2016年09月13日
フウゼンサンゴ。
2016年 9月12日(月) 曇り時々晴れのち土砂降り
南の風 波あり 水温29度
強大に発達している台風14号。
ここ数日、その進路予想をやきもきしながらチェックしていたところ、うねりくらいはあるにしても直接の害はなさそうなコースをとるようなので、ホッと胸をなでおろしていた………
……ら、大外から別の台風が発生、沖縄方面ビンゴ予想になりつつある。
熱帯低気圧が発生する以前から、潔くその進路を一本の曲線で表していた米海軍台風情報には今さらながら敬服するしかないけれど、今の時点でこういう予想なら、ひょっとしてもう少し西側に行ってくれるかな??
……なんて甘い期待を寄せてはみても、まぁ連絡船の欠航は避けられないだろうと諦めている。
というわけで、連休前後にご来島予定の皆様、今のうちにプランBのご検討を。
ここにきてたて続けに本島地方に影響を及ぼすようになった台風。
白化に見舞われているサンゴの救世主となることができるだろうか。
このところずっとうねりと風浪が大きかったためになかなか行けなかった岩場のポイントに一昨日行ってみたところ、白化が進んでいたハマサンゴに褐虫藻が戻りつつある状態になっていた。
また、縮こまっていたイソギンチャクたちも、まだ白いとはいえその体積を持ち直し、モノによっては褐虫藻が戻り始めているモノもいる。
ほぼ茶色いタマイタダキイソギンチャクも観られたくらいだから、やはり水温が低下している好影響のおかげで、全体的に褐虫藻が戻りつつあるのかもしれない。
砂地のポイントのリーフ際では、早々に白くなってしまったハナヤサイサンゴをはじめとする小ぶりなものにコケが目立ってきたとはいえ、テーブル状枝状それぞれのミドリイシ類は、白化の進行はピークを過ぎ、元に戻りそうな気配が濃厚だ。
ある程度水深があるところや、潮通しがいいリーフ際は、ひょっとするとギリギリセーフになるかもしれない。
一方。
島の南側は、リーフの外もパッチ上に根が点在していることもあってか、潮通しという意味ではあまりよろしくない。
そのリーフ上、リーフの内側ともなれば、浅い水深ゆえに日中温かくなってしまった水が滞留気味になるせいか、他のポイントに比べて水温はいつも高い状態が続いている。
それもあってか、リーフ上からリーフの内側へと続くサンゴゾーンは白化の進行が早く、水温が下がり始めた今も回復の兆しがない。
先週5日にはほぼ全体が真っ白に近いパステル調になっていたその場所に、この日カメラを携えて潜ってみたところ……
これ、茶色い部分は褐虫藻が戻っているからではなく、藻が生え始めているところ。
つまりこのサンゴ、少なくとも藻が生えてしまっているところはすでに骨格だけになっているのだ。
その他、
茶色い部分はすべて藻である。
サンゴたちがついに、力尽きはじめたのだ。
今月5日にはまだ一部のハナヤサイサンゴの穂先だけにしか観られなかった藻が、一週間経っただけであちこちに。
この一週間、ピークに比べれば水温は下がっていたのだけれど、力を失ってしまっていたサンゴたちには時すでに遅しだったのか……。
全体的にはまだパステルカラー状態でも、その枝の穂先、テーブルの随所に、藻が見え始めている。
これらは、パッと見きれいなパステルに見えるんだけど、部分部分ではすでに藻がつき始めている(枝の先端など薄茶色に見えるところ)。
一週間後にはみんな苔むしてしまうのか、それとも一部死亡したまま生き延びることができるのか。
まだ無傷で踏ん張っているサンゴたちが、死に至る前に元の姿を取り戻すことができるか。
台風16号の踏ん張りに期待するしかない。
予定を蹴散らされることになる方々は、それが尊い犠牲であると自らをお慰めください。
……って、これでサンゴは死ぬわ台風は来るわってなったら目も当てられないなぁ。
サンゴたちの生命が、キビナゴの群れのように流れ去ってしまわないよう、どうぞお祈りくださいませ。
※明日のこの稿は更新しません。
Posted by クロワッサン at 07:57│Comments(0)
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