2015年03月14日

2カ月ぶり。

2015年 3月13日(金) 晴れ

南東の風 おだやか 水温20度
      
 
 2時間走ってご馳走食って、ダハダハダハと過ごした翌朝は、長らく上架してあった船を久しぶりに海に戻し、水納島へと連れ戻った。

 せっかく船を島に戻したのだから、当然この日はダイビング!!

 旅行前に船を陸揚げする直前はサザエ獲り祭りだったから、タンクを背負って潜るのは実に2か月ぶりである。

 空白の2ヶ月。

 この間に海の中で何かとんでもないことが起こっていたらどうしよう………

 な~んてちょっぴりドキドキしながら潜ってみると、何がどうってことはなくてホッとした。

 でも水温は20度。

 チベタイ。

 しかし1月の弱々しい太陽に比べ、ひとたび晴れたときの3月のティダカンカンぶりときたら!!

 船に上がれば暖かい……という希望を胸に抱きながらの寒中ダイビングなのである。

 あ、ちなみに曇っていて北風だったりすると、たとえ5月でも超寒いですので勘違いなさらないよう……。

 さて、激変ぶりがなくて安心しつつ、いつも周っている根に行ってみると、アザハタミニがミニじゃなくなりつつあった。

2カ月ぶり。


 男子、三日会わざれば刮目して見よ。

 アザハタミニも、2ヶ月ご無沙汰していた間にすっかり青年になっていた。

 アザハタミニ君、アザハタミニ改め、何とお呼びすればいいですかねぇ??

 
2カ月ぶり。


 あ、そーっすか……。

 じゃあ、今後はどん兵衛君ってことで。

 一方、エントリー早々に砂地に這いつくばってなにやらアヤシゲな動きを……というか静止していたオタマサは、いったい何を撮っていたのだろうか。

 これだった。
 
2カ月ぶり。


撮影:オタマサ


 得意の対人比「魅惑の人差し指」シリーズ・クロヘリアメフラシの極チビ。

 こんな小さな生き物も、ただそこにいるだけなのではなく、ちゃんと活動しているのだ。

2カ月ぶり。


撮影:オタマサ

 お食事中。
 どうやら彼らは海藻が好物らしい。

 よく見ると、触角の両脇に「目」(小さな黒点)がある。
 それに気がつくと、彼らの表情がガラリと変わる。

 エントリー早々のクロヘリアメフラシお食事中に気をよくしたオタマサは、調子に乗ってこんなモノも発見した。

2カ月ぶり。


撮影:オタマサ

 なにやら得体のしれないモノが海藻の先でモゾモゾしていたので、念のために撮ってみたらウミウシっぽいクリーチャーだった……ってことらしい。

 触角もあるし、背中に突起があるし、よく見ると目もあるし、たしかにウミウシっぽい。
 カノコウロコウミウシ系だろうか。

 いずれにしても、ここまでトリミングしてアップにすれば生き物って思えるけれど、実際は精一杯接近してこの程度のサイズですぜ。

2カ月ぶり。


撮影:オタマサ

 
 こういうものを探し求めて海底に這いつくばるのが好き、という方以外、発見のしようがない小さな小さなクリーチャー。

 あ、そうそう、冬になってからもまだ群れている、とお伝えしていたデバスズメダイ、どうやらこのままひと冬越しそうな勢いで、相変わらず群れていた。

2カ月ぶり。


 リーフの外でサンゴの上に群れ集うデバチビが、群れのままひと冬越したなんてことがかつてあったろうか………??

 アザハタどん兵衛にしてもデバチビにしても、寒さに耐えながらしっかり着実に成長している。

 成長といえば。

 一昨年のプチ白化で壊滅の憂き目に遭いつつも、昨年から復活の兆しを見せていたピンクのトゲサンゴが、さらに成長していた。

2カ月ぶり。


 水温が低いせいか、枝1本1本の長さが全盛時よりも短いから、まだ枝間で暮らす生き物の数は豊富ではないとはいえ、昨年4月のこの状態を思えば……

2カ月ぶり。


 ……約1年で見違える成長ぶり。

 何度も言うけど、サンゴって、環境さえ整っていればちゃ~んと育つし増えるのだ。

 サンゴの移植とかなんとか、人工的にサンゴを増やそうとする事の是非はこの際おく。

 それよりも、なんでそこまで手をかけないとサンゴが増えないのか、という原因をもっとしっかり広く知らしめ、なおかつ原因自体を根絶する努力こそが肝心なのではあるまいか。

 現状のサンゴの移植なんてのは、放射能を垂れ流しながら除染作業をしている東電となんら変わるところはないように思えるのであった。
 



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Posted by クロワッサン at 07:58│Comments(2)水納島の海
この記事へのコメント
> それよりも、なんでそこまで手をかけないとサンゴが増えないのか、という原因を・・・

激しく同意します!
Posted by ガキヤヒロシ at 2015年03月14日 11:03
ありがとうございます!
その道の研究を真摯に進めておられる方には申し訳ないのですが、
「なんか違うだろう…?」という違和感のほうが、
やはり圧倒的に大きいというのが正直なところです。
Posted by クロワッサン at 2015年03月14日 20:14
 
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