2020年12月28日
MIP2020。
2020年 12月27日(日) 晴れ
南東の風 日中はかなり波あり
かねてより通知されていた予定どおり、本日は共同作業の日。
新年を前に、御願所周辺の清掃、そして桟橋から続く坂道に溜まった砂の除去、そして春に植えた椰子の周囲に生い茂ってしまった雑草の除去と、それに合わせて椰子1本1本に追肥、さらに椰子たちが冬の強風を凌げるよう風除けを……
…なんてことを、ただでさえ少ない人数で手分けしてやっていれば、9時30分から初めて途中1時間ほど昼休憩を挟みつつ、15時30分終了。
オフシーズンともなれば普段は箸より重いものを持たない暮らしをしているだけに、オーバーワークも甚だしい……
…のはワタシだけで、オタマサは普段と変わらぬ労働量なのだった。
ところで、春に椰子を植えた際には具体的に作業内容をお知らせせず、ご来島時にわかるはず、ということにしておいたのだけど、みなさんお気づきになりましたか?
大きな声では言えないけれどなんとも昭和な演出なので、ワタシとしてはこれ見よがしにアピールしたくならないこの椰子たち、ゲストの中には目ざとくお気づきになるかたもいらっしゃって、
「なんでこうしちゃったの?」
と否定的に尋ねられる始末。
ワタシは作業はしてますけど、実施決定に至る過程にはいっさい関わっていないので、そのような質問は他所にお願いいたします…。
もっとも、今どきの沖縄旅行客からすると、このようなわかりやすい「昭和的いかにも南国演出」がむしろウケるのかもしれない。そういう意味では需要に則した演出ということか。
同じように、瀬底島の端に立派なヒルトンホテルが建っているほうが、喜ばれるということでもあるのだろう…。
牧志の公設市場は立派になっちゃうらしいし、農連市場は見る影もないし、備瀬のフクギ並木の入口はホテルの入口みたいになっちゃってるし……
古くからの沖縄ファンにとっては、消えていく「沖縄らしさ」をどこかに探すことがどんどん難しくなっているに違いない。
さてさて、この日は雨に祟れることなく、暖かな日差しが降り注ぎつつ木陰がまた気持ちいい絶好の作業日和になったのだけど、それってつまり抜群の海日和なんじゃ?
ところが今日は南東の風が昼前後をピークにやたらと強くて、坂道から見下ろす伊江島方面の洋上は、台風接近中もかくやというほど時化ていたのだった。
我が家のデッキの上のトマトの植木鉢が倒れていたくらいだから、相当な風の強さだ。
この時期に南東の風が強烈に吹くだなんてなぁ…。
おかげで、絶好の海日和なのに…と指をくわえて海を眺める必要はなかった。
翌日は北風が少々強くなりそう、翌々日は風はおさまっても雨模様、そして晦日、大晦日は激荒れ必至。
どうやら先日のダイビングが今年の潜り納めになりそうだ。
というわけで、毎年恒例この1年の海を振り返ってみる。
今年はコロナ禍のために目も当てられない営業成績になってしまったかわりに、例年ならカメラを携えて呑気に潜っていられないような季節でさえ時間だけはたっぷりあった。
なにしろ年間を通じたダイビングの本数は、シゴトで潜った数よりも遊びで潜ったほうが多いくらいなのだから。
おかげで例年以上に出会う機会と撮る機会がマッチしてくれて、あー、これは撮りたかったなぁ…と歯噛みする思いをほとんど味わわずに済んだ。
そんな1年間におけるワタシのMIPはといえば、先日のナゾヨウジを僅差で上回ったこちら。
人生初遭遇のタキベラ属の1種。
詳しいことはこちらをご参照いただくとして、大怪我から見事復帰してくれたおかげで、一生に一度級のレア魚にもかかわらず、ファーストコンタクトから3ヵ月経ってもまだ出会うことができた。
ところが、傷がほとんど癒えた姿を観てからさほど時をおかず、ついにタキベラタキちゃんはGone。
もともとが本来いるべき場所ではなかったにせよ、もう少し居られたろうに…。
タキちゃんが大怪我をした理由も消え去った理由も、おそらく↓こちらの方にあると思われる。
ゴマウツボ。
ファーストコンタクトの頃からすでに、ここにゴマウツボが常駐していた。
ホンソメワケベラほどではないにしろタキちゃんは習性上クリーニング行動もするようなので、ウツボがそばにいても物怖じすることなく、むしろ自分から近づいて行ってサービスケアをしようとしているフシがあった。
しかしゴマウツボとしては、この柄の魚がクリーナーという情報が遺伝子的に無いから、そうやって間近をウロウロしている派手な魚なんていったら、格好のカモ……
…ということだったのかもしれない。
一方オタマサのMIPは、言うまでもなく↓こちら。
まさかの遭遇、オリビアシュリンプ。
雨模様で分厚い雲が空を覆っていて、そのうえ大雨台風後のせいでたいそうな濁り方だったため、ライトをつけないと何も見えないほど暗い海中だったからこそ、日中にこのように姿を現してくれたらしいオリビアシュリンプ。
この写真でオリビアちゃんが拠り所にしているニクイロクダヤギはその後もずっと健在ながら、オリビアの姿は以後どこにも見当たらず。
まさにかくも儚き一期一会、奇跡に近いチャンスだったようだ。
その千載一遇に巡り会えたのも、コロナ禍のおかげかもしれない。
言い方を変えれば、この写真は約200万円かかっている、ということでもあるのだ。
ってことは、MIPというよりは、字義どおりのMVPかもしれない??
Posted by クロワッサン at 09:10│Comments(0)
│水納島の海