2019年10月05日
獅子身中の虫作戦。
2019年 10月4日(金) 晴れ
北東の風 少し波あり 水温26度
やはりこの季節、風が北寄りに変わると「秋」になる。
それでも日差しはまだまだ強いから、北寄りでもそよ風で晴れてさえいれば、海に入ろうって気が湧き上がる。
というわけで、今朝も早めに海へGO!
あ、そうそう、昨日紹介し忘れた魚が1つ。
数年ぶりにこのスズメダイに出会っていたのだ。
おそらくマツバスズメダイの若魚。
沖縄にもいるところにはサンゴの周りで群れているらしいマツバスズメダイながら、水納島ではこれまでオトナは1度しか観たことがない。
実はその前年には若魚にも会っていたのだけれど、当時は別の魚だとばかり思いこんでいた。
そのあたりのことについてはこちらをご参照いただくとして、そこで触れているとおり、マツバスズメダイをマツバスズメダイとして水納島の海中で認識したのは初めてのこと。
やはりどこからかたまたま流れ着いてきただけらしく、周辺に同じ種類のスズメダイは皆無。
でも根は大きいしサンゴその他隠れ家はたくさんありそうだから、オトナになるまで成長するかもしれない。
さてさて、本日もチビターレシリーズ。
砂地の根を訪れてみると、お馴染みのウツボがいた。
ご存知ゴマウツボ。
でもこのゴマウツボ、どことなく幼く見えませんか?
それもそのはず、このゴマウツボ、こんなにチビターレなんです。
あ、左隅の肌色部分はワタシの人差し指です(※良い子はマネしてはいけません)。
別の根では、先月から確認しているこのチビがまだ頑張っていた。
メガネハギのチビターレ。
ツマジロモンガラのチビを500匹観る間にメガネハギのチビターレを1匹観られるかどうかというほどレアなんだけど、今年はこれとは別個体のメガネハギのチビとも会っている。
しかしだからといって、ツマジロモンガラのチビターレを1000匹は観ていない(と思う)。
その同じ根には、超お馴染みの……
タテキンベイビー。
ひところはなかなか出会えない時期が数年続いたけれど、今年は各所でチビターレに出会えている。
そのすぐそばには……
ミナミハコフグ♪
ちょくちょく出会えるシアワセの黄色いサイコロながら、会いたいと願うヒトの前にはなかなか出てきてくれない。
ところで、先日も触れたように、砂地の根にはまだスカテンやキンメモドキがわんさかいるところがある。
そういう「エサ」となる小魚がたくさんいるところには、それらを狙う捕食者たちもたくさんいる。
ミナミアカエソもそのひとつで、砂地の根の周りには彼らの姿がとても多い。
でもいくら多いからといっても……
多すぎ。
こんな感じで根の周りにいくらでもいるんだもの、スカテンたちは、産んでも産んでも追いつかないだろうなぁ…。
リーフ際に戻ってくると、昨日紹介したチビよりはもう少し成長した段階のニシキヤッコがいた。
昨日紹介したチビと比べると、背ビレ後端の眼状斑がハッキリしなくなってきている。
オーバーハングの裏側にいるので、ホントはお腹を上にした状態でウロウロしていた(写真は天地を逆にしてます)。
これがオトナだったら、ダイバーの接近を知るやすぐさま逃げてしまうところながら、チビの間はまだ生意気盛りなのか、昨日のチビにしてもこの子にしても、縄張りに闖入してきたアヤシイものを睨みつけるように、何度も何度も眼前を行き来してくれた。
そのオーバーハングから続くリーフエッジの切れ込みをさらに奥に行くと、そこは昼なお暗い場所になる。
そういうところを愛するこういうチビがいた。
一見するとヤライイシモチのチビに見えるけれど、目を通るラインのすぐ上に、新たなラインがうっすらと出始めている。
すなわちこのチビは、スダレヤライイシモチのチビターレだ。
ちなみに同じようなところにいた同サイズ(4センチくらい)のヤライイシモチのチビを観てみると……
そのような線は出てこない。
これより小さなスダレヤライイシモチとヤライイシモチは、そっくりすぎてワタシにはもう区別がつかない……。
ちなみに、このスダレヤライイシモチのチビがオトナになるとどうなってしまうかについては、こちらをご参照ください(ヤライイシモチはオトナになってもほぼこのままです)。
で、スダレヤライイシモチのこのサイズのチビをそれと認識して観る機会がこれまでほとんどなかったので、この機会にしばらく眺めてみた。
すると、同じような環境を好むアオギハゼの群れに、スルスルスルスル……と近寄っていくスダレヤライチビ。
ん?ひょっとして??
と思った瞬間、電光石火の素早さでアオギハゼの群れにアタック!!
…空振りだったけど。
ヤライイシモチの仲間は他の小魚をもエサにする、という話は知識としては知っていたものの、実際に襲い掛かるところを目にしたのは初めてかも。
小なりとはいえ、その動きは紛うかたなきプレデターだった。
そうか、昨日のリュウキュウヤライイシモチのチビチビがアオギハゼと一緒になって泳いでいたのは、醜いアヒルの子じゃなくて、獅子身中の虫だったのか……。
Posted by クロワッサン at 07:21│Comments(0)
│水納島の海