2023年09月22日
ヤコウガイ、その美味しさのヒミツ。
2023年 9月21日(木) 晴れ
北東の風 ベタ凪ぎのちおだやか
この日も時系列天気予報上では午後に小さな傘マークが開いていて、このところお馴染みのにわか雨が降ることを告げていた。
ところが水納島には1滴の雨も降らなかったようで、ホッシーたちは夕刻の水浴びシャワーをたいそう喜んでいた。
一方、今月最後の買い物デーで本島に出掛け、時間はたっぷりあったから国頭村まで足を伸ばしたところ(ヒルバレージュニアのリベンジに成功するも、ユイカフェの黒糖シュークリームが滅多にない売り切れという悲劇あり)、昼前くらいから「ところにより」のにわか雨が。
雨に追われるように南下すると、西の空には青空が広がり、山のほうには雨雲がどっぷり…という不思議かつよくある光景が広がっていた。
さらに南下すると空は一変して晴れ渡り、バイカ―たちが心地よさそうに北を目指して走っていた。
あのぉ…そっち行ったら雨ですよ?
大宜味あたりでは晴れていたのだけれど、前方を見ると名護はすっぽり雨雲に覆われている様子。
でも名護で買い物しなければなんのために出掛けてきたのか意味不明になってしまうから、雨を厭わず名護市街に入ってみたら、圧倒的怒涛の大雨になっていた。
イオン名護店の下から上がる坂道の手前と入口付近が、昨年経験したようなとんでもない水量になっていたからびっくりした。
でも昨年はライフだったからヤバかったけど、この日は(12万キロ走っている)新車だからタイヤもでっかく、道が局所的に池になっていても安心して通過できる。
というわけで雨降りだったのだけど、せっかくだからとオタマサにせがまれて立ち寄った喜如嘉のターブクでは、久しぶりにセイタカシギに遭遇した。
沖縄県では一応冬鳥ということになっているようなのだけど、初夏以外ならいつでもどこかにいるような気がするセイタカシギ。
だからといって、喜如嘉のターブクであれどこであれ、年がら年中同じ場所にいるわけではないから、いたらやっぱりラッキー感がある。
ほとんど放置プレイ状態に見えるこの時期のターブクでも、このように水が張られている場所があれば、セイタカシギのエサ場として申し分ないのだろう。
オクラレルカの花見は名物になっているとはいえ、いつまで残ってくれるかなぁ、喜如嘉のターブク。
さてさて、このような鳥さんを遠くから撮る場合に活躍しているのは、光学40倍ズームOKのコンデジ。
もちろんのこと近接撮影もOKだから、出先であれ庭先であれ、普段から何を撮るにも出番は多い。
でもさすがに夜空に向かってヒョイと気軽にとっても、画面には何も写らない。
その点ヒトをダメにしていくツールの最たるものであるスマホは、ほろ酔い気分でホイホイホイと天に向けて撮るだけで、星空まで撮れてしまう(機種の価格差で性能は異なりますが)。
その話を先日紹介したあと、撮影者であるミノワマン氏が、ネタ用にと後日画像を送ってくださった。
その晩に4枚ほどホイホイホイ…と撮影された星空、その1枚をシゲシゲと眺めていたら驚いた。
画像提供:ミノワマン
夏の大三角がドンと真ん中に!
画角的にアルタイルの居所であるわし座は全部入っていないものの、デネブのはくちょう座もベガのこと座も、クッキリハッキリコンプリート。
ものすごくテキトーに撮っておられたように見えたけど、ミノワマン氏、ちゃんと意図して撮影されていたのだろうか?
もし見えざる手のチカラだったのなら、それはそれである意味スゴイ。
ただ真上を見上げて撮っただけと言ってしまえばそれまでながら、画角的に偶然でコンプリートできる確率は相当低いような気が…。
恐るべしミノワマン、その「ゴッドハンド」はご本業だけのものではないらしい…。
話は全然変わる。
ヤコウガイはサザエ(チョウセンサザエ)の10倍くらいある大きな巻貝で、身の美味しさや貝殻の美しさから、昔から水産資源として重宝されている。
有名な中尊寺の金色堂の螺鈿細工の材料もこのヤコウガイだったりするほどに(だからといって当時も今も、奥州の海でヤコウガイが獲れるわけではないところが面白い)、工芸分野では馴染み深い素材でもある。
それくらい有名ではあるものの、なにせ高級食材なので、そうそう口にできるものではない。
ところが、何かと不便な離島で暮らしていると、その暮らしぶりを見るに見かねた海神様が、ときどきニッコリ微笑んでくださることもある。
その味をご存知なのは、家計が違う一部の選ばれし方々のみかもしれないけれど、このように刺身になった姿を写真なりなんなりでご覧になったことがある方はわりと多いはず。
身よりもさらに重宝される貝殻についても、ご覧になったことがある方は多いことだろう。
ことほどさように有名なヤコウガイだから、貝殻も刺身の様子は誰もが知っている。
ではヤコウガイの体って、どんな感じなの?
…ということについては、想像はできても、具体的な色味などはイメージできない方が多いのではなかろうか。
そこで!
これがヤコウガイの体です。
この動画以前には、体を出そうか出すまいか、数分間の逡巡があったのだけど、意を決して体を出してくれたヤコウガイ。
深緑色のボディ、その裏側は黄色っぽかった。
そして体の吻側(触角が生えているほう)が少しでも岩肌に達すると、あっという間に貝殻を正位置に戻すその筋力!
ヤコウガイのお刺身、そりゃ美味しいはずだわ…。