2020年12月12日

三の字。

2020年 12月11日(金) 晴れのち夜から雨

東のち北の風 おだやかのち荒れ模様 水温23度
 
  「みなさん、こんにちは。ガースーです」
 
 から始まるスカ話を観たり聞いたりして、ああこの国は終わっている……と思った方も多いことだろう。
 
 しかしこの先彼がどんなにヘタを打とうとも、神奈川2区の選挙民は次回もまた彼を当選させるのだから(和歌山3区ではきっと2F氏圧勝)、もはや小選挙区制ではこの国はどうにもできないということがよくわかる。
 
 それもさることながら、官房長官時代から普天間飛行場の辺野古への移設について、彼ができの悪いレコーダーのごとく繰り返し言い続けている
 
 「辺野古は唯一の選択肢」
 
 という言葉が、いかに空疎でイロジカルなものであるかということが、奇しくもコロナ禍中のGO TOキャンペーンで浮き彫りになってきた感もあるのだった。
 
 さてさて、前日の予報では少しくらいは日差しが出るかな…と期待が持てていたこの日は、朝になって日中は雲マークだけになってしまった。
 
 ありゃりゃ…と残念がっていると、日中ずっと晴れ間が広がる好天に。
 
 今月は10日までの日照時間は全部合わせても1時間くらいだったから、こんなに長い間太陽が姿を見せてくれるとどれほど暑くなるか、ということをすっかり忘れていた。
 
 もちろんこの日も海へ。
 
 前日は今年を象徴するネムリブカに会ったり、ハナヒゲウツボがいたり、この日はオオモンカエルアンコウが2匹いたりアオウミガメと会えたりして、105ミリマクロレンズが無用の長物になってしまう状態だったのだけど、この日のメインイベンターもまた、そのようなレンズの出番が無い魚だった。
 
 リーフ際に戻ってくると、日差しを浴びながらササムロ(グルクン)がリーフエッジ付近にゴシャンと群れていたので見とれていたときのこと。
 
 見慣れぬ魚が変な動きをしながらリーフエッジ付近にやってきた。
 
三の字。

 30~40センチのこの魚、これはひょっとしていまだ水納島で出会ったことがないあの魚ではあるまいか?
 
 すると彼は変な動きを続けつつ、こっちに近づいてきてくれた。
 
三の字。

 おお、やはりコイツはニザダイ!!
 
 ん?
 
 体の左側に何かついている??
 
三の字。

 あら、コバンザメ♪
 
 ひょっとすると過去に岩場のポイントで遠目に見たことがあるかもしれないけれど、砂地のポイントでしかも間近で観るのはまったく初めて、写真に残せたのは生まれて初めてのニザダイがコバンザメ付きだなんて。
 
 体表が傷んでいるのは、コバンザメにくっつきまくられているからだろうか?
 
 コバンザメがついているのを相当嫌がっているようで、最初から変な動きをしていたのも彼の方から近づいてきてくれたのも、そのせいらしい。
 
 ところでこのニザダイ、ハギの仲間たちはたいてい〇〇ハギという名前だけれど、彼らが属している「科」はニザダイ科。
 
 そう、あらゆるハギたちの本家本元はこのニザダイなのである。
 
 本土ではお馴染みの魚で、釣り上げた状態で縦にしてみれば尾柄部の模様が漢字の「三」に見えることから、「三の字」という名でもよく知られているニザダイ。
 
 ただし主生息域は温帯の海なのか、伊豆あたりでは群れ成している姿が観られるニザダイなのに、沖縄では釣られることはあってもダイビング中にはそうそう出会えない。
 
 2008年に刊行された吉野雄輔著「日本の海水魚」では、ニザダイの分布域として
 
 南日本、伊豆諸島、伊江島、朝鮮半島、台湾
 
 と記されており、沖縄方面は伊江島だけが局地的に紹介されているだけだから、遭遇頻度の少なさがうかがい知れる。
 
 魚類写真資料検索データベースでニザダイを調べてみると、その伊江島の他に、後年沖縄本島で撮影された写真もあったけれど、沖縄の海で撮影されているニザダイはその2例だけ。
 
 フツーにヤフーで画像検索してみても、釣果の写真はあっても沖縄の海中で撮影されたニザダイの写真はまったくヒットしない。
 
 ただでさえ遭遇頻度が少ないうえに、おそらくはいたとしても誰もハギなんて撮らないから、「記録」として残っていないのだろう。
 
 そんななかにあって、ワタシにはかつて真栄田岬だかどこだかの本島の海で撮影されたニザダイの写真を見た記憶があった。
 
 当店ゲストのアポガマ会世話人Mさんが主宰しているブログサイトである。
 
 たしかその記事中では軽く「ニザダイです」的に触れられていただけだったけれど、ちょうどその頃ワタシは水納島で観られるハギの仲間たちに注目していたこともあって、本島ならフツーにニザダイに会えるのかぁ…とうらやましく思ったのだ。
 
 さっそくアポガマ会のブログ内検索でニザダイと入れてみると…
 
 やっぱりあった!(こちらからどうぞ)
 
 さすが、本島ビーチエントリーダイビング愛好ワールド屈指のアポガマ会、貴重な「沖縄のニザダイ」をさりげなく掲載しておられるあたりがココロニクイ。
 
 当サイトもそのココロニクイ沖縄のニザダイ紹介サイトに仲間入りだ。


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Posted by クロワッサン at 08:38│Comments(0)水納島の海
 
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