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2017年10月31日
ノーガード5時間半。
2017年 10月30日(月) 晴れ
北の風 時化模様
本土に木枯らし1号を吹かせた気圧配置は、沖縄には強烈な北風を終日吹かせ続けた。
そのため、台風が遥か彼方に去ったというのに、連絡船は欠航のまま。
翌日にはようやく風もおさまり、どうやら連絡船も通常運航を再開する見込みではあるけれど、気がつけば10月最後の日なのだった。
各業者は、この1日のためだけに日帰り客受け入れ態勢を整えるのだろうか……?
とはいえあくまでもシーズン中のこと、桟橋から続く石畳道とシャワー・トイレ棟前に溜まった砂は、例によって連絡船が復旧する前に人力で排除しなければならない。
この日のうちに連絡船が復旧するわけじゃなし、作業は午後1時からということになった。
午後1時からなら、パソコン仕事をしながらプレイボールから観つづけていたワールドシリーズ第5戦も、さすがに試合終了になっていることだろう……
…という予測は甘かった。
そろそろ掃除に行かなきゃ、という時点で試合はまだ7回裏のアストロズの攻撃の最中。しかもスコアは8-8の同点。
決着がつくという意味ではここから最も面白くなるというのに、ああ、掃除に行かなきゃならないなんて……
作業自体は人海戦術で1時間ほどで終わったので、すぐさまテレビをスイッチオン。
でもまぁ、いくらなんでももうゲームは終了してるだろうなぁ、と諦めつつ画面を見てみると…
…まだ9回表のドジャースの攻撃だった。
砂をせっせと排除している間に両チームとも得点を重ねていたため、試合時間が一層長引いていたのだ。
とはいえスコアは12-9でアストロズがリード。
いかに点を取りあう展開とはいえ、9回表で3点差はキビシイだろう…
…と思いきや、あれよあれよという間にドジャースが同点に追いついた。
そんなこんなで、結局延長10回裏のアストロズのサヨナラまで観終えることができた。
試合時間は5時間30分。
ワールドシリーズ史上2番目の記録になったそうな…。
だからといって、試合時間が長くなったことに文句を言うヒトなどほとんどいない。
そりゃそうだ、こんなノーガードで打ち合うボクシングのような試合、我々のようなシロウトが観ていて面白くないわけがない。
そんな歴史に残るゲームをほぼほぼすべて観ることができたのも、ひとえに台風22号と季節風のおかげである。
この台風&季節風のためにご来島を断念されたゲストのみなさんの涙の陰に、ワタシのささやかなシアワセあり。
世の中何が幸いするかわかりませんなぁ……。
2017年10月30日
海自の本領。
2017年 10月29日(日) 午前中一時雨のち晴れ
北の風 時化模様
それまで10月だというのに夏のようだった季節は、前回の21号が去ってすっかり秋になってしまった。
今回の22号が去り、休む間もなく季節風が吹きつけると、日中はともかく朝などは上着を羽織らないと寒いほどに。
あっという間に秋が去り、すっかり冬になってしまった。
季節の移ろい変わりはともかく、台風21号のせいで19日に2本潜ってから渡久地港にボートを避難させたあと、結局一度もボートを海に戻すことなく今日に至っている。
連絡船はといえば、19日の最終便以後欠航し、24日の最終便で島に戻って来たのも束の間、再び26日朝イチの便を最後に欠航になったままだから、20日以後で日帰りのお客さんが島に来ることができたのは、25日の1日だけということになる。
その25日も本来であれば欠航していてもおかしくない海況だったことを思うと、下手をすると10日連続で日帰り不可だったかもしれないのだ。
10月になるとどうしても冬の訪れを告げるミーニシがどこかで一度は吹くものだから、台風が来ずとも季節風による欠航が数日くらいはあるのがフツーではある。
ところが近年はその時化模様の頻度が高まり、月のうちちゃんと稼働できる日が年ごとに減っているような気がしていたのだけれど、まさか2週連続の台風&季節風の合わせ技で後半が丸ごとつぶれてしまうとは。
シーズン終了間際に季節風が吹いてしまい、尻切れトンボで当店のダイビングシーズンが終了してしまう、ということはちょくちょくあった。
でもまさか、10月の後半がごっそり失われてしまうとはなぁ……。
これだったらいっそのこと、10月半ばをもってシーズン終了にしていたほうが、乗り切った感とかやり終えた感とかその他モロモロ、充実感とともにオフシーズンに入れたものを。
ま、営業的な損失は結局のところトータルするといつものことだから、そのあたりは気分のモンダイでしかない。
それよりもなによりも、10日も続けて休業状態になっていると何が困るって、太ってしまうってこと。
普段は昼食を摂らない生活をしているワタシながら、台風中にはランチビールを飲んでしまいたくなるため、いつもは食べない昼食タイムが生まれてしまう。
たいして動いていないのに摂取量が増えれば、太ってしまうのは当たり前。
でもせいぜい3、4日程度のちにはまた働き始めるから、またすぐに元に戻るはずだったのだ。
ところが今回は長すぎ。
<だったら昼飯やめりゃあいいじゃん。
でもあなた、暴風中に家から出られない時ともなれば、昼からビールでも飲んでないとやってられないじゃない。
……って、晴れてる時は晴れてる時で、ひと仕事終えたからビールでも、ってなるんだけどね。
もっとも、ランチビールとはいっても主食は非常食になることが多い。
非常食とはすなわちインスタント食。
たとえ停電してもお湯さえ沸かせれば食べることができるインスタント食品は、台風時には欠かせない非常食として、常に常備しておかなければならないものなのである。
それをご存知のゲストが、カップ麺や各種缶詰などをドドンと送って下さったりするおかげで、シーズン中は停電が一ヶ月続いても耐えられるくらいに非常食が潤沢にある。
ただし。
カップ麺、缶詰とはいっても、賞味期限はちゃんとある。
マッドマックスならドッグフードであっても賞味期限を気にせずムシャムシャ食べるだろうけど、文明人としてはそのあたりはキチンとしておかねばならない。
だから台風中は、選り取り見取りのカップ麺がお昼ご飯、ということも多いのだ(そこにひと品ふた品オタマサが足してくれるけど)。
同じく非常食として使えるものに、レトルトカレーがある。
これまたワタシがバカのようにキレンジャーネタを書くものだから、様々なゲストが折に触れ各地のご当地カレーをお土産にくださるおかげで、レトルトカレーだけでもひと月以上過ごせるほどに在庫が豊富だ。
おかげで、沖縄の僻地の小さな島にいるだけで、全国各地の様々なご当地カレーを知った。
なかにはリピート率など一切気にせず、すなわち味そのものは二の次で、ネーミングとビジュアルのインパクトだけで売り出しているものもある。
これもいわゆる「インスタ映え」狙いのひとつなのだろうか。
そんな商品が多々ある一方で、伝統とビジュアルとを双方活かしたモノもある。
カレーといえば、旧日本海軍時代から定番の艦内メニューで、それは現在の自衛隊にも脈々と受け継がれているという。
そして近頃では、自衛艦ごとにそのカレーの味を競い合うコンテストまであるそうで、旧海軍時代から日本の海上艦の基地の街でもある佐世保では、海上自衛隊佐世保地区の自衛艦が自慢のカレーを競う、最強カレー決定戦まであるというのだ。
その名も…
GC1グランプリ
一般参加者が試食して投票する方式だそうで、そのグランプリに輝いた名作が、各艦調理担当者監修のもと、ことごとくレトルトカレーとなって販売されている。
そのセットがこちら。
さわぎり、あまぎり、くらまにこんごうと、海上自衛隊が誇る名だたる艦名がズラリと勢揃い(くらまは今年退役しました)。
いやほんと、カレーはいいから北からの飛翔体を打ち落としてくれよ自衛隊……
…と言いたいところながら、どうやらビーフカレーが主体のこのシリーズ、艦によってさほどの違いがあるのかどうか、この10日間にわたる台風休みの機会に試してみることにした。
ジャン!
こんごう対あまぎり。
具材はほぼほぼ似たような構成ながら、色の濃さが異なる両者、はたして味の違いはあるのか……
おお……たしかに違う。
それでいてどっちも美味しい。
これに優劣をつける投票など、ワタシにはとうていおぼつかないくらいに。
やっぱカレーは、中身はフツーに見えながらそこはかとなくしっかりしみじみと滲み出る美味しさにこそヨロコビがあるのだ。
だからこそ、何度でも食べることができるというもの。
自衛艦の艦内食メニューで、毎週オホーツクカレーが選択の余地なく出てきたら、おそらく暴動が起こって反乱騒ぎになるに違いない…。
一方。
佐世保と同じく、旧海軍時代から日本海上艦艇の一大基地であり続けているのが神奈川県は横須賀。
横須賀もやはり負けてはいなかった。
世の中にはこんなものまで出ているのだ。
なにやら人気ドラマを全話収録したDVD全巻セットのような品名のこの商品は、中身がカレーとは思えないほど重厚な箱である。
その箱を恐る恐る開けてみると……
うわッ……。
まるでその昔少年たちが競って集めたプロ野球選手カードのような、各種艦艇写真のオンパレード。
こうなるともはや、食べ物というよりはほぼコレクションアイテムといっていいかも。
食べたあとにパッケージを捨てるのがもったいない…というよりも、すべて揃った箱のままキープしていたほうが上等に見えるから、随分前にいただいたにもかかわらず、なかなか手が付けられないまま今日に至っている。
11月になって季節外れの台風でも来るようなら、ついに横須賀自衛艦も出航!!となるかもしれない……。
2017年10月29日
台風の目。
2017年 10月28日(土) 暴風雨
東のち北西の風 時化模様
日中のほぼすべての間、暴風域に覆われることになった今回の台風。
夜中に吹き荒れるのと日中に吹き荒れるのとでは、やはり日中に吹き荒れるほうがまだ心理的プレッシャーは少ない。
しかも。
急速に発達したからかイキがいいからか、この程度の勢力の台風にはそぐわないほどに、今回の22号には大きな台風の目がきれいにできあがっていた。
台風の進路のほぼど真ん中だったこともあって、本島地方はすっぽりとこの台風の目に入って、水納島では昼前から午後3時前までの3時間ほど、平穏な時間を得ることができた。
おかげで薄日も差すなかガメ公は餌を食べることができたし…
海もすっかり穏やかになっていた。
薄日が差すほどだから我々も食後の散歩をすることができ、先ほどまで激しい風浪にさらされていたはずの海辺を歩けたし…
桟橋にだってフツーに立っていられる。
まさに絵に描いたような台風の目である。
慣用句でいうところの「台風の目」といえば、物事の中心的存在として周辺に影響を与える注目の存在、という意味のはずだけど、実際の台風の目は、なんとも穏やかに平穏なやすらぎと癒しのヒトなのであった。
やがて再び暴風圏内になると、風向きは北西~西へと変わり、我が家あたりは直接吹きさらされることに。
ただし速度が速いおかげで夜には暴風域を抜け、たちまち強風域からも抜けた。
今回も大きな被害で出ずに済みそうでよかったよかった。
とはいえ先週今週と立て続けの台風のせいで、旅行のご予定を狂わされた方は多いはずで、身の不運を嘆いておられることだろう。
不運といえば、このタイミングで地上に現れたこの方々も相当不運ではある。
天気が良い日であれば12月まで鳴いている、ジーワジーワことクロイワツクツク。
セミといえばたいていの場合、成虫となって地上で過ごすのは1週間から2週間ほどだというから、このセミもまた短いオトナ時代の命を、その限られた期間に燃やし尽くしているのだろう。
でもなかにはその限られた期間が先週と今週の台風に重なってしまったモノもいるはずで、地上生活ではほぼ台風しか知らないまま、この世を去ることになるモノも多いに違いない。
お天気のいい2週間であれば思う存分鳴きつくし飛びまわれたであろうところ、飛ぶに飛べず鳴くに鳴けない暴風の最中。
それもあってか、台風の目に入った途端、ヤケクソのように大合唱するクロイワツクツクたちなのだった。
2017年10月28日
バカまじめ。
2017年 10月27日(金) 一日中小雨パラパラ
北東の風 時化模様
本島直撃コースで迫りくる台風22号。
何度も触れてきたとおり、同じ直撃でも台風が西側を通るのと東側を通るのとではまったく話が違ってくるから、時々刻々と微妙に変化する進路予想のディテールを固唾を飲んで見守っている我々。
今のところなんとか水納島の東側を通る予報だから、風向き的には島の住宅街(?)に直接の被害は無さそうだ。
ただし、また北~北西から吹きまくりそうだから、ビーチの砂は一層桟橋脇に溜まりそうだけど……。
秋の台風ということもあって足早に過ぎ去ってくれそうで、30日頃には台風は沖縄から遥か彼方の位置にある模様。
ただし。
その後待ってましたとばかりに大陸から高気圧が張り出してくるから、今度は冬の季節風が容赦なく吹きつけることになる。
もちろん、連絡船の運航は無理。
NTTの修理担当業者から、意外に早くお電話をいただきはしたものの(県内北部業者も忘れはしなかった)、修理に来てもらえるのは当分先の話になりそうだ。
さて。
郵便局のゆうパックで、品名記載における不備を理由に荷物が平気で遅配されてしまう、ということが相次ぐようになっている昨今。
船便に回されてしまっても大丈夫なように、10日くらい前から発送しておけば安心とどれほどお伝えしていようとも、陸続きの感覚で4、5日前に発送するゲストは数多い。
そしてその荷物の品名記載に不備があると、場合によっては本人に何の連絡もないまま船便に回され、ご滞在中に荷物が間に合わないということになる。
窓口でちゃんとOKをもらったのに…
…という声も耳にするけれど、そもそも窓口がいくら大丈夫と判断しても、最終的にX線検査を受ける段階でダメだしが出ると、容赦なく船便に回されるのだから、実際のところ窓口にはなんの権限もないのだ。
しかしX線検査係にはユーザーからなんのクレームも届かないから、その件で巷に充満している不満や苛立ちなどどこ吹く風、これからもいくらでもダメだししてやるぜ!とますます鼻息が荒くなっているに違いない。
一方で可哀想な窓口はクレームの窓口でもあるため、なんとか利用者にキチンと品名を記載してもらうべく、近頃は随分と周知に力を入れるようになっているようで、品名記載における注意事項を明記したチラシまで用意されている。
そのうえ本部郵便局では、手作りの↓こういうものまで用意して、ダイビング業者や宿に直接配布してくれているのだ。
「うらも見て下さい」とあるけれど、裏側は全国の郵便局で見ることができる印刷物だから、ご覧になりたい方は郵便局へGO。
それにしても、品名を詳しく記載しろというわりには書く欄があまりにも狭いし、その限られたスペースに「無いモノ」を明記しなければならないってのはどうなのよ。
その他いろいろツッコミどころはあるものの、ともかくもこう書けば航空便でOKらしいから、みなさんにおかれましては来シーズンに向けて参考にしてくださいませ。
…ま、10日くらい前から発送しておくのが最も無難と思いますけどね。
…というか、来シーズンのクロワッサンがどうなるかわからない現状で、ゆうパックのノウハウだけお知らせしてもしょうがないか。
はたしてこの台風後の砂やいかに?
2017年10月27日
散歩の季節。
2017年 10月26日(木) 晴れ
北東の風 かなり荒れ
やればできるんじゃん、と言ってはみたけれど、実際には出港の度に、ロープを駆使してなんとか回頭しつつの苦肉の策をずっとしていたそうな。
前夜宿泊していた方々、島外に出なきゃならない島の方々を大勢乗せたこの日朝島発の便の離岸の際も、前日同様の作戦でなんとか離岸するスタイルに。
でも前日に比べ風向きがやや東寄りだったものだから、回頭して船首を進路方向に向け、さあフルスロットルで前進!!というときに船はどんどん桟橋に近寄ってくる。
高速船はそもそも喫水線が浅く、例えて言うなら空の盥に帆を張っているようなものだから、ちょっとした風でたやすく流されてしまう。
だから回頭して前進した位置はバッチシでも、前へ進み始める前にどんどん桟橋方向に流されてしまうのだ。
で、なんとか舵で水路の中央を維持している間にも、船尾が大きく弧を描いて桟橋に大接近!!
ああ……ぶつかる!!
と、桟橋まで見送りに来ていた十数名全員が固唾を飲んで見ていると、ギリギリのところで桟橋にぶつかることなく、水納丸は雄々しくも無事に出港したのであった。
スリル満点鳥肌全開、まるで映画のワンシーンのようなアトラクション(?)。
普段の生活で連絡船の欠航に不便を感じているとはいえ、こんなことを毎回やらなきゃならないくらいなら、やればできるじゃなくてやらないほうがよっぽどいいと、桟橋にいた誰もが納得したのは言うまでもない。
さて、これで連絡船は当分の間欠航するわけだけど、それはもちろん迫りくる台風22号のせい。
ほんの4、5日前には「熱帯低気圧はこのまま衰弱する見込み」と呑気に告げていた気象庁の予想だったのに、気がつけば沖縄直撃コースになっているじゃないか。
気象庁の見込みの甘さはアベノミクスなみである。
すでに10月も末だから、台風自体がそれほど発達しないし、沖縄付近にしてはわりと早めに通過するというのがせめてもの救い。
とはいえ直撃コースともなれば、呑気に構えてはいられない。
久しぶりの暴風域、停電も視野に入れておかなければなるまい。
文明生活を送れるのは、どうやら明日までとなりそうだ…。
なのでこの日は、雨もまだ降っていないことだし、この方にも台風前のシアワセを味わってもらっておくことにした。
沖縄の春と秋がこの種類のカメにとって最も過ごしやすいのか、連日朝夕ごとに柵の中で暴れ倒しているガメ公。
例年だったら10月はもっとヒマだから、こうして散歩する機会はもっと多かったところながら、おかげさまでゲストが途切れなかったために、柵の中で暴れるだけに終始していた彼である。
それがここにきてようやくヒマになったので、前日に続いてこの日もお散歩に。
なんだか得意気な顔をしている。
ガメ公を柵の中から出して散歩をさせ始めた数年前は、ともかくどこまでもどこまで行くぜ俺は!的に闇雲に歩いていたものだったけれど、最近はある程度ルーティンになっている散歩コースができていて、ある意味縄張りチェック的なお散歩でもある。
そのお散歩コースには…
…マサエ農園畑2号のそばも含まれている。
シーズン中、長い間ゲストにご好評をいただいていたオクラは、夏の終わりころに終了したかと思われたものの、その後気候が良くなったからか追肥が効いたのか、結局シーズン終了まで頑張ってくれた。
そんなオクラも、来たる台風で強制終了ということになるだろう。
やがてここは、再びニンニク畑となる予定。
ちなみに、奥にいるオタマサのさらに向こうにある緑は、カンダバーと呼ばれるイモの葉。
台風時にはカメさんたちの主食である桑の葉がみな枯れてしまうから、そういう場合の非常食用にと昨オフに植え付けたものだ。
非常食用だったのに、今夏はあまりの少雨のせいでイモの葉までが非常事態になる、という危機を乗り越え、再び青々と茂ってくれている。
今回の台風後にも、ちゃんと活躍してくれることだろう。
ところで、ガメ公はこういう開けた土地が大好きだから、以前までだったら反射的にズカズカと畑に乗り込もうとしていたはず。
でも最近は、それほど執着していない場合に限られるとはいえ、ワタシの「ダメ!」という言葉の意味を解しているらしく、ちょっと畑に入ろうかな…と体の向きを変えかける時に一言そういうと、ガメ公は思い直してまっすぐ歩き続ける。
ガメ公、なにげにちょっぴりおりこうさんになっているのだった。
2017年10月26日
コールセンターコール。
2017年 10月25日(水) 晴れ
北東の風 激荒れ
この日は大陸の高気圧の張り出しと、南から接近する台風22号との合わせ技で、侮れない風が吹くこと必至の状況だった。
にもかかわらず、前日の沖縄気象台の予報では、風はあくまでも「やや強く」でとどまり、海上の風速は13メートルほどであろうという。
でもこれ、どう考えてももっと激しく吹くと思うんですけど。
一夜明けると、天気予報は前日のことなど何も無かったかのごとく、風は「強く」、海上の風速は15メートルと朗らかに告げていた。
これじゃあ間違いなく連絡船は欠航だなぁ…。
と思いきや。
船長セイゴウさんのもとへ状況をうかがいに行くと、
「今日は通常運航って言っちゃったからなぁ…」
この日は本島日帰り業者の修学旅行が入っていて、前日その業者に運航可能の旨伝えてしまってあるため、今さらどうにもならない、ということである。
というわけで、フツーであれば余裕で(?)欠航になっているはずのところ、この日は臨時便も含めてすべて頑張り切った連絡船。
なんだ、やればできるじゃないか。
この海況で運航できるのであれば、冬場の季節風による欠航は80パーセント減間違いなしだ。
…が。
空気を運ぶためだけに無理をするはずはないのであった。
さて、オトナの事情のためにこの日は頑張って動き続けた連絡船ではあるけれど、迫る台風に勝てるはずはなし。
翌日26日朝イチで島を出たあと欠航、という沙汰が、この日発表された。
台風の影響下に入るのは27日くらいから、そしてそのあとは大陸から高気圧が張り出してくる。
かろうじて29日にいったんゆるむかもしれないものの、おそらく30日まで欠航ということになるんじゃなかろうか。
ということは。
台風21号接近のために、ダイビングを終えてボートを避難させに行った19日が、事実上の今シーズン終了日ってことになりそうだ。
まさかホントにそうなるなんて……。
そんな連発台風のドサクサに、よりによって…というか、だからこそというか、この日朝、いきなり電話がおかしくなってしまった。
一応かすかに通話音は聴こえるものの、とんでもなく激しいノイズが宇宙からのメッセージのように入ってしまって、とてもじゃないけど使用不能に。
コールセンター方式になって久しいNTTの故障関連受付に電話し、録音メッセージに吹きこむ。
その後2時間弱くらいして、NTTからレスポンスがあり、イントネーションからして九州のおねーちゃんであること間違いなしの女性が親切に対応してくれて、原因は電話機ではなく配線上のなんらかのモンダイであることも確認してくれた。
おねーちゃんは今すぐにでも修理業者を派遣するような勢いだったから、これが本島だったらたちまち業者が来て修理完了というところだったろう。
しかしここは、連絡船でしか本島と行き来ができない離島。
この時はもう日帰りで来るには遅すぎ、しかも翌日から連絡船はしばらく欠航。
おそらく水納島の「み」の字も知らないであろう九州(大分かな?)のおねーちゃんに事情を説明しつつ、台風欠航中に修理業者から直接連絡をもらえるようにし、台風明けには修理に取り掛かってもらえる段取りで進めてもらえることとなった。
でもしばらく先の話になるから、忘れられはしないだろうか。
「忘れないでくださいね」
「けっして忘れません!」
文字だけ見ると、なんだか会話が妙な方向に流れているような気もする、コールセンターレディとのお話なのだった。
ま、コールセンターらしく真実一路的誠実なおねーちゃんはその言葉どおりけっして忘れないだろうけど、コールセンターから連絡を受け、実際に当方に連絡してくる予定なのは県内業者だからなぁ…それも名護あたりの。
…忘れられそう。
ちなみに電話は携帯に転送されるようにしてあるので、電話連絡は可能な状態です(ただし島内ではほぼ「携帯」していないので、家にいないと出られないのは普段と同じですが…)。
同じ壊れるのであれば、連絡船が欠航しないときに壊れてくれればいいものを、冷蔵庫にしろ電話にしろ、日常的に使用しているものは、決まってこういう時に壊れてしまう。
その昔流行ったマーフィーの法則は、今もなお生き続けているのである。
来たる台風欠航中、歯が痛くなったりしませんように……。
2017年10月25日
ボリュームアップ。
2017年 10月24日(火) 晴れ朝一瞬雨パラパラ
北東の風 荒れ模様
昨夕の最終便で連絡船が島に戻って来ていたから、この日は朝から通常モードの運航。
これでゲストの予定が入っていたら、渡久地港で上架してあるボートをすぐさまおろし、ただちに島に戻ってダイビング…
…となるところだけど、幸か不幸かこの日は夕方にご到着予定のゲストのみだったから、慌てず騒がずのんびりと船を下ろす作業……
…となるところだけど、幸か不幸か…いや、不幸にも、翌日は時化る見込み。この日到着されるゲストのダイビングの予定は明日のみなのに、どうやら海況はダイビングどころではなくなりそうだ。
おまけに新たな台風まで接近してくるとなれば、何も慌てて船を下ろす必要はない。
というわけで、この日はせっかく上架してある機会に船底塗料を塗ることにし、塗料を買いがてら名護まで買い出しに出かけた。
名護にいる間にお昼時になった。
なんだか無性にモヤシを食べたくなったから、ここはひとつ前田食堂の牛肉そばでも…
あ。
火曜日は前田食堂の定休日じゃないか。
かくなるうえは……
伊差川食堂のあぐーそば@780円。
モヤシ食べたい…という衝動的欲求は、たちまち満たされたのだった。
ところで、たしかにもともとてんこ盛り系メニューではあるけれど、今年の1月に食べた際にはこうだった。
なにやら巷ではモヤシまで高値になっているらしきウワサがあったから、同じメニューでも価格据え置きでモヤシは減少ってことになってるのかなぁ…という心配はまったくの杞憂。
むしろ海底火山が噴火したかのごときボリュームアップの呈ですらある。
これで前田食堂なみに塩コショウたっぷりの味付けだったら、個人的に無敵のやる気メニューになること請け合いだ。
午後には本部に戻り、予定どおりペンキ塗り。
アサヒペンのCMソングを歌いたくなるような絶好のペンキ塗り日和だったおかげで作業は滞りなく進み、これで年明けくらいまでは船底につく藻の心配をしなくても済むようになった。
で。
船底塗料を塗ったはいいけれど、はたして今シーズン中に海の下ろすチャンスは巡ってくるのだろうか?
翌日は連絡船が欠航しそうなほどに時化る見込み。
27日からは台風が接近。
台風22号が足早に過ぎ去ったとしても、その後は例によって大陸から高気圧が張り出してきたら数日時化が続くと思われる。
うーむ……。
ま、ゆっくりワールドシリーズが観られそうだから良しとするか。
<良くないって!
2017年10月24日
なし崩し的ジ・エンド?
2017年 10月23日(月) 晴れ一瞬雨パラパラ
北東の風 時化模様
台風は本土まで到達したものの、大陸から張り出してきた高気圧が冬の季節風を吹かせ続けていたため、この日も風は強く波は高いまま。
連絡船は夕方の最終便で4日ぶりに戻ってくるのが精一杯だったから、日中は台風対策の後片付けをするのにもってこいの1日となった。
そして午後になると、石畳の坂道やシャワー・トイレ棟の砂除去の共同作業があり、堆積したパウダーサンドは……
ほぼほぼクリア。
人海戦術ってすごい……というほどの人数がいたわけではないんだけど、とにかく道に溜まった砂も含め、約1時間で片がついた。
一方、桟橋上に溜まった砂は……
班長ヤスシさんがユンボで排除。
人海戦術も凄いけど、重機のパワーは半端ではない。
ちなみにこのユンボは水納班が購入したもので、燃料代ももちろん水納班購入のもの。
町道である石畳道にしろ、本部町の建造物であるシャワー・トイレ棟にしろ、砂除去作業に賃金が出るわけではないし、ユンボの使用料なり作業料なりが役場の担当部署から出るわけでもない。
桟橋周辺の維持管理を担当する港湾の管理部署であれ町道を管理する部署であれ、担当課長なんてデスクで1日鼻くそをほじっているだけで給料が出ているであろうことを思うと、なんだか腹立たしい。
彼ら1人分の年収でもっと遥かに立派なユンボを購入することができるし、彼ら1人分の退職金だけで、道路上に砂が溜まるそもそもの原因である桟橋脇に溜まった砂を、いったい何度移動できるだろうか。
予算が無いと言って何もしないことが仕事になっている彼らに支払われている給料は、無駄な税金の使い道の最たるものなのかもしれない。
ともかくこうして溜まった砂を除去すれば、連絡船復旧後はまたお客さんに快適にご利用いただける。
そしてもちろん、大勢の日帰り客を連れてくる本島日帰り業者のみなさんも、快適に仕事ができるのであった。
そこだけ考えると、なんだか無性にやるせない……。
ところで、作業ついでに桟橋脇に溜まった海底の砂を再び確認してみた。
この日の朝までは絶望的に溜まってしまっているように見えていたんだけど、まだ満潮時のため、砂が撹拌された白い水のためにそう見えていたようで、ある程度潮が引いてから見てみると、砂の堆積は思いのほかギリギリのところで堪えていた。
これだったら、まだうちのボートを泊められるかも。
…と安心しかけたのも束の間。
南の海上から迫る、新たなる脅威。
数日前の気象庁の予報では、このまま衰弱する見込みですなどと甘々な予想をしていたけれど、その間もしっかり台風まで発達して北上すると予報していた米海軍台風情報を真似るかのように、この日になってようやく台風まで発達、そして北上する予報に変わった。
それでもまだ甘そうな日本の台風進路予想に比べると、アメリカーの予想は再び大東島付近を通過する見込みになっている。
となると。
あらかじめ休みにしてあった26日こそ一時的に気圧配置は緩みそうながら、25日はまた時化る予報だし、27日以降は台風が接近してくるし……
あれ?
クロワッサンのシーズンはすでに終わっている??
月末には今シーズン最後の賑わいをみせるはずだったのに、どうやら獲らぬ狸になりそうな気配が濃厚だ。
みなさん、また来年お会いしましょう……。
…って、その来年がどうなるか。
せっかくギリギリのところで踏みとどまってくれた砂の堆積。
すでにビーチ上の供給源はほぼほぼ無くなってはいるけれど、さらにこのあと同レベルの台風が同じ風を吹かせまくったら、いったいどうなることやら。
現在のまま推移すればともかく、来たる台風でどうなってしまうか微妙なので、結論はペンディングということでご了解ください。
2017年10月23日
砂害。
2017年 10月22日(日) 晴れ時々雨パラパラ
北西の風 時化模様
台風が最接近したこの日も、結局日中はときおり雨がパラパラ降る程度で、晴れ間が広がるお天気に。
おかげで畑2号の草刈りはできるし、普段やれないカメの世話もできた。
しかし雨が降らない代わりに、やっかいなものが降ってくる。
砂だ。
何年か前のストロング台風3連発のために、どこかの落選議員ならずとも「ハゲ!」と言いたくなるほどにハゲチョロケになってしまった防風林は、その後も枯れたままなので、それまでしっかり食い止めてくれていた海岸の砂をすっかりスルーしてしまうようになっているのだ。
そのため今回のように北寄りの風が強く吹く台風だと、家が埋まるほどではないにしろ、デッキの上にうっすらとパウダーサンドが堆積してしまうのである。
ま、うっすら程度だから水で流せばすぐに片付く程度ではある。
それでは済まないのが、桟橋から続く石畳の道。
完全に砂の通り道になってしまうから、沿道にあるシャワー・トイレ棟などは、ほれ、このとおり。
これを人力で除去しなければならない。
小さな写真で見ると大したことないけれど、実際に間近で見て作業のことを考えると絶望的になる。
こうして砂が溜まるのは、桟橋脇にドドンと堆積したまま放置されている砂のせいであるのは自明で、堆積した砂を放置したままにすると決めているのは本部町役場&北部土木事務所。
でもこうして町道に、そして公共の建物に堆積してしまった砂を除去するのはもちろん島民。
田舎の住民はおうおうにして、ボケスカタンな行政の尻拭いをさせられるのである。
ところで。
北~北西の風がずっと吹き続けていた今回の台風。
折悪しくずっと大潮だったこともあって、波濤の威力はとんでもなく、ただでさえ風浪でえぐられていたビーチの西側は、さらに砂が掻っ攫われてしまった。
その砂がどこに行くかというと、いうまでもなく桟橋の脇に。
この風向きで吹く台風が来たら終わるだろうともともと覚悟していたとおり、桟橋はさらに埋まってしまった。
今シーズンクロワッサンの船を停めていた場所も、もはや潮が引くとどうしようもない状態に。
桟橋の西側でボートをフツーに横付けできるのは、もはや先っちょの1隻分のスペースのみ。
シーズン中ともなれば20隻近い船が接岸するこの桟橋で、その片側のスペースがこんだけになってしまうと、さすがにもうどうしようもない。
本島から来てただ立ち寄るだけならどうにかなっても、そこを母港にして営業するのは極めてムツカシイ。
…という窮状を本部町役場&北部土木事務所に訴えれば、とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれないけれど、利で動くことはあっても、けっして理では動かない人たちを相手に、いくら理を説こうが暖簾に腕押し糠に釘。
それぞれのポッケに100万ずつ入れてあげれば話は早いんだろうけど…。
ともかくこれまでのようにダイビングのシゴトを続けられるかどうかの瀬戸際に立たされることとなった今、来シーズンのご予約を呑気に受けつけている場合ではなくなってしまった。
というわけで、すでにお受けしているご予約はなんとかするけれど、来シーズンどうするか当方が決めるまで、当面ご予約はお受けしないことにいたします。
毎年有難くも気の早いご予約をくださる皆様におかれましては、あしからずご了承くださいませ。
これで廃業ということにでもなったら、本部町役場と北部土木事務所の入り口を、大量の砂で埋めてやるしかない……。
2017年10月22日
再登場。
2017年 10月21日(土) 晴れ時々雨夜から本降り
北東の風 時化模様
風の強さ的には冬の季節風が吹きつけている程度で、しかも日中はおおむね晴れないし曇り空だから(ときおり雨は降る)、冬の時化の日のような雰囲気で推移している今回の台風。
少なくとも陸上生活では困ったことが起きそうにないし、先月の台風時のように冷蔵庫が壊れたりもしないから、とても快適に過ごせている。
そして時間があるおかげで、こういうものに手をつけることもできる。
ご存知、パンダダルマハゼ玉ストラップ。
今年初登場のパンダル玉だったけど、夏休みに入る頃にはほぼほぼ売り切れてしまい、その後追加が出てくることはなかった。
それがここにきてようやく再登場。
って、シーズンもそろそろ終了でダイバーの来店者がほぼいなくなる今頃になって出てきても……。
もっとも、意外にもノンダイバーの方にもお買い上げいただいたこともあるから、オフシーズンでも案外需要はあるかも。
今回再登場した3個が無くなると、次回は来年以降になりそうだから、ご希望の方はお早目に♪
2017年10月21日
新たなる既知。
2017年 10月20日(金) 晴れ時々雨パラパラ夜から雨
北東の風 時化模様
台風21号はまだ遠いところにあるのだけれど、この台風の進路を沖縄本島地方から東へと逸らせてくれる大陸の高気圧との合わせ技で、冬の時化ほどに荒れた海況となったこの日。
それでも日中は真夏のような日差しが降り注いでいたから、昼食後カモメ岩の浜まで散歩してみたら、暑さで倒れそうになってしまった。
…ランチビールのせいともいうけど。
午後も遅い時間になるとさすがに雲に覆われるようになったので、台風対策をする際に暑さで倒れそうにならずに済んだ。
そんなこんなで、おおむねのんびり過ごせた台風休み初日。
もちろんのこと海には行っていないけど、せっかくだからこの機会に、先日オタマサが撮影したウミウシネタを2つほど紹介しておこう。
まずはこちら。
産卵中のモザイクウミウシ。
夏場でも見かけることがあるお馴染みのモザイクウミウシながら、産卵中のシーンはひょっとすると初めてかもしれない。
ちなみに二重の半円を描いている黄色い部分が卵塊で、実際はグルグルと渦巻き状態で産みつけられている。
上のような小さい写真じゃわからないから卵塊の一部をでっかくしてみると……
ちゃんと粒々になっている。
この一粒一粒のうちのどれくらいがオトナまで育つことができるんだろうか。
さて、モザイクウミウシとは異なり、まったく初見なのがこちらのウミウシ。
オタマサによると、レモンウミウシがよくついている黄色いカイメンに妙な突起があったから、なんだろうとファインダーで覗いてみたらウミウシだったという。
なにしろこの小ささである。
下の肌色部分は、オタマサの人差し指の先。
こんなに小さいモノともなると、クラシカルアイになっている方が多いクロワッサンのゲストのこと、たとえそこにいると言われても「見えない…」という方がほとんどだろう。
見えるか見えないかという時点でいっぱいいっぱいなのだから、そのうえウミウシの種類が何かなんてことはこの際どうだっていいかもしれないけれど、そこで終わってしまっては、人類の進歩の道は閉ざされてしまう。
はて、このウミウシはいったい誰?
レモンウミウシに似ているけれど、触角が黒いからそれは当初から除外していた。
ところが、レモンウミウシには触角が黒いバージョンもあるというではないか。
ってことは、このチビターレはレモンウミウシのチビチビ??
レモンウミウシといったら、シーズン中にはチラホラチラ…と毎年観つづけて20年余。
にもかかわらず、触角が黒いタイプとの出会いは、23年目のシーズンにしてこれが初めてのことだ。
海ってホント、日々是発見。
だからダイビングはやめられない。
2017年10月20日
出羽の酒、信州の米。
2017年 10月19日(木) 晴れ時々雨パラパラのち曇り
北東の風 うねりあり 水温28度
20日の連絡船は、朝イチで島を出る便があるかどうか、ということになっていたので、我々のボートはこの日のうちに渡久地港に避難させておかなければならない。
なので午前中のうちに2本潜り、午後はボートの上架作業&期日前投票に。
結局連絡船は、この日午後5時の便で渡久地港から戻ってきた後、おっとり刀で渡久地港まで避難していった。
すなわち、翌朝の便は消滅。
そのため、台風で予定を蹴飛ばされるにしても、せめて今宵を最後の晩餐にしてから翌朝島を発てれば…と望んでおられたドリアン佐藤さんの願いは、儚く露と消えさった。
やはりタコの祟りかもしれない…。
そして我が家には、ドリアン佐藤さんの置き土産として、山形の銘酒の数々がたっぷり残ることになってしまった。
※写真は置き土産のごく一部です…
おまけにこの日、佐世保ブラザースから、待望の甘口醤油が届いた。
食べ慣れない方には賛否両論あるこの九州北部地方独特の甘口醤油、刺身はこれじゃなきゃダメ!!というほど嗜好しているわけではないけれど、これはこれでイケると思っているワタシにはうれしい逸品。
台風で連絡船が欠航する前に届くなんて、なんて心得ているんだ佐世保ブラザース!!
一緒に届いた長崎の銘酒ともども、ありがたく賞味させていただきます。
旨い酒はある、ひと味違う醤油もある、となれば、当然今宵はお刺身天国。
買い出しついでにさしみ亭に立ち寄ったオタマサが、あれやこれやをウハウハと買い込んできてくれた。
いやあ、なんだかバラ色の食卓♪
ところで、銘酒に欠かせない米はお酒用に作られている酒米だけど、食べて美味しいのはやっぱり食用の米。
なかでも新米ときたら、銘柄は何であれとにかく美味しいことこのうえない。
そんな新米を、ドドンともたらしてくださったのは、いつの頃からかなしくずし的にチームウロコムシの一員にされてしまったA嬢である。
仕事柄、おかげさまでいろんな方々から津々浦々の美味しいモノを頂戴しているとはいえ、ビニール袋にドドンと大量に入った新米をいただく機会はそうそうないけれど、A嬢のご実家は信州の米作農家で、この時期新米はそれこそ売るほどあるのである。
この米どころ信州の新米が、また旨いのなんの。
見た目の艶やかさはもちろんながら、口の中に入れても噛んでも、なお「艶」を感じられるなんて!!
普段は福島産のひとめぼれとか石川産のこしひかりをスーパーで買い求めているのだけれど、当然ながらまったく違うこの味わい。
これぞ新米(品種名がわからないので宣伝できずにすみません…)。
極端な話、この新米をオカズにして、ご飯を食べることができそうなほどである。
フツーの沖縄の水道水に、家庭用炊飯器でせいぜい2合しか炊いていないのにこの旨さとなると、軟水を使用して10合くらい一度に炊けば、いったいどれほど美味しくなってしまうのだろう……。
普段の生活ではパッシブでんぷん断ちをしているワタシではあるけれど、あまりの美味さに毎夕食ごとにバカの3倍飯。
ライザップよ、地の果てに去れ。
ああ、日本って、いい国だなぁ!
でも、50年後もなお、このように新米に喜び、津々浦々の美味しいお酒を楽しめる国であり続けているのだろうか、日本。
少子化、高齢化、おまけに拙策のために、年を経る後に農家の経営が苦しくなっている今は、実はこの先50年、100年後に向けて何かができる最後のチャンス、といっていい10年間なのかもしれない。
しかしながら、バターが品不足になれば緊急輸入、生乳が足りなければ優先的に牛乳に回している分から配剤する、なんて小手先の対処はおそらくあらゆる農作物においても同じだろうから、農家がこの先も安心して農家であり続けてくれるという保証はどこにもない。
新米が食べられなくなる日本なんて、イチローがいなくなるマーリンズのようなものだというのに、衆議院選挙だなんだとお祭り騒ぎになっていても、そのあたりに危機意識を持っている候補者がいるように見えない…
…ということ自体が、まさに「今そこにある危機」なのかもしれない。
ま、せいぜい我々が生きている間は、しっかり新米も酒も楽しませてもらうことにしよう。
というわけで、完全に台風ウェルカム状態で臨むことになる、今回の台風休みなのでした。
2017年10月19日
ドリアンオクトパス。
2017年 10月18日(水) 晴れのち雨のち曇り
東の風 うねりあり 水温28度
前日同様朝は爽快なお天気。
昼を過ぎてもなんとかにわか雨程度で踏ん張ったので、今日は雨に悩まされずに済む……
…と安心したのも束の間、午後のダイビング中に一天にわかに掻き曇り、土砂降りの様相を呈するほどになってしまった。
さいわい雨は長時間続くことなく終了したけれど、こんな天気じゃ島内を散策してみようなんて日帰り客がいるはずもなし。
しかしそんな天気にもかかわらず、果敢にビーチダイビングに勤しむ方がいる。
現在ご滞在中のドリアン佐藤さんである。
出羽の国の日本酒王である彼は、実はダイビング=水中撮影に熱心に取り組む、れっきとしたカメラ派ダイバーなのだ。
ご滞在中は、日中に通常のボートダイビングを2本終えた後、必ず夕刻に1本ビーチで潜っておられる。
今日もまた、午後3時半頃からエントリー。
おそらくエキジットは5時くらいだろうから、その頃に桟橋まで行けば大丈夫だろう。
ところが、5時前にノックの音が。
誰かと思えば、まだ海中にいるはずのドリアンさんではないか。
えらく早めのエキジットしたから、ダイビングの終了をお知らせに来てくださったのか…
…と思いきや。
なんとその手には、
おお、polipo!!
いざという時のためにいつも用意しておられた網の中に、8本足のクリーチャーが静かに眠っているではないか。
この夏、チームタオのお2人が2人がかりでゲットされたモノと比べれば、優に4倍くらいのサイズである。
連日のように、「なかなかいないねぇ」とおっしゃってはいたけれど、まさかこのように我が家まで配達してくださるとは!
このところ備蓄を消費するばかりだったから、シーズン最終盤での補給は大変ありがたい。
もちろんこの日は、山形の銘酒とともに生タコ刺身でいただいた。
酒も肴も持参のゆんたく。
セルフダイビングもここに極まれり。
そんなドリアンさんではあるのだけれど、さすがに台風には勝てなかった。
本来の予定では週明けまでのご滞在のはずが、志半ばでの撤退を余儀なくされるのは間違いない。
モンダイは連絡船がいつまで運航してくれるかというところ。
これで翌日に「はい、サヨウナラ」ということになってしまえば、それはやっぱりタコの祟りということになるのだろうか??
もっともドリアンさんの場合、祟る神にすら勝ってしまいそうだから、あまり関係はなさそうだ。
ともかくそんなわけで、10月も半ばを過ぎたというのに超巨大化ストロング台風になってしまいそうな21号は、沖縄本島地方をかすめて本州まっしぐらになる模様。
当日の投票を考えておられる方は、今のうちにとっとと期日前投票所に足を運んでおいたほうがいいかも。
え?選挙なんてどうでもいい??
黙っていたら、ナメられる。 by 立憲民主党。
なめられたくなかったら、権利を行使いたしましょう。
VOTE !!
あ、そうそう,、 選挙といえば投票用紙。
いつのまにやら、今では投票所入場券という名称になっている。
これって、フツーは公示後に有権者に届くもののはずだそうなんだけど、どういうわけか今回の衆院選に際しては、公示日の10日よりも早く届いた本部町の投票所入場券。
なにをやるにも遅きに失する後手後手本部町なのに、世間の一歩先を行く本部町選挙管理委員会!!
……って、公示前に有権者に届けていいものなんでしょうか???
ま、いっか、本部町だし……。
2017年10月18日
大勝&大笑。
2017年 10月17日(火) 晴れのち雨のち曇り
北東の風 波あり 水温28度
9時頃までは青空が広がり、夏もかくやの日差しが出ていたというのに、午前中のダイビングをしている間に、空はすっかり雨模様に変わっていた。
朝の爽快な青空を見て、布団干し日和だと信じたオタマサのせいで、ダイビングから戻って来た頃には、物干しに濡れそぼちた布団たちの姿が……。
天気予報にダマされた…とオタマサは言う。
でも、天気予報が当たらないことなど、20年以上もこの地に住んでいれば、当然知っていて良さそうなものなのに。
自分たちが不在になる際には布団は干さないようにしよう……と何度言っても、聞き分けのないオタマサなのである。
さて。
希望の党の大失速のために、大勝間違いなしとなってきた自公政権。
激しい政策論争でもなく、ネガティブキャンペーンの賜物でもなく、相手の自爆がそのきっかけなのだから、アベソーリも大勝ならぬ大笑状態で笑いが止まらぬことだろう。
小池知事も出馬か?と戦々恐々としていた頃がウソのよう。
そんなアベソーリをはじめとする与党のみなさんのこれまでの様子を、ジョーフィッシュ君が表現してくれていた。
まずは公示前に苦戦が予想されていた頃、都知事まで出馬か?とビビっていた時は……
それが一転、何もしていないのに楽勝ムードになると……
笑いが止まらない。 (以上、撮影:オタマサ)
自民党の選挙ポスターの裏に隠されたソーリの本音も、しっかり実現されることだろう。
おお、大勝ムードのあまり、本音が表に出てしまっている!?
顔写真がジョーフィッシュ君のようになる日も近い。
2017年10月17日
ミステリーサークル。
2017年 10月16日(月) 晴れ
南東の風 大きなうねりあり 水温28度
10月も後半になろうかという時期だというのに、いよいよその正体を現した台風は、真夏も真っ青なスーパーストロングマシーンになりそうな様相になってきている。
今のところ直撃は免れそうな進路予想ではあるけれど、それはすなわち大陸で今や遅しと出番を待ち構えている冬将軍第1陣が台風を東へ追いやってくれるからこそ。
でもその冬将軍第1陣と台風が戦いの火ぶたを切る最前線になってしまう沖縄地方は、鉄の暴風ならぬホントの暴風が吹き荒れることになるだろう。
なので、大きなうねりが鬱陶しい海況とはいえ、今日明日は嵐の前の静けさといっていい。
さて、10月というのにわりと賑わっていた前半が終わり、後半に突入したこの日午後は、ようやく通常のクロワッサンらしく、ゲストはお1人のみ。
それもセルフで潜られる方だから、我々は遠慮なくカメラを携えて潜ることができる。
といっても特にアテがあるわけでは無く、気ままに中層を浮遊していたら、突如真横にこの方が急接近してきた。
マダラトビエイ♪
マダラトビエイが観たい!!というヒトの前には全然現れてくれないのに、こういったフトした時に現れ、しかも向こうから近寄ってきてくれる。
最初は遠目だったから、慌ててポッケからTG-4を取り出そうともがいているうちに(ハウジングだとやはりかさばるため、キレンジャーに比べると機動性に弱点が…)、なんと大きめのイソマグロと一瞬豪華ツーショットに。
…でもポッケから取り出したばかりのカメラで慌てて撮っても、エスパーキヨタの念写のようにしか写らなかった…。
いつもだったら、海神様が与えてくれたチャンスはそれで終了してしまうところ。
ところがこの時は、マダラトビエイがその後もゆっくりランデブーしてくれるではないか。
おかげで、四畳半の部屋を二十畳のように見せてしまうフィッシュアイレンズでも、ミジンコにならない程度に撮れるほど近づくことができた(上の写真は少々トリミングしてます)。
そうやってマダラトビエイが悠然と去っていった下方では……
ドリアン佐藤さんが海底に這いつくばって、なにやら熱心に撮影中なのだった。
他のゲストであれば、タンクを鳴らすなり何かするなりして合図を送るべきシーンだけど、なにしろドリアン佐藤さんはシパダンで潜っている時でも、その他大勢のゲストがみなバラクーダだカメだと大騒ぎしている横でアケボノハゼを撮っているような方だから、アオウミガメが出ようがマダラトビエイが通過しようが、すべてアウトオブサイトでOKなのである。
久しぶりにマダラトビエイに会えたヨロコビに包まれたこのダイビング、これがメインイベントとばかり思いきや、驚きのシーンがこのあとに待っていた。
それは……
再び登場、イトヒキフエダイ。
このところよく目にしていたポイントから、優に2~300メートルは離れているところでの再会である。
同じ個体かどうかの確信はないものの、もし同じ個体なのだとしたら、その行動範囲は相当広い。
再会したとはいっても、どうせまたすぐ逃げちゃうんだろう…と諦観しつつ近寄っていったら、ストロボの光が届くくらい随分近寄れてしまった。
というか、同じところにジッとしたまま。
いったんその場を離れても、相当執着があるらしく、少し距離を置くとまた同じところに戻ってくるイトヒキフエダイ。
はて、ここにいったい何があるんだろう?
その時ハタと気がついた。
イトヒキフエダイしか見えていなかったからなかなか気づけなかったけれど、彼の周りは↓こういう具合になっているではないか。
そこだけこんもり盛られた砂山の周りに、放射状に伸びる太いライン。
斜め上から見るとこんな感じ。
イトヒキフエダイは、この中央の砂山付近で何かを待っているかのようにジッとしつつ、ときおり砂山の天辺付近に息(?)を吹きかけている。
ワタシが近寄りすぎると、仕方なく…といった風情でこの場を離れるものの、すぐまた戻ってくる。
彼がこの場から離れているときには、その海底でも息を吹きかけて、砂中の何かを物色している。そうやって砂を払うべく息を吹きかけ続けると、おお、この放射状に伸びる1本1本のラインのような形になっているではないか。
そうか、この砂山の周囲のラインは、彼が息を吹きかけ続けることによって形成されているに違いない。
それにしても、いったいなんなんだろう、このイトヒキフエダイ版ミステリーサークル。
アマミホシゾラフグのような産卵床とは思えない。
ひょっとして、周りから攻めていって、真ん中の砂山に餌となる砂中の小動物が最終的に集積するよう仕向ける作戦なんだろうか。
このあといったいどうなるんだろう?
ああ気になる、ずっとこの場で観つづけていたい……
しかし。
時の経過とともに、タンクから減っていくエアー、体内に蓄積されていく窒素。
ワタシには残された時間が無かったのだった。
…と、往年の水曜スペシャル川口探検隊のようなエンディングになってしまったけれど、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひご教示くださいませ!
……って、実はこれ、他のショップの客が大勢で海中棒倒しをやったあと、とかだったらひっくり返るなぁ。
<そんなことをするのは仙台チームくらいでしょう。
たしかに。
2017年10月16日
クラゲの記。
2017年 10月15日(日) 晴れ
南東の風 波あり 水温28度
10月も後半になろうかという時期だというのに、南東の風がずっと吹き続けていた。
生温いほどに湿り気を帯びた風のおかげで、ダイビングを終えて船に上がっても暖かいことといったらない。
寒さのストレスが無いのはうれしいかぎりではあるけれど、このままズルズルと変に暖かいまま暦上の冬になってしまうと、畑の野菜はたちまちアブラムシまみれになってしまうかもしれない。
野菜のためには冷え込みが必要なのである。
そのくせダイビングに関しては、このまま10月が終わってほしいなぁ…などと勝手な希望を抱いていたりする。
しかしどうやらそうは問屋が卸してはくれないようだ。
あっという間に台風になってしまった21号は、まだまだ水温が高いためにけっこうな勢いまで発達するに違いない。
気圧配置的に直撃は無いかもしれないとはいえ、おりからの冬型の気圧配置との合わせ技で、等圧線を等高線に例えるなら、沖縄付近は90度近い崖状態になりそうな気配が濃厚だ。
その前後数日は、ハンパない風が吹くことになるだろう。
次の週末に来沖予定を入れている方は、今のうちに覚悟を決めるか、次善の策をとるようオススメいたします。
その予兆だろうか。
この日午前中のダイビングは、ゲストお2人がいずれもセルフで潜っておられたので、例によってカメラを携えて潜っていた。
適当に徘徊して再びイトヒキフエダイに出会ったりなどしつつ、そろそろ船に戻ろうかと思って見上げた水面の様子がおかしい。
帯状に白く靄っているのだ。
はて、こんなところでナガニザやコクテンサザナミハギの産卵が??
と首を傾げつつ近寄ってみると………
え゛??
ま…まさか……??
クラゲだッ!!
クシクラゲの仲間が、まるでバイバインをかけたのび太の栗饅頭のように爆発的に大集結しているではないか。
季節の変わり目や風向きが急に変わった時など、ちょくちょくクシクラゲ類が大量に集まる様子を観る機会はある。
とはいえこの日の大集合の規模はとんでもなく、この密度の塊が天の川のようにずっと長く続いているのだ。
まさに人生最多級。
もっと近づいてクラゲまみれになってみると、種類はまったく違うものの、気分はもうジェリーフィッシュレイク。<※行ったことはありません。
降って湧いたような突然のボーナスに沸き立っているグルクンたちが、水面付近でクラゲに負けないくらいの塊を作っていた。
彼らと一緒になって、テンション高めでクラゲにまみれたお昼前のひとときなのだった。
このクラゲの大発生が、前代未聞の大嵐の前触れではありませんように………。
2017年10月15日
反省だけなら蛇でもできる。
2017年 10月14日(土) 曇りのち晴れ時々雨
南東の風 波あり 水温28度
前日の天気予報では1日中雨模様になりそうな気配もあったこの日だったけれど、幸いにも雨は夜のうちに降りきったのか、日が昇る頃にはところどころに青空も見えるほどに。
やがて日差しも出てきて、おりからの生ぬるい南東の風のため、風が当たらないところにいたら真夏もかくやという暑さをかんじるほどになっていた(でもにわか雨もあり)。
おかげで10月も半ばだというのに、海の中でも海から上がっても、寒さを感じることなどまったく無く、エントリーする際の「冷たい水の中に入らなきゃ…」というストレスもない。
こんなに過ごしやすい10月がかつてあったでしょうか。
ま、今のところは……だけど。
さて、以下はめぐみさんのみ閲覧ご注意。
チームガンダム@ビューティーズがセルフで潜られるのを良いことに、今日もカメラを携えてダイビング。
すると、海底にこんなものが。
念のために言っておくけど、これ、ガーデンイールの新種ではありません。
また、奥側に伸びているのは尻尾の先。
そう、頭が完全に砂の中に埋まっている状態のクロガシラウミヘビだ。
彼らがこのように海底に突き刺さるようになっている姿は、ちょくちょく目にすることがある。
なにやら宗教行為じみた不思議な光景で、何をやっているのか意味不明だから、とりあえずゲストには、「海より深く反省してます」と紹介してきたものだった。
この日もその反省ぶりを撮ろうとこうして近寄ったところ、なんとその傍らから、30センチほどのシマウミヘビ(魚)の若魚が、脱兎ならぬ脱蛇のごとくダッシュで逃げていくではないか。
クロガシラウミヘビとシマウミヘビといえば、忘れもしない、このエピソード。
ということは。
こういう状態のクロガシラウミヘビって、実はシマウミヘビをはじめとするウミヘビ系の魚を捕食するためのサーチング態勢ってこと??
その後シマウミヘビの不在に気がついたのか、モゴモゴモゴと頭を引っこ抜いた彼は、しばらくその周辺をサーチし始めた。
あのぉ…シマウミヘビは随分遠くまで逃げていきましたけど?
でもシマウミヘビが好物なのだとしたら、チンアナゴあたりでもOKなのかも。
でもチンアナゴがたくさんいるところで、クロガシラウミヘビの反省ポーズは観たことがない。
ひょっとしてシマウミヘビ専食とか??
さほど個体数が多いとは思えないシマウミヘビを探し求め続けているのだとしたら、なんと非効率的な暮らしであることか。
もっとも、爬虫類のヘビのこと、シマウミヘビサイズが餌になるなら、ひと月に1匹食べられれば充分生きていけるのかもしれない。
2017年10月14日
イトヒキフエダイ。
2017年 10月13日(金) 晴れのち夜は雨
北東の風 けっこう波あり 水温28度
前日からチーム・ガンダム@ビューティーズのみなさんがご滞在中。
酸いも甘いもかみ分けたいぶし銀世代の方々と過ごすのも楽しいけれど、やっぱダイビングサービスって、こんな感じで華やかでないとなぁ……。
もっとも、彼女たちはチームリーダーのガンダムさん引率のもと、セルフダイビングでのご利用なので、船上は華やかに賑わっていながらも、我々は毎度カメラを携えて潜ることができている。
おかげでこの日は、このような魚とじっくりお近づきになることができた。
知る人ぞ知る、イトヒキフエダイ。
他所の海では知らないけれど、水納島で過ごしてきた過去22シーズンでは、ほんの1、2件目撃例があるだけの、相当レアな魚だ。
なにしろ星の数ほどの魚種を収録している「日本の海水魚」@吉野雄輔著にも載っていないのだから、そのレア度は推して知るべし。
そんなレアレア魚であるイトヒキフエダイが、今年はどういうわけかチラホラと姿を見せてくれている。
おそらく同一個体なんだろうけど、通常のファンダイビングで滞在できる水深に居てくれるから、今シーズンは数名のゲストにご覧いただくこともできた。
ただし、せっかく出会う機会がちょくちょくあるというのに、ワタシ自身は撮影可能なカメラを携えている時には出会えなかったから、手元に記録写真を残せていなかった。
それがついに、ようやく、とうとう、撮れるカメラ=TG-4を持っているときに遭遇。
いくらお近づきになれたといっても、40センチくらいある魚だといっても、メインのフィッシュアイレンズ装備のカメラだと、画面の中にせいぜいミジンコ程度にしか写らないところ。
ポッケにTG-4が無かったら、マグニチュード8くらいの地団駄を踏みまくるところだった。
ところでこのイトヒキフエダイ、上の写真では青いラインにかぶさるようにうっすらと黒いシマシマが現れているけれど、これは海底付近でジッとしている際の紋様らしい。
視線がやや下に向かっているのは、海底の小動物を物色するためで、ときおり砂底に息(?)を吹きかけては、何か出て来はしまいかとサーチしている。
その間もうっすら黒シマは出ているのだけど、サッとその場を移動するときには…
黒シマはすぐに消える。
海底の砂がもっと黒っぽかったり、場所が岩礁域であれば、体の地色はもっと黄色が濃いだろうし、ブルーのストライプもクッキリと鮮やかに映えるのだろう。
なにはともあれ、レアレアイトヒキフエダイも、こうして「水納島の魚」の仲間に入ることができたのだった。
2017年10月13日
群れてなくても…。
2017年 10月12日(木) 晴れ一時雨
東の風 波あり 水温28度
海上は相変わらず秋らしい波波のままながら、小潮&海からの風のおかげか、海中はクリアで流れも無く、ノーストレスで過ごせる心地よさ。
潜っている間に雨が降って、随分暗くなってしまったけれど、それはおそらく、ワタシが久しぶりにフィッシュアイレンズ装備で潜っていたからに違いない。
といっても特に目的があったわけじゃないので、とりあえず新一本サンゴの現況をば。
ちなみに、昨年10月10日時点では↓こんな感じだった。
それが丸1年経って……
ほぼほぼ隣の岩に到達。
以前は「一本サンゴ」ぶりを強調するため、わざと隣の岩を画面に入れずに撮っていたものなのに、もはやそれは不可能になってしまっている。
ちょうど10年前から注目し始めたこの新一本サンゴ、その頃からの軌跡を改めてたどりたい方はこちらをご覧ください。
ところで。
夏の終わりころから、この新一本サンゴにムレハタタテダイの幼魚がつき始めた。
当初は2匹だったのだけどいつしか1匹になり、群れないムレハタタテダイになってしまっている。
一方、今年はどういうわけか、砂地の各所でこの魚を姿を見かける。
こちらはオトナのハタタテダイ。
そっくりな両者なので、群れていればムレハタタテダイ、群れてなければハタタテダイ、と開き直っている方もけっこういらっしゃることだろう。
でも違いはわりと見分けやすい。
口がついている場所が微妙に違うから、ムレハタタテダイのほうがおちょぼ口に見えるのだけど、これは比較対象がないと判別しづらい。
もっと明確な違いを知るためには、尻ビレにご注目あれ。
直線的にバシッとカーブの頂点で色分けされているのがムレハタタテダイ。
白と黒の境界がボヤボヤ~としていて、カーブの頂点から少しずれたところで色分けされているのがハタタテダイ。
……と、昔覚えた見分け方を信じて上のように認識しているのだけれど、違っていたらどうしよう。
こんな細かいところに注目せずとも、昔のようにたくさん群れていてくれれば、一目瞭然なんだけどなぁ……。
@2009年
2017年10月12日
いつの日かミニミニ。
2017年 10月11日(水) 晴れ
東の風 波あり 水温28度
内地では季節外れの猛暑に見舞われているところもあるようだけど、沖縄もさすがに朝夕は涼しいものの、日中は真夏もかくやというほどの太陽エネルギーの放出度合い。
いやはや、暑い暑い。
そのせいか海水温も例年の10月では考えられないほど温かいままで、クマノミはいたるところでまだ保育園状態になっているし、オヤビッチャたちも精力的に卵の保育をしている。
10月の半ばで、オヤビッチャが卵を守ってるもんでしたっけ?
大陸のほうでは冬将軍の先遣隊が出番を待っている気配もあるけれど、この様子ではもうしばらく「夏」が続きそうだ。
さて、今年の10月とは真逆の日々が多かった昨年の10月をふりかえってみると、初旬にこういう出会いがあった。
その日記のタイトル「いつの日か5センチ」が、ほぼほぼキッカリ1年後のこの日、いきなり実現してしまった。
この子。
コクハンアラチビターレ@5センチ♪ with 寄生虫
これくらい小さいと、たしかにシマキンチャクフグにそっくりでいる意味もありそう。
ただ、意味としてはシマキンチャクフグ似ということなんだろうけど、観ていると、どちらかというとノコギリハギにより似ているような気が……。
気分で変わる黒斑の色褪せ方も、ノコギリハギの幼魚時代のそれに似ていた。
もっとも、そもそもノコギリハギもシマキンチャクフグに似せることによって世渡りをしている魚(という話)なのだから、コクハンアラがノコギリハギに似ているのは当たり前といえば当たり前。
ともかくこうして、5センチサイズのチビチビに出会いたいという願いはかなった。
かくなるうえは、さらなるミニミニサイズのコクハンアラに……
ちなみに同じような模様をしているフグやカワハギのミニミニはこんな感じ。
↓ハナキンチャクフグのミニミニ。
↓シマキンチャクフグのミニミニ。
↓ノコギリハギのミニミニ。
↓ノコギリハギのもっとミニミニ。
はたしてコクハンアラのミニミニは、どんな姿をしているんだろうか。
10月で5~10センチくらいのサイズに出会えるということは、9月頃にミニミニと出会うチャンスがあるのかも。
来年9月には、リーフ際の影を隈なくサーチしてみることにしよう。
……覚えていれば。