼ玉のアップが見られないことになる。
PCでこのようなサイトをご覧になっているヒトなど全体の30パーセント程度とも言われる時代に、これは不向きなのではないか…。
そこでワタシは考えた。
いっそのこと最初から全部とんぼ玉のアップ画像にしておいて、PCを利用しているヒトだけカーソルを当てれば全体が見られるようにしておけばいいんじゃね?
その効果が最も現れそうなページを、さっそく手直ししてみたところ…
ハリセンボンたちも…
インコたちも…
…なんだかゴキゲンに大集合。
うーむ、最初からこうしておけばよかった…。
> 検討に検討を重ね、推敲に推敲を加え続け…
…ていれば、ってことか。
それでもワタシは2つのお約束をします。
●来年以降、売り切れ続出の店にします。
●来年までに、月商100万円の雑貨店になります。
ああ、どこぞの首相の「約束」と何ら変わらぬ無思慮ぶり、書いているだけで虚しくなっちまったぜ…。
2024年03月22日
ノスタル爺と地雷ドライバー。
2024年 3月21日(木) 晴れ
北の風 うねりあり
前回検査に出していたタンクの受け取りと、さらに検査に出すタンクの搬送のため、この日再び北谷へ。
ふた昔ほど前にアルミタンクの合金成分に起因する劣化事故が相次いだため、その後タンクに使用されるアルミ合金の規格が変更されたのと同時に、日本では5年に一度の耐圧検査の他に、1年に1度の目視検査、すなわちバルブの取り付け口のねじ切りのところにヒビが入っていないかどうかをはじめとするチェックが義務づけられた。
目視検査など、タンク内の空気を全部抜いてバルブを外し、蛍光灯やLEDのライトを中に入れて見れば誰でもできることなんだけど、残念ながらワタシには、その確認を済ませたことを証明する刻印を入れる資格がない。
そしてその刻印がないと、チャージを依頼しても充填してもらえない。
となると、毎年検査に出さねばならない。
心無いダイバーのなかにはギリギリのギリまで吸って、エキジット後にレギュレーターのダストキャップの水気を吹き飛ばすほどの圧力すらなく、ちょっと疲れた午後3時のOLのため息くらいしか出てこない方もいらっしゃるけれど、それがタンクにどれほど害を与えていることか。
実際に、中にかなり水が入ってしまって内部が腐食し、タンクとして使えなくなっている…というケースだってあるのだ。
バルブだけでも新調すれば1セット3万円ほどかかるタンクのこと、まるごと1本となるといくらになるか、一度冷静に考えてみていただきたいところだ。
検査自体も、1本2本ならともかく、手持ちのタンクをすべて検査するとなると、その費用はなかなかバカにならない。
もっとも、耐圧検査に比べればそれほどでもないし、昨年からお願いしているところでは、事前に自分でバルブを外してネジ部分のお掃除をしてOリングも取り外しておけば、1本あたり300円も割引してもらえるという。
30本以上となれば、これは居酒屋で生ビールをいくらでも飲めるほど浮くことになるではないか。
そこで今回は、事前にすべてのタンクのバルブをはずしてゴシゴシお掃除。
一気に30本もやったら人生的疲労を覚えてしまうから、毎日5~6本ずつチョコチョコ続け、なんとか生ビールたらふく権を手に入れたのだった。
今回は中南部にそれ以外の用事は無かったので、タンクの積み下ろしを終えた後はすぐさま北上。
でも時間はたっぷりあるから、下の道&バイパス不使用のルートにすることにした。
お天気のいい日の海沿いの道は、「ああ、オキナワ!」という雰囲気に満ちている。
長年暮らしている身にはあそこにもここにも文句を言いたくなる現在の沖縄県ながら、卒業旅行で来沖しているっぽい若者たちにとっては超大当たり。
きっと彼らにとって、いつまでもココロに残る旅行になることだろう。
そんなグッドコンディションのドライブ、先日紹介した受験の際のバス話の記憶をたどるため、多幸山のグニャグニャ道を走らせてみた。
近年の沖縄本島では、ちょっとでもヘタってきたらたちまち再舗装されるし、すこしでもRがきつければすぐさま脇にまっすぐな道を拵えるので、車など全然通らないところでさえ、無駄と言っていいほどに道路はいつも整備されているのが当たり前の景色になっている。
ところが多幸山のグニャグニャ道は、なんだか昔のまんまのイメージ…。
道は相変わらずグニャグニャだし、道幅は狭いし、路面は20世紀の昔もかくやというほどにヘタっている。
なんだかノスタル爺。
昔の沖縄県の道路なんて、あちこちデコボコだらけで路面は太陽熱でアスファルトがツルツルになっていたために、ライダーさんたちにはかなりデンジャラスな道路…というのがフツーだったものなぁ。
国頭の田舎でさえいつも新鮮アスファルトの道路が当たり前になっている現在では、むしろレアなんじゃなかろうか、多幸山コース。
ただ、受験生時代にバスに救われたのがホントにここだったのか、という自信はかなり低くなってしまった…。
ここから琉球村を過ぎ、国道58号に出てから目の前に見える西海岸の景色に、今さらながら驚いてしまった。
ワイキキビーチですか、ここ?
…ってほどに、ずっと奥まで海辺はリゾートホテルだらけ。
とはいえ近年の旅行者にとってはこの風景こそが当たり前だから、これが「ザ・オキナワ」なのだろう。
あ、でもカーナビで一路北上するヒトたちの多くは、沖縄自動車道でまっしぐらだから、案外この眺めをご覧になっている方の割合は少ないのか?
眺めといえば、時間に余裕があるドライブなら、もちろんのこと高速道路ではなく下の道。
そして、前回も触れたように、バイパスははずしたほうがいい。
おそらくカーナビで美ら海水族館を目指すとなると、まちがいなくそのまままっすぐバイパスを行けってことになるんだろうけど、旅行中に「沖縄感」を味わいたいのであれば、それぞれ名前が付けられている旧道のほうが断然オススメだ。
昔は本道だった海沿いの58号線は、今では脇道になっているから、ボヤボヤしているとスルーしてしまうのでお気をつけください(これもある意味「自動の脅威」かも?)。
そうそう、カーナビといえば。
外国人旅行者はやたらと増えているし、春休みということもあって、3月は本部町内でさえやたらとレンタカーが多い。
レンタカーが消え去っていたコロナ禍中が、いかに夢のような世界だったかがよくわかる。
で、そのレンタカー、不慣れな土地で車を運転する苦労があることはわかるんだけど、カーナビに縛られているヒトがあまりにも多い気がする。
例えば本部大橋の北詰めから瀬底島方面に向けて行く場合、直進するなら右車線を走っていなければならない。
ところが不慣れなレンタカーは、それ以前の2車線道路で左車線のまま三叉路にたどり着く。
すんなり右斜線に入れればいいものの、信号のところでようやく気づくヒトも多く、するとそこで右ウィンカー点灯。
右車線を行く車はなかなか途切れず、右車線に入りたいレンタカーは身動きできず、左にすんなり曲がりたい後続は無駄に渋滞…。
そういう場合に直後にいたりしたら、すぐさまスタスタ前の車の運転席の窓まで出向きヒトコト言いたくなる…のをグッとこらえなきゃならなくなるから困ったもんだ。
そもそも、そこでなにがなんでも右車線に入らなかったら、アンタは死ぬのか?
カーナビに頼っているなら頼っているで、そこは仕方なく自分がいる車線どおりに左折して、その後再びリカバリーしてくれるカーナビの指示に従えばいいだけじゃないの?
何が何でもカーナビの指示に従おうとするものだから、交通量が多い道路にもかかわらず、通り過ぎた道をバックしてくるレンタカーもよく見るものなぁ…。
そういえばこの日も、58号線から右折して美浜のあたりに入ろうとしていたとき、右折の矢印が出ている際にまだ矢印が出ているにもかかわらずストップしてしまい、そのまま微動だにせず赤に。
その後青になっても動く気配がなく、再び右折矢印が出てもビクともしないレンタカーがすぐ前に停まっていた。
コイツは……
ヤバいかも。
あおり運転など見るからに危険なことをするドライバーは問題視されることが多いけれど、世の中には陰湿なキチガイドライバーも多く、片側1車線の道で後続に5~6台続いているというのに、時速20キロくらいでノロノロと走らせている車がいたこともあった。
それはレンタカーじゃなかったから、最初はきっとおじいがヨタヨタと走らせているんだろう、それならそれで、ちゃんと高齢者マークを付けなきゃ…
…と思いながらガマンしていたところ、その車がようやくコンビニに入ろうと右折した際、通りすがりに運転席を見てみれば、なんとなんとまだ20代くらいの若い男性ではないか。
この場合のノロノロ、ワザとですよね?
美浜入り口でのレンタカーも、そうやって後続が困ることを楽しんでいるキチガイかも。
そんなヒトにかかずらわっている場合ではないので、直進車線が途切れたチャンスに車線を変えて、次の信号で右折することにしたのだった。
ワタシの後ろに続いていた方々も、おそらくそうするほかなかったことだろう。
なんだったんだ、あの車…。
ただ車を走らせているだけで思い掛けない地雷がそこかしこに潜んでいる、なんともサバイバルな世の中。
他に誰もいない見通しのいい直線道路で80キロを越したからといって検挙するだけではなく、こういう地雷ドライバーも積極的に取り締まっていただくよう、沖縄県警には強くお願いしたいところだ。
2024年02月29日
来るか、V字回復の恐怖。
2024年 2月28日(水) 曇り時々晴れのち曇り
南東の風 波ありのちかなり波あり
南東からの風とはいえ、昼から強まる予報になっていたので、とっとと買い物を済ませ、9時過ぎには渡久地港を出た。
南東の風の場合、渡久地港と水納島の航路では、島の周辺が最も波が高くなる。
それでも早くに出発したおかげで、さほど波しぶきを浴びることなく済んだ。
でもほんの30分くらいの違いで、リーフの沖には白ウサギさんがピョンピョン跳ねまくるようになり、最終便の時間帯にはけっこうな嵐の様相を呈し始めていた。
さすがに代船はまかぜ号は、昼までの運航だろう…
…と思いきや、どこ吹く風?てなもんで最終便も運航していた。
翌日の予報はこの日に比べれば随分マシになる見込みになっているから、予定されている北部ドバカ事務所生活破壊班の「説明会」も予定どおり開催されるのだろう…
…と思いきや、お天気と海上の様子を受け、お役所のみなさんのことを忖度したのだろう、水納丸がドックから戻ってきてからにしたほうが…と水納海運社長が提案したらしい。
その提案を聞き、北部ドバカ事務所生活破壊班が
「そーですよね!」
と言ったかどうかは知らないけれど、結局明日の「説明会」は見送りとなり、3月10日過ぎに水納丸が帰ってきてから改めて…なんてことになったのだった。
昨秋、本来であれば秋~冬のオフシーズン期間に進めているはずだったこの年度の工事ができなくなったことを知らせるたった1枚の紙キレには、明確に
「令和6年2月頃には説明会を開催し…」
と記されているのだけれど、「頃」というのは3月になってもやはり「2月頃」ということだったのか。
昨年5月に突如真夏に浚渫工事をすることになったことを告げる「説明会」では、
「少しでも早く工事を進めて、完成が早くなるように…」
なんてことを言って3か月近く工事を前倒しにして真夏に浚渫をしておきながら、結局秋冬の半年間はただただ惰眠をむさぼっていただけ(埋設用の巨大コンクリートブロックは伊江島などで造っていたようだけど)で工事はまったく進まず。
真夏の浚渫の際には、
「海は濁らないようにします!」
と言っておきながら、ビーチもリーフ際も連日真っ白け。
そして2月頃に説明会をすると言っておきながら、平気で3月に延期。
これをウソつきと言わずしてなんと言おう。
昨年5月の説明会から彗星のごとく現れた「担当」の許田嬢、彼女のことをワタシが「ウソつきキョダちゃん」と呼ぶのはいけないことなのだろうか?
世間では9月10月の予約まで入っているということなど、波しぶきを浴びたくないという理由だけで「説明会」を延期するヤクニンたちが斟酌するはずもなし。
4月からシーズンインをする島で、3月半ばに工事の説明会って…
…さすが生活破壊班。
かくして春から始まるという大工事の段取りは、今月中には明らかにはならないのでした。
さてさて、代船が朝から運航してくれていたおかげで、本日の新聞はその日のうちに届いていた。
そして沖縄タイムスの一面には、↓このような記事が。
こんな細かな文字を長々読む根気が無くなっている高齢者のために、記事中で危機度合いをわかりやすく示してくれているグラフを拡大。
相当ヤバいらしい。
梅雨はまだまだ先のこと、このまま貯水量の減少が続けば、断水は夜間だけで済まなくなるかも…。
浄水場を経由の上水道の利用料は平年値を大きく上回っているということには触れつつも、大きく上回っている原因の主たるものが大きなホテルの林立である、ということには一切触れないのはいつものこと。
それでいながら、このまましばらく続きそうな貯水率低下に鑑み、渇水協としては「貯水率の低下スピードを遅らせるには県民の協力が必要だ」と述べているそうな。
それはまるで、自分たちは脱法脱税で左団扇でありながら、国民に確定申告をちゃんとやりなさいといっているニッポン政府のような…。
本気で水不足を心配しているのなら、各ホテルの利用客数制限をただちに設けてみろって。
そんな貯水率低下という現状からすると、このところの週間天気予報上の晴れマークゼロは朗報と言えるのだろう。
でも大きなダムにとってみれば、スズメの涙でしかないような…。
という話で気になるのは、先ほどのグラフに見られた、過去10年で過去最低を記録しているという2018年の折れ線グラフ。
最低を記録した後の、破竹の30連勝くらいのV字回復…というか、垂直急上昇はいったいなんだ?
タイミング的には梅雨明け頃のはずなのに、そのときいったい何があったんだろう?
こういう時に便利なのが、拙日記。
バカみたいにほぼほぼ毎日更新しているから、その期間に何があったのか、我が豆腐脳は忘れていても電脳は覚えてくれている。
はたして2018年の6月には、こういう記事があった。
そしてその前日には、悲惨な方々の姿も(記事中の日付は1年間違ってます…)。
そりゃ6月に2つも本格派の台風が来たら、ダムの水もたちまち復活するはずだわ…。
ということはですよ、ナニゴトもバランスを取ろうとするお天気のこと、ここまで続いている少雨はいずれツジツマを合わせるかのごとくドドーッと降り続く日に変身するかもしれない。
今年は例年どおり梅雨明けするかな♪なんてウキウキしつつ6月下旬から7月にかけての期間に沖縄旅行を考えておられるみなさん、ヤバいかも。
そういや昨年は、5月の末から6月頭にかけて、とんでもないことになったっけ。
逆に、もはや気象はツジツマを合わせられなくなっているほどに変動していたりすると、このまま少雨でザ・渇水に?
沖縄本島の本格的な水不足は我々が子供の頃にニュースになっていたのが最後だろうから、二十歳前に沖縄で暮らし始めた我々はまったく経験したことがない。
戦争の記憶と同じで、実体験として水不足が身に染みている方々は高齢化しているに違いなく、節水を呼び掛けたところで深刻に受け止めるヒトがどれほどいるだろう…。
というか、「水不足?それ何語?」な方々ばかりになってしまっているからこそ、狭い本島に大型ホテルがボコボコボコボコ建っているのだろうなぁ。
2024年02月23日
エビちゃんプイ~ンプイ~ン。
2024年 2月22日(木) 晴れ
南の風 波あり 水温21度
このところいいお天気が続いていたけれど、週間天気予報は週末からグレー&ブルーに染まっている。
海日和は今日明日を最後に、当分おあずけかもしれない。
となれば、今のうちに潜っておかねば。
本日は朝イチでGO。
チベたい水へ意を決してドボンとエントリーすると、個人的に今季初となるあの声が聴こえた。
ザトウクジラの声。
季節の風物詩だというのに、今季はこれまで不思議なくらい聴こえなかったものが、シーズン終盤になってようやく…。
とっても遠かったけど。
遠くで鯨の声を聴きながら、とりあえず深いほうを目指してみる。
先日紹介したアントン、複数いるところをちゃんと観ておきたいと思い、件の根に到着。
突然ですが問題です。
↓このエビちゃんは、先日紹介したアントンでしょうか、それともソリハシコモンエビでしょうか。
なに、おわかりにならない?
お逝きなさい。
ところで、ソリハシコモンエビ系のエビちゃんたちは、ヒトにも魚にもクリーナーとして知られている。
そのシゴトにおける必要性もあるのだろう、彼らはプイ~ンと軽快に泳ぐ。
お目当ての魚の体表にソフトランディングするためにも、プイ~ン…と泳ぐ技術は欠かせないのだ。
同じクリーナーシュリンプでも、アカシマシラヒゲエビ系とはこのあたりが異なるところなんだけど、アカホシカクレエビ系も、ソリハシコモンエビ系同様にプイ~ン…と泳いでクライアントさんの体表に着地する方法をとる。
いずれも小さなエビながら、エビちゃんにも五分の魂、暮らしの中で培ったサバイバルスキルは立派なもので、ダイバーを脅威と感じるよう学習したものは、近寄るダイバーをクライアント認定をしてくれないから、カメラを近づけると、胡乱な目でジッとこちらを見つめて様子をうかがうだけ。
ところが同じアカホシカクレエビでも、ダイバー擦れしていないと、近づいてくるカメラをクライアントさんと誤解してくれるので、カメラにプイ~ン…と近寄ってきてくれるのだ。
ワタシのチカラでは画像でこのプイ~ン感を表せないから、ちょっとばかし動画で撮ってみた。
彼らはシゴト=食事をしに近寄ってこようとしているだけなのだろうけど、軽快かつ心地よさげにプイ~ンプイ~ンと泳ぐ様が、なんとも楽しげに見える。
彼らがホントに遊んでいると思って眺めれば、エビちゃんたちの五分の魂をさらにビッグに感じることができるのだった。
ところで、この日潜った航路すぐ脇のポイントは、干潮に向かっているタイミングだったものだから、リーフ内から…というか、昨夏浚渫工事をしていたところから、白い水が航路を通ってリーフ外に流出していた。
半年間眠ったままでいた工事現場でさえこうなんだもの、ひとたび春から工事が始まってしまったら、今日どころの騒ぎではないだろう。
ただし白い水がリーフの外に流れ出ることを、「騒ぎ」と感じるヒトはそれほど多くはない。
おかげで今日も明日も明後日も、北部ドバカ事務所は心おきなく暴走し続けられるのだ。
本気で怒る国民がいないからボンクラーノや脱法閣僚が好き勝手やっていられる日本政府…というのと同じ構図なのだろう。
とにかく、波の音しか聴こえない夕刻のこの景色も、春から誰も味わえないものとなる。
たとえ港の工事が中断することはあっても、その頃にはもうここに構造物ができてしまっているし、現桟橋東側のこの洋上にも防波堤が造られているだろうから、冬場でも夕刻に日が当たるこの波打ち際の景色は、残すところあとわずかな命なのである。
立派な港と引き換えに失ってしまう代償は、言葉に尽くせないほど大きい。
エビちゃんのようなスモールクリーチャーどころか、そこで暮らす住民の魂ですら五分ほどにも感じていないであろう北部ドバカ事務所生活破壊班が、シーズン中に島を訪れる観光客にとっての眺めなんぞに忖度するはずはないのだった。
2024年02月11日
デイアフタートゥモロー。
2024年 2月10日(土) 晴れ!
北の風 波あり
秘密基地で一夜を明かし、迎えた旧正月は、久しぶりに太陽輝く暖かな一日となった。
旧正月だからといって特別に何かをするわけでもなく、午前中は引き続き作業をし、買い物を済ませて昼の便で帰る予定にしていた。
ところが、朝7時前に電話が。
この時間の電話、なんかイヤ~な予感が…。
案の定船長からで、この日の連絡船は朝イチ便のみであとは欠航、しかも朝イチ便は8時30分渡久地港発という。
朝の天気予報でもさほどの風が吹く予報ではなく、気象庁発表の概況でも海上の風速は9メートルと告げていただけに、午後以降の欠航はまったく寝耳に水だった。
島には昼に帰る予定にしていたからまだ買い物すら済ませていないというのに、8時半に渡久地港発となれば、8時から開店するビッグエクスクレスで買い物することすらおぼつかない。
旧正月だというのに、しばらく残り物で凌がねばならなくなってしまったのだった。
それでも、この日島から出なきゃならなかったヒトや島に戻らなければならなかったヒトがいなければ、ヘタをしたら全便欠航になっていたやもしれないのだから、島に戻ることができただけでも御の字というところか。
で、夕刻。
最終便の時間帯に桟橋に行ってみると…
…フツーにのどかな冬の海なんですけど。
とある方から9日着予定で荷物を発送したというご連絡をいただいていたものの、クロネコだから配達は最終便で、その最終便が昨日も今日も欠航となれば、荷物が届くはずもなし。
生ものが入っていないことを祈るほかない…。
こんな状況で気軽に欠航されていたら、島の生活など成り立つはずがないってなところながら、たしかにこの日の昼過ぎには、侮れない風が吹いていた。
時系列予報から時系列結果報告に変わった天気予報を見てみると、朝方にはいっさい見当たらなかった強めの数値が、まるで当初から予報してましたといわんばかりに平然と記されていた。
この日に限らず、気象庁が予報する見込み以上に風が吹く、雨が降るということが近年やけに多くなっている。
もはや従来の気象予報システムでは「予報」できないくらい、気候変動の「変数」がメチャクチャになっているのだろうか。
テレビのニュースで流れているのかどうか知らないけれど、昨年からアメリカの西海岸や東海岸では、ハリケーンでも津波でもないのに、ケタ外れの大波が海岸地帯を席捲し、とんでもないことになったという。
太平洋の首飾りマーシャル諸島でも似たようなケタ外れの大波が島を襲い、レストランをはじめとする海岸域の米軍施設に甚大な被害をもたらしたそうな。
現地にいた方がスマホで撮った動画を視聴してみたところ、津波ですか?というほどのとてつもない波の映像でビックリしてしまった。
おそらく米軍基地のみなさんは、雷の真っ只中を航行中のザンジバルに乗艦しているハモン・ラルと同じく、「中国の新兵器か?」と思ったことだろう。
当時リアルタイムで配信されていたニュース記事では、いずれも「温暖化の影響で…」と伝えていた。
それに対し、思想トランプ系のモノを知らぬ方々は、「島の地盤沈下が原因なのであって、なんでもかんでも温暖化のせいにするな」といった意味のコメントを寄せていたけれど、残念ながらこれは間違いなく温暖化に起因する気象変動でございますよ。
…とエラそうに断言するほどその仕組みを立て板に水のごとくここで述べられる知識は皆無ながら、これって地球規模の気圧の塩梅が、局所的に海を抑えられなくなってしまい、海面が盛り上がりすぎているってことでしょう?
盛り上がりすぎている海がいつものようにうねりを伴うことで、ごくごくフツーの気象状況でありながらとてつもない大波になってしまった…
…というメカニズムじゃないんですかね?
一方大西洋では、海の大循環に異変が生じているという。
大西洋における海の循環とはすなわち、表層は北上し、深層では南下する地球規模の海水の流れのこと。
この地球規模の海水の循環がラジエーターのような働きをしてくれて、各地の気候のバランスが保たれているのだ。
その大西洋の大循環に、崩壊の兆しが見え始めているという。
言ったもん勝ちの「予測」の世界のこと、どこまでホントかしらないけれど、今世紀半ばにはその循環が停止してしまうかも…という大胆な研究発表がなされ、早ければ停止は来年にも起こりうるとまで告げている。
この循環の停止が及ぼす影響といったら…
映画「デイアフタートゥモロー」じゃないか!
20年前の映画の話が、リアルに体感できる日がくるとはなぁ…
…かろうじてまだ来てないけど。
あちこちで大規模な戦争が行われ、地球規模の気候変動が誰の目にも見える形でますます顕著になってきて、深刻な食糧不足ももうすぐ目の前に迫ってきているなか、先進国の多くでは自国の利益を唯一無二の優先事項にする方々が主導権を持ち始めている。
そんな世界にあって、我がニッポンが現在国会で熱心に議論していることといったら…
裏金。
派閥。
被災地はそっちのけ、明日の日本もそっちのけ。
いやあもう、今さら言ってもしょうがないけど、完全に終わってますな、この国。
自国の利益を追求する政治家だらけになってきている世界に対し、日本は自己の利益だけを追及する政治屋しかいないんだものなぁ…。
明日を見ずに明後日の方向ばかり観ているヒトたちが、己の保身のために汲々している世界、それが永田町。
次期総理の候補の一人とまで言われていたコロナ禍の顔ニシムラなんて、能登地方がとんでもなく大変な時に、地元で「ボクは無実です!」ってビラを配ってたんですぜ。
ありえん…。
あり得ないといえば、2F氏の50億円話なんて、本来なら金の延べ棒コレクター金丸信級のとんでもない話のはずなのに、それを野党に追及されついに意味不明の別次元の言語世界に突入しているボンクラーレ首相、その国会答弁も含めた2F氏疑惑を伝える各マスコミの熱量の低さは、いったいどうしたことなんだろう?
ワタシがニュース番組を観ないせいであって、ちゃんと観てれば熱く報道されているんですかね?
そうではなく、ホントに熱量が低いとすると…。
ひょっとして、マスコミをはじめとする社会全体で、正義の大循環が崩壊してしまっているんじゃなかろうか。
その行きつく果ては、デイアフタートゥモロー。
あ!
ってことは、政治屋さんたちが「明後日」の方向ばかり見ているのは、実に正しいことだったんだ!
やけのやんぱち日焼けのなすび、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たないよ…ときたもんだ!
そんな明後日になる前に、この朝島に戻って早々に、例のモノを復活させた。
シャワー室のドアノブ。
腐食のためにえらいことになっていたのだけれど、ようするに内側と外側のノブが↓このように互いに引き合っていればいいわけなので…
腐食して崩壊してしまったネジ部の代わりに、内と外のノブを皿ネジボルトで繋いだ次第。
このために買ってきたステンレス用のドリルの歯が見事に期待に応えてくれたおかげで、ドアノブとしてちゃんと機能するようになった。
これで少なくとも今年は大丈夫だろう。
明日の日本は救えなくとも、シャワー室のドアノブくらいなら救えるワタシである。
2024年01月23日
リアル「金子がね!」と真冬の黄葉。
2024年 1月22日(月) 午前中日差しのち曇り時々雨ポツポツ
北の風 時化模様
復興などという言葉がまだ遥か遠い銀河の果てのような次元の話である被災地をよそに、日経平均株価はバブル後最高値となり、芸人の下半身騒動ニュースばかりが溢れ、ボンクラーレ首相は痔民党の内輪話のために老害実力者と会食。
80を前にした俳優が被災地にて懸命な炊き出し活動をする一方で、被災地を訪れた一国会議員はつるし上げを喰らい、政治方面のニュースといえば派閥がどうのこうのといった痔民党内の内輪の話ばかり、日本をどうする被災地をああするという話が全然表に出てこない(例によって旅行支援なんて話はあるけど)…。
いやはや…狂ってる。
痔民党といえば、裏金疑惑の政治屋たちが、口を揃えて「秘書が…」「秘書が…」というのもいいかげん見苦しい。
あのように部下のせいにする姿が世間一般には「ヒト」としてどのように見えるのか、ということなど、保身と当選のことしか頭にない方々にはまったくわからないのだろう。
責任をなすりつけるというヒトの生き様としての見苦しさを、演技によって如実に現してくれた名優がかつていた。
成田三樹夫そのヒトである。
様々な作品に出演している彼には、松田優作の「探偵物語」での刑事役のようなコミカルな面もあるにせよ、基本的に悪役が多かった。
映画作品となるとその悪役にも大物級がズラリと並ぶことが多々あり、これまた松田優作主演の名作「蘇える金狼」でも、佐藤慶や小池朝雄などとともに、重厚な悪役ぶりを見せてくれていた成田三樹夫。
その「蘇える金狼」の終盤、いよいよ松田優作が勢揃いしている悪役どもを追い詰める段になって、成田三樹夫がそれまでの重厚な悪役ぶりを一変させる名シーンが出てくる。
これはあまりにも名シーンすぎて、YouTubeで探してみたらすぐに見つかったから、ご存知ない方にもおすそ分け(1分20秒あたりです)。
この「金子がね!」のシーンを初めて観た時には、腹を抱えて笑ったものだった。
追い込まれてなりふり構わなくなった「ヒト」が見せる見苦しさを、見事に演じる成田三樹夫。
しかし裏金疑惑で記者会見を開き、「秘書が…」「会計責任者が…」と唱え続けてヒトの見苦しさを見せつけてくれる議員たちは、ひょっとすると名優を上回る実力派俳優なのかもしれない。
さて。
冬将軍が直々に乗りだしてきたため、朝から本格的時化模様の1日に。
午前中には晴れ間が続く時間帯があったものの、それにつられてガメ公が小屋の外に出てきた頃から、ときどき雨がポツポツ落ちてくる曇り空になった。
時化てはいてもまだ冬将軍は南下中のため、気温はそれほど低くなかったけれど、時を追うごとにだんだん寒くなってきた。
明日はきっと機能停止級の冷え込みとなることだろう。
まだ機能しているこの日は、お昼に散歩も楽しめた。
すると、いつもの散歩道に思いがけず紅葉…というか黄葉を楽しめるゾーンが。
センダンが色づき、すでにたくさん葉を落としているものだから、道も木もすっかりキレンジャー。
なんだか色味的には、
~♪レモンライムの青い風 伝えて愛のドリームオブユー…
てな感じ。
それにしても、センダンはたしかに葉を落とす木ではあるけど、この時期にこのように全体が色づいて葉が落ちるものでしたっけ?
過去に目にした記憶はないけど、そういえば先日も紹介したように、桜の季節に山の木々が一部紅葉しているのも初めて見たような…。
今冬は暖かすぎて落葉スイッチがなかなか入らず、先だっての冷え込みでようやく一斉にスイッチオン…ってことなのだろうか。
せいぜいモモタマナの紅葉が観られるくらいだった水納島で、思いもよらぬ「秋」の景色。
海抜ヒトケタメートルで百名山を散歩しているかのような、プチ行楽気分を味わえた魅惑のセンダンプロムナードなのだった。
2024年01月18日
ハクテン大魔王2024。
2024年 1月17日(水) 曇りのち夕方から晴れ
東のち南東の風 波あり 水温21度
世の中いろんなことが起こって大変な騒ぎになっているなか、この日届いたローカル新聞の1面はこういう記事だった。
9月10月で台風が一度も来ず、その後も少雨傾向となれば、そりゃダムの水も減るわ…。
でもそれを気象のせいばかりにされるのも、県民としては片腹痛しってところだ。
降雨という供給が断たれているだけじゃなくて、需要の激増にも目を向けていただかなくては。
水需要の激増とはすなわち、豪華リゾートホテルの乱立。
伊武部ビーチにハレクラニ、瀬良垣にハイアットリージェンシー、そして瀬底にヒルトンといったメジャー級のほかにも、あっちゃこっちゃにボコボコ、今や本島西海岸だけでも気が狂ったとしか思えないほど大型リゾートホテルだらけになっているのはみなさんご存知のとおり。
これらのホテルがもし無かったら、この程度の少雨でもさほどのモンダイにはならなかったのでは?
…というダムの貯水量の試算ってできないものなんですかね。
もっとも、そんなことをしたら各リゾートホテルの開発許可を出し続けた歴代県政の責任が問われてしまうことになるわけだし、リゾートホテルができるたびにやんやの大騒ぎをするローカル新聞ってどうなのよ?って話になっちゃったら困るから、みなさん不都合な真実にはフタをし続け、水不足の原因は「来なかった台風」のせいにされてしまうのだろう。
それで「節水のご協力を…」なんて渇水協(もちろん県も構成メンバー)に呼びかけられましても…ってところだから、当方は気にせず今日も野菜たちに水を撒き、軽トラを洗車する。
もちろん洗車をするのは、海に行ったときだけですけどね。
晴れという力強い予報を出しておきながら、夜明け頃にはけっこう本格的に雨が降っていた水納島は、その後もおおむね曇り空で、夕方になってようやく予報どおりの「晴れ」になった。
とはいえその「晴れ」を待っていたら1日が終わってしまうから、午前中の曇り空のもと海へ。
このところガラスハゼの卵ばかり注目していたけど、卵といえばこちらの方も、冬だというのにけっこう早いピッチで次々に卵を抱えている。
以前紹介したペアでいるマルガザミで、この日も背後にオスの姿があった。
いつもメスのほうが表に出ているから、このようにお腹の具合いを観ることができるのだけど、この冬は見かけるたびに卵を抱えているような気がする。
ひょっとしてカニの卵って、発生が遅いのだろうか?
それともホントにピッチが早くて、次々に新たな卵を抱えているのだろうか?
ちなみにこの日のカニ玉はこんな感じ。
けっこう無防備にお腹のベロベロを開いているように見えるけれど、その開口部には微細な毛がビッシリ生えていて、タマタマに余計なものがくっつかないよう、ちゃんとガードされている。
こういう色味だとついつい「美味しそう…」と思ってしまうくらいだから、黄色でも透明でも、卵なら粒々だらけをアップで観てもまったく気持ち悪くならない。
ところが同じツブツブでも、場合によっては思わずゾッとすることもある。
いよいよ真冬の水温になってきて、さすがにスカテンたちも激減しているなか、減ったからこそ1匹1匹に目が行くようになったおかげで、実にマニアックな発見があった。
黒い点ポチが3つコンプリート!
フツーはこの3つのうちのどれか2つとか1つ、もしくはゼロなのに、ここまでハッキリ3つすべてあるスカテンって、なにげに珍しくないですか?
え?珍しくない?
あーそーですか…。
ともかく「おっ?」と思ったものだからずっとカメラを向けていたところ、黒い点ポチどころじゃないスカテンに遭遇してしまった。
スカテンならぬハクテン君。
昨年正月早々に遭遇したことがあるハクテン君、その後夏の間はスカテンがドッサリ増えたこともあって姿を確認していなかったのだけど、同じ子が生き延びているのだろうか、それとも新たな罹患者(?)なのだろうか。
昨年も紹介したように、このブツブツは表面にあるわけではなく、体内に入り込んでいる。
まさか「口で保育していた卵を飲みこんじゃいました…」ってな話であるわけじゃなし、病気なのか寄生虫なのか、その正体は依然不明だ。
ひょっとすると、これはスカテンが透明だからこのように見えるだけで、実はもっと大きな魚で観られるような↓これらと同じ原因とか?
これはもっぱらスノーケリング業者がお客さんを連れて行くリーフエッジ付近でよく観られる症状で、ヘラヤガラなど食物連鎖の上のほうにいる魚も同じようになっている。
観られる場所がそういうところに限られていたから、これはおそらく餌付けしているエサの添加物由来なのでは…と愚考している。
幸い大手業者さんたちは「SDGsの観点から…」ということで、たとえスノーケリングであっても餌付けとはキッパリ縁を切っているようなのだけど、アフターコロナでますます増殖傾向の木端業者のなかには、いまだに平気で餌付けをし倒しているところもあるようだ。
あろうことかタンクを背負っている場合でも、それもファンダイビングでさえ餌付けをしている業者もあるようで、近頃では水深20メートルほどの根に群れているヨスジフエダイが、魂を失ってダイバーに擦り寄るようになっているところも出始めている。
近年になってようやくそういう業者がなくなって安堵していたのも束の間、また同じことの繰り返しが始まるのか…。
わざわざ魚の世界にお邪魔して、そこで魚たちを手なずけることにどれほどの意義を見出しているのかまったく不明ながら、間違いなく言えることがひとつ。
ダイビング中にゲストに餌付けをさせるガイドインストラクターとしてのレベルは、人類の進化史上に例えればアウストラロピテクス級に原始人の世界といっていい。
そんな原始的レベルで平気で対応されているということはすなわち、ゲスト自身のインテリジェンスもその程度とみなされているということでもある。
そう、今の世の中でダイビング中に餌付けをさせられているみなさんは、ようするにその業者に文字どおりバカにされているのだ。
海中で餌付けをして「キャー♪」とか「ワー♪」とか喜んでいる場合ではないのである。
…という声が奇跡的に届き、餌付けを行う業者が絶滅してくれてもなお、スカテンにブツブツが残っていたら?
なんとも不気味なハクテンスカテン、はたしてその原因については、今後の研究を待つしかない…
…って、誰も調査してないか。
2024年01月06日
めざせ、サバヒー御用達。
2024年 1月5日(金) 晴れ
東の風 うねりあり 水温22度
よりによってこのときに、自身が今なお首相の座にいるということが、被災地のみなさんにとっても他の国民にとっても、超がつくド級の不幸であるということを、わざわざテレビに生出演してまで自ら証明しているボンクラーノ首相。
出演するのであれば、3日間不眠不休の態で
「予備費40億円に加え、自民党への政党交付金(年間160億円くらい)を全額被災地支援に充てます」
くらいのことが(実質その10分の1になってもいいから)なぜ言えないのだろう…。
総裁選の展望を尋ねられたら、
「今はそれどころじゃない、私自身は震災への対応をしっかりやり遂げられさえすれば、その後の総裁の任に拘泥しない」
くらいのことを(ポーズでいいから)言えないもんですかね。
欧米の政治家らしいポーズ満載とはいえ、
「アメリカは日本の人々が必要とするあらゆる支援を提供する用意がある」
「この困難な時期に、我々の思いは日本の人々と共にある」
と声明を発表するバイデンじぃじのほうが、よほど被災地の、そして日本国民の心に寄り添ってくれているように見えてしまうじゃないか。
根が下品なお遍路カン首相の悪い面ばかりが強調されて、何かと悪評が高い民主党政権の震災対応ではあったけれど、東日本大震災時のエダる枝野官房長官の不眠不休ぶりを思えば、ボンクラーノ首相には1ミリの緊張感も危機感も感じられない。
ボンクラーノが首相であり続けたこと自体が日本にとって大災害だった、ということが誰の目にも明らかになる頃、ニッポンはどういうことになっているのだろう…。
緊張感といえば、羽田空港。
だんだん責任の所在が明らかになりつつあるようだけど、いろいろと述べられていることを見聞きしたかぎりでは、これまでこのような事故が発生しなかったことのほうがキセキに思える。
たとえていうなら、それは水納丸がショボショボの水納港でこれまで一度も座礁したことがないのと同じ。
事故を防いでいたのは何かといえば、船長をはじめとする乗組員や運航管理をする経営者の能力にほかならない。
すなわち、システムが無事故を作り上げているのではなくて、ヒトのチカラによっているのだ。
大混雑の羽田空港でこれまで同様の事故が発生しなかったのは、同じようにヒトのチカラに負うところ大っぽい。
なのでこれまでだって、ヒヤリハットは幾度もあったことだろう。
しかし各パイロットや管制官その他のヒトのチカラが、事故を未然に防いでくれていたのだ。
今回の事故原因がヒトの力不足かどうかは不明ながら、原因がなんであれ、もはや我が国は首都の空港で航空機が接触、炎上してしまう国になってしまっている、ということを、そろそろ我々は自覚しなければならない。
まぁ国のトップがトップだけに、そろそろもなにもないか…。
さて。
荒れ模様は1日でおさまり、一夜明けると海はすっかり穏やかになっていた。
ポカポカ陽気であることだし、このチャンスを逃す手はない。
というわけで海へ。
さっそくワタシは、ガラスハゼ調査に乗りだした。
乗りだしたといっても、昔ならあちこちでニョキニョキしていたムチカラマツも今ではすっかり減っているので、相当広範囲を泳いでみたもののガラスハゼが暮らしていたムチカラマツは4本だけ。
そこにいたガラスハゼはというと…
…全員、図鑑が言うところのノット・ザ・ガラスハゼ。
ザ・ガラスハゼとの遭遇は、そうとうハードルが高そうだ…。
そうやってチマチマとムチカラマツサーチをしていると、砂底の中層をサバヒー(本名です)たちが悠然と泳いでいた。
岩場のポイントでは上層を泳いでいることが多いサバヒーながら、砂底が広がるポイントでは、下に降りてきてゆったり泳いでいることもよくある。
メーター級の魚で、尾ビレが上下に長いフォルムだから、一瞬サメか?と見紛う存在感があるサバヒー、この日は7匹ほど集まっていた。
いつもなら近寄ると遠ざかっていくのに、なぜだか一カ所にこだわっていたサバヒーたち。
なぜかというと…
…ホンソメワケベラのクリーニングケアを受けていたから。
たとえクリーニングケア中でも、ダイバーが近づくと嫌がって逃げていくことが多いのに、ここではいったんその場を離れてもすぐに戻って来て再びケアを受けていたから、いつもより近くでその様子を眺めることができた。
その様子の一部を動画で…。
ホンソメワケベラとしては、こんなに大きな魚が上得意になってくれれば、暮らしもずっと楽になることだろう。
でもまだこのホンソメクリニックはサバヒーが充分満足するほどの施術テクニックには至っていないらしく、サバヒーは嫌がる仕草をたびたび見せていた。
5匹以上のサバヒーに次々に来てもらうためにも、この先テクニックのさらなる上達は欠かせない。
サバヒー御用達をめざし、せっせとシゴトに励むホンソメ夫婦なのだった。
ところで今ふと思ったのだけど、ガラスハゼのように小さな魚たちは、クリーニングケアをいった誰に任せているんだろう?
まさか同じムチカラマツに暮らすムチカラマツエビが、ガラスハゼをチョメチョメしているとか?
ああ、また新たなギモンが…。
2023年12月22日
天国と地獄。
2023年 12月21日(木) 雨のち曇り時々日差しのち雨
北の風 時化模様
けっしてテツではないのだけれど、NHKBSが放送している六角精児の呑み鉄紀行番組や、鉄道写真家中井精也の乗り鉄ロケ地巡りは楽しく拝見している。
どちらも地方を訪ねることが多く、北の果てから西の端まで、日本全国津々浦々のローカル線が紹介されるので、我々が過去に旅行で利用した路線がなかなかツボを心得ていたことを知ったりもする。
ただまったく残念なことに、行くところ行くところすでに廃線になっている路線がとてつもなく多く、もちろんながらそれらの地域は、かつてはもう少し賑わっていたのにねぇ…という話になる。
たとえ単線かつ1両編成の鉄道であろうとも、地域にとっては大動脈といっていいライフラインだもの、それがストップされてしまえば暮らしの命脈も尽きるというもの。
もともと国鉄が国内の隅々まで張り巡らしていた鉄道は、誰が考えてもわかるように、田舎になればなるほど採算など合うはずがない。
もちろん国鉄時代にも廃線の憂き目に遭った路線は多いのだろうけど、JRとして分割民営化されて以降の廃線の数は、地方に暮らす方々を絶望の淵に追いやるほどになっている(ように見える)。
ちなみに国鉄を民営化するに際しては、地方路線の維持存続という条件もあったと聞く。
その条件を呑んだうえで経営を買って出たJR各社がやっている廃線激増経営方針は、増税はしないと言いながら平気で大増税をすることになるフミオと同じくらい、まったくもって約束違反なのである。
地方路線の赤字が経営を圧迫するものだから、日産の経営状態を立て直した犯罪者カルロス・ゴーンの轍を踏むかのように、赤字原因を次々に切り捨てていくJR各社。
それで都市圏はさぞかし安泰なことでしょう、JR。
民営化など、一部の都市圏だけにして、地方路線は国鉄のままでよかったものを…。
えーと、国鉄の民営化って、誰がやったんだったっけ?
あ、ナカソネだ。
この方は原発も強力に推し進めたし、日航を民営化させたし、国鉄も電電公社も専売公社もみ~んな民営化して、当時はまったく意味不明だったJR、NTT、JTといったアルファベットネームがズラリと勢揃いしたのだった。
本人が「戦後の総決算」というとおり、それらの民営化にはそりゃ意義も意味もたくさんあったのだろうけれど、時の首相にしろ政策を推し進めた方々にしろ、いいところしか見ていなかったのは間違いない。
悪いところもちゃんと見てたら、日航は倒産してませんよね?
いいところしか見ていなかったといえば、郵政民営化もしかり。
民営化民営化と騒いでいるうちに、いつの間にか脱法保険業務をしていたし、赤字が続くからと郵便料金はうなぎ上りだ。
来年からハガキが85円、封書に至っては110円に値上がりするという。
どんなに地の果てに居ようともLINEひとつでいつでも連絡が取れる今の世の中で、ハガキや封書を普段使いしているヒトなどけっして多いはずはなく、昔同様に利用している世代がどんどんお星様になっていくとあっては、郵便事業の採算がおぼつかなくなるのは当然のこと。
そのため赤字赤字で火の車の郵便事業、窮余の策として値上げをすることに…というのはわかるけれど、これだけ値上げしても、試算によると1年後にはたちまち赤字に転落するという。
もはや値上げだけでは赤字の解消など不可能な状況になっているのであれば、もういっそのこと郵便事業をやめちゃうか…
…というわけにはいかない国際上の取り決めがあったりする。
それは、万国郵便連合。
今では国連に属しているけれど、その歴史は国際連合どころか国際連盟が誕生する以前から始まっている歴史ある国際機関で、加盟国は現在192ヵ国に及んでいるという。
その目指すところを、外務省のいかにも役所らしい読みづらく長ったらしい文章を引用して紹介すると、
「郵便業務の効果的運営によって諸国間の通信連絡を増進し、文化、社会及び経済の分野における国際協力に寄与するため、加盟国間における郵便物を安全かつ迅速に交換し配達すること、保証すること、郵便業務の組織化及び完成を確保し、郵便分野における国際協力の増進を助長すること、加盟国が要請する郵便に関する技術援助にできる限り参加すること」
なのだそうだ。
海外のどこに居ても気安く気軽にエアメールを送ることができるのは、こういう取り決めが世界にあるからにほかならない。
もちろん我がニッポンも加盟しており、万国郵便連合が唱えるところの郵便業務を遵守しなければならない。
水納島の郵便事情はすでにしてこの取り決めから外れたところにあったりするけど、ハガキが85円、封書が110円でも赤字となれば、このままいくと近い将来郵便配達は週に3日だけになるかもしれない日本全国津々浦々の実情で、万国郵便連合から脱退しなければならなくなる日が来るかもしれない。
ちなみに世界でも郵便事業を民営化するのが主流とはいえ、アメリカは郵便事業に関しては米国郵便庁による公営となっている。
日本の郵政民営化って、結局のところ郵貯と簡保の金目当てのアメリカのためにやりましたってな感があるのに、当のアメリカでは郵便事業は公営のままだなんて、なんという皮肉。
いったい誰がやったんだ、日本の郵政民営化?
あ、滝クリのお義父さんと国賊ヘイゾーじゃないか。
彼らもやっぱり「いいところ」しか見てなかったんだろうけれど、彼らが見ていた「いいところ」って、いったいなんなんだ?
民営化したおかげでそれまでに比べれば遥かにサービス業っぽくなった、郵便局の窓口の対応とか?
ま、国賊ヘイゾーの場合は、自分のフトコロに入るマネーしか見てなかったのだろう。
ともかく「郵便事業」だけで利益を得ようなんてどだい無理な話なんだし、同じ万国でも万国博覧会に惜しげもなく拠出する予算があるなら、万国郵便連合の基準を遵守できるよう郵便事業だけは再び公営化するとか、地方の郵便事業を恒常的に支援するなどの予算に回してくれればいいのに…。
さて。
トゥンジービーサーとはよく言ったもので、冬至を翌日に控えたこの日は、時を追うごとに寒さが募る師走っぽい1日になった。
もっとも、1年のうちで日照時間が最短になるのが冬至だから、気温が下がるのは当たり前。
そこにもってきて季節風が北の国から冷たい空気を運んでくるのだから、時々チラ…チラ…と顔を出すお日様のチカラではいかんともしがたい。
これまでにもちょくちょく紹介している話ながら、冬至前後の朝は7時になってもまだ日の出を迎えていないから暗く、画像にしてみるとこんな感じになる。
7時でもこんなに暗い。
そうはいってもご使用のモニターの輝度次第でいくらでも変わってしまう明度のこと、場合によってはフツーに明るい画像として写っているかもしれないからあえて説明しておくと、白み始めているから東の空は雲が明るくなってはいるけれど、それでも5メートル離れたらヒトの顔を判別できないほど。
朝がこんなに遅ければ、そりゃ寒くもなる(そして水温も下がる)。
これまた例によって毎冬のごとく、冷え込み具合いをリュウキュウアサギマダラに表現していただくと、↓こういうことになる。
この日の散歩の道すがら、葉が落ちたクワの葉に、寒さで機能停止寸前のリュウキュウアサギマダラたちが鈴生りになっていた。
機能停止寸前だから、↓ここまで近寄っても逃げない。
例年のキビシイ冷え込みのように国頭村奥で気温ヒトケタになるほどだったら、そのまま手でつまめるほどに機能停止しているリュウキュウアサギマダラたち。
でもさすが暖冬と言われるだけあって、冷え込んでもまだかろうじて明日への希望を抱いていられるくらいなので、チョウたちにも余裕があるようだ。
なので、いざとなったらいつでも飛び立つぞ、とばかりに翅をヒラヒラさせ始めるものが多かった。
実際に飛び立つと↓こうなる。
風に震える灯台への道がたちまちメルヘンロードに変身、まさにバタフライパラダイス。
ただしこのパラダイス、蝶々を「美しい」と思う方にとっては天国ではあるけれど、鱗粉が苦手で「チョウなんて大嫌い」という方にとっては地獄と化すことになる。
同じシーンが天国にも地獄にもなる。
JRの分割民営化も、郵政民営化も、希望的観測に基づいてそれを推し進めた人々が見ていた天国は、地方の暮らしには地獄でしかなかった…ってことになっちゃいそうだ…。
2023年12月08日
ニッポンオリジナル。
2023年 12月7日(木) 朝曇りのち晴れ
北の風 うねりあり
せっかくのいいお天気にもかかわらず、この日はまた本島へ行かねばならず。
5年に一度のボート免許の更新講習の日なのだ。
自動車の運転免許と違い、小型船舶の免許は誕生日に関係がなく、免許を取得した日から5年ごとに更新ということになっているので、ワタシの場合7月が本来の更新のタイミングになる。
でもそんな時期に更新講習のために本島までのこのこ出掛けるのもバカらしいところ、幸いなことにタイムリミットの1年も前から更新することができる(次の期限は前倒しにされない)。
なので更新期限のずいぶん前に、「そろそろ免許の更新時期ですよ」という報せが封書で送られてくる。
その案内には、最寄りの会場で開催される日時が2~3ヵ月先くらいまで記されているんだけど、最北会場となる名護は、秋以降では12月7日しかなかった。
7月までOKなのに12月なんてあまりにも早いから、来年3月までのどこかで…
…と思いサイトで調べてみたところ、その団体が名護で開催する更新講習は、11月から来年3月までの間では2月7日しか無かったのだった。
昔は1~2ヶ月に1回はあったような記憶があるのになぁ…。
うっかり期限切れ寸前になってしまって泡瀬まで行ったことも過去にあるとはいえ、こんなことのためにそんな遠出はバカらしい。
おまけに更新手続きには、申請手続き代行料なども含めると1万円近くかかってしまうのだ。
たかが免許の更新だけで1万円。
それを免許取得後5年ごとに払っていたら、30年間で免許取得時の費用+1万円×6回。
一方、海の向こうに目を向けてみると、たとえばアメリカではジェットスキーのための免許など存在しないそうな。
というか、世界では小型船舶について免許制度をとっている国はわずかで、先進国だけをみても日本以外ではせいぜい米国くらいだという。
商業利用となるとやや事情が異なるかもしれないけれど、個人で楽しむ小型船舶について、免許など要らないというのがスタンダードなのだ。
もちろん闇雲に乗り回されたら公害にしかならないから、ちゃんと教育は施される。
イギリスあたりでは、「教育すれども規制せず」という方針を堅持してきたらしい。
ジェットスキーを乗り回して海水浴客を殺してしまうようなニッポンと比べると、極めてオトナの社会ですなあ…。
ともかく免許自体がないのだから、免許更新のために必要な料金も無い。
消費税などの話になると、たちまち「ヨーロッパでは…」「先進国では…」なんて話を持ち出して、日本の消費税率が依然として低いことをアピールするヤカラが多いけれど、その他の部分で日本には必要な費用が、ヨーロッパでも先進国でもまったく不要、という比較は誰も例に持ち出さない。
小型船舶の場合、免許の更新よりも遥かに費用がかさむのが、いわゆる船検。
6年の間に中間検査と定期検査があって、その都度検査費用とナントカ費が必要で、6年間で合計5~6万円となる。
当方の場合、最初に船検を受けてボートを登録してから、30年間で6回…いや、初期にボートを買い替えたからヘタしたら1回多く…その費用を払い続けているのだ。
ちなみにこの小型船舶における船舶検査なるものは、これまた日本にしか存在しない。
更新費用と同じく、海の向こうの方々は、高額な検査費用も必要とされないのだ。
じゃあ昔の沖縄でアメリカ―が乗り回していた車検無しの車のように、ボロボロの船でもいくらでもOKってこと?
いやいやアナタ、真冬の海にダイビングする際に、ウェットスーツを着るか海パン一丁で潜るか、誰かに規制されなきゃウェットスーツを着ないなんてことありますか?
高圧ホースからエアーがダダ洩れなのにそのまま潜りますか?
何を着るか、どう潜るか、潜るに適した装備か、海況はどうかなんてことはすべて自分で判断する、それがオープンウォーターダイバー。
小型船舶についても同様で、この整備状況で問題ないか、備品は充分に揃っているか、海況は申し分ないか、ということを自分で判断するのが、自然下におけるレジャーの基本なのである。
でも日本の場合、何かコトが起こった際に経年劣化に基づく整備不良や救命胴着の不備が原因だったりすると、そういうことを野放しにしていた行政があちこちからツッコまれることになる。
それを避けるために、規制規制また規制、船検などというのもそのイイワケのためでしかない。
その証拠に、たとえば船検をしっかり受けている小型船舶が整備不行き届きが理由で事故を起こしたとしても、小型船舶検査機構としては、
「事故防止のための安全判断をする責任は当事者にあるのであって、小型船舶検査機構にはない」
というのが前提となっている。
つまり、検査しようが何しようが、何かあれば当事者が責任を負うのは変わらないのに、何に必要なのか不明ながらも高額な検査費用を毎回払わされているのだ(天下り職員を食わすためだと思われる)。
自動車の運転免許も、日本という幼稚な国ではおちょこ一杯の御神酒や試飲も許されなくなってしまったのと同じく、小型船舶においても年々ジワジワと規制が厳しくなってきている。
それはひとえに小型船舶の事故があとを絶たないからにほかならないわけだけど、ひとくちに小型船舶といってもいろいろあるなか、年間1500~2000件弱の事故例のうち、ジェットスキーを含めたプレジャーボートがその6割以上、小型漁船もそこに加えれば、全体の9割以上を占めているのだ。
心無い撮り鉄同様、全体のなかでは「一部のヒト」なのだろうけど、心無いジェットライダーは数多く、そういう方々が事故を起こし続けるために規制がどんどん増えていく(保険料も上がっていく…)。
タテマエはどうであれ、実のところは「規制すれども教育せず」という方針を堅持する日本のこと、20年後の小型船舶関連には、高い高い高いハードルがいくつも聳え立っていることだろう。
2023年12月05日
飯能散歩。
2023年 12月4日(月) 雨
東の風 波あり
どんだけ大金を得ていても、けっして納税申告されることはない自由業の方々のみかじめ料と、いったい何が違うんだろう、パーティ券。
「暴力」を後ろ盾にして利益を得る反社会的な集団、すなわち暴力団への締め付けが厳しくなってくるにつれ、各地で「暴力団追放の町」と謳われるようになっている。
「暴力団追放運動推進都民センター」という、どう見ても警察官僚の天下り先としか思えない都内の公益財団法人では、「暴力団追放三ない運動+1」という4つのスローガンを掲げている。
いわく、
1・暴力団を利用しない
2・暴力団を恐れない
3・暴力団に金を出さない
+1・暴力団と交際しない
これらを実践することによって…
みんなの力で社会の敵、暴力団を追い出し、 明るい街を作りましょう!
…ということらしい。
この暴追都民センター(略称)のスローガンにある「暴力団」という言葉を、すべて「自民党」に置き換えたら…。
政治とカネの問題はかなりスッキリするんじゃないですかね?
ところがここまでグチャグチャメチャクチャの集団にもかかわらず、凋落してもなおいまだにあらゆる政党の中でナンバーワンの支持率っていうところがなんともスゴイ。
そこには、結局のところなんだかんだいって野党はどこも…という消極的理由が多くを占めているのだろう。
どのみちニッポンがこのまま滅びの道を邁進するのは免れないとなれば、こんなグチャグチャメチャクチャ集団に好き放題やりたい放題させて滅んでいくのと、能力は伴わずともとにかくニッポンを良くしようと頑張りながら滅んでいくのと、どっちがいいですか?
< どっちもヤダ。
きっとその心が、グチャメチャ集団を助長させるのだろうなぁ。
ようするに我々国民が何十年もかけて、自民党をグチャメチャ集団にしてしまったということなのだろう。
でも。
暴力団とは違い、グチャメチャ集団をたやすく追放するチカラが我々にはある。
それは……投票。
「自民党追放運動推進国民センター」を設立する勢いで投票に行き、社会の敵自民党を追い出し、明るい国を作りましょう!
暴力団が恐れているもの、それはあなたの、 暴力団を恐れない「勇気」なのです。
…という暴追センターの一文の「暴力団」を、ここでも「自民党」に置換してしまおう。
自民党が恐れているもの、それはあなたの、自民党を恐れない「勇気」なのです。
この場合「自民党を恐れない勇気」とは、自民党の政府じゃなくなった場合いったいニッポンはどんなことになっちゃうか…という恐怖という意味になるのだろうけれど、もはや滅亡間近の今となっては、そんな恐れを抱いている場合ではないことだけはたしかだ。
さてさて、この日はオタマサが帰って来るので、再び那覇空港まで行かねばならない。
昼過ぎに到着後、この日のうちに島まで戻る予定なのだけど、久しぶりに朝から1日中雨雨雨。
こんな雨の中、ボートで島まで戻るのはご遠慮したいところ。
連絡船で帰るとなれば、16時渡久地港発に間に合わせなければならない。
ま、時間的には秘密基地に寄ってからそのあと買い物を済ませても充分に間に合うから問題はない…
…はずのところ、どうも雲行きがアヤシイ。
このところ予報よりも実際の気象が前倒しになっていて、危ぶまれていた5日の予報が、少々4日にずれ込んでいるっぽいのだ。
シーズンオフで空気しか運んでいないこの時期のこと、この程度のことで欠航となってもなんら不思議はない。
なので早朝から水納海運の公式ウェブサイト上の運航状況をドキドキしながらチェックしていたところ、あり得ない時間帯から
「本日は通常運航です」
の文字が。
これが言う「本日」って、ホントに今日のことなの?
その日朝の判断で決定される場合、ウェブサイト上に「欠航」の文字が出現するのはおおむね7時30分頃というのが慣例なので、最終的に7時40分くらいにリロードしてみたところ、やはり
「本日は通常運航です」
それでもまだ不安だったので、8時前に渡久地港まで行っみると、ちょうど出勤時間で船員さんたちが続々やってきた。
タイセイ船長もやってきたので、恐る恐る尋ねてみたところ…
「明日は欠航ですけど、今日は全便運航です!」
という力強いお言葉が。
よかった、これで雨に打たれながらボートで帰らなくて済む…。
というわけで雨降る中那覇空港まで行ってオタマサを迎え、すぐさま北上、道中は土産話に花が咲いた。
オタマサ不在中はずっと冴えない天気だった沖縄とは違い、関東地方は連日いいお天気だったそうな。
話の流れで急遽弟一家とともに行くこととなった天覧山では…
沖縄では絶対に見ることができない、カエデ類の紅葉を堪能することができたようだ。
※カエデ類は観られないけれど、紅葉(こうよう)は沖縄でも観られます。
天覧山は標高200メートルにも満たない由緒正しい百低山で、登山口でレッツゴー!と出発すると…
…13分で頂上に到着するそうな。
この頂上からの眺め。
標高195メートルだけに、眺めはそれほどでもないみたい。
ところで天覧山といえば、飯能市が誇る酒蔵、五十嵐酒造の銘柄でもある。
父ちゃんとともにお墓参りに行く際、少し足を伸ばしたところにあるこの五十嵐酒造に寄りたい…というオタマサが希望したことがきっかけになって天覧山ツアーが生まれたそうなのだけど、酒造所については登山の前日に、お墓参りのついでに立ち寄ったそうな。
ちなみに試飲は有料だったとのこと。
ここで父ちゃんが、ワタシへのお土産にと銘酒天覧山をフンパツしてくれたそうで、まもなく届くはず。
それを楽しみにしつつも、今回オタマサに見せてもらった写真で最もうらやましかったのはこちら。
お墓参りの日に父ちゃんがラーメンでも御馳走するよぉというところ、ワガママオタマサが「そばかうどんがいい!」ということで、人生84年で培われた父ちゃんセレクトのそば屋「小松屋」さん。
なにしろ撮っているのがオタマサだから手拭きを除けたりしないだけではすまず、お店の外観の画像も見当たらないものの、かなり有名店らしくネット上には画像が溢れていた。
蔵を改装したというお店はなんだか外観も内装もオトナのそば屋さんといった風情で、普段のけちけちオタマサには敷居がかなり高そうながら、なにしろゴッドファーザーが御馳走してくれるというのでホイホイと暖簾をくぐったそうな。
小上がりと1人客のためにうまく拵えられているテーブル席のほか…
紅葉が美しい中庭を眺めながらのカウンター席も。
ここにオタマサも加わると、瓜三つになる…。
こういうところなら何を食べても美味しそうなところへもってきて、高級感あふれる白い蕎麦。
こりゃ板わさなんぞも頼んでちょいと一杯…と行きたくなるヒトも多いだろうけど、どういうわけだか蕎麦屋には付き物の酒のアテとなるメニューはいっさい無かったらしい。
そういえば今年、ある方々と蕎麦派とうどん派の話になって、昔からうどんラブなワタシはうどんの美味しさを強く訴えたのだけど、
「蕎麦屋では酒が飲める!」
という蕎麦派のヒトコトに、ワタシの55年(当時)続いていたうどんオシのココロは、マグニチュード7.7の揺れを記録した。
なるほど、ちょいと酒の肴を頼んで酒を飲みつつ、最後に蕎麦をひと皿って……
…いいかも。
そうやって心変わりしたワタシがそのつもりになってここに来ていたら、かなりショックを受けていたかもしれない。
その他)角上魚類やあさひやま展望台、そして名店鳥吉と、フルコースで堪能する一方、週末だったこともあって毎晩こういう状況。
みなさんに付き合ってもらったオタマサは、連日の遅くまでの飲み過ぎが祟り、本日は午後8時半には早くもぐっすり爆睡体勢に入っていたのでした。
2023年11月13日
見極められなかったフグ。
2023年 11月12日(日) 雨模様
北東の風 時化模様
この週末は毎年恒例の「ツール・ド・オキナワ」が開催されていたはずなのだけど、よりによってこのお天気…。
よほど日々のオコナイの悪い方が大量に参加されていたのだろう。
北海道の北部では50センチも雪が積もったというほどだから寒波の威力は激しく、沖縄でさえ氷雨と寒風の1日となってしまった。
もちろん水納島の連絡船は全便欠航。
しかし桟橋までうちのボートの様子を見に行った際には、伊江島のフェリーが沖合をナニゴトもなく通常運航していたのだった。
寒波&季節風といえども、まぁ今回はその程度のもの。
この風や雨でどこがどうのこうのという被害が出るわけもなし…
…と思っていたら、本島中部あたりで6万戸超の世帯が停電中というニュースが飛び込んできた。
変電所に米軍ヘリが墜落でもしたのか?
何が起こったのか気になったので停電情報のサイトを見てみても、そこで告げられていることといえば
停電中、原因不明、復旧日時予定未定
と、停電しているというジジツ以外沖電は何も把握していないことがわかっただけだった。
どうやら数時間後には復旧したらしく、原因は変電所における機器上のトラブルだったそうな。
それにしても、こんなことが東京で起こったらいったいどういうことになるんだろう…というくらいのトラブル、いくらのんびりしている沖縄といえど、これまでそうそうあることではなかったはず。
大地震や津波に備えたどでかい防波堤や橋梁の改修工事など、どこかで誰がが儲かる事業には湯水のようにお金を使っていても、電気水道ガスなどのライフラインはなにかあるたびに止まっちゃうニッポン。
電気に限らずインフラの老朽化にともなうこういったトラブルがいつでもどこでも起こりうる世の中は、なんだかジワジワと国力が衰退している証のようにも見えてくる。
今もなお政府や日銀のやり方次第ではいくらでも円高方向に持っていけるけどあえてやらないだけ…であるかのようなフリをみんなしているけれど、為替レートにかぎらず、もはや日本が何をどうしようと何も変えられなくなっているんじゃ…?
もう自分の故郷のどこにも残っていないのに、童謡「ふるさと」を聴くと、きっと日本にはウサギを追える山や小ブナを釣れる川がそこらじゅうにある…とついつい錯覚して安心を得るのと同じように、政治家とそれを操る官僚のみなさんやマスコミ、そして我々国民が今考えているこの国って、そうであってほしいと願っているだけの、まったく架空のニッポンなのかもしれない。
今のニッポンから願望と錯覚という化粧を全部落としたら、いったいどんな顔が出てくるんだろう…。
いかん、こういうお天気だと思考が憂世化してしまう。
話は変わる。
フグやモンガラ、カワハギといった比較的近いグループの魚たちは、強力な歯でガシガシとエサを食べるものが多い。
防御装備が整っているために他の魚に襲われる心配が少ないためか食べ方も大胆で、石の下に潜む何かに執着して貪り食べることもしばしばだ。
↑これはモンガラカワハギだけど、ときとしてフグも、有毒のため他の魚から襲われないことをいいことに、大胆な食事の仕方をする。
先月オタマサが死サンゴ礫が転がる海底で出会ったシマキンチャクフグは、なぜだかこういう状態になっていたという。
撮影:オタマサ
顔を礫の隙間にぶっ刺して、体を膨らませている。
気でも狂ったのだろうか?
しかし魚たちにスーサイドという選択肢があるはずはないので、これはおそらくなにかやらかしたに違いない。
ひょっとすると、死サンゴ礫の間に潜むエサを漁るのに夢中になりすぎて顔が挟まってしまい、危険を感じた体が咄嗟に反応して膨らんだはいいものの、余計に抜け出られなくなってしまっている…とか?
なにしろ彼らは危機を感じると体が勝手に膨らむらしく、ずっと危機を感じたままだとにっちもさっちもいかなくなる、ということが往々にしてあるのだ。
オタマサによると、通りかかった際にはすでにこうなっていたところを撮ったあと、30~40分ほど経ってから確認してみたら依然このままだったという。
そして翌日、隣のポイントからはるばる様子を見に行ってみれば、さすがにシマキンチャクフグの姿は消えていたそうな。
はたして無事に脱出できたのだろうか?
体を萎ませればなんなく切り抜けられる…というか、そもそもそんなところに執着しなきゃよかったところ、体を膨らませて余計にコトをややこしくしているあたり、なんだか大阪・関西万博を見ているかのようなシマキンチャクフグなのだった。
2023年10月21日
4年ぶりの味。
2023年 10月20日(金) 晴れ一瞬雨
北東の風 おだやか
1970年の大阪万博は、古いアルバムを見せてもらったかぎりではワタシも親に連れて行ってもらっているのだけれど、なにぶん3歳の頃のことなのでオボロゲな断片映像(それも後付けかも)以外まったく記憶にない。
記憶には無いけれど、その後も「万博」といえば70年の大阪万博のことだけと思ってしまうほどに、高度成長期のニッポンにとって当時の万博は必要不可欠なビッグイベントだったのだろう…ということはよくわかる。
それに対して「大阪・関西万博2025」って…。
招致活動の頃からまったく興味はなかったし、実際に開催決定となってからも、スリランカのペラペラ祭りと同じくらい遠い遠い世界の話にしか聞こえていなかった。
そうやってアウトオブ眼中状態になっている間に、建設計画が間に合わないかも…とか、当初の予算では全然足りない…とか、いつの間にかモンダイ噴出のザル万博になりそうな気配が。
公益社団法人である万博協会はけっして役所ではないにしろ、その楽観バイアスのレベルは、先日怒りのあまりつい口が滑っちゃって北部ドバカ事務所と命名した部署とほとんど同じレベルなのだろう。
で、けっして自分たちのお金を使うわけではないから、「予算が足りなり」といっては気軽に増額を求める万博協会。
マスコミ相手に表に出てくるのは万博協会の事務方のおっさんでしかないけれど、ちなみにこの公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の会長の座にいるおっさんは、
「少子化対策のために消費税増額を!」
とのたまう経団連の十倉会長だったりする。
そんなに日本を救いたいなら、必要な金を率先して住友化学が出してから言えっちゅうの。
万博の予算についても、どうせ出所は税金からだから…と事務方は気楽に「増額を」なんて言えるのだろう。
建設計画にしても予算にしても、だんだんザル組織であることがわかってくるにつれ、世間の風当たりが強くなってきている今日この頃。
でも不思議なことがひとつ。
建設を間に合わせるために残業OK!とか予算がさらに500億円上乗せして総額2300億円に…なんていう万博関連のことには多くの方がものすごく否定的に反応するのに、辺野古新基地の建設費が、軟弱地盤発見(?)のために、工期も建設費もとてつもなく増大しているってジジツには、それこそアフリカにおける中国一帯一路なみに遠い遠い話になるようだ。
大阪万博の2300億円てのは総額での話なのに対し、辺野古の新基地建設費なんていったらアナタ、2023年度1年分の予算だけで1882億円も計上されているんですぜ。
辺野古基地建設は当初工期は5年、建設費総額3500億円という話だったのだけど、軟弱地盤発見(?)のために大幅にずれ込み、工期10年、建設費9300億円ということになってしまっているのだ。
しかもその防衛省沖縄防衛局が言うところの「10年」も「9300億円」も、例によって例のごとくお役所の楽観バイアスがかかっていることはほぼ間違いなく、沖縄県が独自に試算したところによると、総額2兆5500億円に達するという。
おまけに軟弱地盤をフツーの地盤に改良するためには相当時間がかかるから、完成予定は2030年代になるんだって。
もうその頃には米中戦争終わってんじゃないですかね?
軟弱地盤を埋め立てるために必要な大量の土砂は、もちろん本島内のあらゆるところから供出されている。
本部半島の採石場はその供出元の大きな部分を担っている。
もともとは石灰岩を採掘する鉱山だというのに、石以外の土砂も必要になったものだから、山はすでにひとつふたつ消え去るほどに姿を変えている。
米軍基地は日本の防衛上必要とかなんとか、ムツカシイ話はさておいて、国土を守るために国土を削り取るって、国語的にまったく意味不明なんですけど…。
2025大阪・関西万博どころではないメチャクチャな辺野古新基地計画ながら、そのメチャクチャさを糾弾するヒトは大阪万博に異を唱えるヒトに比べると遥かに少なく、異を唱えると「プロ市民」というレッテルを貼られる。
もはや辺野古新基地話は、原発事故があった地域では子供の甲状腺異常が多いという話と同じくらい、触れてはならないモンダイになっているんですかね…。
さて。
苗縛りがあるオタマサは、本日10時の便で島に帰還。
一方ワタシは、引き続き作業のために秘密基地に居残り。
緊急に必要なわけではないものの、いつなんどきなにがどうなるか知れたものではなくなってしまっている現況に鑑み、そういう場合に「カメ」のせいで身動きが取れなくなったりしないよう、秘密基地にもガメ公スペースを作ることにしたのだ。
そのためにはまず、支柱を立てるための穴を掘らなければならない。
掘った穴に支柱を立て、モルタルを流し込んで固定する予定なのだけど、そもそも穴を掘れるのだろうか?
造成のために盛られた地面だから石ころだらけで、それも長年いじくられていないから表面は相当固くなっているはず。
でもあれがあればなんとかなるかも…。
というわけで、支柱やセメントをメイクマンで購入するついでに、↓これも買ってきた。
穴掘り器(名称を知らん…)。
ふたつのスコップを向かい合わせたようなもので、この状態のまま地面にぶっ刺して…
柄の部分を開くと、スコップ部分が閉じて砂を外に出せるという仕組みになっている。
この道具の存在は知ってはいたものの、地面に長めの穴を掘る機会なんてそうそう無いから、そのためにわざわざ6000円もする道具を買っていられない。
なのでこれまではフツーにスコップで代用していたんだけど、スコップで穴を掘るとどうしても間口が広くなってしまい、穴全体の容積が増えるから必要なモルタルの量も多くなってしまう。
ところがこの新兵器で穴を掘ると…
縦にまっすぐスリムな穴が。
直径はこんだけしかないのに、深さは40センチ。フツーのスコップではあり得ない形状だ。
いやはや、新兵器便利かも。
ただし。
縦にスリムな穴を掘れるのはいいのだけれど、地面はやはり固く、砂利は多く、庭木の根が縦横に…という状況なので、ひとつの穴を掘るのにたいそう時間と体力を費やすことになってしまった。
新兵器の自重を利用しているにしても、突き立てなきゃ根を伐ることができないから、繰り返し繰り返し持ち上げては突き刺し、持ち上げては突き刺し…
5か所掘る予定だった穴ながら、このままでは力尽きそうだったから本日は3か所で断念。
ま、「冷や水」にならないよう、ナニゴトも八分くらいで留めておかねば。
おかげでワタシは無事に済んだかわりに、思い掛けない被害者がいた。
作業を終えたのは午後4時過ぎとやや早かったのだけど、とにかくひとッ風呂浴びてビールでも…
でもまだ時刻は午後4時半、まだいつなんどき電話がかかってきて車でどこかへ行かねばならなくなるかもしれないから、少なくとも連絡船の最終便が到着してしばらくするまでガマンすることにした。
で、明日の天気予報などを見つつ、腕時計を見ると、まだ時刻は午後4時半。
早くビールを飲みたいと思えば思うほど、時の経つのは遅くなるものなのだなぁ…。
あと少しのガマン…と自分に言い聞かせながら、チョロチョロッとパソコン作業をし、もうそろそろいいかな?と腕時計を見てみれば、まだ時刻は午後4時半。
ん?
んん?
たしかさっきも4時半じゃなかったっけ??
ふとPC画面右下隅の時刻表示に目を向けてみれば、
17:13
あら?
アッ!
腕時計、4時半で止まったままじゃん!!< 気づくの遅すぎ。
もう買ってから4~5年は経っている(もっとかも)とはいえ、SEIKOの自動巻きだから電池切れということはない。
ここまで不調とは無縁だったのに、なぜに突然??
あ…。
ひょっとして穴掘り作業の衝撃が、腕時計に致命的なダメージを与えてしまったのだろうか。
プロならこういう場合腕時計など身に着けないものなんだろうけど、10個も20個も穴を掘るわけじゃなし…
…と、まったく気に掛けていなかった。
沈黙してしまった腕時計は、竜頭を回そうとどうしようと、再び動く気配がまったく見えない。
自動巻きだけに使っているうちに多少ズレが生じるとはいえ、電池の心配いらずでけっこう気に入っていたのに、これで御臨終かなぁ。
でも諦める前に、ダメ元で大きな衝撃を与えてみよう。
腕時計をはずし、右手に持ち替えてそのまま時計盤側を思いっきりテーブルに叩きつけてみた。
すると!
秒針始動!
時刻を合わせ、そのまま経過を見守ってみたところ、秒針が止まる気配はない。
それから12時間以上経った今も、チクタクチクタク仕事をしている。
おっさんの古時計、いまだ健在だ。
…テーブルに時計の跡がついちゃったけど。
次回穴掘り時には腕時計をはずそう…。
以下は話的には蛇足ながら、個人的には超エポックなので、忘れないうちに書いておく。
買い物を済ませたあと、いつものようにお弁当を買って…と思ったところ、ふと気が向いたので↓こちらまで足を延ばしてみた。
名護にこの店ありと知られる宮里そば。
コロナ禍のせいで、そば屋店内で沖縄そばをいただくことすら3年半ぶり、そして宮里そばとなればほぼ4年ぶり!!
ギンガムチェックのテーブルクロス、色艶が美しい三枚肉、そしてワタシを昆布嫌いから昆布好きへと変えてくれた昆布……
なにもかも皆懐かしい…。
再び地球を眺めることができた沖田館長は1年も経っていなかったけど、こちとら4年ぶりなのだから感慨もひとしおだ。
4年ぶりだけに、お味も衝撃的に…
…と思ったら、案外そうでもなかった。
いや、もちろんカツオ風味のスープは美味しいし三枚肉も抜群だったんだけど、4年ぶりのわりにはフツーに美味しく感じただけだった。
ひょっとすると、沖縄そばといえばずっと家そばだったこの3年半の間にオタマサが作ってくれていたそばがそんだけ美味しかったってことか…。
普段食っているものが美味しいと、こういうところで味気なくなってしまうというのもなんだかなぁ…。
というわけで美味しさには衝撃を受けなかったかわりに、別方面で目の玉が飛び出るほどのオドロキが。
4年前は値上がりして600円だった三枚肉そばが、今はなんと…
ハッピャクエンッ!!
なんともスゴイ時代になったもんでございますね…。
2023年10月19日
誕生、北部ドバカ事務所生活破壊班。
2023年 10月18日(水) 晴れ
北東の風 波あり 水温26度
昨日は「いつの間にか…」と書いてはみたけれど、今朝などは放射冷却ですっかり気温が下がっていて、7時台はTシャツ姿で日陰にいると肌寒いほどだった。
秋は確実に深まっている。
冷え込んではいても、海から吹いてくる風は生暖かいためか、カメさんのエサ採りで歩いていると、日陰のところどころに暖気塊があって、海の湿り気を帯びているからだろう、そこだけモワッとしているのが面白い。
急に肌寒くなったから、そのモワッ…につい誘われてしまったのだろうか、朝だというのに沿道にはこの方の姿が。
本来夜行性なので、ハブの危険を顧みず夜間にサーチすれば1匹や2匹には会えるかもしれない水納島のヤシガニながら、日が昇ってからとなるとそうそう遭遇機会はない。
ワタシ自身、人生2度目の「朝ヤシガニ」だ。
肌寒さも8時を過ぎる頃には陽気へと変わった。
この日も10月っぽい気候で秋の海日和だったので、朝のうちに海へ。
実は昨日、おりこうさんのギンポの動画のピントが全然合っていなかったので、まずはそのテイク2目的。
その他、エントリー早々からゴキゲンな海で、1時間以上潜っているとさすがに寒くなっては来るものの、このままずっと潜っていたいと思わずにはいられないほど気持ちがいい世界だった。
ところが、素敵な海に包まれて気分よく帰ってきたというのに、新聞と一緒にポストに入っていたとあるもののために、一気にダウーン…となってしまった。
その「とあるもの」とはこれ。
A4のコピー用紙に印刷された、北部土木事務所都市港湾班からのお知らせである。
狂気の沙汰の真夏の浚渫作業はもともとイレギュラーで、本来予定されていた本格工事は10月くらいから始まる…ということだったから、その開始に向けた通知かな…
…と思いきや、なんとなんと、次なる工事は来年3月頃からになってしまう通知で、そのイイワケがつらつら述べられていたのだった。
そもそも、本来なら秋から始めるはずだった工事をわざわざ真夏にもってきたのは、使えなかった予算を費消するための取って付けた事業である、というお役所にとって不都合な真実はともかく、5月に行われた説明会における説明によれば、一刻も早く港を完成させるためにも、開始を3ヵ月早めることは有意義である…という話もあったはず。
ところがフタを開けてみれば、10月に予定されていた工事が、取って付けた余計な工事のせいで5ヵ月遅れの3月まで延期に。
それじゃあ、わざわざ3ヵ月も早めて真夏のいちばんいい季節に海を真っ白にしていた浚渫工事の意味はいったいどこに?
この通知で挙げられている延期の理由が、また絶望的なレベルであることに驚かされる。
そのひとつが
「台風による浚渫工事の工期延長」
たしかにZターン台風は古今未曾有の長期間だったとはいえ、当時工事中断がひと月近くにも及んだのは、本島にはかすりもしなかったひとつ前の台風の際にとっとと作業台船を避難させてしまっていたからにほかならない。
ひとたび台風が来れば避難できなくなるということに鑑みても、対処を早くしなければならないという事情はよくわかる。
でもそれだったら、真夏に工事などしていたら、沖縄方面に来そうな台風が発生するたびに避難させなきゃならないってことで、週末ごとに台風が襲来するような事態になったりしたら、そもそもシゴトにならないというのは自明の理ではないか。
ひょっとして北部土木事務所都市港湾班のみなさんは、夏の沖縄に台風が来るということをまったく想定していなかったのだろうか?
理由の2つ目は
「岩盤発生に伴う施工方法等の再検討」
岩盤って、台風みたいに「発生」するものなんでしょうか。
掘ってみたら不発弾が2000発くらいあった…というのならまだしも、多額の予算を投じてあれほどしつこく続けていた事前のボーリング調査をはじめとする地質調査はなんだったの?
そして理由の3つ目が
「諸手続きの都合等」
そんなもの、完全に役所内の事情でしかないじゃないか。
こんな理由で、10月から始まるはずだった工事が5ヵ月延期って…。
しかもあくまでも開始は「3月頃」で、それが初旬なのか下旬なのかすらわからず、おそらく年度を越して4月になってもおかしくないうえに、それがいつ終わるのか、工期についての説明は来年「2月頃」になされるそうな。
各業者さんの場合、年明けの2月なんていったら、早くもGWの予約や春以降の修学旅行の予定もすでにバシバシ入っているだろうに、そんなタイミングでようやく「説明会」などと何をのんきなことを言っているのだろう。
水納島の海という観光資源を元に営業し、生活を成り立たせているみなさんの「諸手続きの都合」はどうしてくれるのだ。
まだ説明がなされていないから以下は勝手な想像でしかないけれど、年度末であちこちの工事の工期が遅れ気味になることを考えれば、作業台船の都合だなんだかんだ、結局港の工事が再開されるのは4月以降になる公算が高い。
で、本格的にケーソンを埋め込んだり東側の防波堤(の一部)を作り上げていく工事がひと月やそこらで終わるはずはなく、その間海が時化ることもあるなんてことも例によって北部土木事務所都市港湾班の想定には入っていないだろうから、この工事はきっと夏場までずれこむことだろう。
昔の役所といえば、無駄に居丈高ではあったかわりに、ちゃんとシゴトはしていたような気がする。
それに対して近頃のお役所ときたら、物腰は穏やかめながら能力のほうもひたすら緩めになってしまっているんじゃ…。
以前に比べれば、予定どおり進められないということをこうして島内各世帯に通知するというのは長足の進歩と言えるのだけど、でもその内容がなぁ…。
自公政府の政策によってジリ貧になっていくニッポンと同じように、人的資源の能力劣化が甚だしいお役所に任せていたら、人々の暮らしは破壊されていく一方だ。
能力は甚だしく劣化しているというのに、行政権だけはそのままだから余計にたちが悪い。
選挙で選ばれる議員さんたちの能力には有権者にも責任があるけれど、役所の場合は誰が選んだわけでもないのに権力だけ持っていて、その暴走に歯止めをかけるすべがないときたもんだ。
しかもその能力が劣化しているとなれば、公共に暮らす一生活者の立場から見る「公共工事」なんて、これはもう不幸の波状攻撃でしかない。
自らの「諸手続き」の都合は考えても、公共に暮らす人々の「諸手続き」も「諸事情」も一顧だにしない役所の暴走。
ミサイルや爆弾こそ炸裂させはしないけれど、暮らしに与える被害を思えばほとんど「テロリスト」と同義といっていい。
であれば、もはや北部土木事務所都市港湾班という名称すらおこがましいと思えるので、今後は北部ドバカ事務所生活破壊班と呼ぶことにしよう。
ちなみに先ほどの「お知らせ」にて連絡先として名が挙がっている許田嬢は、5月の説明会において声を大にして「海は濁りません!」と言い切っていたヒトである。
それがいかに故・雲隠れシンゾーなみのウソ800だったかということは、今年水納島を訪れた多くの方が知るところとなっているはず。
そんな方が「2月頃」に開催される説明会で何をどう言おうとも、1ミリも信じる気にはなれないワタシである。
…という事情をクドクド説明しているにもかかわらず、旧ゲストの方々の中には
「来年は営業しますか?」
「潜れますか?」
と呑気に訊ねてくる方もいらっしゃる。
誤解されている向きもあるから念のために言っておくと、我々は本当はのんびりゆっくり余生的に、馴染みのゲストのみなさんと酒を飲みつつダイビングの営業を続けたいと思っているのだ。
でも北部ドバカ事務所生活破壊班が暴走し続けている以上、当方の営業を確約できるはずがない。
自分ファーストの世の中だからヒトの事情など知ったこっちゃないというのはわかるものの、「潜らせろ」「営業しろ」と我々に求めるのは、まずこの役所の暴走をストップさせてからにしてくださいませ。
2023年10月12日
恋するボラボラ。
2023年 10月11日(水) 晴れ
北東の風 荒れ模様
今朝も朝から北よりの風が強めに吹いていて、海は荒れ模様。
予報的には前日よりはいくらかマシになる見込みだったようながら、結果的には前日と変わらぬ時化っぷりに終始した。
でも昨日は朝イチ以外欠航した連絡船は、本日は通常運航。
なぜ?
でも通常運航してくれたおかげで、自分たちのボートで行くと渡久地港に到着する頃にはビチョビチョになっていること間違いなしのところ、1滴の水もかかることなく本島までお出掛けできた。
お出掛けの用事のひとつは、大量のコインを預け入れるという水納班のシゴトだったのだけど、いつもは空いているコイン預金機に先客がいた。
ちなみに昔なら窓口で預金することができた硬貨による預金は、いつからだったか、ロビー備え付けのマシンで客が自分で行うようになっている。
そのマシンがコインをカウントし、こんだけいただきました~的にペロリと出てくるレシートと通帳を窓口で渡し、預け入れの手続きをする。
その際には101枚以上から手数料がかかるのだけど、たとえば100円玉と500円玉合わせて60万円分くらいカウントすると、その手数料は(コインの組み合わせにもよるけど)2000円~2500円くらいになってしまう。
手数を掛けているのは預金者のほうなのに、何をもって「手数料」というのか不思議でならないこのシステム、でもクレジットカードを使って行えば、手数料は必要ない…
…はずだったのに、今年5月からだったか、クレジットカードでも手数料を取られることになってしまった。
ただしまだマシンは要手数料となったクレジットカード用対応型に改変されていないため、クレジットカードでは入金できない状態のまま(ひょっとしたら一生変わらないかもしれない…)。
まったく不便このうえないシステムだというのに、手数料はしっかり取るのだから銀行も大したものだ。
さてさて、そんなコイン入金マシーンの先客はおばあで、ずっと窓口でやりとりしてきて80年くらいの方がこんな入金マシーンなどわかるはずはなく、窓口にいる女性がアドバイザーとなって手取り足取りおばあの入金作業を手伝っていた。
どうせそういうことになるんだったら、最初から窓口で受け付けてあげればいいんじゃねーの?
と思いつつ、後ろで待っていたのでおばあの入金額がチラ見えた。
小さなガマ口2つ分から放り込まれたコインは、総額…
……2559円。
500円玉も含まれていたら全部で101枚には届かなかったろうけれど、万一全部1円玉だったりしたら、ここから1割ほどが手数料で取られてしまうことになる。
高齢者のタンス預金を世の中へ放り出そうと、政府および財務省はあの手この手で社会をメチャクチャに変えていく一方で、昔からこのように少しずつ少しずつ銀行に預金しているヒトもいらっしゃるのだ。
そんなつましい暮らしを嘲笑うかのごとく、経団連の大将などは少子化対策の財源として消費税の増税を!と声を大にして財務省の後押しをする。
そんなに日本社会が大切なら、あなた方が率先して社会に還元すればいいじゃないか。
バブルの頃の世の中も相当メチャクチャだったけれど、それでも有り余る資金の使い道として企業によるメセナ活動なるものがブームになったものだった。
多少形を変え多様化しつつ今でも継続されているらしいメセナ活動、そうやって芸術文化を支援する活動と同じくらい、少子化対策を支援する活動を経団連が率先してやればいいじゃん。
ところが彼らときたら、企業は減税、消費税は増税って。
減税したところでその分が社会に還元されることはない、富の再分配など日本ではあり得ない…というのはみんなもうわかっているのだから、むしろ企業には増税して、税金で取られるくらいなら、とそれが各企業の賃金アップに繋がって…
…というほうが世の中のためになるんじゃね?
たとえ100円玉を握りしめても買えるものなど何もない子供たち、3000円に満たない入金をしても、日々の暮らしに必要な米や味噌や水その他の消費税で、軽くそれ以上の金額をむしり取られるお年寄りたち…という社会の様子は、「見えないメガネ」には絶対に見えないのだろう。
アベノミクスが作り上げた金持ちだけが暮らしやすい国など、平家没落直前の六波羅みたいなものでしかないのだけれど、見えないメガネにはその六波羅の暮らしがハッピーに見えているのかもしれない。
ワタシが勝手にイメージしている没落直前の六波羅の様子とは、たとえていうならこういう感じ。
ご存知ツノダシ。
煌びやかでカラフルで、トロピカル光線を発しまくりのお馴染みの魚である。
ただしそれは、この部分だけを見れば、の話。
「見えるメガネ」で見てみれば、このツノダシは…
背ビレが無~い!
見えないメガネを筆頭とする政府や財務省、経団連なんてものは、しょせん背ビレが無いことに気がついていないツノダシのようなものでしかないのだろう。
このまま話は、ツノダシがいた海へ。
このツノは出しても背ビレは出さないツノダシがいたのは、昨日久しぶりにエントリーしたカモメ岩の岸近くのサンゴ群落。
そのもう少し沖側から帰路についていた際、水深1メートルちょいほどの浅いリーフ内ではあり得ないような大きな魚体が、眼前で煌めいた。
一瞬サバヒーかと思ったほどに巨大かつ輝くボディの持ち主は、ボラの仲間だった(タイワンメナダか?)。
ビーチあたりでも5~6匹で群れているボラの仲間をちょくちょく観るけれど、たいてい30センチほどで、こんなにでっかいボラなど見たことがない(50センチ超)。
本来小さな魚を撮るためのレンズで無理矢理撮ったものだから、濁った海の向こうにうっすら見える程度だった元画像を、無理矢理補正したのが上の写真。
で、このボラ、2匹が妙に寄り添っているのがわかりますか?
これは一瞬のことではなくて、実はこの2匹、観ている間じゅうずっとイチャついていたのだ。
その様子がこちら。
リーフ内で出会うボラといえば、ダイバーの姿を見るなりとっとと逃げモードに入るのが相場なのに、このイチャつく2匹ときたら、ワタシの存在など気にかける風もなく、なにやら一心不乱にイチャイチャしどうしだった。
やがてイチャつきながらこの場を離れていったので、最終的にこのあとどうなるのかは不明なんだけど、これってやっぱりオスとメスの行動なのだろうか。
ボラの仲間といえば、なんだか突然狂ったように集団になるイメージがあるから、てっきり集団産卵タイプの魚たちだと思っていたのに、これだと完全にペアだよなぁ…。
気になったので、後刻「ボラの求愛」とか「ボラの繁殖行動」といった言葉で検索してみたものの、このような様子を伝える画像も動画もテキストも見当たらなかった。
これがホントに恋するボラボラなのだとしたら、メスのお腹にはカラスミが?
でもどっちのお腹も卵で膨れているようには見えなかった。
はてさてナゾのボラ泳ぎ、ご存知の方はテルミープリーズ!
あ、タイトルをご覧になってタヒチのリゾートアイランドと勘違いしてしまった方には、この場でお詫びいたします…。
2023年09月30日
天寿全う。
2023年 9月29日(金) 晴れのち夕方から雨
北東のち東の風 波あり 水温27度~28度
昨日紹介したダブルレインボー、なんとも無念なことに手元にカメラが無かったから眺めるだけで終わってしまったのだけれど、ありがたいことに通りすがりの宿泊客さんから画像を提供していただいた。
これが昨夕のダブルレインボーです。
写真提供:通りすがりの宿泊客さん
この虹の真下にマッハ軽を停めて撮りたかったなぁ…。
このような見事な虹のアーチを描き出す雨の1日だった前日とは対照的に、日の日中の天気予報は大きくはずれ、ほぼほぼお日様が出ずっぱりのいいお天気になってくれた。
ただし風予報も大きくはずれていて、海は朝からずっと荒れ模様になっていた。
そしてとうとう9月最初の台風が発生。
今のところ進路はさほどビビるほどのものではないとはいえ、台風前には素早く撤収しなければならない浚渫工事は急に焦りの色が濃くなって、この日など夜9時くらいまでガンガンゴンゴン騒音を出しながら砂を掘り倒していた。
早朝から始めることも多々あるこの工事、一応日中の作業時間は「8:00~20:00」となっているというのに、それが守られていることなど一度もない。
浚渫工事といえば、本来早春に行う予定だったものが漁協の反対で延期されていた工事が、9月になって開始されている。
春のうちにやっておけばいいものを、今頃になって始めるものだから、船釣り業者さんやレジャー業者、そしてもちろん漁船なども、浚渫区画ごとに移動を余儀なくされ、船を停める場所が無くて困っているという。
浚渫のためには普段の係留用に設置してあるでっかいアンカーを引き揚げなきゃならないのだけれど、その区画の浚渫工事が終わればすぐにアンカーを元に戻せるのかと思いきや、すべての作業範囲の浚渫が終わってから「検査」が入るそうで、その検査に合格しないうちはアンカーを設置できないのだそうな。
無駄がないよう一度にまとめて行いたいというお役所のキモチもわかるけれど、ぐずぐずしている間に台風が来たらどうすんのよ。
「台風が来るようでしたら、アンカーの設置許可を検討します」
とお役所は言っていたらしい…。
夏から秋にかけて沖縄には台風が来ないと思っているとしか思えないスカポンタン北部土木事務所都市港湾班の発注事業のために、現在渡久地港や水納港は大変なことになっているのである。
北部土木事務所都市港湾班であれなんであれ、こういう方々に事業を「計画」させてはいけない、ということにそろそろみんな気づいてはいるものの、市町村議員や県議会議員は選挙で選べるのに対し、ヤクニンを選ぶことはできない。
それでいながらお役所がやりたい放題っていうのは、いったいどういうことなのだろう?
ほとんど関東軍のようになっているお役所の暴走を止める手立ては市民運動だけ…てのは、それはホントに民主主義なんだろうか?
新しい資本主義なんかどうでもいいから、新しい民主主義を…
…なんてことになったら国会議員の座を失いかねない方々が、そんな世の中を生み出すはずはないか。
話は変わる。
これまでおそらく四半世紀くらい、少なくとも20年は頑張り続けているご長寿ハナビラクマノミママがいる。
もっとも、小さな頃から注目していたわけではないし、フツーサイズの頃にいちいち撮っていなかったから、20年の歩みをご紹介できるわけではないのだけれど、おそらくその間に世代交代していないであろうことは、オスの尾ビレが明らかにしてくれている。
ハナビラクマノミのオスは、成熟すると尾ビレや背ビレにオレンジのラインが入ってくるんだけど、ご長寿メスのダーリンである彼は、ダーリン歴が相当長くなっているから、このオレンジ部分がクッキリハッキリ。
上の写真は2018年に撮ったもので、それから4年経った昨年になると…
オレンジ部分が随分広がった。
こんなハナビラクマノミのオスは、なかなか他の場所では観られない。
それもこれもメスがご長寿でいるからこそオスもそれに合わせて長寿になっているわけで、その夫妻の長寿をもたらしているのは、大きく育っているセンジュイソギンチャクの賜物なのだろう。
このセンジュイソギンチャクは、我々が越してきた95年の時点ですでにでっかかったのだけど、その後さらに成長しているから、ハナビラクマノミ夫妻が大きく育ってもなおだだっ広く、巨大ハナビラクマノミの住まいとしては申し分がない。
今年になってもご長寿夫妻は健在で、しかもオスのオレンジ部分がさらに広がっているように見えた。
これはまたちゃんと撮っておかなければ…
…と思いつつ、一週間ぶりくらいに再訪してみたこの日、衝撃のジジツが待ち受けていた。
なんと!
ご長寿メスの姿が見えない!!
イソギンチャクの陰に隠れているだけかも…としばらく眺め続けていたものの、メスが出てくる気配はない。
それどころか、オレンジ模様の尾ビレを持つオスが、以前まではただの居候さんだった小柄の個体と仲良くいちゃついているではないか。
どうやら新たなペアの誕生…。
長きに渡ってメスの座を守り続けてきたご長寿メス、ついに天寿をまっとうしたのか、誰かに襲われてしまったのか、はたまたなかなかメスになるチャンスが訪れないオスが業を煮やしてメスの座を奪い取ったのか。
真相は不明ながら、貫禄たっぷりの姿にもう会えないなんて…。
ご長寿ママ、長い間お疲れさまでございました。
というか、オスの尾ビレのオレンジ模様は、新たにメスの座に就いたらこのあとどんどん消えていくんじゃ?
しまった、ご長寿メス逝去の衝撃のため、依然尾ビレにオレンジ模様がクッキリハッキリの旧オスを撮るのを忘れた…。