2019年11月17日

新型クリーナー。

2019年 11月16日(土) 晴れ

北東の風 おだやか 水温24度~25度
 
 雨が降らない降らないと嘆いていたら、いつの間にか週間天気予報は雨マークの連打に。
 
 そんな極端に願いをかなえてくれなくても……。
 
 おまけに19日は欠航必至の気圧配置になりそうだし、翌日も微妙。
 
 その翌週もなんだか微妙な塩梅っぽい。
 
 となれば、今のうちに潜っておかなければ、長い長いブランクが空くことになってしまいかねない。
 
 というわけで、この日も朝から海へ。
 
 先日お伝えしたように、砂地の根の「スカテンの夏」はもう過去のものになっている。
 
 でもリーフ際では、表層にキビナゴが群れているし、サンゴの合間のデバスズメダイ(アオバスズメダイかもしれないけれど、ややこしいのでここではデバスズメにしておく)たちがにぎやかだ。
 
新型クリーナー。

 もっとも、10月末くらいまでの水温が温かかった頃までは多かったチビターレの姿は、スカテン同様水温24度を境に激減している。
 
 ところでリーフエッジのアオバスズメダイやデバスズメダイたちは、ある程度成長するとその行動範囲が広がるけれど、チビチビの間は特定のサンゴを集団で隠れ家にしている。
 
新型クリーナー。

 もっともっと溢れるように群れてくれていれば多少は絵になるものの、夏が終わればこれが精一杯だ。
 
 フィッシュアイレンズで撮ろうと近寄りすぎると、彼らは脅えて向こうのほうに行ってしまうので、少し離れて観ていると、そこへヒラヒラヒラ…とミスジチョウチョウウオがやってきた。
 
 最初はサンゴの周囲で餌を啄んでいたこのミスジチョウ、やがて力無さげにフワッとしたポーズをとり、まるで何かに身を委ねるような姿勢になった。
 
新型クリーナー。

 え?それって、ホンソメワケベラなどのクリーナーフィッシュにお願いするときのポーズなんじゃ??
 
 すると、そのポーズに応えるかのように……
 
新型クリーナー。

 デバチビたちが集合!!
 
 そして……
 
新型クリーナー。

 ミゾレチョウをツンツンつつき始めた!
 
 写真だけ見るとたまたまミゾレチョウに重なっているようにしか見えないかもしれないけれど、1匹のデバチビに注目してみると……
 
新型クリーナー。

 ミゾレチョウをつついている。
 
 普段よく会うミゾレチョウに比べると、人間で言うなら肝臓が悪そうな感じでなんだか随分くすんだ色をしていたこのミゾレチョウ、寄生虫か何かがついて弱っているのだろうか。
 
 ここに来るとデバデバチビチビたちがクリーニングしてくれることを知っているようで、完全に身を委ねる彼。
 
 するとそこには……
 
新型クリーナー。

 たちまちデバ玉ができあがった!
 
 デバデバチビチビたち、完全にクリーナーの仕事をしているようだ。
 
 クリーナーフィッシュとして名高いホンソメワケベラたちは、そこらじゅうに群れ集っているわけではない。
 
 なのでホンソメワケベラが近所にいない環境だと、各種ベラの幼魚たちがクリーナーの仕事を代行していることがよくある。
 
 コガシラベラの幼魚たちが、集団でクリーニングしているのを観たことがあるし、ここで紹介しているように、ミナミゴンべがその役割を果たしていたこともあった。
 
 でも、デバスズメたちがクリーニング行動をするだなんて!!
 
 これは種としての彼らの習性なのか、はたまたここに集う彼らデバデバチビチビたちが、後天的に習得した局所限定のワザなのか。
 
 なにしろ他の場所で観たことがないから確認のしようがない。
 
 デバデバチビチビクリーニング、ご覧になったことがある方は是非お知らせください。 


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Posted by クロワッサン at 08:02│Comments(2)水納島の海
この記事へのコメント
チビチビではないですが、
成魚のデバスズメダイがセダカハナアイゴを
クリーニングしているのは、1度だけ見ましたよ。
座間味はデバスズメダイが多いので、
サンゴから離れて、中層にたくさん群れているポイントで、
セダカハナアイゴが中層に浮き上がって、
頭を斜めに上げ、体を白くするクリーニング要求のポーズを
とったら、デバスズメダイが20匹くらい集まってきて、
クリーニングしてました。
でも、あまり熱心ではないというか、
野次馬的に集まったような感じで、
見た目のインパクトの割に、
クリーニングは進んでないような、そんな感じでした。
Posted by KINDON at 2019年11月18日 00:06
貴重な情報ありがとうございます。
まるで海洋写真家のようじゃないですか!(笑)

水納島のリーフエッジ付近にも、近頃は大人のデバ(アオバか?)が多少群れるようになっていて、
日中ベラ類がペア産卵すると、
オヤビッチャたちとともどもダッシュで突撃し、
ここぞとばかりに卵を貪り食べてます。
デバたちのクリーニング行動は、
それと同じノリなんでしょうかね。
1匹1匹に注目すれば、
美味くね…
と思ったらすぐにそっぽを向いているのかも?
Posted by クロワッサン at 2019年11月18日 05:59
 
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