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2023年06月30日

ハチのひと仕事。

2023年 6月29日(木) 晴れ夕方ほんの少し雨滴

南の風 波あり 水温27度

 今日の海、特に午前中は、実に快適なひとときを過ごすことができた。
 
 ひょっとしたらこの先当分の間見納めになるかもしれないから、目と体中に焼き付けておいた。
 
 まったく話は変わる。
 
 蜂の巣といえば、ミツバチやスズメバチに代表されるように、すべて彼ら自身で作り上げた造形物を思い浮かべる方が多いはず。
 
 でも多種多様なハチの仲間には、そこらにある穴ポコを利用するものもいる。
 
 彼らにとって適度な直径の穴ポコであれば材質はほぼ問わず、草刈り機や原付バイクの排気ガスの出口も格好の穴ポコになる。
 
 しばらく使わずにいた草刈り機や原付のエンジンを掛けようとすると、プスンプスンいうだけでまったく掛からない…という場合、このオキナワドロバチの巣作りが原因というケースがちょくちょくある(田舎の場合)。
 
 木材に開いている穴ポコも、彼らの格好の物件になる。
 
ハチのひと仕事。

 木材のそのままの厚さでは木ネジの長さが足りないから、ほどよくなるようある程度穴を開けてネジ留めしてある部分。
 
 こういうものは、マメな方ならちゃんとフタをして見栄えを良くするものなのだろうけど、面倒くさいのでそのままにしてある。
 
 ところがそれを見かねたのか、ハチがちゃんとフタをしてくれる(画像の色味は異なるけれど同じ木材です)。
 
ハチのひと仕事。

 ジガバチ系のハチが、雨が避けられるコンクリートの壁に登り窯のような巣を作る様子は何度も観たことがあるのだけれど、エグゾーストノズルに悪さをするものと同じ種類と思われるこの巣穴の主の姿を、そういえばこれまで目にしたことがなかったような…。
 
 この完成している巣穴のすぐ下に、↓このような状態になっている穴ポコがあった。
 
ハチのひと仕事。

 おお、すでにイモムシたちがたっぷり詰め込まれている。
 
 イモムシはハチによって麻痺させられているので、この状態でも逃げ出せない…
 
 …はずなんだけど、床を見てみると数匹落っこちていた。
 
ハチのひと仕事。

 ん?
 
 …と疑問に思っているところへ、ハチ登場。
 
ハチのひと仕事。

 ん?
 
 これは他のハチの巣穴を壊して、中のイモムシを横取りしているのだろうか?
 
 それにしては、去ってはまたやって来る…を繰り返している。
 
 やがて、巣穴の様子が変わっていることに気がついた。
 
ハチのひと仕事。

 穴ポコの縁にそって泥が盛られている!
 
 そうか、このハチこそがこの巣穴の主だったのだ。
 
 このハチは(おそらく)オキナワドロバチという種類で、このようにどこかから土をもってきては自ら泥を作り、それを左官職人よろしくコネコネしてフタを作る。 
 
 床に落ちていたイモムシは、麻痺の度合いが低いものが蠢くうちに落っこちたのだろう。
 
 穴ポコにはこのハチの卵があるはずで、孵化した幼虫はその場ですぐさまエサにありつける、という寸法だ。
 
 そんなオキナワドロバチのフタ作り職人ぶりを動画で…。
 
 
 
 ↑これはまだ途中まで。
 
 続いての作業で、ついに穴ポコは閉ざされる。
 
 
 
 閉ざすだけでは終わらず、泥が穴ポコのスジ切り一杯になるように盛り付けるオキナワドロバチ。
 
ハチのひと仕事。

 そして…
 
ハチのひと仕事。

 完成!
 
 ものぐさ太郎が放置していた穴ポコを、見事に塞いでくれたオキナワドロバチなのだった(でも幼虫が羽化して外に出てきたら穴はまた開きますが…)。 


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Posted by クロワッサン at 06:25│Comments(2)昆虫記
この記事へのコメント
この手の蜂はトックリバチみたいな形をイメージしていたのですが、ドロバチの見た目が普通の蜂っぽくて個人的に驚きました!
Posted by 似非エンジニア at 2023年06月30日 08:57
そうなんですよ、ワタシも同じ先入観があったので、
てっきり「横取り」に来たハチかと思ってしまいました(笑)。
Posted by クロワッサン at 2023年07月01日 06:48
 
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