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2024年02月23日

エビちゃんプイ~ンプイ~ン。

2024年 2月22日(木) 晴れ

南の風 波あり 水温21度

 このところいいお天気が続いていたけれど、週間天気予報は週末からグレー&ブルーに染まっている。
 
 海日和は今日明日を最後に、当分おあずけかもしれない。
 
 となれば、今のうちに潜っておかねば。
 
 本日は朝イチでGO。
 
 チベたい水へ意を決してドボンとエントリーすると、個人的に今季初となるあの声が聴こえた。
 
 ザトウクジラの声。
 
 季節の風物詩だというのに、今季はこれまで不思議なくらい聴こえなかったものが、シーズン終盤になってようやく…。
 
 とっても遠かったけど。
 
 遠くで鯨の声を聴きながら、とりあえず深いほうを目指してみる。

 先日紹介したアントン、複数いるところをちゃんと観ておきたいと思い、件の根に到着。
 
 突然ですが問題です。
 
 ↓このエビちゃんは、先日紹介したアントンでしょうか、それともソリハシコモンエビでしょうか。
 
エビちゃんプイ~ンプイ~ン。

 なに、おわかりにならない?
 
 お逝きなさい。
 
 ところで、ソリハシコモンエビ系のエビちゃんたちは、ヒトにも魚にもクリーナーとして知られている。

 そのシゴトにおける必要性もあるのだろう、彼らはプイ~ンと軽快に泳ぐ。
 
 お目当ての魚の体表にソフトランディングするためにも、プイ~ン…と泳ぐ技術は欠かせないのだ。
 
 同じクリーナーシュリンプでも、アカシマシラヒゲエビ系とはこのあたりが異なるところなんだけど、アカホシカクレエビ系も、ソリハシコモンエビ系同様にプイ~ン…と泳いでクライアントさんの体表に着地する方法をとる。
 
 いずれも小さなエビながら、エビちゃんにも五分の魂、暮らしの中で培ったサバイバルスキルは立派なもので、ダイバーを脅威と感じるよう学習したものは、近寄るダイバーをクライアント認定をしてくれないから、カメラを近づけると、胡乱な目でジッとこちらを見つめて様子をうかがうだけ。
 
エビちゃんプイ~ンプイ~ン。

 ところが同じアカホシカクレエビでも、ダイバー擦れしていないと、近づいてくるカメラをクライアントさんと誤解してくれるので、カメラにプイ~ン…と近寄ってきてくれるのだ。
 
 ワタシのチカラでは画像でこのプイ~ン感を表せないから、ちょっとばかし動画で撮ってみた。
 
 
 
 彼らはシゴト=食事をしに近寄ってこようとしているだけなのだろうけど、軽快かつ心地よさげにプイ~ンプイ~ンと泳ぐ様が、なんとも楽しげに見える。
 
 彼らがホントに遊んでいると思って眺めれば、エビちゃんたちの五分の魂をさらにビッグに感じることができるのだった。

 ところで、この日潜った航路すぐ脇のポイントは、干潮に向かっているタイミングだったものだから、リーフ内から…というか、昨夏浚渫工事をしていたところから、白い水が航路を通ってリーフ外に流出していた。
 
 半年間眠ったままでいた工事現場でさえこうなんだもの、ひとたび春から工事が始まってしまったら、今日どころの騒ぎではないだろう。
 
 ただし白い水がリーフの外に流れ出ることを、「騒ぎ」と感じるヒトはそれほど多くはない。
 
 おかげで今日も明日も明後日も、北部ドバカ事務所は心おきなく暴走し続けられるのだ。
 
 本気で怒る国民がいないからボンクラーノや脱法閣僚が好き勝手やっていられる日本政府…というのと同じ構図なのだろう。
 
 とにかく、波の音しか聴こえない夕刻のこの景色も、春から誰も味わえないものとなる。
 
エビちゃんプイ~ンプイ~ン。

 たとえ港の工事が中断することはあっても、その頃にはもうここに構造物ができてしまっているし、現桟橋東側のこの洋上にも防波堤が造られているだろうから、冬場でも夕刻に日が当たるこの波打ち際の景色は、残すところあとわずかな命なのである。

 立派な港と引き換えに失ってしまう代償は、言葉に尽くせないほど大きい。
 
 エビちゃんのようなスモールクリーチャーどころか、そこで暮らす住民の魂ですら五分ほどにも感じていないであろう北部ドバカ事務所生活破壊班が、シーズン中に島を訪れる観光客にとっての眺めなんぞに忖度するはずはないのだった。


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Posted by クロワッサン at 06:43│Comments(0)水納島の海吉田兼好
 
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