2025年05月06日
星と眼鏡の受難。
2025年 5月5日(月) 薄曇りのち雨
北東の風 おだやかのちやや波あり
冴えない予報になっていたから、この日は朝から単身秘密基地作業と決めていた。
ところが朝早いうちは、予報に反して海日和といってもいいくらいの薄曇り。
こりゃまたフルフル詐欺に騙されたかな…
…と思いきや、やがて本格的な雨となった。
そうなることを見越していたわけではないものの、予定どおり連絡船でお出掛けしていたので、降りしきる雨を満足顔で眺めつつ作業を進める。
前回出掛けた際にある程度進めてあった作業、今回はその後届いた新兵器を使えたおかげで抜群に捗った。
新兵器とは、ジグソー。
我々が越してくる前からあったジグソー、そうそう頻繁に使うわけでもないとはいえ30年以上経つとさすがに老朽化は避けられず、そろそろ壊れそう…という状態になっていたため、先ごろポチッとしたもの。
ジグソーくらいならホームセンターでもいくつか置いてはあるものの、欲しいものが置いてあるということは滅多にないから、「翌日配達」などとは無縁の地域ではあってもポチッのほうが結局早い(安いし)。
まぁしかし何に驚いたって、ジグソーって……切れるんですね。
そりゃ20年以上ブレードを替えてなかったんだから切れなくなっていて当然とはいえ、かつてジグソーでこんなに心地いい切れ味を感じたことはなかったかも。
でまたビックリしたのが、ブレードの取りはずし方法。
ブレードを差し込んでちょっと押すだけでカチッとはまり、取り外す時はツマミをひねればポンッとブレードが飛び出るようになっていた。
なんて便利なんだ…。
浦島太郎ばりの隔世の感にオドロキつつ、さっそく新兵器の活躍の場を提供して…
完成。

なんだかんだと細々したものが増えてくる作業場、ネジ類などサイズや種類ごとにいろいろあるものを収納するには、小分けにできる棚があったほうが断然便利。
というわけで作ったこの棚、ネジも釘も一本も使ってないんだけど、グラグラしなーい、ガタガタしなーい。
ちなみにホントはすべての升目は等サイズの正方形になるはずだったところ、算数を間違えてしまったために真ん中の横列だけ微妙な長方形になっていたりする。
でも言われなきゃわかんないですよね?
話は変わる。
ここのところ続けざまに岩場のポイントを訪れて、浅いところで不思議な光景を何度も見かけることとなった。
最初は違和感を覚えただけで、何がどう変なのか気がつくま3秒くらいかかったその不思議的光景、いくつか皆様にもご紹介しよう。



メガネゴンベやホシゴンベたちのいったい何が変なのか、気がつかれました?
何も感じなかったニブイ方には、変じゃないバージョンをご覧いただこう。

おわかりですね?
そう、居る場所が変なんです。
メガネゴンベやホシゴンベといえば、ミドリイシ類やハナヤサイサンゴ類といった、長短問わず枝があるタイプの生きているサンゴの上にチョコンと乗っているもの。
ところがこのあたりでは、枝などひとつもないハマサンゴ類に乗っているものがやたらと多いのだ。
その理由は、この場所に居ればひと目でわかる。
というのも、どこを見渡してもあたり一面…

…サンゴがことごとく白化で壊滅しているから。
枝があるサンゴといえばハナヤサイサンゴ系の小ぶりなものがわずかに散見される程度で、小さな個体ならそれでもOKかもしれないけれど、オトナになるとサイズに見合わないのか、やむなくハマサンゴ類の上に乗っている…という状況らしい(ハマサンゴ類も半分以上死んでいる)。
テキトーにチョコンと乗っているように見えても彼らゴンべさんたちにはちゃんとこだわりがあって、生きているサンゴの感触がとても大事らしい。
これまでもホシゴンベが塊状サンゴの上にいるのを見たことがありはするものの、それはあくまでも通りすがりにたまたま…って感じで、落ち着いている時にはやはりヘラジカハナヤサイサンゴをはじめとする枝状のサンゴに乗っていたはず。
それがこれほどまでに高確率でハマサンゴの上に乗っているってのは、やはり尋常ならざる事態といっていい。
砂地のポイントで潜っているときは、浅いところといってもせいぜいリーフエッジ付近で、そのあたりは白化を免れたサンゴがわりと多い。
でもそれよりさらに浅いリーフ上に行けば、見るも無残な状況になっている。
島の西側のポイントはリーフが長く沖まで何本も伸びているために山あり谷あり地形で、浅いところの山の上は水深5メートルくらいのゾーンがずいぶん広く、安全停止ラインの眺めはことごとく無惨な状況だ。
そのためそこで暮らしているホシゴンベやメガネゴンベたちはかなり不自由しているに違いなく、なかにはこんなところで落ち着いているものまでいた。

ソフトコーラルに乗っているメガネゴンベなんて、初めて観たかも…。
まぁメガネゴンベ本人は、まんざらでもないって顔をしてはいたけれど。

こだわりはあっても妥協はできる、バイタリティに満ちたゴンべさんたちなのである。