2025年03月29日

愛しのシモニータ。

2025年 3月28日(金) 曇り

西のち北の風 徐々に荒れ模様 

 次第次第に北風が強まるという予報どおり、朝のうちはまだ西風でわりと静かだったものが、やがて風はしっかり北に回り、ヒューヒューと音がし始めた。
 
 海況的には午前中ならOKってところではあったけれど、石橋を叩いても渡らない水納海運は、当然のように朝から全便欠航。
 
 おかげで静かな一日に…
 
 …と言いたいところながら、さほどの時化ではないこともあって、今年度の工期が迫っている港の工事は続けられている(でも絶対間に合わない)。
 
 それも、またまた海中の磁気探査か何かをしているのか、ほぼ一日中、陸上スタッフと海中スタッフとで音声のやり取りをしていた。
 
 機器が発達して以降、ひところはテレビ番組でも海中からの実況なんてのがやたらと流行ったものだったけど(今もよくやってんのかな?)、あれって呼吸音と途切れ途切れの話し声が同じボリュームになってしまうものだから、けっこう聞きづらいじゃないですか。
 
 工事現場ではそんな潜っているヒトの話し声がスピーカーから現場用に大音量で出ていて、それが北風に乗って島内に海中実況中継放送をしているようになる。
 
 聞きたくもないのに聞こえてくる聞き取りづらい音声ほど、落ち着かないものはない。
 
 なので午後は音をもって音を制すべく、久しぶりに草刈りをすることにした。
 
 旧チャージ小屋の沿道の草々が春の陽気に誘われてボワッと伸びているので、そのダンパチだ。
 
 そういえば、この冬は一度も草刈りをしなかったなぁ…。
 
 やはり例年よりも寒すぎたから、草々の伸びも低調だったからだろうか。
 
 あ。
 
 今年は1月下旬から3月上旬まで、草刈りどころじゃなかったからだった…。
 
 長期不在にしていた先月、旧チャージ小屋沿道を含めたいろいろなところの草刈りが行われたらしく(おそらく範囲的に見て共同作業だったと思われる…)、一時帰沖した際にはきれいさっぱり刈られたあとだったっけ。
 
 とりあえず沿道の草が道の視界を塞いでしまわないよう、ウリャッ!とばかりに刈り払っておいた。
 
愛しのシモニータ。

 ホントは左側のサシグサも刈るはずだったのだけど、途中で燃料切れ。
 
 注ぎ足せば続行できるところながら、明日できることは明日やる、それが年を取ってからの健康の秘訣。
 
 というわけで、残りはまた明日。
 
 ところでこの冬の雑草たち、結局伸びはしたものの、それでもやはり寒いと伸び方はかなり制限されているっぽい。
 
 野菜たちもきっとそうなのだろう。でもその分、例年に比べて味がとてつもなく濃厚なことに驚く。
 
 今季のチンゲン菜はビックリするくらいに甘かったし、愛しのシモニータことヒミツの畑の下仁田ネギも…
 
愛しのシモニータ。
これはひと月前に撮ったもの

 …まるで本土で作っているものかと見紛うほどの中身トロトロの出来栄えで、炒めてよし鍋にしてよし、あまりの旨さに思わずねぎまをリクエストした。
 
 「ねぎま」はもともとネギとマグロの組み合わせだったそうなのだけど、今じゃネギと鶏のモモ肉バージョンのほうが一般的なねぎま。
 
 ただしこれを串に交互に刺して焼こうとすると、シロウトではその焼き加減がなかなかムツカシイ。
 
 ヘタをして材料を無駄にするくらいなら、いっそのこと…
 
愛しのシモニータ。

 …別々に。
 
 ネギとモモ肉を別々に焼いてから、交互に串に刺し直していただいてみたところ…
 
愛しのシモニータ。

 …おお、ねぎま!
 
 ビールがビールがススム君♪
 
 愛しのシモニータの旨さもさることながら、今季オタマサ産野菜のなかで最もビックリしたのがこちら。
 
愛しのシモニータ。

 ザ・セロリ。
 
 これは島の裏あたいのものなんだけど、ヒミツの畑の日当たりの良いところに少量植えられているものは、これが同じセロリかと見紛うほどに遥かに巨大で(2倍以上)、なおかつ色濃く、それでいて固すぎず育っていて、先日オタマサが収穫して炒めたものを食べてみたら…

愛しのシモニータ。

 メチャクチャ美味しいッ!
 
 セロリで濃厚な甘さを感じるだなんて、人生初かもしれない…。
 
 その昔まだ紅顔の美少年だった頃、テレビCMの名高達郎に騙され、生セロリをヨーグルトにつけて食べて以来セロリ嫌いになったワタシは、セロリを美味しくいただけるようになるまでに、それから四半世紀の時を費やしてしまった。
 
 10代20代の頃はKFCのコールスローサラダも食べられなかったほどだったことを思えば、この濃厚かつ甘いセロリが人生最初の出会いだったら、その後の人生は大きく変わっていたろうなぁ…。
 
 寒さが味に与える影響は、野菜だけではないらしい。
 
 3月になって春っぽい陽気の日が続くようになった頃、リュウキュウアサギマダラたちも俄然やる気モードになってきて、庭のツルモウリンカに引きも切らずやってくるようになった。
 
 しばらくすると、そこかしこの葉の裏側に卵が産みつけられていて、やがてそれらが孵化しはじめた。
 
 暖かいわ数は多いわで、パッとほんの一角を見ただけでも…
 
愛しのシモニータ。

 奥にいる激ピンボケのものも含めれば、この視野だけで6匹ものイモムシ君の姿が。
 
 これがここのツルモウリンカ全体となると相当なイモムシの数で、この時はまだ2齢幼虫くらいのサイズのものが中心だったからまだしも、それからほんの2週間弱で、ツルモウリンカはこうなってしまっている。
 
愛しのシモニータ。

 葉っぱ食われ放題。
 
 大量にいる終齢幼虫サイズがムシャムシャ食べ漁っているんだもの…
 
愛しのシモニータ。

 …そりゃ葉も無くなろうってもの。
 
 そのとばっちりを受けているのが、ひと足先にサナギになっている先輩さんたちで、雨を凌げるようにちゃんとツルモウリンカの葉の裏でサナギになっていたはずなのに、その葉が食べられてしまったものだから…
 
愛しのシモニータ。

 …葉は葉脈だけになってしまって雨ざらし。
 
 ひと足早く孵化し、葉がたっぷりある間に栄養を摂ってサナギになれたまでは良かったけれど、後輩たちのまさかの攻撃にさらされている先輩たちなのだった。
 
 こんなに卵を産みに来るってことは、やはり他よりも美味しく見えるのだろうか、このツルモウリンカ。
 
 それにしても、いくら美味しそうに見えるからといってもこれだけ誰も彼もが卵を産んだら、やがてこの先幼虫たちのエサが無くなるなんてことはわかりそうなものなのに、本能はそこまで理解が及ばないのか。
 
 あ。
 
 どこかで静かに地球を観ている宇宙人も、地球人類に対して同じ思いを抱いているのかもしれない…。


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Posted by クロワッサン at 08:57│Comments(0)島の美味いもの昆虫記
 
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