› 徒然海月日記~つれづれくらげにっき~ › 2012年09月
2012年09月28日
ラストチャンス
2012年 9月27日(木) 晴れ
北東の風 かなり波あり
台風17号のせいで、全52話の予定が13話で打ち切りになってしまったドラマのように、9月が中途半端に終了する。
先日なんて、台風前最後のゲストの面々で今シーズンラストのティーダタイムをしようと思ったら、一足早く生ビールの販売は終了していたし……(涙)。
そのティーダ本店の営業はもともと9月一杯までなので、この台風でジ・エンド。
その前に是非食べておかねばならないものがあった。
今シーズンの新メニュー、ソーキそばだ。
以前にもO野さんのブログに頼りつつこの稿でも紹介したことがあるソーキそば、今シーズンの営業も残すところこの日が最後という今に至っても、僕たちはまだ食べたことがなかった。
ラストチャンス!!
これがあなた………
激ウマッ!!
もちろんそば自体は自家製麺ではないけれど、出汁の馥郁たる味わいときたら、わざわざ長蛇の列に並んでまで山原そばで食べている「わ」ナンバーの人たちが、「超」のつくオロカモノに見えてくるほどだ。
ここにこんなに美味しい沖縄そばがあるのに、なんでそんなところで並んでんの??
てな感じ。
そのうえ具の軟骨ソーキがまたえもいわれぬ抜群の味&柔らかさ。さすが天下の(?)もとぶ食堂でじっくりコトコト煮込んであるだけある。
器が発泡スチロールの容器だから、海水浴客の中にはそこらへんのスーパーのフードコートで適当に売られている沖縄そばと同一視されている向きもあるやもしれない。
だからあえて言おう。
これまでいろんな店で沖縄そばを食べてきた我々が、自信を持ってオススメする逸品である!
今シーズン、パーラーティーダ本店がオープンしている季節にお越しになったにもかかわらず、一度もこのソーキそばを食べなかったヒトって、つくづく……
アホやなぁ!!(ププッ)<口を手で押さえて笑う声。
というか。
明日から閉店というときに、今さら宣伝しているヤツ<僕のことね。 のほうがよっぽどアホじゃね??
不覚にも未体験の方は来年是非!
2012年09月26日
リアル水掛け論
2012年 9月25日(火) 晴れ
北東の風 けっこう波ありのちかなり波あり 水温27度
どっちの領土か、なんて話は、当事者同士が行なったら水掛け論になってしまうのは当たり前。
でも…………
まさか本当に水を掛け合うとは。
まったくもう………。
他に手はないのか??
2012年09月25日
ついに出たッ!!
2012年 9月24日(月) 曇り
北東の風 けっこう波あり 水温27度
どんよりとした曇り空、おまけに北よりの冷たい風。
水温はまだ27度あるから海中にいればそれほどでもないんだけど、船に上がってからが寒い寒い。
我々はそうやって船の上で凍えているというのに、なんですか台風17号。ついにこの先の進路予報では……
895ヘクトパスカルッ!!
895って………。
ついに目にしてしまった気圧800の大台。ナンヨウハギ・チビターレならずとも耳を疑うことだろう。
さすがにそれがピークで、北上とともに中心気圧は上がっていく予報になってはいるとはいえ、本島に接近してくる頃にはどれくらい上がってくれているんだろう??
というか、今のところ日本の気象庁の予報はフィリピン・台湾方面に曲がっていくかのような予報を出しているから、それを見て安心しきっている本島在住もしくは滞在予定者がいらっしゃるかもしれない。
が。
アメリカーの進路予報では、あくまでもそこから急速ターン。八重山直撃のあとは本島へ向けて面舵一杯になるらしい。
今のところ、見事にロックオン状態。
ああ、9月も末だというのに、まだまだ続く巨大台風騒ぎ………。
2012年09月24日
全身全霊
2012年 9月23日(日) 晴れ
北のち北東の風 やや波あり 水温27度
議員選挙の候補者演説などで、よく耳にする言葉に「全身全霊をささげて……」というのがある。
が、当選した後、その言葉どおりに職務を遂行しているヒトがどれほどいるんだろうか。
そんな議員さんたちに教えてあげたい。
全身全霊を捧げるとは………
今日の日馬富士のことだ!!
いやあ、素晴らしかった。
相撲中継を見なくなって久しいけど、こういう取り組みが連日あったら、外国人力士だらけであろうとも、たちまち相撲人気は復活することだろう。
あ、そういう意味では、各議員さんも全身全霊を捧げているなぁ………>選挙運動に。
さてさて、熱い取り組みだった大相撲千秋楽とは逆に、どんどん秋の深まりを見せている海中では、このお魚さんたちも頻繁に見かけるようになってきた。
カツオの親戚、スマの群れ。
毎年秋になると集団でリーフ際を高速移動するお魚さんたちだ。30~40センチほどの魚、それも群れとなれば、105ミリのマクロレンズで撮る対象じゃないんだけど……。
彼らが行き来する姿を見かけるようになると、
秋ですねぇ……
…と季節を実感することができる。
このスマの群れ、リーフ際のかなり近いところを泳ぐことが多いので、秋になると目にする頻度はけっこう高い。
ところがみなさんそういう場所では下ばかり見ているから、たとえ直上をスマの大群が弾丸超特急で通過していても、いっさい気づかないまますべてが終わっていたりするのだった。
そんな秋をより一層深めそうな物体が接近中。
台風17号だ。
まるで蛇がのたうつようにニョロニョロと日ごとに変わるその予報進路は、次第次第に沖縄方面に延びてきた。
八重山直撃の後は………
え?カーブ??
なんだか、そろそろ本島もロックオンされそうな気配が漂っているんですけど。
今年の台風って、全身全霊を捧げて沖縄に襲来してるような気がする。
そんなに頑張らずに、当選後の議員たちのように力抜いてくださいよ、台風さん……。
2012年09月23日
法然さまの教え
2012年 9月22日(土) 晴れ
南の風 やや波あり 水温27度
ひょんなことから、パーラー・ティーダのジュンコさんから本を借りた。
五木寛之著「親鸞」&「親鸞 激動編」だ。
琉球新報にも連載されていたのでその存在は知っていた。
嫌いではないジャンルだから楽しく読んだのだけど、親鸞さまの師にあたる法然上人のほうがよほどステキな人物である、ということでジュンコさんと意見が一致した。
もっとも、物語は親鸞さま完成への道の途上なのだから、ヒトとしても宗教家としてもまだまだいたらぬのは仕方がない。
一方で、すでに完成している法然上人のほうが「人物」に見えるのもこれまた仕方がないことなのだろう。
かつての世の中には、仏の道に入ったヒトには、女犯、酒、その他いろいろ、タブーとされていることが山ほどあった。建前であれなんであれ、それが仏の道というものだったそうな。
ところが法然上人は、もしあなたが念仏を唱えるに際してどうしても必要だというのなら、お酒を飲んでもいい、女と交わってもいい、という具合に、それまで聖人君子にしか守れなかったであろう禁忌のいっさいを許容した。
当時法然上人の立場でそれを言うのは、今の世の中では想像もできないほどの勇気を必要としたのは間違いない。
で、その教えを額面どおり受け取った親鸞さまは、バカ正直にも本当に妻帯して以後の仏道を始めたのであった。
それで後には日本最大となる大教団の祖となるのだから、そちら方面の意味でも、浄土真宗門徒のみなさんは他宗とはいえ法然上人に感謝すべきではなかろうか。
さて。
クロワッサンのゲストのうち、その場にいらっしゃらなくても話題に上るゲストベスト(ワースト?)5に間違いなく入るバトルボーズさんは、その名のとおり本当にお坊様である。
浄土宗 浄念寺 副住職であられる。
浄土宗といえば、法然上人を開祖とする教団だ。
となれば当然、時代を超えて法然さまの薫陶を受けているバトルボーズさんは、その教えをきっちり受け継がれている。
だから………
でかッ!!
詳しくはこちらを…。
これをひと目ご覧になった方の中には、
坊主が殺生を、それも釣りだなんてとんでもない!!
とばかり、目くじら立てたり眉をひそめる方がいらっしゃるかもしれない。
が。
釣りを我慢することによって念仏の道が妨げられるくらいなら、いっそのこと釣りをおやりなさい。
法然上人ならきっとそうおっしゃるに違いない。
いわばバトルボーズさんは、極めて純粋に法然さまの教えに順じているのであった。
あ、ちなみに、法然上人は他者には許容されているけれど、ご自身は生涯を通じて、女犯なし、酒なし、その他いっさい煩悩の赴くところの娯楽なし、を通されたのは言うまでもない。
というかお坊様、でっかい容量の写真はいいですから、その釣果自体をお願いいたします。
2012年09月21日
サプライズ。
2012年 9月20日(木) うす曇りのち雨
北の風 おだやかのちけっこう荒れ 水温27度
朝はうす曇りながらもかなり穏やかな海況だった。
天気予報では、午後から雨模様になるようで、所によっては雷も、ということだった。
が、風も波も予報は穏やかなまま。
ところが昼過ぎから降り始めた雨とともに、海況は一変してしまった。
いきなり哀しみ本線日本海状態に。
もしゲストが10日間くらいご滞在予定ということだったら、ソッコーで「午後はやめておきましょう!」とお告げしていたであろう状況だ。
しかしこの日午後到着してから一本目を迎えるゲストがいらっしゃったので、大きな波を乗り越えて潜りに行った。
行ってよかった!!
なんとなんと
ウシバナトビエイ100匹の群れ!!
10匹までカウントしたその10倍の塊だったので、おそらく100匹はいたに違いない。
我が目を疑うとはこのことだ。
ただ、気がついた時点ですでに通過せんとす、というタイミングだったので、そこから猛ダッシュをかけてみるもウシバナトビエイは遠ざかるばかり。
そのため残念ながら、ゲストのコンデジにも証拠写真は残らなかった………。
それにしてもこんな大集団のエイたち、いったい普段はどこにいるんだろう??
100匹とは言わないから、せめて10匹ずつくらいでコンスタントに登場してくれればいいのになぁ。
あ、また台風が発生しました~!!
来週来沖予定の方は、台風情報にご留意くださいませ。
2012年09月20日
熱い秋見つけた
2012年 9月19日(水) 朝雨のち晴れ
北の風 ややうねりあり 水温27度
台風後は北よりの風が吹き続けているせいもあって、朝晩は肌寒いくらいにめっきり涼しくなってきた。
久しぶりに潜ってみると、水温も1度低下。
まだかろうじて素肌で海に飛び込もうという気になる温度だけど、あと1、2度下がったらきっと躊躇することだろう。
すっかり秋の気配に包まれた陸上と同様、海の中にも秋が訪れていた。
これ、なんだかわかりますか?
これはリュウグウベラギンポ(多分)。
日中は砂の上にチョコンと載っていたり、砂の中に隠れて目だけ出していることが多い彼らは、秋になるとこうして集団になって、中層でホバリングするようになる。
どうやら繁殖行動に関係しているらしい。
繁殖行動といえば、オスが俄然張り切るときでもある。
リュウグウベラギンポ(多分)のオスの普段の姿はこんな感じ。
しかし、ひとたび彼の恋モードに火がつくと………
カッコイイッ!!
ウナギのようにのっぺりした普段の姿からは、想像もつかないシャープなそのフォルム。
これならきっと、群れ集うベラギンポギャルたちもイチコロだろう。
それを知ってか知らずか、お気に入りの彼女に近づいては、アピールを繰り返す彼。
すっかり涼しくなった秋の海の中で、彼らリュウグウベラギンポは熱く燃えているのだった。
2012年09月19日
引いてダメなら押してみな
2012年 9月18日(火) 晴れ
北の風 うねりあり
渡久地港に避難させてあったうちの船をまた島に戻すため、連絡船に乗って本島へ。
港に着いてすぐに作業をしようと思っていたところ、船員さんたちから、渡久地港に停めてある車を、一度動かして洗っておいたほうがいいよ、とアドバイスを受けた。
台風16号の高潮で、渡久地港周辺の低地は水没してしまったのだけど、待合所の駐車場もけっこう水に浸かっていたという。
幸い水の量はそれほどではなかったそうで、せいぜいタイヤ下部が浸かっていた程度とのこと。
でも水は水でも海水である。
MI6のQが作るボンドカーならいざしらず、海水に浸かることなどその設計思想にまったく加味されていない普通自動車だから、放っておいたらこの先どうなるかわからない。
というわけで、急遽車を動かして真水をかけてあげることにした。
車を動かす予定じゃなかったから、キーなど持ってきていなかったものの、何かの場合に備え、普段から予備のキーを渡久地港の水納海運事務所に預けてある。
まさにこの日が「何かの場合」。
で、恐る恐るエンジンを掛けてみると快調に始動。
暖機を済ませてさあ発進!
………あれ?
動かない??
シフトレバーはRになっている。
サイドブレーキは解除してある。
アクセルを踏むとちゃんとエンジンの回転数が上がる。
なのに動かない。
駆動部の何かがどこかに引っかかっているかのような、変な感じだ。
こういうとき、うちの奥さんならすぐさまオタマサ化してしまうところだろう。けれど学生時代からずっと「壊れる車」に乗りなれている僕は一味違う。
まずは解決策その1だ。
バックがダメなら前進だ!作戦。
車輪止めにタイヤがかかっているとはいえ、前に進む動きをすると、何か変化が起きるかもしれない。
いわば、引いてダメなら押してみな。
すると………
ガコッ!!
という音がした。なんだかわからないけどとりあえず「手応え」アリ。
すかさずRに入れてバックさせてみると…
動いたッ!!
解決策その1で作戦成功してしまった。
しばらく駐車場内にて、前進後進ブレーキテスト。
大丈夫だ。
その後合計15分ほど走らせ、途中足回りを中心に真水をかけておいた。道中まったく支障なし。
原因がいったいなんだったのか結局よくわからないままながら、あのまま放置しておいたら次回車を動かそうというときどうなっていたことか………。
というか、このままで大丈夫なんだろうか??
2012年09月18日
台風一過。
2012年 9月17日(月) 無駄に晴れ
北西の風 大きなうねりあり
沖縄を過ぎた頃からスピードアップしたおかげで、今日は
台風一過!!
っぽい、気持ちいい晴れ間が広がった。
が、なにぶん大潮で満潮時の潮位がハンパではなく、おまけに巨大なうねりがあるために連絡船は欠航。
そういう意味では、実に無駄な晴れだ。
そうはいっても、あれほどの巨大な台風が過ぎ去った後のこと、仮に連絡船が朝から運航を再開してしまい、お客さんが大勢来島してくるなんてことになったら、困るのは我々島民であるのは言うまでもない。
台風の後は、まずは各家の復旧作業。
被害はなくとも掃除はしなければならない。また、台風対策モードから通常モードに戻さなければならない。
台風明けにやらねばならないことは目白押しなのだ。
そして午後は共同作業。
なにしろとんでもないストロング台風だったから、桟橋から続く坂道の上は艦砲射撃でもくらったかのよう。
そして桟橋に続く道の上には、前回どころではない砂が…。
台風ドピークだった昨日の朝に、決死の覚悟で桟橋の様子を眺めに来た(なんで?)コーラルリーフのヤスシさんによると、海岸から先は一面海で、桟橋がいっさい見えない状態だったという。
そのせいで、うちの船を停めるためのロープが、キチンとビット代わりの鉄筋に巻きつけてあったにもかかわらず、その鉄筋ごと流されてしまっていた。
それだけでも、今回の高潮の凄さがおわかりいただけよう。
というか、我々が停電中に情報からシャットアウトされている間に、全国区で本部町渡久地港周辺の映像が流れていたらしいから、ストロング高潮の様子はみなさんのほうが詳しいかもしれない。
ちなみに、海洋博と桜祭り以外のネタで、本部町がこれほどメディアに露出するのも珍しい……。
まぁいずれにしても、ものすごい台風の後に見る光景ってのはいつ見ても凄まじいもの。
しかし今回何に驚いたって、これ以上のものはなかった。
これ、リュウゼツランの株。
本来は島の海岸斜面に密生している、サボテンのような植物だ。
それらの一部が風と波で吹き飛ばされ、ビーチの上に津波石のように点々と転がっていた。なんだか異世界の荒野を見る風情だった。
これまでにも「ものすごい台風」を数々経験してきたけれど、こんな光景は目にしたことがない。
いやはや………よくもまぁ生き延びられたものだ、我々。
機関長キヨシさんによると、幸いにも渡久地港に避難させてあるうちの船も無事に浮いているそうなので、とりあえず台風による被害はほぼゼロといっていい(渡久地港に置いてあるプチトマト号も、タイヤ下部までの浸水で済んでいたらしい)。
被害は無かったけど……
今回を含め、今年これまでの台風で飛んでしまった売り上げがあれば、来たるオフには楽勝で再びシチリアまで遊びに行けたのにッ!!
そう考えるとかなりの被害だよなぁ………。
あのぉ、サトウキビ農家に対するような県の補償はないモンですかね?<ありません。
2012年09月17日
号外
おかげさまで、今回もなんとか生き残りました!
前回は見掛け倒しの拍子抜けだったのですが、今回は沢村賞なみの本格派。いやはや、久しぶりの超暴風域。
これでコースが島の西側を通っていたら……………
………今頃死んでます(笑)。
また、今回の台風では島の電線はがんばってくれていたので、風がストロング級になってもかなり耐えていたものの、16日朝6時にいきなり停電。
停電ってそもそもいきなりでしょ?
…という方はまだまだ甘い。
島内の電線に折れた枝が乗っかってしまったとか、一箇所電線が切れてしまった、という場合、危険につき沖電が故意に電気を止める、ということによって発生する停電の場合は、一度停電があったあと、すぐに電気がつき、その後5分~10分後くらいに本当の停電に突入する。
これから停電になりますよ、と前もってお知らせしてくれるわけだ。
停電といえば、たいていそういうケースなのだ。
ところが今回は、予告なしのいきなり停電。
こういう場合、その原因は本島側にあると思っていい。
一時は名護・本部でかなりの大規模停電だったらしいから、復旧までまた時間がかかるに違いない。
それでも、原因が本島側にある場合に便利なことがひとつ。
連絡船が運航を再開する前に、復旧作業が始まっているのだ。
おかげで今回の停電は、今朝未明3時過ぎに復活。
沖電下請け作業員のみなさんは、夜通し復旧作業を続けておられたのである。感謝。
とはいえネット関係の通信機能は回復せず。
これはひょっとして島側にモンダイがあるのあかなぁ…と覚悟していたら、これも今日11時過ぎに復活。
こうして島の生活は、ほぼ元通りになった。
というか、渡久地港近辺の惨状を聞くかぎりでは、島のほうがよっぽど平穏無事だったようだ。
連絡船の待合所にある駐車場も、とっぷりと水に浸かっていたらしいし……。
前回は見掛け倒しの拍子抜けだったのですが、今回は沢村賞なみの本格派。いやはや、久しぶりの超暴風域。
これでコースが島の西側を通っていたら……………
………今頃死んでます(笑)。
また、今回の台風では島の電線はがんばってくれていたので、風がストロング級になってもかなり耐えていたものの、16日朝6時にいきなり停電。
停電ってそもそもいきなりでしょ?
…という方はまだまだ甘い。
島内の電線に折れた枝が乗っかってしまったとか、一箇所電線が切れてしまった、という場合、危険につき沖電が故意に電気を止める、ということによって発生する停電の場合は、一度停電があったあと、すぐに電気がつき、その後5分~10分後くらいに本当の停電に突入する。
これから停電になりますよ、と前もってお知らせしてくれるわけだ。
停電といえば、たいていそういうケースなのだ。
ところが今回は、予告なしのいきなり停電。
こういう場合、その原因は本島側にあると思っていい。
一時は名護・本部でかなりの大規模停電だったらしいから、復旧までまた時間がかかるに違いない。
それでも、原因が本島側にある場合に便利なことがひとつ。
連絡船が運航を再開する前に、復旧作業が始まっているのだ。
おかげで今回の停電は、今朝未明3時過ぎに復活。
沖電下請け作業員のみなさんは、夜通し復旧作業を続けておられたのである。感謝。
とはいえネット関係の通信機能は回復せず。
これはひょっとして島側にモンダイがあるのあかなぁ…と覚悟していたら、これも今日11時過ぎに復活。
こうして島の生活は、ほぼ元通りになった。
というか、渡久地港近辺の惨状を聞くかぎりでは、島のほうがよっぽど平穏無事だったようだ。
連絡船の待合所にある駐車場も、とっぷりと水に浸かっていたらしいし……。
Posted by クロワッサン at
12:09
│Comments(4)
2012年09月15日
嵐の前に。
2012年 9月14日(金) 晴れ
北東の風 おだやかのち少し波あり 水温28度
刻々と迫る台風16号。
明日から連絡船が欠航すること必至の状況の中、この日島を訪れていた日帰りのお客さんは台風などどこ吹く風とばかり……というか、台風のことをご存知の方がどれほどいらっしゃるのだろうかって心配になるくらいに、今日はごくごく普通の夏の1日になっていた。
そうはいってもうちの船は、連絡船が運航している今日のうちに渡久地港に避難させておかなければならない。
この日本来ご予約をいただいていたゲストの方々は、潔く来沖自体をキャンセルされた賢明な方々ばかりなので、ゲストの都合に左右されることなく船を回航できる。
なのでその前に、一本潜っておくことにした。
超ストロングな台風が去った後は、陸も海中もすっかり秋になっていることだろう。いわば今日は、最後の夏の海。
……なのだが、この日の目的は小さなスズメダイだった。
前日ゲストをご案内していた際にリーフ際で見つけた、アツクチスズメダイの幼魚を是非撮りたかったのだ。
アツクチスズメダイは本来内湾環境を好む魚なので、水納島でのボートダイビングでは滅多に見られないスズメダイだ。それがいい感じでテーブルサンゴを縄張りにしていたので、これを逃す手は無い。
というわけで、パシャッ。
ブルーのラインがけっこうきれいでしょ?
大人になると、その名のとおり分厚くなる唇には愛嬌があるものの、色彩的には非常に地味になるアツクチスズメダイ。
やはり注目すべきは幼魚の頃だ。
アツクチスズメダイチビターレも、やはりケーキ屋ケンちゃん的魚の一種なのであった。
ね?チビターレ君。
一方うちの奥さんは、わりと深いところでこんなものを撮っていた。
ホヤに乗っかっているセボシウミタケハゼ(?)。
撮っている間、よくウミタケハゼが逃げなかったなぁ…と写真を見ながら感心していたら、なんとなんと、ホヤの右下側にハゼ君の卵が!!
なるほど、卵を守っているから逃げないわけね……。
というわけで、翌日から激荒れ激台風に豹変するとはとても思えない、実にのどかなダイビングなのだった。
そして、この夏最後(?)の1日が終わった。
アツクチスズメダイチビターレは台風後も無事だろうか。
ウミタケハゼの卵は無事に孵化するだろうか。
そして……
はたして明日、無事にこの稿を更新できるのだろうか?
Posted by クロワッサン at
07:41
│Comments(0)
2012年09月14日
900
2012年 9月13日(木) 晴れ
北東の風 ベタ凪ぎ 水温28度
900!!
ついに出た、ジャスト900ヘクトパスカル。
先だっての史上最強騒ぎの際には、このままじゃそのうち800代の数値を示す台風がやってくるかも、なんて言っていたものだけど、「そのうち」はノダソーリの「近いうち」とは違い、かなり早くなりそうだ。
もっとも、16号に関しては今現在が最強段階で、このあと北上するにつれて気圧は上昇するという予報になっている。
ホントか??
というか、上昇するっていったって、沖縄本島付近でようやく920ヘクトパスカルってあなた………。
3連休を狙い済ましたように発生&北上を開始したこの台風、さらにはその進路まで沖縄本島を狙い撃ち。
しかもアメリカー予報は、ジワリジワリとその進路予想の直線が本島に近づいてくるではないか。
この季節、連絡船から桟橋に下りてくる学生ゾロゾロ軍団が、ビーチをひと目見て必ず口にする「ヤバイッ!!」は、本来はこういう時にこそ使うべき言葉であることを思い出した。
それにしても、なんで今回は前回のように騒がないんだろう??
前回は大騒ぎしたわりに見掛け倒しだったから、気象台やマスコミは自粛していたりして。
コース的には、水納島に限らず前回よりも今回のほうがかなりやっかいそうなんだけどなぁ…。
あとはもう毎度同じことの繰り返しながら、なるべく遠い遠いところか、1ミリでも東側を通ってくれることを祈るしかない。
まったくもう、一昔前なら5年に1度クラスの強力台風、いったい年に何度来たら気が済むんだ……。
2012年09月13日
目の前のオニヒトデ
2012年 9月12日(水) 晴れ
ほぼ無風 ベタ凪ぎ 水温28~29度
あらかじめお休みをいただいていた日に限って、超ベタ凪ぎ。
来たる連休は台風による大荒れになることを思うと、なんとも無駄な凪ぎではある。
せっかくなので、店を開ける前の時間帯で潜ってきた。
どれほど穏やかな海かというと、これくらい。
バカボンパパが近所の公園の水飲み場から見上げる空のようだった。
真上を見上げるとそこには空が広がる。しかしやや斜め上を見ると……
水面にもサンゴ礁♪
これが春のように日中に潮がもっと引いてくれれば、水面に映るサンゴももっと色鮮やかになるんだけど、あいにく
~♪風立ちぬ 今は秋……
なのだった。
ところで。
こうして見ると、一面どこも健全なサンゴって雰囲気を醸し出している。
が、実際はレンズを向ける方向を考えなければならない。
こういうふうになっている箇所がやたらと多いからだ。
サンゴは白いもの、と勘違いしておられるズー・ニー・ヴーのような方々にとっては、むしろ茶色っぽく見えるサンゴのほうが変に見えるかもしれないけれど、本当は白いほうが異常なのだ。
これは、オニヒトデに食べられて骨格だけになったサンゴ。
死んでしまって骨格だけになったサンゴは、放っておくと数日でコケだらけになる。さらに日が経つと、岩と変わらなくなる。
こうして真っ白ってことは食べられたばかりってことで、すぐ近くにオニヒトデがいることが多い。
カメラを手にしていても、こういうサンゴを目にすればオニヒトデチェックは欠かせない。
が、なまじサンゴが大きくなっているせいで、サンゴの裏に隠れてしまっているオニヒトデには手も足も出ず、けっこうフラストレーションが溜まる。
そこでこの日は、ストロボをつけているアームに、かつて海で拾った短めのタコフック(?)をくくりつけ、「オニヒトデ逐次抹殺計画」を発動した。
そして、上の一連の写真を撮っている間にオニヒトデを発見すること13匹。もちろんすべてターミネイトしておいた。
さほど広くもない範囲に13匹もいるんだから、全体で見るといったいどれほど………??
いつまでも あると思うな サンゴ礁。
こうして局地的にオニヒトデを退治することに関して、大局的に見るとそれは適度な間引きになってしまって、かえってオニヒトデを増やす元になる、という話もある。
もっともな話なのかもしれない。
が。
今まさに鳥に食われんとする飢えた少女が目の前に。
あなたならどうする?
写真に納めてピューリッツァ賞を受賞するか。
それともただちに彼女を救出するか。
少女1人を助けても、かの地の飢餓問題の根本的な解決につながるはずもない。その問題を世に訴えるなら、写真のほうが圧倒的に威力がある。
でも、だからといって………。
オニヒトデにはなんの罪もないことは百も承知しているものの、白化から10年かけてようやく復活したサンゴを食べているオニヒトデを目の当たりにすると、とても「大局的」な見地に立つことはできないのだった。
2012年09月12日
ウフミースイミー
2012年 9月11日(火) 晴れ
北東の風 おだやか 水温28~29度
15年前なら砂地の根の随所に大きな群れを見せてくれていたキンメモドキなのに、近頃はすっかりレアな魚になっている(いたとしても小さな群れ)。
そんななか、毎年キンメモドキがたくさん群れてくれる場所が一ヶ所ある。
ただし真夏がその魚影のピークなので、なかなか写真を撮る機会はないのが玉に瑕。
春に行ったらまだ生き残っているハタンポが弱々しく群れているだけだし、秋以降になると残存部隊って雰囲気になってしまうのだ。
そうはいっても、年に何度かピーク時にカメラを向けるチャンスはある。
この日久しぶりにキンメ君をチェックしてみたところ、お盆の頃の爆裂ピークほどではないものの、それでも立派な群れが残っていた。
今年もカメラを向けるチャンスがあった。そしておそらく、台風後には様相が一変しているだろうから、最初で最後のチャンスになるだろう。
そしてカメラを向けたら向けたでやっかいなのが……
………どう撮ってもいつも同じようになってしまうってことなのだった(涙)。
群れをかき分けるように派手なハタがいてくれたり、群れの真ん中に悩殺ビキニのおねーちゃんがいてくれたりすれば話は別なんだろうけど。
おまけに誰の邪魔をしているわけでもないから時間無制限に撮ってしまうため、同じような写真がまるでコマ送りのフィルムのように溜まってしまう。
うーん、何か一味違う写真にするいい方法はないだろうか……。
あ、ひとつだけ方法があった!!
「ぼくが、目になろう」
スイミー BY レオ・レオニ。
あ、言うまでもなくPhotoshopによる加工ですよ(汗)。
2012年09月11日
縮緬奴
2012年 9月10日(月) 晴れ
北東の風 おだやか 水温27~28度
このところずーっと穏やかな海況が続いているので、ナニかの前の静けさなのではなかろうか……とビビッていたら。
台風、連休直撃っすか??
まだ熱帯低気圧段階なので日本の予報はお茶を濁している程度だけど、アメリカーのはすでに雄々しく一本道を描いている。
それも本島接近コースで。
しかも3連休のタイミングで。
たとえこの台風で何も飛ばなかったとしても、クロワッサンの経営状況はふっ飛んでしまうことだろう………。
台風のバカッ!!
今年も数々の台風が来たけれど、営業的には百害の台風も、海の中にはときおりステキな置き土産を残していってくれることもある。
先日から確認されている、この魚もそのひとつだ。
ご存知チリメンヤッコ。
図鑑的にはさほど珍しい魚というわけではない。ただ、生息場所に条件があるのか、少なくとも水納島周辺では滅多に見られない魚だ。
ちなみに水納島在過去17年で、出会いは1匹だけ。
学生時代によく潜っていた本島西海岸の各ビーチエントリーポイントでも稀な魚で(今は知らない)、せいぜい真栄田岬だかどこだったか、いつも見られる個体がいる程度だった。
その一方で、学生時代に海洋博水族館のバイトで水族館の周辺海域の魚類相調査をしていた頃(というとエラそうだけど、僕は魚の専門家のバディになる、というだけの仕事)、渡久地港沖の現在マグロの養殖を行なっているあたりのパッチリーフには、この魚がウヨウヨいてビックリしたことがあった。
いるところにはいるのだ。
そのため、台風で大時化になると、何かの拍子で水納島まで流れ着いてくる子がいるってことなのだろう。
今見られるこのチリメンヤッコも、周辺にはまったくオトモダチがいないようで、たった一匹で暮らしている。
おそらくもっと小さな頃からこのあたりに住んでいたんだろう。どうせだったらチビちゃんを拝んでみたかったけれど、あいにくすでにほぼ成魚サイズになっている。
2012年09月10日
向日葵
2012年 9月9日(日) 晴れ
東の風 おだやか 水温27~28度
クロワッサンのブロードバンド伝道師O形さんは、一方で面白い生き物図鑑布教活動家でもある。
ただ見せていただけるだけじゃなくて、当店に寄贈してくださるものだから、なかなか大型書店に足を運ぶ機会がない我々には大変ありがたい。
ひところ流行った「ちょっといいですかぁ?」のモルモン教徒ですら、聖書をわざわざ置いていく人たちはいなかった。O形さんの布教活動がいかに筋金入りかお分かりいただけよう。
今年もそんな布教活動で、面白い図鑑や本をいただいた。
なかでも無脊椎動物全般を広く一般向けの面白話として綴られた新書は、ついにこんなものが新書で登場する時代になったか、と隔世の感を抱かせるとても面白い本なんだけど、それについては後日いずれ触れることがあるだろう。
今回の主役は、もう一冊の面白い図鑑だ。
その名も「スズメダイ」。
すでに世の中には、ハゼに特化した図鑑があるとはいえ、今度はスズメダイ類だけに的を絞った内容で図鑑一冊(ちなみにクマノミもスズメダイ類です)。
まぁ、随分潜りこんでおられる方々の中には、今さらスズメダイ……という方もいらっしゃるかもしれないけれど、やはり注目すべきは最新情報だ。
先日店番している最中にその図鑑をパラパラめくっていたところ、見慣れぬ名前に目が留まった。
これまでコガネスズメダイで統一されていたものの、「ちょっと違うんじゃね?」とあちこちで言われ続けていた南方系のものが、ついに別種とされたのだ。
↓この魚。
そしてその名は
ヒマワリスズメダイ♪
………保育園かよ。
と一瞬思ってしまったけれど、たしかに黄色い魚に対して黄色を連想させる名前をつける、ということではてっとり早い。
もっとも、同じく黄色ってことで名前がついてるヤマブキスズメダイのほうが、どちらかというと「向日葵」って感じなんだけどなぁ…。
というわけで、つい最近まで一部の方にコガネスズメダイとご案内してまいりましたこの魚、以後はヒマワリスズメダイってことでよろしくお願いいたします。
ああ、またお魚コーナーを変更しなきゃ……。
2012年09月09日
健在?
2012年 9月8日(土) 晴れ
東の風 おだやか 水温27~28度
7月になったかならないかくらいの頃、手のひらよりも小さくて、赤く輝くように美しいタマイタダキイソギンチャクに、小さな小さなハマクマノミが着いているのを見つけた。
その後それをじっくり撮ろうと再訪した際には、ハマクマノミチビターレの姿は消失していた。
儚い命………。
…と思っていたのだけれど、この日念のためにもう一度チェックしてみたら、ハマクマノミチビターレは健在だった。
単独でイソギンチャクに着いているハマクマノミの幼魚は、色が成魚同様にクッキリハッキリしていて、なおかつ白線が3本→2本→1本という変遷をたどる。
このチビターレ君はまだ3本線のままだ。
うーん、でもなかなか全身を露わにしてくれない。
もういっちょ!
よっこいしょ!
そこッ!!
…………これが限界(涙)。
1センチちょいほどのチビターレとはいえ、キビシイ自然界で今日まで生き延びてきただけあって、そうおいそれと全身を露わにしたりすることはないようだ。
それにしても、最初に観たときから2ヶ月経って、ほとんど成長していないってのはどういうわけだろう??
単独で暮らすクマノミ類の幼魚は、フツーなら順調に成長していくものなんだけどなぁ。
途中姿を消したように見えたのは、気のせいじゃなくて本当にいなくなっていて、実は代替わりしているってことなんだろうか………。
2012年09月08日
目。
2012年 9月7日(金) 晴れ
東の風 おだやか 水温27~28度
連日穏やかな海が続いている。
何の前の静けさなんだろう??
ゲストをひととおり案内して船の近くに戻ってきてからのフリータイムで、チョコッと石をひっくり返してみたら、こういうものが出てきた。
撮影:オタマサ
ニグラだ。
水納島ではこれまでうちの奥さんが2度ほど観たことがある程度で、僕は一度も出会ったことはなかった。
ちなみにこの生き物、左側が前です。
かつて訪れたモルディブのヴィラメンドゥでは、けっこう頻度高く出会えたこのニグラ、そのサイズは3~4センチもしくはさらにでっかいものだったのだけど、この日観たこの子はわずか1センチほどのチビターレ。
冴えない色ながら、妙にカワイイ。
残念ながらガイド中なのでちゃんとしたカメラは持っていなかったから、遊びで潜っていたうちの奥さんに撮ってもらった。
すると、意外な事実が発覚。
その事実とはこれだ。
撮影:オタマサ
なんと彼らには目があった!!(矢印の先)
拡大してみよう。
触角の上にチョコンとついている。
これはどう見ても目だよなぁ……。
ここに目があるとわかった途端、ニグラ君の表情はまったく別のものになるのだった。
2012年09月07日
The Student Rises
2012年 9月6日(木) 晴れ
東の風 おだやか
7月から公開されている映画「ダークナイト・ライジング」、観たいとは思いながらも、夏休み期間じゃさすがに無理だよなぁ……と半ば諦めていた。
ところがさすがヒット作、夏休みが終わって9月になってもまだ公開中だ。
が、6日まで。しかも1日1本の上映のみ。
おっ、うちは6日はお休みだ!!
というわけで、5日の最終便で島を出て、その日唯一の上映回を観るため、ひとっ走り美浜まで行ってきました。
ダークナイトとはもちろんバットマンのこと。
バットマンなんてしょせんマンガだろ?と思っているあなたはまだまだ甘い。
夏休み期間に公開されているとはいえ、アメリカ本国で子供も観られる映画にするためおねーちゃんのおっぱいシーンなんて微塵もないとはいえ、これはれっきとした大人向けの映画だ。
というか、子供が観てわかるのだろうか??
そして、僕がこの10年間観た映画の中で、あらゆるジャンルを超えてナンバーワンの超絶傑作だった前作「ダークナイト」の続編である。いくら同じスタッフで作るからといって、あれを超えるモノは作れまい。
ということを前提に観れば、やはり今回も力作。荒唐無稽のお話を異常にリアルに見せる演出&映像は健在だった(ホントにRiseするとは思ってもいなかったけど)。
ああ、劇場で観られてよかった………。
それにしても、2時間45分ほどの長尺映画の上映が19時45分からって……。
観終わって定宿船員会館に着いた頃、すでに時刻は夜11時過ぎ。
軽く一杯飲もうにも、気の効いた店はそろそろ店仕舞いの時間帯じゃないか。
えらく喉が渇いていたので、生ビールを飲みたいという欲求を抑えられず、うーん、この時間でビールだけ飲めるところって………
そんなあなたにうってつけの店が、「名護そば」のハイウェイ食堂だ。
24時間営業のこのお店、そばをはじめとする食堂メニューに加え、オリオンのジョッキ生も普通に24時間飲めるのである。
というわけで、ジョッキ片手にそばを食いつつ、一人寂しく過ごす那覇の夜なのだった。
で、この日昼前に島に戻ってきた。
11時30分の便は、ビッシリ学生だらけだ。
なんだか、巣鴨と間違えて原宿に来てしまったおじいのごときいたたまれなさ………。
8月いっぱいまでの客層とはガラリと変わり、ビーチには若者たちの姿が溢れるようになった。
それもこれも、ほとんどの大学の夏休みが8月9月ということになっているからだ。
まぁしかし、その昔から「日本で最もバカな世代」と言われ続けた大学生グループのアホさといったら……。
もちろん自分自身も学生時代、「アホさ」にかけたら人後に落ちなかった(?)のはいうまでもない。
ただし、島に日帰りで訪れる今の大学生たちと決定的に違うのは、我々は圧倒的にビンボーだったってことだ。
仮に本土に住んでいたとして、夏休みに気軽に沖縄旅行なんてありえなかったことだろう。
だから当時のアホな学生は、アホはアホなりにいろいろと工夫して、「客」という扱いよりはむしろ「手伝い」的な存在として扱われつつ、その代償として低料金で済ませてもらい、なんとかバカンスを成り立たせていた。
そんなビンボー旅行に比べると、今はあらゆる業界のそもそもの設定が超低料金になっていることもあって、チョコッと小銭を溜め込んだ学生たちは、フツーに「客」としてリゾート地にやって来る。
バカな学生といえば今も昔も社会的な「人」としては未完成な存在だ。でも、「手伝い」として扱われつつも低料金で過ごす、といったような社会勉強(?)を経ることによって、少しずつ「人」として出来上がっていく。
ところが今のダンピング社会では、学生たち(特に都会の大学)は社会的に未完成のまま「客」としてやってくる。
これはもう、日本語が通じるということ以外(それもかなりアヤシイけど…)、中国人団体旅行客とさして変わらない。つまり、一人一人はいいヒトかもしれないけど、団体になると手がつけられなくなるって意味で。
学生なんて、「オイ」、「お前」的扱いで充分なものを、その需要に合わせたダンピング社会は、そんな彼らをも上を下にも置かないお客様としてチヤホヤするのだ。
ウーム………なにか間違っている。
以前までならそこから先は、社会というキビシイ現実の中で、「人」として完成形に近づいていくことになるのだろう。
ところが近頃ときたら、パワハラだのウツだのといった声が喧しく、入社早々出社できなくなる子たちもけっこういるときく。
それもこれも、学生時代の彼らを、社会がチヤホヤしすぎるからにちがいない。
日本再生のためには、まずは学生を「オイ」「お前」扱いに戻すことが必要なのだ。
その一方で、同じ学生でも思わず目を見張るほどに優秀な子たちもいる。
学生の団体で来島しているにもかかわらず、事前にネットでうちの店の存在を知り、わざわざ一人で買い物に来てくれる素朴な青年とか、ビーチで潜ってフリソデエビを発見してしまうことか。
うーん、バカ学生と優秀な学生の決定的な違いってなんだろう??
あ、わかった♪
クロワッサンの売り上げに貢献してくれているかどうかという違いだ(爆)。
Posted by クロワッサン at
08:39
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2012年09月05日
ビーチの女王?
2012年 9月4日(月) 晴れ夜のはじめに雷雨
東の風 やや波あり 水温27~28度
一昨年あたりから、クロワッサンのゲストに「チーム・タオ」が結成されている。
タイにあるタオ島をホームグランドにしておられる方々が、ちょっとした機会を経て水納島にもお越しくださるようになったからだ。
酒を飲むためにやって来ているのか、という人が多いなか、彼らチーム・タオは素晴らしくダイバーそのもので、海の生き物に対する探究心は、その爪の垢でも煎じ、そのへんで飲んでばかりいる多くのゲストの酒に混ぜ込んでしまいたいくらいだ。
そんなチーム・タオの精鋭部隊である梅・竹コンビには、一部でモーホー疑惑が持ち上がっていた。
アザラシ&アシカさんの奥様などは、彼ら梅・竹コンビがご到着日をずらしているのも、お帰りの飛行機の便が違うのも、きっと偽装工作に違いない、などと、疑惑どころか確信を抱いたままお帰りになってしまったほどだ。
その確信を裏付ける写真がこれだ。
なんと彼らは誕生日が1日違い。
それもご滞在中に………。
せっかくなので、「2人で初めての共同作業」をしていただいた。
そんなチーム・タオ梅・竹コンビがご滞在中に、新たなチーム・タオメンバーが合流予定だった。
きっと雰囲気からして年配のおとっつぁんゲストに違いない。
うーむ、この梅・竹コンビとはいったいどういうカンケイなのだろう??
様々な憶測が飛び交うなか、ついに3人目のチーム・タオメンバーが合流。
そしてその方は…………
ジョシダイセイッ!!
え゛!?
まさかの展開にうろたえてしまった我々。
しかしきっとアザラシ&アシカ奥様は、それでもなお「これも偽装工作に違いない」と言い張られるかもしれない…。
タオ島にひと月間ほど滞在してダイビング修行をしていたこともあるというジョシダイセイMさんは、ダイビング総本数中に占めるタオ島の割合がハンパ無く多いため、そこで観られる生き物以外はまだ観たことがないというものが多い。
そのため、チーム・タオとして水納島で数日潜っていたにも関わらず、
「ワタシまだガーデンイール観たことが無いんです…」
え??
だって昨日、ヤシャハゼ撮っていた傍らにウヨウヨいたよ??
ということもママあるわけだ。
そんな彼女も、探究心溢れる梅・竹コンビに感化され、いつしかエビカニ方面にも興味が湧いてきていたらしい。
(あ、ちなみに「この発見」のキッカケを作ってくれたのは彼女です)
もちろんその探究心は1日2本では飽き足らず、毎夕ビーチにも潜る彼ら。
そして………。
Mさんにとって島での最後のダイビングになったビーチで、
「こういうのがいたんですけど………」
と、ゆんたくタイムにコンデジの画面を見せてくれた。
まぁ、彼女にとっては珍しくとも、我々にとっては見慣れたいつものヤツだろう……などと高をくくりつつ見てみると。
撮影:ジョシダイセイMさん
フ………フリソデエビッ!?
3日前にその存在を知ったばかりというこのエビを、よりによってビーチで潜っているときに発見!!
恐るべき「持っている」度………。
一方。
一緒に潜っていた梅・竹コンビも、Mさんに教えてもらって実際に海中でご覧になったそうなのだが。
特に竹さんは、生き物探究心がこのところエビカニに特化しつつあり、なかでもフリソデエビは見てみたいエビの相当上位にランク付けされておられるので、連日目を皿のようにしてこの姿を追い求めていたという。
そんな彼も、ついにフリソデエビを目の当たりに!!
が。
千載一遇のチャンスだったにも関わらず、彼に残されたエアーは、チラ観しか許してくれなかったのだった。
恐るべき「持っていない」度………。
そんなわけで、翌日Mさんが帰ったあとの梅・竹コンビは、リベンジとばかりに前日フリソデエビがいたところを重点チェック。
でもそこはそれ、「持っていない」度が高い人が探しても、居るものすら出てこないに違いない。
案の定、昨夕あれほどサービス精神が旺盛だったらしいフリソデエビカップルは、微塵も見えずにジ・エンド。
こうしてMさんが撮ったこの写真が、貴重な1枚になったのだった。
それにしても、ビーチの帝王コスゲさんも、ビーチの公爵かねやまんさんも、一度としてビーチではご覧になったことがないフリソデエビ。我々ももちろんのこと。
いったいどうやったら見つけられるんだろう。
その答えは……
思無邪(思い邪無し)。
つまり我々には無理ってことね……。