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2021年08月04日

再会ハナダイギンポ。

2021年 8月3日(火) 晴れたり雨降ったり

南東の風 波あり 水温27度~28度

 ちょくちょく触れることがあるように、四半世紀前の全国ネットの天気予報といえば、大きな天気図ボードの前に立つお天気おねーさんの、ちょうどお尻くらいのところに沖縄があった。
 
 「全国の週間天気予報です」
 
 といいながら、ことのついでに天気予報を紹介するニュースショー番組では今もなお、「全国」の最南端が福岡だったりするのは、当時の名残りかもしれない。
 
 そのため当時の台風シーズンともなると、沖縄でさえお姉さんのお尻に隠れているくらいだから、さらにその南の海上の様子などさっぱり見えず、今のようにネットでいくらでも気象予報&天気図チェックなどできる時代でもなし。
 
 恃みは毎日掲載される新聞の天気図と、沖縄ローカルの天気予報と、定時にラジオで発表される海洋気象データと、あとは連絡船のベテラン船長&機関長の予想くらいのものだった。
 
 今と比べれば不便なことこのうえない。
 
 ところが。
 
 当時の台風といえば、北緯20度線以南で発生するのが常で、そこから台風となって北上してくるから、進路、速度、勢力等を気にしていれば、何日も前から相当程度予想がつけられた。
 
 遥か南洋から発達しつつ北上してくる台風を何日も前から認識しつつ、それに備えればよかったのだ。
 
 それが気象変動進行形の昨今ときたら、沖縄近海が台風の発生場所になってしまっている。
 
 それを正確に何日も前から予測できるのであればともかく、四半世紀前では考えられないほど数多くある気象予報サイトは、なまじ多過ぎるだけに予報も様々で、どれが当たるのやら定かならず。
 
 そのため、
 
 雲行きからして天気予報がいうほど甘くはなさそうだけどなぁ…
 
 ヘタしたら台風になるんじゃないかなぁ…
 
 でも台風対策したら、フタを開けてみればまったくなんともなかったりして……
 
 と、いろいろ気を揉むことになる。
 
 当方のように、連絡船が運航している間にボートを本島に避難させないと島に戻れないとなると、この判断が場合によっては命取りになることもある。
 
 だから慎重に慎重に、常に「高い緊張感」を持ちながら、最悪とはいわずとも悪い方向に転んだ場合のことを考えて対処することになる。

 インフィリア―ズ政府にもデニー県政にも、けっしてできない対処であることは間違いない。
 
 というわけで、この日は早めに2本潜り、午後にはボートを渡久地港に避難させた。
 
 当初は岸壁に横付けしたまま、ワタシが本島に残ることにして海況悪化をやり過ごそうかなと思っていたのだけれど、時間はたっぷりあることだし、悪い方向に転んだ場合に備え、上架することに。
 
 まだどう転ぶかわからないこの日の段階で上架させているというのは、多くの人にとって奇異に映っていたことだろう。
 
 しかしそれもまた離島住民のサダメ、まぁ大袈裟すぎたらそれはそれで、ナニゴトもなく済んでよかったねってことで……
 
 …と言っていたら。
 
 一夜明けこれを書いている今朝(4日朝)には、近海でアヤシイ動きを続けていた熱帯低気圧は台風になる見込みとなり、それ以前から台風に発達することが予想されていた大陸南部の熱帯低気圧と併せ、たて続けに本島地方に台風襲来という予報が幅を利かせていた。

再会ハナダイギンポ。

 すでに4日の欠航が確定している現在、連絡船はどうやらまた一週間近く沈黙のヒトになりそうだ。
 
 ボートを上架しておいてよかった……。
 
 さて、そんなわけでこの日は午前中に2ダイブ。
 
 そのうち1本はカメラを携えて潜ることができた。
 
 先日ゲストをご案内中に、久しぶりに出会ったハナダイギンポのもとへGO!
 
 ひと月も経っていたら居なくなっている可能性は高いけど、まだ数日しか経っていないから、きっといるはず……
 
 いた!
 
再会ハナダイギンポ。

 数日前の初見時は、まだこの子はダイバーがいかなる生物であるかということを知らなかったらしく、近くで観ていてもずっと遊泳していた。
 
 ところがその際、穴に入っている姿もゲストにお見せしたかったのでしつこくつきまとってしまったため、ダイバー=危険生物という認識を得るに至ったらしい。
 
 なのでこの日は、ワタシの姿を見るやみるみるうちに高度を下げて巣穴の近くに降りてきて……
 
再会ハナダイギンポ。

 尾ビレ側から上品に巣穴へ。
 
 ハナダイギンポは、緊急時避難小屋を何か所かキープしているらしく、この時は根の外側に向いた穴に入ってくれた。
 
 さっそくパシャ。
 
再会ハナダイギンポ。

 ミナミギンポやテンクロスジギンポは下から見上げるようにすると笑っているように見えるけれど、ハナダイギンポの場合は、正面、もしくはやや上から見たほうがカワイイ。
 
 横から観るとこんな感じ。
 
再会ハナダイギンポ。

 で、こちらで紹介しているように、ビビッて巣穴に入ったハナダイギンポはフツー、目立たないように体の色を濃くする。
 
 そうすると可愛さも半減してしまうのだけど、どういうわけかこの子は、束の間体色を濃くしたもののおおむね明るい色のまま。
 
 一応ダイバー=危険生物と認識しはしても、もっともっとお外で遊んでいたいらしい。
 
 そこで、少し離れてみると……
 
再会ハナダイギンポ。

 スルスルッと身を乗り出して……
 
 スポンッ!
 
再会ハナダイギンポ。

 …と(いう音はしないけど)、巣穴から再び登場。
 
 そしてまた、中層で群れ集うキンギョハナダイたちに混じって、楽し気に泳ぎ回るハナダイギンポなのだった。 
 
 台風後も残ってくれているかな??


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Posted by クロワッサン at 08:47│Comments(0)水納島の海
 
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