2022年07月30日

君を忘れない。

2022年 7月29日(金) 晴れ昼から時々雨

東のち南西の風 少々うねりあるも穏やか

 人騒がせな台風は、結果的には台風の「た」の字も感じさせないまま、静かに本島東方から北方へと通り過ぎて行った。
 
 まだ通り過ぎる前のこの日朝の天気予報では、ほとんどの予報サイトが本島周辺では全然風が吹かないと告げていたというのに、ひとり気象庁発表の天気概況だけは、「風速15メートル」と連絡船欠航確定の数字を冷徹に告げていた。
 
 那覇の街中で暮らしていれば、風速が10メートルであろうが15メートルであろうが生活になんの支障もないだろうけど、離島民にとってはライフラインがストップするかどうかの瀬戸際の数字だ。
 
 おそらく台風予報にて強風域に入りそうな気配が濃厚ということで、強風域に入るなら風速15メートルでしょう、という短絡ヤクニン思考の予報だったのは間違いない。
 
 なんだかそのあたり、インフォームドコンセントの意味を解しきらず、不治である状況や余命を機械のようにあっさり告げるきょうびの若いお医者さんたちのようでもある。
 
 しかしフタを開けてみれば、日中こそ局地的豪雨はあったものの、桶屋が儲かるほどの風すら全然吹かず。
 
 今でこそいろんな天気予報情報源があるからいいものの、気象庁発表の予報が頼みの綱だったふた昔前なら、連絡船は間違いなく朝から全便欠航だったことだろう。
 
 世の中便利になったおかげで、連絡船は朝から通常運航、ビーチも渡久地港の駐車場も満員御礼の盛況になっていた。
 
 世間の実情に鑑みると、このうちの半数くらいは新型コロナウィルス感染者なのだろうなぁ。
 
 コロナといえば、ここにきて2類だ5類だという話が再燃しているようだけど、2類だと社会がストップしてしまう、5類だといざという時の措置がとれないなどなど、それぞれの支持者が一長一短を論じ合うことで終始している。
 
 2類でも5類でも不便なんだったら、新型コロナウィルスの実情に即して「コロナ類」って枠を新たに作ればいいじゃん…
 
 …という話にならないのはなぜなのだろう?
 
 衆を頼んで憲法まで変えちゃうことは可能なのに、なんで感染症の分類を現場に即して変更することができないんだろう。
 
 政治家を通して語られる話の内容は、ようするにヤクニンの思考に則った作文でしかないということか。

 しかしそんなヤクニンなのに、世界遺産の登録申請用の書類に致命的な不備があったそうな。

 書類仕事も満足にできないんじゃ、ヤクニンがヤクニンである意味はどこにあるんだろう??

 さすが衰退途上国。
 
 さて、この日は朝から本島に出て、午後に戻ってきたから海には行かず。
 
 なので話は数日前のことになる。
 
 キンリンサザナミハギのチビターレを紹介した先日も触れたように、これまで「珍」だと思っていたキンリンサザナミハギは、場所を選べばそこらじゅうにいるということが近年(個人的に)わかってきた。
 
 チビターレにこそおいそれとは会えないものの、オトナはフツーにいるのだ。
 
 そこで問題です。
 
 下の3枚の写真のうち、どれがキンリンサザナミハギでしょう?(1枚だけとはかぎりません)
 
君を忘れない。


君を忘れない。


君を忘れない。

 すぐにわかったからといって普段の暮らしになんの役にも立たないけれど、
 
 「“知るは楽しみなり”と申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます」
 
 と鈴木健二アナウンサーもその昔言っていたように、「知るヨロコビ」を知るヒトにはこれもダイビングのエッセンス。
 
 ハギといえば。
 
 ミヤコテングハギは砂地のポイントでも岩場でも浅場でフツーに観られる大型のハギで、独特の色柄をしているからご存知の方も多い。
 
君を忘れない。

 ところが↑このオトナは多いにもかかわらず、これまで記録に残しているミニマムサイズは、リンク先で紹介している10センチくらいのものがせいぜいだ。
 
 それより小さなチビターレの写真は残せていないから、チビチビの姿は観たことがない…と思っていた。
 
 そんなミヤコテングハギチビターレが、サンゴ群落の上にポツポツポツ…と集まっていることに気がついたのは先日のこと。
 
君を忘れない。

 海中で5センチくらいに見えたから、実際は4センチ弱ほどしかないチビターレだ。
 
 ハギの仲間のチビにはこういう形になるものも多いけれど、サンゴ群落の上にいるこのチビたちの動きは独特なので(ビビるとすぐに枝間に逃げる)、黒くても目立っている。
 
 そこで「はて誰じゃらほい?」と近づいてみれば、ミヤコテングハギの模様がうっすら見えていた、という次第。
 
 なるほどなぁ、遠目には真っ黒にしか見えないから、これまではミヤコテングハギのチビターレだと気づいていなかったんだなぁ…
 
 …とその日は納得したのだけれど、上記リンク先を見てビックリ。
 
 そこにはちゃんと
 
 「夏場になると、サンゴが群生する浅場などに、やけに黒っぽくなっている5cmほどのチビたちが、10匹前後で集まっている様子を観ることがある。」
 
 って書いてんじゃん、オレ。 
 
 この時期になるとたいていゲストをご案内中ってことばかりだから、これまでは「観るだけ」で終わっていたのだろう。
 
 やっぱビジュアル記録を残さないと、記憶に残りづらいのか…。
 
 ミヤコテングハギのチビターレ、これでもう君を忘れない。
 
 …来年同じことを書いていたりして。


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Posted by クロワッサン at 06:32│Comments(0)水納島の海吉田兼好
 
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