2018年11月20日
おもひでぽろぽろ。
2018年 11月19日(月) 未明雨のち晴れ
南のち北の風 おだやかのち時化模様
未明に低気圧を伴った前線が沖縄本島地方を通過したため、夜中にどえらい嵐になってしまった。
この季節に凶暴な南風が吹くとはなぁ…。
夜が明けるころには前線は東へ去ってしまっていたから、いったんは落ち着きを見せた海も、やがて張り出してきた大陸の高気圧が、侮れない北風を吹かせ始めた。
もっとも、張り出し自体は強いものではないので、夜半の南風に比べれば北風はかわいいもので済みそうな予報ではあった。
が。
今の港の状況と連絡船の組み合わせでは、風が吹き始める前の1往復のみの運航が精一杯。
その後の便はあえなく欠航と決まった。
船長カネモトさんがつぶやく。
「前の船だったら大丈夫なのに……」
というわけで、連絡船は9時以降はお留守になることが決まったので……
風をよけるために、うちのボートを桟橋のこちら側に回させてもらった。
普段係留しているところだと、砂が間近に迫っているせいもあってボートの船首を風上に向けられないから、船尾にまとも受ける北風が強めに吹く場合は、なるべく置いておきたくない。
だから以前まではその都度渡久地港の岸壁まで避難させていたものだったけれど、欠航=連絡船は渡久地港停泊となっている今なら、わざわざ渡久地港までもっていかずとも、ここに停めておける。
以前にも触れたとおり、連絡船が渡久地港を母港とするようになってからの、数少ない利点のひとつである。
さて、朝の1往復のみとなれば、もちろんのこと日帰り客が島に来ることはなく、雑貨屋さんを開けている意味はない。
ところが、釣り目的で毎年この季節に水納島にご滞在になる民宿の常連さん(from 北海道)が、いつものように来店して大人買いしてくださったおかげで、オフシーズン10日分の売り上げを1日にして記録してしまったのだった。
前日の絶好の行楽日和には総額250円だったのに。
当店ダイビングサービス同様、雑貨屋さんもどうやらリピーターさんのおかげで成り立つようになってきてるような気配が……。
話は変わる。
久しぶりにアカククリの若魚と出会ったことをきっかけに、水納島周辺から姿を消していく知られざる魚たちに思いを馳せつつ、深い啓蒙精神でその事実に隠された地球の危機を訴えようとするワタシとは一線を画す潜り方をしているオタマサは、同じ日のダイビングで何か皆さんに伝えるべきものがいた?というワタシの質問に対し、こう応えるのだった。
「イイジマフクロウニがウンコしてた♪」
その様子。
何を食べてるんだか知らないけれど、フンフンフン黒豆や~のような粒々をポロポロポロポロ…と放出。
そして最後は……
スッキリ。(以上の写真、撮影:オタマサ)
フツーのヒトの場合、イイジマフクロウニに出会ったら、共生しているエビやカニは居はせぬかとチェックし、居なければとりあえず意外に美しい外観を撮ったり局部クローズアップを撮ったりするところ、ウンコに注目して嬉々として撮影するあたり、さすがオタマサワールド。
この1本のダイビングの記憶が、たとえこのウニのウンコポロポロだけになろうと気にしない。
そしてもちろん、その最中に頭上をマダラトビエイが行き過ぎようとも、ビクともしない。
変態社会人はブレないのである。