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2022年09月28日

That's one small drop kick。

2022年 9月27日(火) 雲が多い晴れ

東の風 波あり

 1週間ぶりに本島へ。
 
 先日話題にした(11万キロ走っている)新車は、最初から潮風に晒し続けるのも忍びないので、プチプチトマト号が現役の間は、渡久地港の駐車場ではなく秘密基地に停めておくことにした。
 
 小さな沖縄本島のこと、どこにいたって潮風ではあるけれど、渡久地港に比べれば、蓄積する被害の差は月とスッポン。
 
 たしかにそれはそうなのだけど…。
 
 短くても1週間停めっぱなしにしていると、そこには渡久地港の駐車場には無い被害があった。
 
 落ち葉だ。
 
 秘密基地の駐車スペースは、庭木の枝が覆い始めている一方、隣接する管理者ほぼ不在の空き地の木々も日々成長しているため、緑のトンネル状態になっているのだ。
 
 何年か前に大々的に伐採したこともあったものの、暑い夏には格好の日陰になるし、シジュウカラその他の野鳥やキノボリトカゲなども住まうとなれば、たとえ立ち寄るたびに落ち葉のために(オタマサが)レレレのおばさんにならざるをえなくとも、まぁいいかと放置プレイにしていたためだ。
 
 それらの一部が車に積もりまくり。
 
 ただ葉が積もるだけなら走らせているうちに落ちるからいいけれど、葉が堆積しているところに雨など降ると、葉の成分が滲み出て汁のようなものが出てくるから、ほんの1週間置いているだけでたちまち見た目廃車一歩前状態になってしまっていた。
 
 この先10年乗るつもりだというのに、これじゃたまらん。
 
 というわけで、緑のトンネルを作り出している木々の枝を、この際剪定することにした。
 
 もちろんのこと高枝バサミなど無いから、伸縮自在棒の先に剪定用ノコギリをガムテープでくっつけて、ギーコギーコ、ギーコギーコ…
 
 …しているうちに、駐車スペースの空は見る見る広がっていった。
 
 熱中症1歩手前でヘトヘトになりつつあらかた剪定し終えてみると、ずっと日陰のままだから苔むしていたコンクリートの地面にも、ちゃんと光が届いている。
 
 これで日常的な落ち葉の量は相当減っただろうから、車への枯葉の染み被害はかなり軽減すると思われる。
 
 で結局、実は落ち葉なんぞよりも紫外線被害のほうがよほど大きかったりして……。
 
 話は変わる。
 
 前日潜っていた際には、久しぶりに巨大なニセゴイシウツボが出現した。
 
 3個体くらいいると思われるうちの最大級のヤツで、狭苦しいスペースに巨大な体を隠して上半身のみ外に出しているだけなのに、まさに威風堂々。
 
 会いたいからといっていつでも会えるわけではないこのテのクリーチャーは、会いたい会いたいと希う方が去った途端に現れる、というマーフィーの法則がある。

 してみると、きっとその前にそーゆー方が水納島周辺から立ち去られたのだろう。
 
 リーフ際に戻ってくると、久方ぶりにサンシャインに輝くサンゴ礁。
 
 やっぱ太陽は偉大だ。
 
 太陽もまた、燦燦太陽を希うヒトが水納島周辺から立ち去ったおかげで、ゴキゲン状態で顔を出していたのかもしれない。
 
 そんな燦燦太陽の下で、コバンハゼが今日も元気に散歩をしていた。
 
Thats one small drop kick。

 先日も紹介したように、住処にしているのは左の枝状サンゴで、そこからこのテーブル状サンゴに食事のためヒョコヒョコ出てくるコバンハゼたち。
 
 ただし同じような場所に暮らす魚は数多く、そして同じようにサンゴの枝間をつついて食事を摂る魚たちもまた多い。
 
 そのためコバンハゼたちのなかでも大きめのものは、意外に周囲の他の種類の魚たちと小競り合いをする。
 
 このあたりのサンゴを縄張りにしているルリメイシガキスズメダイの若魚とやりあうこともあるし、自分より遥かに大きなヤリカタギにドロップキックをぶちかましさえするのだ。
 
 素早い動きなのでわかりづらいけれど、ヤリカタギにドロップキックを見舞う様子を動画でどうぞ。
 
 
 
 29秒~30秒くらいのところでは、画面から外れてしまっているヤリカタギへ、手前のピンボケの子が1発お見舞いしている。
 
 そして1分8秒ほどのところでは、その向こうにいるコバンハゼが、同じくヤリカタギにドロップキック。
 
 ヤリカタギにとっては1発の威力など大したことはなさそうながら、これがなかったらずっとその場でエサをついばみ続けるのだろう。
 
 それを思えば、小さな彼のドロップキックは、アームストロング船長の1歩に等しいのかもしれない。

 That's one small drop kick for a coral goby, one giant kick for Gobiodon.
 
 小さいながらも己の生活圏を主張するコバンハゼたちは、ただ枝間に隠れ潜んでチョロチョロしているだけではないのであった。


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Posted by クロワッサン at 05:31│Comments(0)水納島の海日々の作業
 
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