2023年09月23日

スズメダイ玉。

2023年 9月22日(金) 晴れ夕刻にわか雨

南東のち南西のち北東の風 おだやか 水温27度~30度

 この日もやっぱりにわか雨。
 
 本島方面は地域によっては昼間に降っているところもあったのだろうけど、水納島上空は日中はおおむね晴天で、朝と夕だけ雲が通りかかってしまった。
 
 にわか雨が定番になっている今月ながら、おおむね好天続き、しかも台風がまったく来ないというキセキの期間になっていることもあって、水温がまたジワジワと上昇している。
 
 水深20メートルを過ぎるとガクンと冷たくなって27度くらいになるんだけど、それより浅いところは2度ほど温かく、リーフ上ではダイコンの水温表示が30度を表示していた。
 
 で、27度ゾーンはやや濁っているのに対し、温かいところは真夏のクリアウォーターで、まさに夏再来といった感じ。
 
 Zターン台風後に心配されたグリーンワールドも、その後はこういう塩梅になっている。
 
スズメダイ玉。

 怒涛の波濤で物理的に破壊されたサンゴの端々はいまだガタガタしているとはいえ、あの不気味にライトなグリーンの藻が蔓延っている様子はない。
 
 台風直後からしばらくは物理的破壊で縁がガタガタになっているサンゴにはライトグリーンの藻がほぼ100パーセント蔓延っていたのに、今ではまったく藻がついていないものも見られるし…
 
スズメダイ玉。

 傷んだ箇所に藻が残っているものも、現在はこんな感じになっている。
 
スズメダイ玉。

 蔓延るライトグリーンの藻のために多くのサンゴが息も絶え絶えに見えた先月とは対照的に、今ではかろうじて残っている藻が息も絶え絶えといった様子だ(藻の種類も変わっているっぽい)。
 
 これはやはり、当時は度を越した大雨によって本島方面の富栄養&塩分濃度が低い海水が広範囲に蔓延し、特殊環境にしか育たないはずの藍藻が我が世の春とばかりに大繁茂した…ということなのだろうか。
 
 当時コメント欄で屋我地さんからご教示いただいたところでは、サンゴ礁が藍藻によって衰退させられるという例はこれまで聞いたことがないというお話だった。
 
 もちろんそれは、健全なサンゴ礁環境と藍藻が蔓延る環境がまったく異なるからにほかならない。
 
 ところが、いくら度を越した大雨・長雨だったとはいえ、サンゴ礁に藍藻が育つ環境を一時的に提供できるくらいにまでなっている沖縄本島エリア…。
 
 美ら海美ら海とのんきに歌い踊っている間に、海はどんどん大変なことになっているのだった。
 
 話は変わる。
 
 多くのベラ類は、潮のタイミングに合わせて日中に産卵する、ということはこれまでに何度も紹介した。
 
 日中に産卵をするということは、他の魚たちも思いっきり活動時間なわけで、特にリーフエッジ付近のように魚が集まる場所ともなると、ほとんど御馳走を提供しているような状況になる。
 
 特に味をしめているのが、本来プランクトン食の群れるタイプのスズメダイたちだ。
 
スズメダイ玉。

 リーフエッジ付近で群れているアオバスズメダイたちは、ベラ類が産卵するや、待ってましたとばかりに群がり、卵をボイボイ食べ始める。
 
 以前も紹介したこのスズメダイ玉、しかし画像だと彼らがどう盛り上がっているのかいまいちわからない。
 
 そこで、今日はその様子を動画で撮ってみた。
 
 
 
 アオバスズメダイを中心に、ロクセンスズメダイたちも混じっての大饗宴。
 
 盛り上がりすぎて、オヤビッチャか誰かが水面付近で水をはねてしまい、その音にビックリした全員がサッと散会するあたり、フィーバーしていても周囲の警戒は怠っていないということだろうか。
 
 産みたてホヤホヤの卵を貪り喰われるベラたちも、ただ黙って甘受しているわけではなく、産卵前につきまとうスズメダイ類を闘志剥き出しで追い払ってはいる。
 
 でもしょせん多勢に無勢だし、産卵・放精をしたくてウズウズしているとなれば、隙をついて産卵するしかない。
 
 そこでベラたちはスズメダイたちの隙をついてシュッ…と産卵するのだけれど、スズメダイたちはあっという間に気がつき、ワッと卵に群がるのだった。
 
 産む前の鮭の卵を美味い美味いと食べているワタシがいうのもなんだけど、産んだばかりの卵を食べられてしまうってのもなぁ…。
 
 もっとも、この時点での淘汰のおかげもあって、リーフエッジがヤマブキベラ塗れにならずに済んでいる、ということなのかもしれない。


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Posted by クロワッサン at 06:24│Comments(0)水納島の海
 
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