2024年02月04日
本部富士登頂作戦。
2024年 2月3日(土) 晴れ午後から時々雨
南西の風 おだやかのち波あり
本日は、遅ればせながらのオタマサ誕生祝いプレゼントを実行する日。
お金が無くともできること、それは…
本部富士登頂!
正式名称はミラムイというこの山は、別称ながら沖縄県内で唯一「富士」の名をいただく山、ということは知る人ぞ知る的有名な話。
その昔一度その本部富士を登ろうと思い立ったことがあるのだけれど、登山口がどこだかわからず、あえなく登頂断念(登り始めてもいないけど…)。
その後オタマサが単独登頂に成功していて、これでもう気は済んだかと思いきや、山頂からの眺めが良かったこともあって、ワタシにも登頂させたいとの思いを抱き続けていたのだった。
とはいえマサエ農園拡張時代にはオフシーズンにやることが多過ぎたオタマサのこと、のんきに登山などなかなか実現する機会がなく、今日に至ってしまっていた。
そこでオタマサは、
「誕生日プレゼントには本部富士登山を!」
と熱くリクエストしてきた次第。
かつて一度登っていることだし、最初の頃のように登山口までで道に迷うこともないだろう。
でも相当昔のことなので、先日本島に日帰りした際に登山口の確認をしておくことにした。
ただしその情報源は、2010年刊行の「沖縄県の山」(山と渓谷社)。
かれこれ10年以上経っているわけだけど、まぁ本部半島の採石場じゃないんだから、山容がまるっきり変わってしまっているなんてことはあるまい。
もちろん登山口の様子だって…
…と思ったら、登山口にあるはずの「本部富士登山道入口」の看板も何も無い。
登山ルートっぽい道の入口にある看板には、「本部ふるさと歩道」の順路は書かれていても、その地図には登山口の説明がまったくない。

場所が違うのだろうか?
結局「下見」は空振りで終わってしまった。
ところが後刻グーグルマップで見比べてみると、我々がたどり着いた場所と「沖縄県の山」に載っている地図が示している場所はまったく同じで、掲載されている登山口の写真も、アングルが異なるだけで同じ場所であることがわかった。
10年以上経って、道が増え家も増え、周辺の雰囲気は変わっていたけれど、やっぱりあそこが登山口だったんだ!
…というわけで、この日朝イチの連絡船で島を出て、郵便局に届いているはずの冬のオタマサコレクションサードを受け取り(土日の配達はなく、月曜日は欠航しそうだから…)、お弁当を買ってからいったん秘密基地で荷を下ろした後、登山用の装いに変身しつつ(オタマサだけ)いよいよ登山口へ。

あのぉ、指さす山が違っているような気が…。
ちなみにここは、のっけから道が二股になっており、左側のいきなり斜面になる道にはチェーンが張られて立ち入り禁止っぽくなっている一方、先程の看板がある右側は、本部ふるさと歩道ということになっている。
きっと登山口もこの道でOKなのだろう。
というか、先に一度登ったはずのオタマサの記憶には、そのあたりの記憶が微塵もなく、結局のところ頂上からの眺め以外何も覚えていないといことが最終的に判明したくらいだから、順路もなにもまったくアテにならない。
ともかくこの細道をテケテケゆくと…

…さすが亜熱帯、のっけからジャングルっぽい。
でも本部町がふるさと歩道と謳うだけあって、細道はしっかり整備されていて、沿道には↓こういう植物も多数見られた。

ムサシアブミといい、オタマサによると水納島でも観られるものの、こんなにでっかいのは見たことないそうな。
葉自体はフツーに見えるけれど、ムサシアブミが面白いのはその花の形状だ。

これが咲いている状態なんだって。
お役所が拵えている看板にもピックアップされている植物だから、機会があったら是非ご覧ください。
ちなみに本部富士は、ただ登るだけなら片道30分もかからない。
でも我々はこのようにのんびり歩いているものだから、まだ登山入り口に達していない。
やがて道は整えられた階段となり…

…階段のあとはクレーコートのような路面が少々つづいたあと、ようやく標識が見えてきた。

ところが標識のどこにも「登山口」の案内がない。
我々は「古島」側から来ているのだけど(先ほどの地図参照)、このまままっすぐ行ったら駐車場になり、右に行くとカルストで有名な山里方面で、どっちにしろ本部富士から離れていくことになる。
ウーム……ひょっとしてチェーンで封鎖されていた道が登山道だったのだろうか?
遭難者が出て登山禁止になっているとか??
引き返してチェーンの道を登ってみるか…と思案しつつ、まずはこういう時に役に立てなきゃいつ使う的にプチショルダーバッグに入れてあるスマホを取り出し、本部富士登山情報を確認してみた(事前にやっておけという話もある)。
同じ頃、人の声が前方からも後方からも聞こえてきて、後方からやってきたのは若いカップルで、散歩しに来ました的軽装。
挨拶をかわしつつスマホをチェックしていたら、いろんな登山者のサイトのおかげで、どうやらこの少し先に登山入り口があることが判明した。
ワタシがスマホチェックをしている間、少しばかり先を確認しに行っていたオタマサは、前方から来た男性2人組が脇道を折れていくのを見、同じく登山入り口の場所を確認。
そう、これが「本部ふるさと歩道」からの登山ルート入り口です。

なんちゅう目立たなさ!
というかこの赤い矢印、こちらから見ると左に向いているということは、反対側から見ると右を指しているはず。
ところがこの矢印ときたら、反対から見ると…

…反対方向を指している!
ダメじゃん、矢印…。
というか、本来であればこの入り口は、先程の案内地図に記してあって然るべきものなのに。
本部町役場としては、「登山道は役場の管轄ではありませんので…」というスタンスなのだろうなぁ。
あーヤダヤダお役所。
ともかくもようやく入り口にたどり着いたので、あとは一本道を登るのみ。
途中には板根がけっこう発達した木もある序盤はわりと平坦な道のりだったのだけど…

…やがて道は急勾配に。

でもまだこれくらいなら引き続き周辺の生き物に目をやる余裕があるけれど、やがて道は剝き出しの石灰岩へと変わっていく。


カルスト地形の石灰岩なので、露出しているところは浸食されてかなりギザギザで、うっかり躓いてこけようものならたちまち裂傷を負いそうなほどにデンジャラスだ。

さらにめまいでも起こして落下しようものなら、たちまち落命必至の岩の急斜面。

ここらあたりはまだ周辺に土壌があるから木々が育っていられるものの、もう少し進むとほぼ岩だけとなり、急に空が大きくなった。

この右手に張り出している岩の下は崖状になっているんだけど、見晴らしもいいからオタマサにそこに立ってもらったところ…

思いっきりへっぴり腰でやんの…と言いつつ、もちろんワタシは君子危うきに近寄らず。
樹木が減って空が広がったのはいいものの、手すり代わりになっていた両サイドに生えている木が無くなってしまったため、石灰岩の急斜面はこのようなデンジャラスな岩を手掛かりにしなければならなくなる。

そのため手袋は必携と「沖縄県の山」には記されていたのだけれど、普段野良仕事で鍛えられているオタマサには必要ないらしい。
柔肌のワタシは、手を付ける場所を慎重に選びつつ、ゆっくり登る。
先程のカップルが頂上から降りてきたので、すれ違ってからさらに登っていると、そのカップルがあらぬところに姿を現した。

実は本部富士にはピークが2つあって、頂上よりやや低いもう一つのピークへ、この脇道から行けるようになっているのだ。
ちなにに奥に見えているのは水納島です。
そして最後の難所を登りきると、ようやく…

頂上に到達!
オタマサ、頂上に立つ。

いや、立つんだって…。

やっぱりへっぴり腰。
…って、そりゃ狭いところで両足揃えて立つとなると、おまたヒュンにもなるわなぁ。
でまたこの頂上からの眺めが絶景!

海洋博公園の向こうには伊江島が、真ん中やや右には備瀬崎も見える。
画面右端には、先日散歩した新里の漁港も。
狂乱不動産バブルであっちもこっちもえらいことになっていく本部町内ながら、こうして見るとまだまだ緑は多いのだなぁ…。
この絶景を眺めながら…

お弁当タイム♪
今日もふみちゃん弁当のカキフライだ。
ジャコウアゲハたちが何匹も頂上付近までヒラヒラ飛び交っているほか、眼下ではサシバがメーベのように旋回している。
風そよぐ山頂は、青空の下でなんとも心地よい空間になっていた。
ああ、昼寝したい…。
ところで我々が山頂に達する前に先行していた男性2名がすでに到着されていたのだけれど、我々があとひと息で山頂というときに、突如大きな音が鳴り響いた。
金管楽器でも鳴らしているのだろうか?と思うほどの大音量。
でもメロディが奏でられるわけではなく、まるで山伏が吹くホラ貝のような低く伸びる低音だ。
はて、何かいな?と思いつつ山頂にたどり着いてもなお、ボォオオ~ボォオオ~と鳴り響かせていた。
ようやく彼らが山頂を後にされる際、挨拶しがてら尋ねてみたところ、それはシャンカ(シャンク貝)を利用した民族楽器で、南インドではこの貝を吹きならして、海に眠る女神様に目覚めてもらうという宗教儀式があるのだとか。
その宗教儀式が巡り巡って日本に伝わり、法螺貝を山伏が吹く様式になったという。
シャンク貝は日本では得られないため、それに代わって法螺貝ということになったそうな。
まさか山伏の法螺貝のルーツがインドにあったとは…。
というか、そのような興味深い話を、まさか本部富士の山頂で伺えるとは思いもよらなかった。
ちなみに我々がお弁当を食べている間、ミスターシャンカーはもう一方のピークで同じようにシャンカを吹き鳴らしていた。
なんだか海に、そして天に捧げているかのような儀式的風情もあって、山頂はますます非日常の世界になっていった。
お弁当を食べ終え、我々ももう一方のピークを目指すことにした。
デンジャラスな石灰岩のルートを登って到着すると、山頂からはこのもう一方のピークが邪魔をして見えなかったものが、一望のもとに。

そう、水納島。
ちなみにここからは別の山も見えるのだけど…

ひょっとするとワタクシどもは、連絡船からこちら方面を眺め見て、この山を本部富士と誤解していたかもしれないことに気がついた。
帰りの便でちゃんと確かめてみようっと…。
さてさて、こちらのピークでも、立つんだオタマサ!

こちらのピークには棒がコンクリートで据え付けられていたおかげで、さっきよりは腰が伸びていた(傍らには賽銭箱っぽい器も拵えられてあった)。
ここから先程の山頂を見ると…

やっぱり石灰岩がデンジャラス。
ひとわたり眺めを堪能し、そろそろ下山することにした。
このもう一方のピークからの下りも、なかなかにスリリングではある。

ルートはデンジャラスでも視界は開けているおかげで、先日言葉だけで画像にて紹介できなかった景色を撮ることができた。

そう、桜の季節の紅葉。
本来であればこの時期は、桜以外全山緑という状況なので、山肌のピンクがぼんぼりのように目立つところ、周りで紅葉しているものだから、桜も鮮やかな色の1メンバー的ポジションになってしまっているのだ。
眺め下ろす山の景色も、葉が色づいている木が多いせいで、なんだか本土の秋口の雰囲気すらあった。

下山する頃にはデンジャラスな岩場の歩き方にもすっかり慣れてはいたものの、太ももに乳酸が蓄積されて足元が危うい…。
こんな上下の移動は島では体験できないことだから、普段まったくといっていいほど使ってない筋肉なのだろうなぁ…。
ともかくそんなわけで、当初は登山口にすらたどり着けなかった本部富士、ワタシもようやく初登頂と相なった。
山頂までに必要な時間と体力に比すれば、そこで得られる眺望や心地よさ、そして満足度が、なんともコスパ(?)に優れている本部富士だった。
登山ルート的には往復45分と書かれているところ、たっぷり2時間かかった本部富士、遅まきながらもなにはともあれオタマサの誕生日にあたっての希望をかなえることができたのでした。
めでたしめでたし。
Posted by クロワッサン at 09:19│Comments(2)
│観光
この記事へのコメント
沖縄で登山、10年位前に石川岳に登りました。
海遊びをお願いしたネイチャーガイドさんのところで登山のプログラムもありまして。
チェーンをつたって登ったりと小学生の少年サスケ君にはちょっとハードなところもありましたが楽しかったです。
お山の高さとしては本部富士さんの方がニイニイですね。
海遊びをお願いしたネイチャーガイドさんのところで登山のプログラムもありまして。
チェーンをつたって登ったりと小学生の少年サスケ君にはちょっとハードなところもありましたが楽しかったです。
お山の高さとしては本部富士さんの方がニイニイですね。
Posted by ちびっこ関東方面隊 at 2024年02月04日 23:08
ガイドさんがいらっしゃれば、迷う心配はないですね(笑)。
どこであれ標高も所要時間も大したことはない沖縄の山々ですが、そのわりには頂上からの眺めが絶景であることが
多く、満足度はとっても高いお山たちです。
お互い足腰が達者なうちに、いろいろ登ってみましょう(笑)。
どこであれ標高も所要時間も大したことはない沖縄の山々ですが、そのわりには頂上からの眺めが絶景であることが
多く、満足度はとっても高いお山たちです。
お互い足腰が達者なうちに、いろいろ登ってみましょう(笑)。
Posted by クロワッサン at 2024年02月05日 08:39