2015年05月28日
バター買いたい。
2015年 5月27日(水) 曇り
南東の風 おだやかのち波あり 水温23~24度
パンにはやっぱりネオソフト、のビンボー家庭な我が家でも、白身魚をニンニクたっぷりバターソテーにしたいときもあるので、やはりバターの備蓄は欠かせない。
ところが、日本全国津々浦々同様、本部町のスーパーでも、バターはかなり貴重品になってきている。
サンエーで買おうと思ったら、一つも置いていなかったりすることもあるのだ。
酪農家の減少と乳牛の病気などが重なり、国内で生産される生乳の不足がその原因である。
乳牛の病気はともかく、酪農家の減少はけっして一過性ではない。
早い話、酪農では食っていけないから、自ら廃業するか、跡継ぎがいないから廃業せざるを得ない、という事情らしい。
なんで酪農の将来が悲観されるかといえば、アベノミクス円安によるエサ代の高騰、そして迫るTPP成立後の業界の姿が目に見えるからだろう。
いかに大規模に再編しようとも、もともとわずかな土地でコツコツ生み出す生乳が、諸外国から怒涛のごとく押し寄せる商品に太刀打ちできるはずがない。
まぁそんなこんなで、今年のクリスマスシーズンもバター不足が予想されるということで、農水省はバターの輸入を決めたという。
そこでふと不思議に思うことが。
バターの輸入って、いちいち農水省が決めるものなの?
実はこのウラには、国内の酪農家を保護するためという名目で、民間業者がバターを自由に輸入できないような仕組みがあるからなのだそうな。
安いバターが大量に出回れば、国内の酪農家は困るだろうという事情は分かる。
輸入バターにかけられる高い関税は、国内酪農家の補助にも使われているともいう。
でも実際は、酪農家は保護されるどころか減少の一途。いったいバター輸入の不自由は、何の役に立っているのだろう?
バターの関税に群がる農水省系独立法人「バター村」の方々のフトコロと、安いバターが無いからこそ日本で大量に流通しているマーガリンの原料、すなわちアメリカのトウモロコシ農家を潤わせるのに役立っているのであった。
なんじゃそりゃ……。
いずれにせよ足りないからバターの輸入。
おりしも円安は急速に進む世の中のこと、さぞかし高価なバターになることだろう。クリスマスケーキの価格に反映されるのは間違いない。
そしてもちろん、その翌年から国内の生乳が増産される見込みもない。
集団的自衛権がどうのこうのとか、普天間代替基地の抑止力だとか、「国防」といえば軍事であるとしか思っていないような気配があるアベ政権。
しかし本当の「国防」は、そんなドンパチ関連以前のところで、激しく鎬を削らなければならないということをわかっているのだろうか。
TPPの対米交渉にしても、そのひとことで国内の農業が、漁業が、その他多くの人々の生活がかかっていると本気で考えているならば、交渉の席に臨むにしても、
皇国の荒廃、この一戦にあり!
くらいの強い決意が必要なはず。
対外交渉の席ではいつでも乾坤一擲の「国防」をしていただかなければならない日本政府の方々に、はたしてそんな決意があるんだろうか………。
ひょっとして、俄な安保法制の整備や普天間基地の辺野古移設が、TPPでのいわゆる「聖域」を守るためのとっておきの対米取引材料とか??
……ないな。
百万が一そうであっても、アメリカを相手にそんな思惑どおりに事が運ぶはずもなし。
だいたい、「聖域は守る!」という政府の言葉をまったく信用していないからこその、酪農家の将来の悲観なんだものなぁ。
ともかく、バターがスーパーから消え、もはや国内ではとうていその需要を満たすこともできないような国が、戦車や軍艦でワーワーギャーギャー言っているってのは、なんだかものすごく「子供の国」のような気がするのであった。
遥か遠い諸外国の海で機雷を排除する国よりも、フツーにバターを買える国がいい。
「欲しがりません、勝つまでは。」
そんな標語の登場が、すぐそこまで迫っているのか……?
Posted by クロワッサン at 08:23│Comments(0)
│吉田兼好