2020年12月24日
カペラ。
2020年 12月23日(水) 晴れのち午後遅くから雨
東の風 波あり 水温22度~23度
ローマ帝国の全盛期に君臨したハドリアヌスたち五賢帝とか、19世紀のドイツ帝国の隆盛を極めたビスマルクや20世紀の英国の大ピンチを乗り越えたチャーチルなど名宰相とか、江戸幕府中興の祖と言われる将軍吉宗とか、そこまで世に名を遺すほど優れた政治家なんてゼータクなことを望んだりはしない。
ただ、フツーの道徳心とフツーの良識・見識とフツーの知性を備えたヒトたちが政治家になってはくれないだろうか…
…ということが、こんなにもかなわぬ望みになってしまうとは。
やることなすこと巷でどれほど批判の的になろうとも、国会で息をするように平気で嘘をつこうとも、結局次の選挙ではみ~んな当選しちゃうんだから。
何度も言うけど、もはや現在の小選挙区制では何も変えられないし変わらない。
かつて共和制ローマにおいて、ユリウス・カエサルやオクタビアヌスが共和制を維持させているように思わせながら気がつけば実質帝政にしたように、民主主義社会の国会であるようなフリをしながら気がつけば実質全人代になっている日本。
それも人材が払拭しきった全人代なんていう、「サイコロ型の正露丸」みたいな超矛盾のテイで。
ローマ帝国の誕生時、当時ローマ社会に生きる人々のほとんどがその「誕生」に気がつかなかったのと同じく、500年後に目にする年表上では、とっくの昔に「社会主義国家日本自民共和国」が誕生しているに違いない。
その立法府の人材が払拭しているとなれば、政治のチカラで生き残るすべは無いといっていい。
滅びの笛のソナタは、いよいよ第4楽章に突入だ。
それが「歓喜の歌」だったら、かなりのブラックジョークかも…。
さて。
今日も天気予報はいい方にはずれ、午前中は太陽輝く青い地球になっていた。
さっそく海へ。
今月はカンムリベラの仲間の他、禁断のサンカクハゼの仲間にも注目している。
サンカクハゼの仲間なんていったら、一般健全ダイバーのほとんどすべての人にとってエキストラのような存在で、例えていうなら時代劇の江戸の町で蕎麦屋に入る鬼平の後ろをスッと通り過ぎるだけの「通行人A]といったところだ。
ワタシにとっても、AからDくらいの変化はあるにせよ、ほぼほぼエキストラ通行人扱いで、特徴的な一部の種類を除いては、これまでのダイビング人生で「注目」したことなどごく限られた一時期しかない。
それゆえの「禁断」。
でもお魚コーナーの性質上無視するわけにもいかないので、この師走にサンカクハゼたちに対し、前世紀以来20年以上ぶりとなる熱いマナザシを向けてみた。
すると……
あれ?
フツーに観られると思っていたツマグロサンカクハゼになかなか会えない??
たしかにいる場所を選ぶハゼではあったけど、こんなに会えないものだったっけ??
今シーズンだっってチョコチョコ目にしていた記憶があるんだけどなぁ。
しょうがない、手持ちの写真だけで……
…と思ったら、なんてことだ、デジイチになってからは、たったの3枚しかツマグロサンカクハゼの写真が無い!
ツマグロサンカクハゼはフィルムで撮っていた頃にはもっと注目していたから写真はあるんだけど、セスジサンカクハゼに至っては2つの世紀にまたぎつつちゃんと撮った履歴が無い。
しかも困ったことに、ホントにセスジサンカクハゼなのかという自信も無い。
なにげに背景で歩いているエキストラのみなさんには、それが演出上意図されたものでないかぎり、画面の中で目立ってしまってはいけないという鉄則がある。
セスジサンカクハゼとその仲間たちはさすが通行人Aだけあって、エキストラの心得をちゃんとわきまえているのだ。
セスジサンカクハゼという種類は前世紀から知られた存在だったのに対し、今世紀になって新たに和名が付けられたサンカクハゼの仲間もいる。
その名もカペラサンカクハゼ。
ハゼ変態社会御用達の図鑑である「日本のハゼ」では、「サンカクハゼ属の1種」と紹介されているハゼだ。
カペラとは往年のマツダの車のことではなく、夜空に輝く1等星のひとつ、馭者座で最も明るい星のことなのだろう。
近年のハゼにはシリウスだぺガススだといったお星さま由来の名前がつけられる傾向が一部にあって、このサンカクハゼもその流れのひとつなのだろう。
背ビレの前縁付近についている特徴的な模様をそのカペラに見立てたに違いない。
こういうわかりやすい特徴があるものは、写真に撮ったあとであれやこれやと悩む必要が無いからありがたい。
でもごく最近和名がつけられたくらいだから、そうそうお目にはかかれないんだろうなぁ、カペラ……
…と思ったら。
いた。
背ビレの前縁付近に青っぽいポッチリがあるでしょ?
それがカペラの印。
セスジサンカクハゼ(と思われるハゼ)のように、呑気に明るいところをウロウロしたいわけではないらしく、やや暗いところでこちらの様子を見ていたカペラ。
背ビレもあと一息で全開状態、せっかくだから真横から撮らせてもらいたいなぁ…と思いつつ、もっと身を乗り出してくるまでジッと待っていた。
すると、それ以前からこの根の反対側でずっと騒乱状態だったボスユカタハタのオスメスコンビ対通りすがりのバラハタのケンカがこちら側にも波及してきて(バラハタがやたらとしつこい)、そのあおりでカペラはシュッと奥に引っ込んでしまった……。
バラハタめ、喰ってやる!!
< シガテラ。
というわけで、束の間の初遭遇となってしまった。
これまでも通行人Aとしては見ていたかもしれないけれど、実はその通行人Aがカメオ出演の深キョンだった的なうれしい発見、カペラサンカクハゼ。
次回はハタたちがケンカをしていない時に、一緒に「通行」させてもらおうっと。
このカペラサンカクハゼのようにわかりやすい特徴があればいいのだけれど、「特徴」とされているものでも環境の違いや個体差で見た目が随分変わる種類もあって、ひとたび「注目」してしまうと春日三球の夜を迎えてしまうことになりかねない。
その危うさをはらんでいるのがこちら。
このサンカクハゼはいったい誰なんでしょう??
このままでは夜も寝られなくなっちゃう(もしくはそのまま忘れてしまう)かもしれないので、ご存知の方はテルミープリーズ。
Posted by クロワッサン at 08:13│Comments(0)
│水納島の海