2024年03月22日
ノスタル爺と地雷ドライバー。
2024年 3月21日(木) 晴れ
北の風 うねりあり
前回検査に出していたタンクの受け取りと、さらに検査に出すタンクの搬送のため、この日再び北谷へ。
ふた昔ほど前にアルミタンクの合金成分に起因する劣化事故が相次いだため、その後タンクに使用されるアルミ合金の規格が変更されたのと同時に、日本では5年に一度の耐圧検査の他に、1年に1度の目視検査、すなわちバルブの取り付け口のねじ切りのところにヒビが入っていないかどうかをはじめとするチェックが義務づけられた。
目視検査など、タンク内の空気を全部抜いてバルブを外し、蛍光灯やLEDのライトを中に入れて見れば誰でもできることなんだけど、残念ながらワタシには、その確認を済ませたことを証明する刻印を入れる資格がない。
そしてその刻印がないと、チャージを依頼しても充填してもらえない。
となると、毎年検査に出さねばならない。
心無いダイバーのなかにはギリギリのギリまで吸って、エキジット後にレギュレーターのダストキャップの水気を吹き飛ばすほどの圧力すらなく、ちょっと疲れた午後3時のOLのため息くらいしか出てこない方もいらっしゃるけれど、それがタンクにどれほど害を与えていることか。
実際に、中にかなり水が入ってしまって内部が腐食し、タンクとして使えなくなっている…というケースだってあるのだ。
バルブだけでも新調すれば1セット3万円ほどかかるタンクのこと、まるごと1本となるといくらになるか、一度冷静に考えてみていただきたいところだ。
検査自体も、1本2本ならともかく、手持ちのタンクをすべて検査するとなると、その費用はなかなかバカにならない。
もっとも、耐圧検査に比べればそれほどでもないし、昨年からお願いしているところでは、事前に自分でバルブを外してネジ部分のお掃除をしてOリングも取り外しておけば、1本あたり300円も割引してもらえるという。
30本以上となれば、これは居酒屋で生ビールをいくらでも飲めるほど浮くことになるではないか。
そこで今回は、事前にすべてのタンクのバルブをはずしてゴシゴシお掃除。
一気に30本もやったら人生的疲労を覚えてしまうから、毎日5~6本ずつチョコチョコ続け、なんとか生ビールたらふく権を手に入れたのだった。
今回は中南部にそれ以外の用事は無かったので、タンクの積み下ろしを終えた後はすぐさま北上。
でも時間はたっぷりあるから、下の道&バイパス不使用のルートにすることにした。
お天気のいい日の海沿いの道は、「ああ、オキナワ!」という雰囲気に満ちている。
長年暮らしている身にはあそこにもここにも文句を言いたくなる現在の沖縄県ながら、卒業旅行で来沖しているっぽい若者たちにとっては超大当たり。
きっと彼らにとって、いつまでもココロに残る旅行になることだろう。
そんなグッドコンディションのドライブ、先日紹介した受験の際のバス話の記憶をたどるため、多幸山のグニャグニャ道を走らせてみた。
近年の沖縄本島では、ちょっとでもヘタってきたらたちまち再舗装されるし、すこしでもRがきつければすぐさま脇にまっすぐな道を拵えるので、車など全然通らないところでさえ、無駄と言っていいほどに道路はいつも整備されているのが当たり前の景色になっている。
ところが多幸山のグニャグニャ道は、なんだか昔のまんまのイメージ…。
道は相変わらずグニャグニャだし、道幅は狭いし、路面は20世紀の昔もかくやというほどにヘタっている。
なんだかノスタル爺。
昔の沖縄県の道路なんて、あちこちデコボコだらけで路面は太陽熱でアスファルトがツルツルになっていたために、ライダーさんたちにはかなりデンジャラスな道路…というのがフツーだったものなぁ。
国頭の田舎でさえいつも新鮮アスファルトの道路が当たり前になっている現在では、むしろレアなんじゃなかろうか、多幸山コース。
ただ、受験生時代にバスに救われたのがホントにここだったのか、という自信はかなり低くなってしまった…。
ここから琉球村を過ぎ、国道58号に出てから目の前に見える西海岸の景色に、今さらながら驚いてしまった。
ワイキキビーチですか、ここ?
…ってほどに、ずっと奥まで海辺はリゾートホテルだらけ。
とはいえ近年の旅行者にとってはこの風景こそが当たり前だから、これが「ザ・オキナワ」なのだろう。
あ、でもカーナビで一路北上するヒトたちの多くは、沖縄自動車道でまっしぐらだから、案外この眺めをご覧になっている方の割合は少ないのか?
眺めといえば、時間に余裕があるドライブなら、もちろんのこと高速道路ではなく下の道。
そして、前回も触れたように、バイパスははずしたほうがいい。
おそらくカーナビで美ら海水族館を目指すとなると、まちがいなくそのまままっすぐバイパスを行けってことになるんだろうけど、旅行中に「沖縄感」を味わいたいのであれば、それぞれ名前が付けられている旧道のほうが断然オススメだ。
昔は本道だった海沿いの58号線は、今では脇道になっているから、ボヤボヤしているとスルーしてしまうのでお気をつけください(これもある意味「自動の脅威」かも?)。
そうそう、カーナビといえば。
外国人旅行者はやたらと増えているし、春休みということもあって、3月は本部町内でさえやたらとレンタカーが多い。
レンタカーが消え去っていたコロナ禍中が、いかに夢のような世界だったかがよくわかる。
で、そのレンタカー、不慣れな土地で車を運転する苦労があることはわかるんだけど、カーナビに縛られているヒトがあまりにも多い気がする。
例えば本部大橋の北詰めから瀬底島方面に向けて行く場合、直進するなら右車線を走っていなければならない。
ところが不慣れなレンタカーは、それ以前の2車線道路で左車線のまま三叉路にたどり着く。
すんなり右斜線に入れればいいものの、信号のところでようやく気づくヒトも多く、するとそこで右ウィンカー点灯。
右車線を行く車はなかなか途切れず、右車線に入りたいレンタカーは身動きできず、左にすんなり曲がりたい後続は無駄に渋滞…。
そういう場合に直後にいたりしたら、すぐさまスタスタ前の車の運転席の窓まで出向きヒトコト言いたくなる…のをグッとこらえなきゃならなくなるから困ったもんだ。
そもそも、そこでなにがなんでも右車線に入らなかったら、アンタは死ぬのか?
カーナビに頼っているなら頼っているで、そこは仕方なく自分がいる車線どおりに左折して、その後再びリカバリーしてくれるカーナビの指示に従えばいいだけじゃないの?
何が何でもカーナビの指示に従おうとするものだから、交通量が多い道路にもかかわらず、通り過ぎた道をバックしてくるレンタカーもよく見るものなぁ…。
そういえばこの日も、58号線から右折して美浜のあたりに入ろうとしていたとき、右折の矢印が出ている際にまだ矢印が出ているにもかかわらずストップしてしまい、そのまま微動だにせず赤に。
その後青になっても動く気配がなく、再び右折矢印が出てもビクともしないレンタカーがすぐ前に停まっていた。
コイツは……
ヤバいかも。
あおり運転など見るからに危険なことをするドライバーは問題視されることが多いけれど、世の中には陰湿なキチガイドライバーも多く、片側1車線の道で後続に5~6台続いているというのに、時速20キロくらいでノロノロと走らせている車がいたこともあった。
それはレンタカーじゃなかったから、最初はきっとおじいがヨタヨタと走らせているんだろう、それならそれで、ちゃんと高齢者マークを付けなきゃ…
…と思いながらガマンしていたところ、その車がようやくコンビニに入ろうと右折した際、通りすがりに運転席を見てみれば、なんとなんとまだ20代くらいの若い男性ではないか。
この場合のノロノロ、ワザとですよね?
美浜入り口でのレンタカーも、そうやって後続が困ることを楽しんでいるキチガイかも。
そんなヒトにかかずらわっている場合ではないので、直進車線が途切れたチャンスに車線を変えて、次の信号で右折することにしたのだった。
ワタシの後ろに続いていた方々も、おそらくそうするほかなかったことだろう。
なんだったんだ、あの車…。
ただ車を走らせているだけで思い掛けない地雷がそこかしこに潜んでいる、なんともサバイバルな世の中。
他に誰もいない見通しのいい直線道路で80キロを越したからといって検挙するだけではなく、こういう地雷ドライバーも積極的に取り締まっていただくよう、沖縄県警には強くお願いしたいところだ。