2021年11月14日
カニの恩返し?
2021年 11月13日(土) 曇りのち午後遅く雨
北東の風 やや波あり
この日午前中、連絡船がまさかの運航!
手をこまねき続けているのかと思いきや、土建屋さんはその後なんとかがんばっていたそうで、重機ですくいまくって少しずつ軽石を排除した結果、風向きも多少変わったことも手伝って、渡久地港の状況は随分改善したらしい。
ただし渡久地港を含めた周辺の港や海岸に溜まっていた軽石が再び瀬底~本島間の洋上に集積しているそうで、風向き次第ではいつなんどき元の木阿弥になるやら…といったところのようだ。
午前中は運航したとはいっても午後を約束されているわけではないから、ホイホイと島を出てしまうと出たきり老人になってしまうかもしれない。
そんな危険をわざわざおかす人はいなかった。
ただし、
これが1日早ければ…
と、前日ボートをチャーターしたみなさんは思っているに違いない。
さて、この日はどうせ連絡船は欠航だろうと見越して、朝から共同作業の予定が入っていた。
「共同」作業といっても、昔と違って男女「総勢」で5名という、人海戦術不可能な人員不足状況だ。
連絡船が運航するというので、島から出るヒトがいたらさらに人数が減るところだったけれど、みんな出たきり老人にはなりたくないから全員確保。
加えて、朝の便で帰ってきたリョウセイさんも加わったので、総勢6名となった。
本日の作業は、石畳の坂道の沿道の雑草除去だ。
これまでずっとハマユウ(ハマオモト)が彩っていたのだけれど、あまりにも害虫がつきすぎて、花を楽しむどころか見た目ボロボロの有様になってしまって、島の玄関口にしておけない…
…という事情もあって、昨オフに島民総出で(といっても11名だったけど)マニラヤシを植栽した。
そのあたりの詳しい(?)事情はこちらに譲るとして、植えたヤシは丈夫に育つのはいいのだけれど、当然ながら雑草もスクスク育つ。
シーズン中には早くも雑草のなかにヤシが埋もれている状況になってしまっていて、このままでは雑草のために風除けネットをしているようなもの。
ようやくみんながヒマになったので、そろそろその雑草を除去しましょうというわけだ。
雑草はほぼサシグサ(タチアワユキセンダングサ)で、これが土に生えているのだったらかなり大変な労力を必要とするところながら、幸い砂に生えているものだから、1メートルほどの丈に育っていようとも簡単に引っこ抜くことができる。
加えて外側からのしかかるように育っているアダンやその他の木々もユンボで奥に引っ込め、ヤシたちは再びその姿を露わにしたのだった。
オフシーズンの間は欠航ばかりで、それをご覧になるお客さんはいないけど…。
作業は午前中のうちに終わり、雨が降る前にカメさんたちのエサを採ってきてからしばらく経った頃のこと。
玄関先に現れたリョウセイさんが、
「歩いてたらいたから捕って茹でた」
と言いつつ、とあるものを持ってきてくれた。
そのとあるものとは…
ガザミ!!
立派なサイズのノコギリガザミだ。
(※河口域が無い水納島になぜガザミが?と疑問に思われた方はこちらをご参照ください)
茹でた後にハサミ脚を1本食べてみたというリョウセイさんによると、さほど身は詰まっていないとのことだったけど、トレトレピチピチカニ料理であることに違いはない。
それにしても、午前中で終了したとはいえ、けっこう体を使う作業だったというのに、そのあと裏浜に繰り出してガザミサーチをしていたとは…。
島から出たきり老人になることはあっても、けっして寝たきり老人にはならないリョウセイさんである。
おかげで久しぶりのガザミ♪
それもこれも、この日朝だけとはいえ連絡船が運航してくれたおかげだ。
一昨日紹介したオカガニから、まさかこのような形で「恩返し」があるとはなぁ…。
< 命を投げうったガザミの立場は??