2024年05月06日
意外な御馳走。
2024年 5月5日(日) 晴れ
南の風 けっこう波あり 水温23度~24度
今日もいい天気!
今年のGWは大当たり。
当たりすぎて、本土では7月級の猛暑になっているところもあるとか。
春からこんだけ気温が高くなるくらいだもの、紀伊半島のすぐ南で台風発生なんてこともザラになるかもしれませんね。
天気はいいながらも南風が強かったこの日は、風のおかげでお日様の下にいても~♪今ワタシはコバルトの風…ってなくらい。
ただし風上側の洋上はけっこう波立っているものだから、ほどよい時間帯になってもダイビングボートの姿は反対側に偏っていた。
連休のいい時間帯に場所を取っては申し訳ないと一応配慮してこの日も7時半頃にスタートしたんだけど、たとえフツーの時間帯に出航していても場所は空いていたっぽい。
朝早めに出てまでして潜りに行くのは、すなわち目的があるから。
もちろんこの方。
やれやれまたかいな…と嘆くことなかれ。
Take2では産みたてホヤホヤに遭遇したんだもの、何日後に孵化するものなのか、確認したいじゃないですか。
昨日は別の場所に行ったからブランク1日、はたしてシモフリエッグは、昨日までにみんな孵化して消えているだろうか、それとも臨界点ギリギリになっているのだろうか。
さっそく確認してみたところ…
よりキャビアっぽくなりつつ、なおも健在。
でも……なんだか少なくなってね?
ボリューム減のうえに、卵塊の「塊」っぽさがゆるくなっている気がする。
ひょっとして…
やっぱり!
外側の卵たちはすでに孵化していたのだ(透明な球体が、孵化した後の卵の膜)。
孵化した後は透明な膜だけってことは、シモフリエッグのキャビア色は魚体の色なのですね。
産みたてホヤホヤ発見が先月28日で、この日は孵化しているものともうすぐ孵化という状態ってことは、シモフリエッグ、この水温なら孵化まで約1週間ってことか。
しつこく経過を追跡したおかげで、孵化するまでに要する時間はわかったし、孵化直前の臨界カラーを知ることもできたのだった。
卵といえば。
先月お伝えしたように、今年はコブシメが産卵場所認定してくれたらしく、中休みを挟みながらもこのGW前後にほぼ同じ場所で繰り返し産卵している。
オスはずっと同じっぽく、序盤は同じカップルだった気がしたんだけど、この日卵を産んでいたメスは、以前のメスより小柄になっていた気がした。
先月はかなり懇切ケアをしていたオスはというと、ここにきて疲労が蓄積しているのか、産卵中のメスのケアもどこかおざなりで、そろそろアリナミンEXを必要としているのかもしれない。
そんな産卵シーンを再び。
ご覧のように、メスはけっして適当にサンゴの枝間に産み付けているのではなく、「ここ」というスポットを探り当てながら卵を産み付けているのがわかる。
大事な産卵スポットを吟味する際のコブシメママ、略してコブママの眼は真剣そのもの。
普段はヤギの眼にも似たイカ眼が、前方を注視しているものだから寄り目になっている。
そして「ここ」と決めたら、ニョ~ンと脚を伸ばして卵を産み付ける。
これまでコブシメの産卵といえば、岩場のポイントの枝サンゴゾーンで観る機会はあっても、毎日毎日続けてそこに行くわけでもないから、そう頻度高くお目にかかってはいない。
それが今年のGW前後は、シモフリ父ちゃんのおかげでしつこいくらいに同じ場所で潜っていたこともあって、ここを産卵場所にしているコブシメたちの産卵シーンを観る機会にやたらと恵まれた。
おかげで一生分くらいの産卵シーンを観たかも…。
そして、衝撃のジジツを知ることとなった。
このところこの場所を訪れるたびに、比較的大型のチョウチョウウオ類が妙に集まっていることには気がついていた。
ニセフウライチョウチョウウオなんていったら、ダイバーの姿に気がつくやいなやすぐに逃げていくタイプのはずなのに、なぜだかこのあたりに執着しているようで、他にもチョウハン、トゲチョウ、スダレチョウなどが集まっているのだ。
そのうちの誰かが、たまに海底からなにやらを拾ってきてはパクつき、それをみんなで奪い合っていたりもする。
その「なにやら」は丸く見えたから、海底から拾ってくる丸いものといえば、死んだばかりのウニの殻かな?と思って遠目に観ていたのだけど、チョウチョウウオたちがかぶりつくと丸の中からプシューッと白いモヤが出てきたので、「あれ?」とは思っていた。
でもコブコブ観察中だったからそれほど追求せずにいたところ、その「あれ?」の答えをオタマサが明かしてくれた。
チョウチョウウオたちは、↓これを食べていたのだ!
(以下の写真すべて撮影:オタマサ)
コブシメの卵!
栄養満点在庫たっぷりとなれば、いつになく大型チョウチョウウオたちが群れ集うのも無理もない。
サンゴの枝間に産み付けられているはずなのに、そこから器用にほじくりだしているのだろうか。
チョウチョウウオたちのひょっとこ口も伊達ではないらしい…。
テキトーに産み付けたらたちまちチョウチョウウオたちに引っこ抜かれてしまう…となれば、卵を産み付ける場所を吟味するコブママの目が真剣そのものになるのも当然だ。
繰り返し産卵していたことによって、一帯のミドリイシの枝間には無数といっていいほどの卵が産み付けられているコブタマたち。
はたしてみんな、無事にチビコブになれるだろうか?
Posted by クロワッサン at 07:39│Comments(0)
│水納島の海