2025年01月17日
Not Temporary=Permanent。
2025年 1月16日(木) 曇り時々晴れたり雨降ったり
北東の風 けっこう波あり
前日すでに確定していたとおり、この日の連絡船は朝から全便欠航。
連絡船で出てきてたら帰れなかったところだ。
昨日の予報が告げていたよりも海況の回復は進んでおらず、夕刻に島に戻る際には、本島を離れるにつれ侮れない波になって、波しぶきを浴びる羽目になっちゃったけど、なにはともあれ無事帰還。
そうそう、昨日書き忘れてしまったことがひとつ。
渡久地港へ向かっていた前日朝の洋上はおだやかなもので、遠く北の方に顔馴染みのボートが走っているのが見えた。
冬場ホエールウォッチングに精を出している大きなボートだ。
普段より出航時刻が早いのは、この日午後から時化見込みのため、おそらく予定を前倒しにしたのだろう。
このあとは伊江島の西の沖まで行くのかな?
…と思ったら、どういうわけだかそのボートは速度を落とし、北に転進した状態で停まった。
ひょっとして…?
ザッバーン!!
おお、ザトウクジラのジャンプ!
出航したばかりのウォッチング船は、早くもクジラと遭遇だ。
そのクジラはやけにサービス精神旺盛で、件のボートの周辺で立て続けに何度も何度も何度もジャンプ(ブリーチング?)を繰り返していた。
インターバルが短かったところをみると、2頭がかわりばんこにやっていたのだろうか。
連絡船出航時刻前に渡久地港に到着しなければならない縛りがあったため、我々も90度転進して現場に急行というわけにはいかなかったものの、我々もボートを走らせながら遠目でもはっきりくっきり何度も観賞させてもらった。
この寒い朝にいつもより早い時刻の出航になったのであろうお客さんたちではあるけれど、港を出てほんの5分ほどでたちまち繰り広げられるクジラショー。
水平線の彼方までえんえん遠出し、そのさらに水平線の彼方でプシュー…と潮が出るのを観ただけで「クジラ観られましたねぇ♪」で終わってしまう方々もいらっしゃることを思えば、この日のお客さんは当たりも当たり、大当たり。
どこの誰が乗船しているのかは知らないけれど、その強運にあやかりたい…。
その逆に、この前日には家族でパラセーリングを楽しんでいたら突然牽引ボートが停止してしまい、洋上に落下、などという悲惨な目に遭われた方もいらっしゃったようだ。
ニュースによると瀬底の沖でのことらしく、牽引ボートが停止した理由は、漂っていた漁網がプロペラに絡みついたためだという。
拙日記でも過去に何度かクダをまかせてもらっている、不法投棄漁網に違いない。
水面下に漂うそのような漁網やロープを航行している船舶が察知するなど不可能で、スペースデブリと同じくらい多いかもしれない海洋投棄ゴミがプロペラに絡まる絡まらないはほぼ運次第。
すなわちこういう場合、お客さんにも業者さんにも過失は一切ない不運な事故で、唯一責任を問われるべきは、そのようなものを平気で海に投棄しているスカポンタンたちだ。
ワタシも3年ほど前に一度、渡久地港へ向かっている際にプロペラにロープが絡まってしまい、大事なもの収納ボックスにカッターナイフを忍ばせていなかったら危うく漂流者になってしまうところだった。
そのときは気づかなかったのだけど、回転マックスの状態でロープが絡まり、ガツンッ!と止められてしまったためだろう、その後随分経ってから別件でグシケンさんにプロペラ周りを整備してもらったら、プロペラを回す軸が折れていることが判明してしまった。
よくぞそれまでもちこたえてくれていたなぁ…。
もちろん要交換。
不法投棄ロープのせいで数十万の出費だなんて、バカバカしいにもほどがある。
それでも出費だけで被害は済んだのは幸いなほうで、パラセーリングの高さから海に落ちて無事でいられるのは未来少年コナンくらいのものだから、事故に遭われたご家族も大変なことになっていると思われる。
平気でゴミを海に捨てるスカポンタンがお隣の国のヒトであれ国内の者であれ、この際漁網やロープも登録済みのチップのようなものを満遍なく編み込んで、元の所有者をすぐさま割り出せるようにし、こういう場合はすぐさま登録されているスカポンタンに刑事責任を追及できるようにしてもらいたいところだ。
さてさて、連絡船出航時刻前に渡久地港に到着しなければならなかったのは、郵便配達レディに会う必要があったため。
なんとクリスマスに続き、お年玉でもソーキ&塩鮭のカマをいただけるのである!
鮭のカマがなぜ余るのかという理由は以前お伝えした気がするけど、ソーキはなぜかというと、そば屋その他のソーキ需要はカットしてちゃんとした形になっている部分なので、端っこはどうしても余るのだという。
なので今回もまた大量。
前回いただいた分もまだ半分以上冷凍庫にあるというのに、このうえさらに5年分いただけるなんて(あくまでも我が家の場合の5年分)。
もちろんクジラよりソーキ。
で、いただいたソーキをこの日島に持ち帰り、一部は夕食となって登場。
ソーキのオーブン焼き。
前回は洋風の味付けだったので、今回は醤油&生姜の和風テイストだ。
和風といいつつ、もちろん島ニンニクもたっぷり。
いやはや、オタマサには珍しく、超絶級のやる気系である。
ちなみに里芋、間引き人参、インゲン、島ニンニクたちはもちろんオタマサ産で、ソーキのほか白石産レンコンもいただいたもの。
つまり醤油と生姜と味醂を除き、材料費はいっさいかかっていなかったりする。
でまたどれもこれもこういう味付けにはピッタリの逸材で、主役のソーキは言うに及ばず、焼いた里芋やレンコンもそれぞれ主役級、そして間引き人参の美味しさときたら!
スーパーの人参ばかり食べさせられてニンジン嫌いになってしまった子に目を瞑って食べてもらったら、おそらくニンジンだとは気づかないはず。
甘い、そして旨いッ!
茹でただけでも相当美味しいのに(きっと蒸したらもっと美味しいはず)、ほんのりやる気系になっているんだもの、勢い余ってこのまま100本くらい食べてしまいそうだ。
残念ながら裏アタイ産なので、そんなに採れないんだけど…。
夕食時には本能の赴くままに野生が解放されるワタシではあるけれど、朝は牛乳一杯、昼は食べない…と己を律してもいる。
でもこの季節には、律しつつ楽しめるランチがある。
食べ放題になるサラダランチ。
畑で繁っている葉っぱをワーイワーイと眺めているだけだと、やがて葉は固くなり、葉野菜たちはたちまち姿を変えて別の植物体になってしまう。
旬の野菜を楽しめる期間は、けっして長くはないのだ。
なのでこのところはお昼になると…
…レタスにサニーレタスにサラダ菜にルッコラが一堂に会した葉野菜4種のサラダランチ。
でも葉っぱだけだとウサギさんの気持ちになってしまうから、茹で卵というたんぱく質も…。
< 律してないじゃん。
これにオリーブオイルと塩と胡椒とレモン汁で味付けすれば、ココロはたちまち地中海。
とまぁこんな食事をしていられるのも、オタマサが畑で丹精してくれているおかげだ。
今やレタスなんていったらアナタ、スーパーでさえ軽く500円オーバー、キャベツは600円オーバー、白菜なんて4分の1カットのくせに100円…。
サラダバーをウリにしているファミレス系は、今どういうことになってんだろ?
世間にはまだこれが「一過性」のことであるかのように思っている、もしくはそう信じようとしているヒトのほうが多いんだろう。
でもニッポンがこの30年間停滞していたのはけっして経済分野の話だけではなく、農業政策などは停滞どころか衰退し続けていたようにしか見えず、ここ10年の歴代農水大臣なんてなんだか閑職のようですらあったものなぁ。
生産者の高齢化とか跡継ぎ不在とか異常気象とか害虫とか、けっして今に始まった話ではないのに見て見ぬフリをし続けてきたいろいろなコトのツケが回ってきて、ついに音を立てて崩れてきているのが現状なのだろう。
今年もまた米は米騒動級になることだろうし、野菜の高騰などはけっして一過性のものではなく、もうこの先永続的になるとみておいたほうがいい。
高くともまだモノがあるだけマシってなもんだ。
大根なんかもこの冬はずっと400円オーバーだから、1本買うのにいちいち気合いが必要だ。
冷え込んだ冬の夜には恒例のおでんは、リョウセイさんの畑で大根が育つのを待ってからにしよう。
リョウセイさんがスーパーで大根の価格を見てしまいませんように…。