2021年12月19日
江戸っ子は「おしたし」。
2021年 12月18日(土) 曇り時々晴れたり雨降ったり
北の風 時化模様
前日に比べれば随分風はおさまったものの、連絡船は潔く欠航。
またしても燃やすゴミを出せずじまいになってしまった。
…と、ずっと変わり映えのしない暮らしを続けている間にも、畑の野菜たちはスクスク育っており、一部で収穫できるようになっている。
もっとも、本格的な「収穫」時期ではないから、採っているのは事実上の間引きであったり間引きそのものだったりする。
実はその間引いたものたちのほうが、本来あるべき姿よりも美味しかったりする。
たとえばダイコンの葉っぱ。
ダイコンは最初から直播で育てるものだから、3~5個くらいのタネを一ヵ所に蒔き、成長するにつれて選ばれし1本を残して間引くことになる。
この間引いたダイコンの葉がまた美味しいのだ。
スーパーで売られているものは葉が落とされているからそもそも目にできないけど、大根を作っているヒトにとっては、むしろ本体よりも葉のほうが好きという方もいるくらい。
それもオトナになって固くなった葉ではなく、若い若いダイコンの葉となればなおさらで、近頃はわざわざダイコン葉目当ての「葉ダイコン」という品種まであるくらいだから、いかに好まれているかということがよくわかる。
マサエ農園でもこの間引いた若いダイコン葉が、御浸し、ナムル、菜飯など、いろいろな副菜として登場し始めている。
そんなおり、我が家の隣の畑でダイコンをたくさん作っているリョウセイさんから、大量のダイコン葉をいただいた。
彼も好物ではあるけれど、たくさん作っているからとてもじゃないけど食べ切れないのだ。
炒めればたちまち縮むダイコン葉だから、マサエ農園から間引かれた量では炒め物にしようという気にならないところ、、大量にあると皿の上でも大量のままだから、さっそくチャンプルーに。
ああ、そういえば合わせて炒めているツナ缶は、家にハトが入ってそのまま落ち着いてしまったために往生していた島のおばぁからのヘルプ要請で緊急出動し、無事ハトを捕獲、外に追い出した際にいただいた大量のツナ缶だから、食材はどちらもいただきものだ…。
ビジュアル的にはいまひとつだし、お弁当なら主菜の傍らの小さな一画にショボ…と添えられている程度の料理ではあるけれど、ダイコンの葉なんてスーパーではまず買えない品だから、これはこれで産地ならではのゼータク品なのである。
一方、ダイコンの親戚であるカブは、みんな美味しい美味しいというわりには水納島ではオタマサしか作っていない。
マサエ農園の場合、間引いて食べることを前提にしてタネを蒔くから、わりと量多く楽しめる。
間引いたカブは丸いラディッシュくらいのサイズで、これまた炒めても漬物にしても茹でて葉ごとサラダに添えても美味しく、味噌汁の具にしてももちろん美味しい。
味噌汁の具にして美味しいのだから、もちろんスープの具にもできる。
メインとなる葉野菜類の成長が待たれるこの時期だからサラダランチとはいかない代わりに、このところのワタシのランチメニューはカブのコンソメスープ。
これがまた五臓六腑に染み渡る滋味あふれるお味。
オトナのカブではけっして味わえない食感が素晴らしい。
「認めたいものだな。カブ自身の、若さゆえの美味しさというものを…」
カブやダイコンが本来のサイズになるまでにはまだ時を必要としているかわりに、あると重宝するけどわざわざ買ってまで食べない系のルッコラやカラシ菜は、早くから食卓に登場し始める。
ハーブに分類されることもあるルッコラは、葉っぱだけで勝負できる実力の持ち主で、畑でそのまま葉を千切って食べるだけで、パンチの効いた味を楽しめるほど。
せっかくだから、そのパンチの連打を浴びるべく、御浸しにしてみよう!
…というワタシのリクエストにオタマサが応えてくれたおかげで、
ルッコラの御浸し♪
こんなもの、わざわざスーパーでルッコラを買って作ってたらバカみたいだけど、たくさん採れるからいいのだ。
さてさてお味は。
葉っぱ1枚でも相当なパンチ力、こうして束になってかかってきたら、最終12ラウンドの嵐のラッシュ!なみの連打になるかも。
まずはひと口。
ありゃ?
ボクサーはボクサーでも、引退して40年経った4回戦ボーイのパンチでしかない。
あの独特の辛味や風味はどこに??
というか、ほうれん草の御浸しですと言われても、きっとわからないはず。
ほんの1分、サッと茹でているだけなのに、火の力が加わるとこういうことになるのか、ルッコラ。
ようするに御浸しって、何を使っても結局こういう味になるのだなぁ。
ある意味スゴイ料理法かもしれない…。
Posted by クロワッサン at 08:46│Comments(0)
│島の美味いもの