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2022年11月15日

セルフィー。

2022年 11月14日(火) 曇り

北の風 うねりあり

 お買い物で出掛けるついでに、秘密基地の例の作業のため本島で1泊。
 
 この日の夕食分の買い物は昼間の内に済ませていたのだけど、せっかくだからきよちゃんの焼き鳥も…
 
 …と、ひと仕事終えてから夕刻の混雑にまぎれながら大浜まで行ってみると、
 
 CLOSE.。
 
 たしか水曜定休だったはずなのに。
 
 あ、そういえば今年誰かが、月曜日が休みになってたって言ってたような記憶が…。
 
 それにしても沖縄県、道路工事が多すぎ。
 
 本部町内だけでもそれぞれ目的を異にしながらもあちこち開催中で、大浜あたりは全面的に片側2車線にするためにえらいことになっている。
 
 でもその工事は沿道の各お店がイメージ的に被害を蒙っているものの交通に関しては通常どおりだからいいとして、本部大橋北側の橋詰めの三叉路なんて、仮ながらもようやく工事がいったん終了してフツーに走れるようになったと思ったら、今度は「下水道工事」のせいで左折車線をふさいでいるものだから、夕刻の南向きはえらい渋滞になってしまっている。
 
 そんな時間帯に渋滞にはまってまで「本部市街地」までわざわざ出向いてきたというのになぁ…。
 
 鶏肉モードになってしまっている胃袋をなだめるために、次善の策としてサンエーで鶏もも肉を購入、島ニンニクは家から持ってきていたオタマサが、やる気系の鶏肉炒めにしてくれたのだった。
 
 話は変わる。
 
 先日紹介した、スゴイ図鑑の舞台裏ドキュメントの新書、まずは1章でも…と読み始めたらことのほか面白く、先が気になってついつい…とか、一気読み系のジャンルではないというのに、ひと晩かけて読み切ってしまった。
 
 おかげで一昨日の朝はずっとボーッとしていた。
 
 図鑑の制作話が面白いというのはすなわち、いかにこの図鑑の作り方が型破りかということの証なのだろうけど、それ以前にこの世界のみなさんの変態社会人ぶりが際立っているのだ。
 
 多種多様な虫たちのなかには、フンコロガシのように動物の糞をエサや子育ての場にするモノたちもいる。
 
 糞虫と呼ばれるそれらの虫たちもまた多種多様で、かといってそこかしこでホイホイ見つけられるものではない。
 
 そこでそっち系の変態社会人さんたちは、自らのう〇こで虫を呼び寄せるというのだ。
 
 そのために虫がいそうなところで人知れず野グソ、それが社会的に難しい場合はわざわざタッパに入れて持参するという。
 
 一般社会ではどう考えてもヤバい行いに思えるけれど、彼らの社会では極めてフツーの採集方法なのだそうな。
 
 もっとも、自分たちの社会の中で「フツー」だからといっても、そこはまっとうな社会に生きる彼らのこと、そういった自らの採集方法を誰憚らずおおっぴらに言葉にすることはない。
 
 そのかわり、変態社会でのみ通じるギョーカイ用語を代用しているという。
 
 すなわち、現場で野グソして採集することを「セルフィー」、そしてタッパに入れて持参することを「お弁当」と呼びならわしているそうだ。
 
 種類によっては犬の糞のほうが集まりやすいという場合もあり、いつでも持参できるよう、知人から貰い受けた犬の糞を、食料品用と同じ冷蔵庫に収納している人もいるらしい…。
 
 なんという変態ぶり。
 
 図鑑制作に参加している若い研究者のなかには女性もいて、彼女が担当していたのは、ご自身が愛するハエの仲間たち。
 
 ハエもまた、彼女の「セルフィー」によって採集されていたりするのである。
 
 なんという世界…。
 
 おそらくこの本を送ってくださった送り主さんの嗜好的に、この「セルフィー」が気に入っておられるのはまず間違いあるまい。
 
 それにしても、ダイビングにおける際立ってマニアックな興味の対象をお持ちの方を特に「変態社会人」と呼びならわしてきたけれど、虫屋さんたちのレベルに比べれば、「変態」なんて言葉がおこがましいほどの可愛いものでしかないかもしれない。
 
 ともかくそんなわけで、図鑑だけ手にしていたら知る由もなかったであろう裏話を知ることができたおかげで、1ページも、1文も、1語も見逃さず図鑑を第1ページから見始めてしまったワタシである。
 
 なるほど、このハエが彼女のセルフィーで…
 
 …という興味では見てませんから、念のため。
 
 ところで、前述のとおりこの図鑑の制作には、ギョーカイ各分野の方が参加されているのだけれど、そこに多くの若者たちが含まれていることにとても勇気づけられた。
 
 ワタシが勝手に言っているところの「空白の20年」の間に子供時代を過ごしていた方々のはずなのに、それでもやはり学研や小学館の図鑑を見て育ち、夢をかなえてそういう分野で活躍しているのだ。
 
 次々に統廃合して学校を減らしたり、「安全確保」のポーズのためだけに禁止事項をたくさん作ったり、見せかけの環境保護のために子供の虫捕りを許さないなどなど、子供たちが「育つ芽」を摘む一方の行政では到底考えられないチカラが、きっと子供の頃の彼らの身の回りにあったのだろう。
 
 こういった学習図鑑が、その大きなチカラになっていたことは間違いない。
 
 そういう意味では、将来我が子が野グソして虫を捕まえたりしないように…と、「禁書」にしてしまう親が出てくるかもしれない? 


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Posted by クロワッサン at 07:42│Comments(2)
この記事へのコメント
この変態感はたまりませんね
大好物なお話しです(笑)
Posted by ウメダ at 2022年11月16日 19:37
海中で「セルフィ―」はどうかご勘弁ください(笑)。
Posted by クロワッサン at 2022年11月17日 08:42
 
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