2015年12月22日
グローイングアップ・波動砲。
2015年 12月21日(月) 曇りのち晴れ
南東の風 少し波あり 水温22度
沖縄には「トゥンジィビーサー」、すなわち冬至の冷え込みという季節の言葉がある。
毎年その頃になると、北の方から大陸の高気圧が張り出してきて、冷たい冷たい寒気を沖縄地方にも容赦なくもたらすようになるからだ。
が。
冬至を翌日に控えたこの日、そんな冷え込みなど千里の彼方の話でしかないほどに、日中はTシャツ短パンで過ごせる暑い暑い1日になってしまった。
野菜にはびこる害虫たちがやんややんやの喝采をあげていることだろう。
といいつつ、1日を過ごすうえで暖かさがありがたいのは我々も同じ。
おかげで海へ行こうという気にもなる。
ウェットスーツを着た状態でタンクを下ろしたりなんやかんやをしていたら汗が出るほどの暑さではあったけれど、ドボンと海に飛び込んだら水温は先週から1度下がっていた。
仕事で潜っていたら戦意喪失級のレベルながら、遊びで潜っている分には、寒くなったら上がればいいのだからモンダイはない。
なにしろ海から上がれば暑いのだから。
聞くところによると、海が蓄熱してくれていたおかげで、この15年チョイほどは地球の気温の上昇率が緩和していたらしい。
温暖化傾向で見るなら、モラトリアム期間のようなものだったというのだ。
ところがついに海の蓄熱能力も限界を迎え、いよいよモラトリアム期間は終了を迎えるという。
すなわち、気温の上昇は加速度アップ。
50年後には……とか、今世紀の終わりごろには……という話を聞いてもどうせ自分たちはこの世にいないのだから、と無縁を決め込む人たちがきっと多いのだろうけれど、その途中の段階ですでに壊滅的な気候変動になっているはずである、ということに気づいている人はなぜか少ない。
そしてそれは、COP21で議決する程度のゆるい対策では、すでにどうしようもない段階に来ているのは間違いない。
そんなこととはつゆ知らず、海の中の生き物たちは今日も健気に生きている。
最後に観てから一週間経って、推定イロカエルアンコウチビターレはどうしているだろうか。
……まったく同じ場所に居た。
先月22日に初めて見つけた時こそ違う場所に居たけれど、その後はずっとこのカイメンの傍にいるチビターレ。
心なしか大きくなったような気がする。
というか、カエルアンコウらしいふてぶてしさが加わってきたような……。
そのためか、以前は観ている時には気づかなかったほどだったエスカが、ファインダー越しながらピコピコ動いているのが見えた。
その様子も随分サマになってきた。
ファインダー越しに観ていると、このカイメンの周りをわりとチョコマカ動いてはジッとする、というのを繰り返す。
その途中途中で、小さな、けれどもこのチビターレよりは大きなスズメダイたちにいじめられているようにも見える光景が。
彼らを見返すことができるようになるまで、あともう一息の辛抱だ。
明日のためのその1的予行演習なのか、トドメの波動砲をこの日も発射。
その口径、たしかに増大している。
成長中の波動砲、この日は3度発射してくれたんだけど、1度目はファインダーから目を離してカメラをいじくっている時に、2度目は最初の写真のように背景に青味が入るように撮ろうとしたらピンボケに、で、3度目にしてようやくフツーに撮れたのだった。
おかげで35分も同じ場所に佇んだままに。
カエルアンコウを観ていると、観ているこっちがカエルアンコウ状態になっているのであった。